タカラレーベン不動産投資法人 2023年2月期決算概要
タカラレーベン不動産投資法人
2023年2月期(第10期)決算動画説明書
○動画 https://www.net-presentations.com/3492/20230421/jdfkgksd/
○資料
https://takara-reit.co.jp/file/ir_library_term-3fefb9cd70ef5d76e6314d6da915c39b60034a17.pdf
○説明者 タカラレーベン不動産投資法人 執行役員 兼
タカラPAG不動産投資顧問株式会社 代表取締役社長 宰田 哲男
○説明
タカラレーベン不動産投資法人2023年2月期(第10期)決算説明を始めます。資料に基づいて説明致します。
資料の3頁ですが、本投資法人の概要と特徴ですが、特徴としては、総合不動産ディベロッパーの開発力とファンド運用会社のソーシング力を活用して、着実な外部成長をしていく。それから、それ以外のスポンサーも含めたスポンサー各社の強みを最大限に生かした総合型ポートフォリオの構築を目指しております。運用ノウハウとオペレーション力に強みを持っているということで、安定運用と内部成長に強みを持っているということでございます。
4頁をご覧下さい。Executive Summaryです。この10期の内容ですが、左側に期初の目標或いは計画を、右側に実績を記載しております。分配金は、一口当たり2,710円の期初目標に対して、実績としても同額の2,710円ということになります。これは、後ほど出てまいりますが、内部留保していた利益をどれだけ分配に廻すかというところで、微調整を行っておりますので、全く同額の分配金を行っているというところです。外部成長に関しては、期初に公募増資を行いまして、住宅8物件、商業施設1物件を取得しております。それから、同じ10期の中で3物件の譲渡を行っております。第10期の期初、第11期の期初の2期連続となりますが、公募増資を行い、第11期の期初においては、住宅8物件を取得しております。次に内部成長です。後ほど詳細は出て来ますが、稼働率が低下した2物件の早期埋め戻しを、第10期の期中に成功しており、稼働率は、期首97.8%から期末98.9%に、これは全体ポートフォリオの数字ですが、上がっております。又、住宅物件を中心に賃料増額改定も進捗しております。又、ホテルセクターにおいては、名古屋のホテルにおいて、コロナ禍からの回復に伴い、オペレーターチェンジに伴い固定賃料で賃貸借契約を結んでいたものを、歩合賃料に変更した内容ですが、かなり増加をしてきております。この件も詳細は後ほど説明致します。ESGに関しては、メインスポンサーであるMIRARTH HDグループ、タカラレーベンからMIRARTH HDに名称変更を行い、HD Company化しております。HD Company化するに伴いタカラPAG不動産投資顧問株式会社は、タカラレーベンの子会社からMIRARTH HDの子会社になり、MIRARTH HDの主力事業の1つということで、アセットマネジメントビジネスが位置付けられるということもあり、ESG経営の強化に繋がってきております。本件も後ほど説明できればと思っております。財務に関してですが、期初の公募増資においてエクイティを60億円ほど調達、併せてデットの調達、短期借入金の返済を行っております。又、第11期の期初の公募増資において、エクイティ40億円を調達し、又、デットにても40億円を調達しました。
次の頁から夫々の項目について詳細を説明致します。
6頁は、第4回(第11期初)公募増資のハイライトです。今回は、40億円+オーバーアロットメントを含めると44億円ほどをエクイティ調達しました。この資金と手元にあった自己資金、借入金を使いまして、約106億円の物件を取得しました。
7頁をご覧下さい。この公募増資により、ポートフォリオの内容がどのように変わったかを記載しております。左側から上場時2018年8月の時点、真ん中が第3回の公募増資後、右側が第4回の公募増資後と、3時点をパイチャートで示しております。上段からアセットタイプ別の比率、地域別の比率、物件取得ルート別の比率です。アセットタイプに関しては、上場時には殆どがオフィスだったのですが、徐々にメインスポンサーのMIRARTH HDグループからの物件が増える中で、住宅がかなりのウエイトを占めてきております。直近の第4回公募増資後では、37%が住宅セクター、当初80%以上を占めていたオフィスセクターが34%となっております。地域別に関しては、大半、過半の50%以上が東京経済圏ですが、大きく、Drasticに変化をしてはいませんが、4大経済圏を中心に、我々は投資を行うという基本方針を持っておりますが、この4大経済圏以外のエリアに対する投資比率が、23%程度から17%程度に、6ポイントほど低下しております。それから、物件取得ルート別で申し上げますと、メインスポンサーであるMIRARTH HDからの取得が増加していることが見て取れると思います。
