ラサールロジポート投資法人 2023年2月期決算概要
ラサールロジポート投資法人
2023年2月期(第期)決算動画説明書&質疑応答
○動画 https://www.irwebcasting.com/20230418/1/f81c45f82d/mov/main/index.html
○資料
https://lasalle-logiport.com/file/term-d50f534da940c5b79abfdb0c209645bd67b03630.pdf
○説明者 ラサールREITアドバイザーズ株式会社 取締役財務部長 地紙 平
○説明
2023年2月期の決算について報告致します。
資料の3頁をご覧下さい。先ずは前期の運用ハイライトを簡単に説明致します。前期の分配金については、予想の3,080円に対して、17円上振れ3,097円で着地しました。今後の運用戦略には変更がなく、引き続きアクティブ運用戦略の3本柱を軸に、投資主価値の向上を目指していきます。但し、昨年以降不透明な資金調達環境が継続していますので、特に外部成長戦略の遂行には、工夫が必要と認識しています。パイプラインは2,700億円に継続拡大していますが、今後の外部成長戦略に、より柔軟性を持たせるため、一部の物件を新しく組成したブリッジファンドに集約しました。この点は後ほど説明致します。内部成長は引き続き堅調で、第14期は倉庫区画の満室稼働が継続し、過去最高の期中平均稼働率を記録しました。賃貸借契約の満了を迎えた区画についても、賃料ギャップの解消と、設備投資の組み合わせにより、加重平均で5.5%の賃料増額改定を実現しました。財務については、今年の2月に上場時の借入金150億円のリファイナンスを完了しました。又、本投資法人は現在、130億円のFree-Cashを有していますので、今後の成長戦略のために有効活用してまいります。以上が前期の運用ハイライトです。
続いて4頁をご覧下さい。第14期の分配金の予想対比と、第15期、第16期の業績予想について説明致します。元々第14期の予想稼働率は、実績と同じ99.3%の見込みだったため、収入の更なる上振れは、事務所や駐車場の収入増加によるものです。上振れ着地の主な要因は、修繕費が当初予想よりも抑えられたことにあります。第15期の分配金は3,080円を予想しています。保有物件に対する堅調な賃貸需要に下支えされ、賃料収入の増加は継続する見込みですが、水光熱費や金利固定化などの費用について、一部保守的に見積もった結果、予想分配金は第14期の当初予想と同額となる見込みです。又、第16期(2024年2月期)に賃貸借契約の満了を迎える面積が、平準期よりもかなり多いことに伴い、一時的の増加する再契約やテナント入替に掛かる仲介手数料などのリーシング費用を。第15期に通常よりも多く計上する見込みです。従い、この一時的な費用増加に対する分配金の平準化を図るために、一時的利益超過分配を実施することを見込んでいます。第16期は、稼働率の想定や、各種費用を保守的に見積もり、今期より15円低い3,065円を予想しています。
続いて5頁をご覧下さい。今後の運用戦略について説明致します。2018年に掲げたアクティブ運用戦略を構成する3つの柱の枠組みは、今後も変わらず維持していく予定です。しかし、昨今の資本市場環境の変化に対応するため、特に外部成長戦略の取組みについて、変化を加えています。先ず、ポートフォリオ戦略の一環で、一部のパイプライン物件を、今般、新たに組成したブリッジファンドに移管しました。これにより、本投資法人による物件の取得タイミングを、比較的柔軟に調整することが可能になりました。昨今の不透明な資金調達環境下、資本コストを意識した外部成長を行う上では、取得時期の見極めと柔軟性向上は、益々重要になってくると認識しています。又、外部成長戦略を下支えする目的で、バリューアッド戦略の考え方にも変化を加えています。今まで通り、低稼働物件や開発案件に対して、付加価値を創造する取組みは継続しつつ+αの要素として、仮に物件取得が遅れた場合にでも、超過収益の取得が可能となるような仕組み作りを行っていきます。アセット戦略に関しては、引き続き旺盛なテナント需要を捉え、賃料ギャップの解消と設備投資を組み合わせた賃料増額や、増築など物件収益力の向上を目指してまいります。