次に8頁です。公募増資の効果によって、ポートフォリオの内容が向上したことをこちらで、2つの観点で示しております。左側には平均築年数、上場来若返りが果たせております。年数を経過していますので、ポートフォリオの内容が全く変わらなければ、時の経過とともに築年は増えていきますが、新築の住宅棟を購入していることもあり、今現在に至るまで若返りが出来ております。又、右側に賃料ベースのテナント分散の状況を記載しております。全体ポートフォリオの中で、住宅セクターは1つのテナントに依拠する部分が少なく、又、退去されてもすぐに埋め戻しが出来ますので、テナントの分散は、元々効いているとの考え方をしておりますが、それ以外のセクター、商業施設、ホテルの2つの用途に関しては、基本的にはシングルテナントの物件が、我々のポートフォリオでは多いということもあり、テナントの分散というのは、そういったシングルのテナントとから長期の契約、或いは、契約が長期ではなくても、長期で頂く蓋然性が高い物件が非常に多いというところで、テナントの分散リスクという意味では、短期・中期で考える必要がないと言うことになりますが、オフィスセクターでは、マルチテナントタイプのオフィスにおいて、1つのテナントに大きなウエイトが掛かっているとか、6か月前Noticeで解約が出てくる事態が発生します。こちらは第9期末(2022年8月末)の時点と、直近の公募増資後の状況を記載しておりますが、リスクが多少あるというオフィスセクターの中で、一つのテナントがどのくらいを占めているのかを示しております。第9期末の状況では、オフィスセクターの中では一番ウエイトが高いテナントが3.4%、こちらが後ほど出てまいりますNTビルのテナントで、今回退去されるということで、一時的に収益が下がる1つの要因となったわけですが、これが3.4%を占めており、そしてそれ以外のテナントが居るという状況でした。今回の公募増資後解約があり、又、物件も多少増えている中で、直近のオフィステナント32.9%の中の上位10社をカウントしますと10%で、1つのテナントが占める割合が、No.1テナントも1.6%、平均すると上位10社が夫々1%程度という状況です。又、この上位10社の11%のうち、4%程度は、どちらかというとシングルで使って頂いているテナントで、粘着性が非常に高いテナントです。こういった構成ですので、残りの7%程度が6ヶ月Noticeで動かれる可能性があるということになりますが、一つ一つが分散されているということです。
次の9頁は、戦略的資産入替によるリスクマネジメントの推進についてです。資産入替ですが、左に増資に伴い取得をした物件で、上段に9件、下段に8件、合計で17件の取得した物件を記載しております。右には、第8期から10期にかけて、3期に亘って譲渡した物件、8物件を記載しております。中長期的な視点から、Cash-Flowの安定性にリスクがあるという物件を売却しております。或いは、一部Capital-Lossを出さざるを得ない物件もありましたので、Capital-Lossを穴埋めするような位置付けとして、売却をしている物件もありますが、基本的には中長期的にリスクのある物件を売却したいということで、このような入替の活動を行っているということでご認識願います。
10頁は、資産規模および主要財務指標の推移です。資産規模は負増えております。又、一口当たりNAVは、残念ながら今回の公募増資の時の投資口価格がはかばかしい価格ではなかったということもあり、低下しておりますが、従前と比べますと1.5%程度の低下に止まっていると見て頂ければと思います。又、一口当たりの分配金ですが、巡航ベースで示しておりますが、第3回の公募増資前の2,557円だったものが、第4回公募増資前には2,474円と2,500円をちょっと割り込むような位置付けになっていましたが、今回の、直近の見通しの中では2,600円というところです。そういう意味では、コロナの影響を受けまして、一時的に分配金が下がらざるを得ない状況が出て来ましたが、底を打って反転しているというところです。又、右下に、会計方針の変更について記載しております。本投資法人ですが、
7頁のパイチャートで示したように、住宅の比率が元々はそれほどなかったものが、増えてきております。総合型リートとして、色々な要素の物件を対象とするということでありますが、メインスポンサーであるMIRARTH HDの動向等を踏まえますと、住宅アセットの投資ということが、継続して増えていく可能性もあるという中で、今回消費税の取り扱いに関して会計方針を変更しています。住宅に関しては、消費税が非課税案件ということで、売買時に支払った消費税の還付が出来ないということになりますが、その部分に関して従前は5年間で均等償却していましたが、建物の簿価算入をするということで変更しております。
次に11頁をご覧下さい。財務基盤の拡充です。上段には借入先の金融機関の分散状況を記載しています。メインバンクである三井住友銀行を初めとした銀行、22行から借入を行っています。又、LTV、固定金利比率については、下段に記載しておりますが、LTVに関しては40%台の後半をキープしており、足元は47%程度です。それから、固定比率に関しては、90%を超える水準をキープしております。
続いて、第10期の決算の概要について説明致します。
13頁をご覧下さい。左側に初期予想と実績の対比、右側には前期(第9期)と第10期の対比を書いております。予想と実績の対比を見てみますと、予想の時点では織り込んでいなかった物件の売却、それに伴う売却益が50百万円ほど加算されていること、それからホテルの稼働状況が良くなって、歩合賃料も発生してきたということもあり、既存物件の収益が改善してきていること、それから、先ほど会計方針の変更と申し上げましたが、その影響による控除対象外の消費税の費用の減と、こういったものがあり、経常利益、当期純利益では夫々130百万円、1億円の改善という数字が出ております。分配金は、冒頭でも申し上げましたが、内部留保からどれだけ充当するかを調整しまして、最終的には分配金の総額としては同額としております。因みに、内部留保取崩しを、予想値では120百万円と見ておりましたが、実績ベースでは12百万円に止まっております。そして、右側の第9期と第10期の対比ですが、物件の売却が第9期、第10期共にありましたが、第9期の方が多かったこともあり、そうした入り繰り、即ち、売却によって売却益が出るが期中収益が減る、物件取得を行うことで期中収益が増えるという入り繰りですが、経常利益、当期純利益にしますと、第9期との対比では、さほどの大きな変化はないところをお分かり頂けるかと思います。但し発行済み投資口は、第9期末に対して第10期末は増加しており、一口当たりの分配金は第9期に対して減という状況です。
次の14頁はバランスシートです。10期はエクイティを調達し、デットを調達し、それらを使って物件を買っております。但し、この10期は、余剰資金全てを物件に充当したというよりは、減・預金のところが、3,447百万円との記載がありますが、第10期の期中では現・預金を余らせていたという状況でした。これも活用し、第11期の期初に増資を行いました。
次に15頁です。第10期の期初に第3回の公募増資を行い、取得した物件、住宅8物件、商業施設1物件の内容を記載しています。住宅8物件に関しては、スポンサーであるMIRARTH HDからの取得で、商業施設1物件は、所謂、マーケットから取得しました。物件の数でいいますとスポンサーからの数が多いのですが、金額にして50億円ほどはマーケットからということになります。
続いて16頁は、ポートフォリオの分散状況です。左側に日本地図にプロットしたポートフォリオの地理的分散状況を示しております。先ほど説明のパイチャートでも説明しましたが、東京経済圏に過半、50%以上が投資されており、それ以外の4大経済圏、名古屋。大阪、福岡ですが、福岡は10ポイントを割っておりますが、他の経済圏には10ポイント以上が投下されています。右側のパイチャートをご覧頂きますと、東京経済圏、名古屋、大阪、福岡経済圏を合わせますと80%を超えており、残りの約18%の中に、政令指定都市、或いは、その他中核都市に投資されております。又、用途に関しては、先ほど申し上げましたよう状況です。