6頁をご覧下さい。本投資法人のバリューアッド戦略の考え方を改めて整理致しました。今まで、バリューアッド戦略の取組みは、ロジポート尼崎やロジポート大阪ベイなどの過去の事例の通り、頁左側のバリューアップのフェーズを中心としたものでした。昨年以降、独自のソーシング活動の成果が積み上がり、足元のパイプライン物件のラインアップの中には、バリューアップフェーズのもう一つ前の段階のものも増えてきました。例えば、開発リスクを抑制しつつ、外部事業者の早期売却ニーズを捕捉するために、竣工と同時に物件を引き渡しを行うフォワードコミットメント案件、加えて、バリューアップの完了後、安定稼働物件をウエアハウジングするケースもあります。例えば、今年3月にスポンサーが開発した安定稼働物件をブリッジファンドに移管しました。本投資法人の資金調達環境が整うまで、ブリッジ期間中に簿価の逓減を図るとともに、本投資法人がブリッジファンドに出資することで、ブリッジ期間中の出資に対する配当を収受することを目指します。このように、バリューアッド戦略の投資対象範囲を拡大することで、様々なステータスの物件をパイプラインとして確保し、将来の外部成長の準備をできるようになりました。
7頁をご覧下さい。先ほど説明したバリューアッド戦略を遂行する上で鍵となるのがブリッジファンドです。昨年12月に比較的長期の、且つ、複数のパイプライン物件を、一つのファンドに集約することが可能な、ブリッジファンドを新たに組成しました。本投資法人は、Same boat出資の一環で、このブリッジファンドに昨年以降、計3回の匿名組合出資を行っています。現時点で計7物件、総資産732億円のパイプライン物件を、本ブリッジファンドで運用しています。又、本投資法人からの出資金額は、合計7.5億円になりました。本ブリッジファンドは、最長で5年間の運用期間を設けており、その間本投資法人は取得に関する優先交渉権を有しています。本ブリッジファンドを組成することで、この頁の右側に示すようなメリットを享受することができ、バリューアッド戦略と新規パイプライン物件のソーシングの幅を広げつつ、外部成長戦略の柔軟性を向上させることが可能になりました。
8頁をご覧下さい。こちらが現在、本投資法人が確保している全パイプライン物件の一覧です。金額にすると未公表のものの含め全22物件で、合計約2,700億円相当の規模になります。前期は、スポンサーが新たに着工したロジポート多摩瑞穂とロジポート福岡粕屋の2物件が追加されました。又、現時点で未公表ですが、新たに土地の取得を行った、計画中の案件も1つ追加されています。本資産運用会社による独自のソーシング活動も継続しており、先期は、尼崎案件の優先交渉権を新たに取得しました。
続いて9頁をご覧下さい。先ほど紹介したパイプライン物件のうち、バリューアッド戦略に該当するものについて、足元のステータスをこの頁で整理しています。大きく分けると4つに分類されます。1つ目は左上に示している本投資法人による取得の準備が整っている、或いは、整いつつある物件群で、これらは既に竣工済みで、先ほど紹介したブリッジファンドにて運用しています。安定稼働済みのもの、テナント内定済みのもの、リーシング中のものと、ステータスに若干の差はありますが、本投資法人による取得が最も近い物件群で、ロジポート京都、ロジポート加須はスポンサー開発物件ですが、現在はブリッジファンドに移管し、ウエアハウジングをしています。2つ目は右上の通り、現状竣工していないものの、竣工後にブリッジファンドに移管する物件群です。これらは、竣工を前提条件として売主からの引き渡しがなされる予定で、既に売買契約を締結しています。このうち、入間案件、尼崎案件は、既にテナントが確定しています。3つ目は、左下に示している開発前から本投資法人が開発SPCに出資している2案件です。大阪住之江物流センターは、3月に竣工を迎え現在稼働済です。松戸案件は、外部事業者との協働開発案件で、昨年11月に初回の出資を行い、今年の下半期着工を目指して準備中です。右下の東扇島(底地)は、引続き本投資法人にて保有しており、具体的な計画は未定です。上位期の通り、各パイプライン物件のバリューアップは、順調に進捗しており、外部成長の準備は着実に整ってきています。
10頁をご覧下さい。続いて内部成長についてです。先ずは、前期の実績について、この頁で纏めています。第14期は、当初の見通しの通り、過去最高の期中平均稼働率99.3%を達成しました。これは、全物件の倉庫区画が、期中を通して満室稼働を継続したことを意味していますので、引き続き本投資法人のポートフォリオにおけるテナント需要の強さが持続しています。第14期に賃貸借契約の満了を迎えた約10万m2は、全て契約更改が完了し、加重平均で5.5%の賃料増額改定を達成しました。過去6期の平均は6%ですので、前期もほぼ同水準の増額率を維持できています。又、再契約率も約8割と、高い水準を維持しています。
11頁をご覧下さい。こちらは、今期および来期の業績予想の前提、および契約更改の進捗についてです。今期の想定稼働率は99.0%、来期は98.2%を見込んでいます。これらの前提の中に、何か特殊要因がある訳でもなく、現時点でテナントと協議中の区画については、毎期同様の考え方で、一定のダウンタイムを見込んだ保守的な前提です。来期は約25万m2と、平準期よりかなり多い面積での契約満了を迎えるものの、改定内定率は3割弱と、半年前の内定率で見れば過去と同水準であり、進捗は順調と言えます。現時点で契約更改が内定済みの区画における賃料増額率は、今期は+6.3%と、こちらも過去6期の平均と同水準を策定しています。来期は、現時点で3.9%と、賃料ギャップ約4%と同水準で契約更改が、現時点で進捗しています。