次に17頁は、稼働率、資産規模の推移です。左上に記載していますが、稼働率は6期末に、黄色のホテルの稼働率が一時的に低下をしております。名古屋のホテルでオペレーターを変更せざるを得ないという事態となりまして、一時的に稼働率がゼロとなり、このような状況となっております。オペレーターを変更し、稼働率としては巡航の水準に戻っており、ポートフォリオ全体では、99%程度を第8期、9期、10期と継続して出しております。右に当期ポートフォリオ稼働率(月次ベース)を記載しております。又、下段に資産規模の推移を記載しております。売却もありますが、公募増資に伴う物件取得というイベントも記載しており、10期末で1,210億円、第4回公募増資後で1,316億円、という資産規模の推移です。
18頁以降に、各用途別の期中実績を示しております。
18頁をご覧下さい。上段は、オフィスセクターの稼働率と賃料単価の推移です。期首に、変動する要因のあるテナントの退去、リスクが顕在化したこともあり、2022年9月末には、オフィスセクターの稼働率は、91.8%まで低下しておりましたが、早期の埋め戻しに成功しまして、2022年11月以降は97%台を維持しております。ポートフォリオの賃料坪単価は、赤坂の小型のビルを売却したというような影響、そのビルの単価が18,000円半ば程度でありましたので、その影響もありポートフォリオの賃料単価が下落しましたが、全体的には安定的な推移をしていると見ております。又、賃料改定状況を、下段に記載しております。左側に更新時、右側に新規契約時のグラフを書いています。これらは、件数ベースです。オフィスは、今回はオフィステナントがありましたが、更新とか、新規契約が毎期大きな件数がある訳ではなく、件数にしますと、更新が30件とか40件、新規契約ですと先期が3件、今回だと16件と、ちと多めという状況です。今回、更新時に関しては28件あり、1件は増加、それ以外は変動なしという状況です。又、新規契約に関しては、16件のうち1件は増、5件は変動なし、10件は低下という状況でした。この10件のうち8件は、博多冷泉町ビルでして、これはマスターリース18,000円だったものを、マスターリース期間が終了し、変動テナントに賃貸が始まるという時期をこの第10期に迎えており、残念ながら、ここではマスターリース賃料よりも低下した賃料で契約し、テナントを入れたというのが、新規契約の状況です。
19頁は、稼働低下物件のリーシング状況です。第8期、第9期にも説明しました、稼働率が大きく低下したNTビルと博多冷泉町ビルの2つの物件です。NTビルに関しては、当期稼働率76%程度が95%程度まで上昇しましたが、1階のテナントが退去され、89.5%というのが足元の状況です。今は、1階と最上階が開いているという状況で、いずれも条件の良いフロアということで、退去したテナントの賃料よりは良い条件で埋めたいと、慌てずにリーシングをしたいというスタンスでおります。右側に記載の博多冷泉町ビルについては、一時的には33.3%まで稼働が低下しましたが、順次制約をして、23年2月時点で89.0%の稼働率まで回復をしております。更に、23年4月からは96.8%まで回復してきているというのが今現在の状況です。下段に電気料金の上昇に関して記載しています。オフィス以外の用途、シングルテナントの物件を初めとして、投資法人として電気料金の上昇を、直接的に影響を受けるということは比較的少ないのですが、オフィスセクターは、どうしてもその影響を受けやすいというところがあり、このセクターにおいて、水光熱費の収入と支出の状況について示しております。収入については、省電力化の流れの中で、使用量の減に伴い減じております。支出については、単価の上昇に伴い増えております。こうした状況が、2021年8月期以降出て来ていますが、テナントへの請求単価の見直しを行うことで収入も増えてきており、支出も電力会社の切替えで、値上げ幅をできるだけ圧縮しようとしております。こうした2つの動きのしており、第11期には収支を改善していきたいと思っております。そうした意味では、オフィスセクターというより、我々のポートフォリオに関して、電気料金の上昇というのは、それほど大きな影響は受けていないというのが現在の状況です。
20頁は、住宅の頁です。上段に稼働率と賃料単価推移を示しております。稼働率に関しては、97%内外をキープしており、単価に関しても安定的に推移しております。下段に賃料改定状況で、更新時、新規契約時をオフィスと同様に記載しております。住宅に関しては件数が非常に多く、更新時に関しては、今回は200件ほど更新されております。この中で、20件弱が賃料増、具体的には、タカラレーベンから供給された平和台、流山を初めとした物件で更新時増となりました。残りの180件ほどは変動名という状況です。新規契約時ですが、70件ほどで賃料増、40件ほどで変動なし、50件ほどで賃料減となりました。こちらも、新規契約時に賃料増となったのは、門真、平和台、戸田公園、流山で増額となりました。賃料減ですが、勝どき、秋葉原、川崎大師、大阪の堺とか都心に近い物件において、これはその部屋が従前にいくらで入っていたかという個別要因が大きいところではありますが、そういったところを中心に、大きな下げではありませんが、件数にすると50件ほどが下げております。
21頁は、2019年、20年、21年、22年にスポンサーから取得した物件、夫々1件ですが、取得後の賃料単価の推移を示しております。ラグゼナ勝どき、ラグゼナ本厚木、ラグゼナ流山おおたかの森、プレアデス難波東の4件について、取得後1%乃至4%程度、年率にすると1%から3%の範囲に入りますが、上昇しております。物件全体でこれだけ上昇しておりますので、例えば、流山で新規契にてテナントの入替えがあった場合には、9%近く増加し2頁は、商業施設の期中運用実績です。左側に全ての商業セクターが写真で掲載されていますが、生活密着型が85%、残り15%が非日常型、コト消費型に分類されます。生活密着型に関しては、テナントの営業状況も非常に良好であり、賃料も余裕思って支払っているという状況です。非日常型、コト消費型も、分類としては生活密着型とは異なりますが、ビッグモーターに関しては、営業状況も向上していると聞いており、長期の契約の中で、安定的な収益を収受しております。プリオ大名Ⅱのみがマルチテナントの商業施設ということで、変動がある物件ですが、テナントの入替えによって、賃料増が望めるような環境に好転してきているという状況になってきております。
23頁は、ホテルの期中運用実績です。左側に我々のポートフォリオの中のホテル3物件のうち2物件、ドーミーイン松山、ドーミーイン盛岡、この2物件からは固定賃料を収受しておりますが、コロナ禍が始まりましても、賃料を減ずることなく、実際の営業状況もさほど低下することなく推移しておりますが、2021年と22年を対比しますと、稼働率は2021年に、既に回復してきておりますが、単価に関しては、下段にありますように、2021年よりも21年の方が更に戻ってきているという状況です。右側に変動賃料の物件、ACCESS by LOISIR HOTEL Nagoyaですが、歩合賃料が発生を始めております。実は、オペレーションチェンジをする前の従前のテナントとは固定賃料の賃貸借契約を結んでおりまして、昨年の12月と、この3月には、その賃料を上回る歩合賃料が出て来ているという状況です。このホテルが特別に良いという訳ではなく、名古屋経済圏におけるビジネスホテルの需要、イベントの需要にホテルを使い方が多いこともあり、そうした需要を捉えながら、順調に回復をしてきているという上です。
次が24頁、財務の状況です。LTVを初めとした財務指標、発行体格付け、それから返済期限の分散状況を示しております。格付けに関しては、2社の格付け機関から格付けを得ておりますが、これらの見方は、リスクの分散、テナントの分散、物件の分散がどれだけできているかが、大きなウエイトを占めているとのことであり、これらを我々が分散をしていく中で、評価を高めていく方向に持っていきたいと思っています。又、返済期限の分散状況ですが、岩シュル、マチュリティラダーを記載しておりますが、ピークでも100億円、殆どが100億円以下であり、分散ができている状況です。
25頁が投資主の構成比率です。金額別で申し上げますと、37%程度は個人で、37%程度が金融機関という内訳です。J-REIT平均からすると、個人の比率が高いというのが現在の状況です。個人の方を歓迎しないという訳ではありませんが、流動性の高い方、安定した投資主を増やしたいという中で、法人・個人というよりは安定した投資主を増やしたいと目論んでおり、我々の時価総額が小さい中で、我々を投資対象として見て頂けない大型・大口の機関投資家が多い中で、こうした戦術になっていると思っております。この辺は投資主の流動性、時価総額を高めることによって、更に安定した投資主の皆様にも投資をして頂けるような内容にしていきたいと考えております。