12頁をご覧下さい。この頁では、直近で特に大きな賃料増額改定を達成した事例と、ロジポート北柏で取り組んでいる増築の進捗を報告します。先ほどの頁で示しました賃料増額率には含まれていませんが、東扇島B棟の普通借区画について、賃料ギャップの大幅な解消を実現しましたので取り上げています。1階の約3,600坪の区画にて解約通知を受領したものの、ダウンタイムなしで後継テナントが決まり、割安だった賃料を約7割引上げ、賃料ギャップを解消することに成功しました。テナント入替と同時に、照明器具のLED化や空調の導入など設備投資を行い、快適性の向上を進めています。又、予てから取り組んでいるロジポート北柏の敷地内での冷凍・冷蔵倉庫の増築については、3月末に工事請負契約を締結し、来年4月の竣工に向けて、プロジェクトが本格的に進み始めました。
13頁をご覧下さい。第14期のリファイナンスと現在の財務指標についてです。上場時の借入金合計151億円のリファイナンスを、今年2月に完了致しました。償還期限の分散を維持しつつ、3つの異なる年限に分け、金利の固定化比率と金利のヘッジコストのバランスを意識しました。金利のスワップコストが昨年末以降上昇基調にあることから、一部変動金利で調達しています。有利子負債全体の固定化比率は、9割を維持する方針でリファイナンスを行いました。今後も、先ずは償還期限の分散化、マチュリティラダーの平準化を第一優先とし、その範囲内において、最適な借入年限を都度決めていきたいと考えています。又、基本的に金利リスクは取らず、固定化比率をなるべく維持する方針ですが、金利ヘッジに掛かるコストとのバランスを考えながら、一部変動金利を織り交ぜて、借入調達を検討したいと思っています。
14頁をご覧下さい。財務戦略に関連して、手元資金の活用について説明致します。第14期までの手元資金の活用事例として、大きく3つ用途に活用してまいりました。1つ目は、住之江案件、松戸案件に代表される開発プロジェクトへのマイナー出資、2つ目は、新規ブリッジファンドへのSame Boat出資、3つ目は、増築プロジェクトです。今まで、これらの用途に使った金額の合計は28億円ですが。本投資法人は、引き続き130億円の自由に使える待機資金を保有しています。資本コストが高まる環境下、手元資金は貴重な低コストの資金ですので、この頁の右側に示していますように、今後の外部成長・内部成長遂行のために、有効活用してまいります。又、本資産運用会社独自のソーシング活動を継続する中、新たな投資機会の獲得において、機動的な資金調達が必要な場合においても、活用していきたいと考えています。
続いて15頁ご覧下さい。最後にESGの取組みについてのUp-Datedです。第一に、経済的なメリットを直接的に享受する取組みとして、ロジポート川崎ベイの自家消費スキームの太陽光発電装置が、昨年より稼働を開始しています。第14期には、館内電力の約3割を賄い、CO2排出量の削減に加えて、電気代の削減効果として、1基あたり約8百万円のNOIへの貢献が見込まれます。又、右上、2030年までのCO2排出量および水道使用量の目標を見直し、2019年対比、原単位ベースで夫々50%、16%の削減目標を新たに設定しました。更に、左下TCFD提言への賛同表明を行い、気候変動リスクに関する情報開示の充実化も行いましたので、報告致します。
決算説明は以上です。ご清聴有難うございました。
質疑応答
Q:今回ブリッジファンドを組成してとの説明がありましたが、この7物件、732億円のキャップレートの目線というのはどの程度なのか。若しくは、今の投資口価格水準であれば、許容し辛いキャップレート水準なのか、若しくは、許容はできる水準ではあるが、資本市場の雰囲気、状況を勘案すると、もう少し資本市場が落ち着いたところで取得をしていきたいという認識なのか、取得のキャップレートについて伺いたい。
A:ブリッジファンドで取得する際に、出口は本投資法人ということが大前提となります。よって、その時点で許容できるキャップレートの水準が組入れるうえでの大前提となりますので、我々としてはそこで精査するというか、許容できるもののみ取得するというプロセスを経ております。キャップレートの目線については、昨今取得に関する競争も激しくなってきており、現物不動産市場の取引事例は、引き続き低水準にあるということで、そうしたことを鑑みても、我々としては、自分達の資本コストを意識した水準、今の我々の資本コストというかインプライド・キャップレートは約4%水準だと理解しているので、先ずこれが、1つの取得の目線ということと、あとは、上場時リートの取得の事例も横に見ながら、それについても4%というのが意識された目線と理解しているので、これが1つの目安になるものと考えております。ブリッジファンドの組入れ物件には、スポンサー開発物件と独自のソーシングの両方がありますが、できる限りこの2つの種類を組み合わせて、取得する際にはアクリーティブな形で取得できればと考えています。