26頁からESGの頁を、3頁ほど用意しております。
26頁はマインスポンサーであるMIRARTH HDに関して記載しております。冒頭でも申し上げましたが、昨年10月1日に、株式会社タカラレーベンがMIRARTH HD株式会社に商号変更を行い、Holding Company化を致しております。これに伴い、従来、その他事業の1つと位置付けられていたアセットマネジメント事業が、3つに柱である、不動産事業、エネルギー事業、アセットマネジメント事業の1つに入っております。こうし中で、MIRATH HDにおいても、環境に関して、特にエネルギー事業も取り上げていることもあり、環境に関しての取組みを非常に高めていきたいという位置づけであり、そうした中で、我々のビジネスも、環境面も含めて、MIRART共々高みを目指したいところです。
続いて27頁ですが、ポートフォリオに入っている個別の物件の認証、GRESB、SDGsの取組みを記載しております。個別の物件も、認証がかなり進んできております。
ESGのEだけではなく、Sの社会への取組み、Gのガバナンスへの取組みといったところも、テナントとのコミュニケーション、運用会社の従業員とのコミュニケーション、投資主本位の業務運営に関してのガバナンスの更なる強化に取り組んでおります。又、ESG情報の開示に関しても、更に強化を継続しております。
次の頁から第11期(2023年8月期)、2024年2月期(第12期)の運用戦略について説明を致します
30頁をご覧下さい。左側に第10期の実績と第11期の予想の対比、右側に第11期の予想と第12期の予想の対比を示しております。第10期、第11期とも物件の売却は想定しておりませんので、その売買に関する内容が10期に対比すると変動しています。又、新規取得した物件の収益が期中収益に貢献しています。最終的には、当期純利期で、第11期の予想は、第10期に対して40百万円ほど増益となり、内部留保も使い分配金総額としては66百万円ほどの増と想定をしております。第12期ですが、第11期に対して既存物件の期中収益が増えることで、当期純利益が60百万円弱の増、分配金総額は内部留保の充当額を調整し、最終的には15百万円の増とし、一口当たりの分配金としては、第11期は2,600円、第12期は2,623円と想定しております。因みに、内部留保の残額は、第11期末時点で204百万円となります。第12期は、内部留保の充当はしない前提で想定をしており、この2,623円は内部留保を充当しない、或いは、物件の売却益の寄与がない数字です。一口当たりにしますと260円ほどの内部留保が、第12期末の時点で残るという想定です。
次に31頁は、第11期の取得済み案件です。公募増資によって8物件の住宅を取得しております。いずれも、非常に安定した稼働状況が見込める、一時的には低下をしていた物件もあります。
32頁は優先交渉権の取得について説明します。上段にはアイランドシップ4号の、ブリッジファンドからの優先交渉権について記載しております。都合、170億円ほどありましたが、この中から106億円ほどを、どのように第4回公募増資で取り出して、残りが60億円ほどになります。東陽町、難波元町、御徒町の3物件が残っております。そして、アイランドシップ5号からの優先交渉権ということで、2023年3月末に優先交渉権を締結しておりますが、八王子と錦糸町、どちらもタカラレーベンが作ったラグゼナ2物件ですが、25億円ほどの物件がブリッジファンドに入っております。
次に今後の成長戦略です。
34頁をご覧下さい。外部成長戦略ということで、ここ暫くこの頁を用意して、我々がどのような情報を入手しているか、件数、金額を用途別に、どのような内容の物件情報が入ってきているかを示してきております。2019、20、21、22と、金額は増加の傾向ですが、2023年も同じような水準の金額、規模の物件情を入手しております。こうした物件の中から、左下に書いていますが、スポンサーパイプライン、運用会社独自ルートにおいて、優先交渉権が獲得されている物件があります。スポンサーパイプラインの物件に関しては、次の頁に出てまいります。運用会社の独自ルートに関しては、概算で230億円ほど、先ほどのブリッジファンドで示しておりましたが、60億円と25億円の都合85億円ほどの物件があり、これを含めて230億円が、運用会社独自ルートとなります。ブリッジファンド以外の物件としては、ホテル、オフィス、物流などが130億円ほどあります。
35頁は、スポンサーパイプラインの状況を示しております。左側に住宅、右側にオフィス、ホテルを記載しております。金額にすると、件数も多いのですが、住宅が多く約7割以上、オフィスが2割ほど、ホテルが5%強という内容です。全体で440億ほどになります。エリアでは、東京経済圏が8割程度で、残りが名古屋、福岡、その他となります。
36頁は中期分配金の目標についてです。2018年の上場来、3,500円を目標と置いておりますが、コロナの前に巡航分配金が3,100円までいきましたが、3,000円を割り込む状況になりました。このような状況下でも、3,500円達成の時間は、多少要するにせよ、達成目標として継続して置いております。冒頭でも申し上げましたが、第10期には、巡航分配金が2,500円を割り込むような数字が出ておりますが、12期では巡航分配金2,600円が想定され、ここからホテルの稼働、一時的に低下したオフィスの稼働の回復も含めて、目指していけるのではないかと思っております。又、外部成長で、エクイティ資金を如何に調達するか、どのように物件を取得していくか、こうしたことも含めて3,500円の達成を目指していきたいと考えております。
38頁からはAppendixの頁です。
38頁はオフィスと住宅の稼働率です。オフィスセクターは、2月末時点で97.0%、期初の9月末からは5ポイントほど上昇しております。住宅は、安定的に推移しております。
39頁のホテルは、100%、商業施設に関しても、今回は100%です。プリオ大名Ⅱで、テナントの入替えが、第10期を終わった時点で出てきており、一時的には80%に低下しますが、既に後継テナントは手続きに入っており、5月には100%に戻ります。ポートフォリオ全体としては、98.9%が2月末の状況ですが、第11期、第12期の期中の平均で言うと、98.5%、98.8%とほぼ同水準を維持できるのではないかと思っております。
40頁、41頁では不動産鑑定評価の概要を記載しております。
40頁のNTビルに関しては、期末鑑定評価額が1億円ほど向上しております。これに関しては、テナントの入替に伴い賃貸借面積の再確認を行い、賃貸借面積が増えたことで、鑑定NOIも0(ゼロ)になっていますが、100万円までいかない程度で上がっており、鑑定評価額も上がっております。博多祇園ビルが30百万円向上しておりますが、これは資本的支出、空調工事が進行しており、DCFの部分で、最初の部分が剥落してくる影響で、評価額が上がっております。L.Biz神保町、仙台日興ビル、川越ウエストビルで、鑑定評価額が10、20百万円低下しておりますが、固都税が上がっている影響、それから、水光熱費が若干上がっていることの影響が出ております。それから、博多冷泉町ビルで110百万円下がっておりますが、これは、鑑定機関として見る賃料単価に関して、500円ほど今回は低下をしているということで、この影響が出ております。住宅セクターですが、アマーレ東海通の10百万円減というのは、固都税のアップが影響したものです。その他、多少向上しているものは、キャップレートの低下の影響がその要因です。又、ラグゼナ秋葉原は▲30百万円ですが、これは先ほどの博多冷泉町ビルと同様に、鑑定機関として見る賃料単価の低下、100円ほどですが、低下が影響して▲30百万円の結果となっております。
41頁のホテルで、ドーミーイン盛岡が▲10百万円となっていますが、これは、エンジニアリングレポートの定期的な再取得において、今回はドーミーイン盛岡が該当しており、長期修繕が従前よりコストが掛かるということで、鑑定評価に反映され、▲10百万円となったものです。名古屋のホテルが10百万円ほど上がっておりますが、これは、鑑定機関として見る負担可能賃料が、単価にして150円程上がったことによるものです。このへんは、もう少し状況が改善してくれば、上がってくるのではないかと思います。商業の中では、神戸垂水のYAMADA電気の底地が▲60百万円ですが、底地は定期借地ですが、定期借地の残存期間が、10年を割り込んだ状況で、DCFを10年引いているものが短くなってくることで、その影響を受けているというものです。実際には、期間を割ってテナントが退去するということは想定されない、逆にそのようなことを具体的に相談しなければいけないような状況ではないというところですが、鑑定としては賃貸借契約期間の残存年数が減じたということに伴って、このような評価になっております。
42頁、43頁に貸借対照表、或いは、損益計算書、Cash-Flow計算書等を設けております。43頁の損益計算の中で、当期純利益の前期繰越利益の下段に、会計方針の変更による累積的影響額106百万円ほど記載していますが、これは会計方針の変更によって出てきた影響です。これが繰り越し利益に加算されております。
44頁以降は個別物件の収支状況です。全物件の成績表みたいなものですが、いくつかの物件の説明を致します。先ず、NTビルです。旗艦テナントの退去があり、第10期は、NOI利回り1.61%と、かなり低下をしてきております。安定稼働の場合、3%半ば以上が期待できる物件ですので、そこまで順次改善していくよう努力してまいります。
次の45頁にL.Biz仙台がありますが、こちらのNOI利回りは4.75%です。ここでは、修繕に、前期は10万円だったものが、今期は10百万円ほど使いまして、その影響が従前のNOI利回り5.75%が、今期4.75%となったものです。こちらも、5%以上に回復できるものとご認識願います。売却はしましたが、赤坂川瀬ビルですが、1階のテナントが一時的に退去するとか、売買に伴って一時的なコストも発生するというようなこともあり、2%程度の収益でありました。これは、既に売却済みです。
次の46頁です。博多冷泉町ビルは、マスターリースが外れ、エンドテナントとの稼働が低い状態からスタートしたこともあり、第10期は▲0.49となりました。こちらも埋め戻しが進んでおり、順次改善していくという状況です。それから、ドーミー浮間船渡ですが、先期のNOI利回りは4.3%でした。一時的に下がったことを説明しましたが、1階の商業部分のテナントの入替に伴い、通常の利回り5.8%に戻っております。
47頁のラグゼナシリーズを中心とした物件群は、安心のできる稼働状況、或いは、収益状況です。
48頁、49頁の物件群も同様です。
50頁には、新規で講習した物件、川崎太師、高井田の物件ですが、入っていますが、こちらは一時的に、取得時に、オーナーの状況では、従前の稼働率がそれほど高くなかったという状況から、取得をしておりますので、第9期、第10期の低い数字からのスタートしております。川崎太師は第9期に3.3%程度であったものが、第10期になり回復を果たし、4%を超えてきております。もう少し、4.2%程度は上がると思われ、回復してきております。高井田は,残念ながら稼働が90%前後だったこともあり、3%の後半というところですが、これは4%半ばが望める物件であり、3月末の段階では稼働率100%でありますので、早期に4%を越えてくると思います。ラヴィータ東上野ですが、稼働率80%前後で取得し、暫くそのまま推移しており、2.59%という数字となっていますが、ここも3%の前半から半ば程度が望める物件です。こちらも3月末では100%稼働となっており、順次改善してくると思います。
51頁は、新規取得物件ですので、先期との対比というのではありませんが、鑑定として見ていた、或いは、我々として見ていた数値を達成しているかどうかというところです。ただ、こちらで出て来ているNOIは、取得時の固都税が簿価に算入されるという底上げの効果もありますので、若干巡航の数字よりは高い水準が、第10期のNOI 利回りでは出てきております。
次に52頁ですが、右の名古屋のホテルですが、先期、0.75%と漸く赤字から黒字に転換した旨報告しましたが、今回は3.17%となっております。収益が向上しておりますが、更なる向上が望めると思って居ります。
53頁は商業施設ですが、左から2番目のコープさっぽろ春光店は既に売却済みですが、売却に伴う一時的なコスト等もあり、第10期は6%を切るような水準でした。本物件は売却済みて、ポートフォリオからは外れております。
54頁、55頁は商業施設の続きですが、こちらは想定している固定賃料を、夫々のシングルテナントから受取っており、営業状況もヒアリングしておりますが、問題なく推移をしております。
56頁には各種指標、57頁に我々資産運用会社の概要、58頁に上場以降の投資口価格の推移を、参考までに添付しております。
私の方からは、説明としては以上です。有難うございました。