Q:この度社長が交代されるが、そのほかリートのマネジメント陣、スポンサーのマネジメント陣に大きな変化があるのか。又、今回マネジメントが変化することより、陣容、戦略に変化が出てくるのか、スポンサーとの関係に強弱がありそうか、そちらについても教えて頂きたい。
A:資産運用会社のマネジメントついては、社長交代以外は変化がありません。引き続き投資については石田、運用については柴田が責任者として継続する予定です。スポンサーの方については、先般プレスリリースをさせて頂きましたが、日本の代表取締役の変更がありました。スポンサーとリートの関係性においては、全く変更はなく、引き続きスポンサーからのサポートは、同じ形で継続するとご理解頂ければと思います。
Q:ブリッジファンドについてですが、4%が1つの目安ということでしたが、1年間寝かせると、どのくらい簿価が下がって、取得の利回りが上がるのかとか、ブリッジに入れている間の価格とか利回りの変化について、お話し頂ける範囲で説明をお願いします。
A:ブリッジファンドの簿価下げの効果ですが、1年ぐらいで5-Basisぐらいの低下が見込めると試算しています。ただ、取得の際のコストも簿価に上乗せされるので、その分を償却してから、いつのタイミングで取得するかは考慮する点と考えています。今回のブリッジファンドの特徴の1つとして、複数の物件を1つのビークルで運用するということが出来るようになります。即ち、複数の物件の中には、安定稼働しているものもあれば、まだ空室のものもありますので、例えば、安定稼働している物件のCash-Flowを、他の物件の簿価下げ使うちか、ある程度ポートフォリオの中で自由度が効くような仕組みになっています。ですので、1つ1つの物件が、簿価が同じようなペースで下がるとは一概には言えないのですが、そこも含めて柔軟に、次に取り出す物件はどれにするかと、いうところを検討していきたいと思っています。
Q:物件入替の考え方についですが、今、既存の高い利回りで稼働している物件を売って、新たに物件を入替えで購入するとなると、利回りは下がると思いますが、ポートフォリオ全体の利回りの低下に繋がる入替については、基本的には消極的なスタンス
A:基本的には、入替に対して消極的というか、今のタイミングで入替えを行うことは、最適ではないというスタンスに変化はありません。こちらは、言われましたように、既存物件の方が新規の物件よりも利回りが高いため、基本的にNOIに対して希薄化する効果になってしまうということと、後は、昨今の資本市場からの評価を見ても、一時的に売却益を積んだとしても、それが必ずしも株価などに反映されるわけではなくて、どちらかというと一時的な効果というよりも、長期的な方を優先するという観点においては、入替は効果的ではないのかなというふうに考えております。
話は変わりますが、ブリッジファンドにこれだけの物件を運用している中においては、可能性というか、選択肢の1つは、ブリッジファンドの中から物件をどうにか入替をして、より良い物件との交換とができればというようなことも、もし機会があれば検討していきたいと思いますので、本投資法人のポートフォリオのみならず、幅広くブリッジファンドも活用しながら考えていきたいと思っています。
Q:代表取締役社長が。藤原さんから地紙さんへ交代されますが、藤原さんの路線を踏襲されるという理解で良いのか。物流リートは競合も多くなってきておりますが、地紙さんとしての色を出される考えがあるのか伺いたい。
A:藤原がこれまで築き上げてきた運用戦略とか資本市場からの評価とか、そこは踏襲すべく、運用戦略については維持していくということを考えています。私自身のバックグランドとしては、元々証券会社にいましたが、本投資法人のIPOから担当させて頂いていた局面もあり、歴史に関しては、横目ですが、共に歩いてきたと考えており、今まで7年間どういった形で運用してきたかは、肌身で理解しているつもりであり、そこは藤原の後を継いでいきたいと考えております。ただ、言われるように競合が激しいSectorでもあり、このまま同じ形で資産規模が大きい銘柄を追いかけていくのか、或いは、少し独特の色を出していくのか、そこは今後の潜在的な新規案件をどのように発掘していくかというところと、セットでお見せするべきだと思いますので、戦略は考えていますが、引き続きソーシングの部隊と協議しながら打ち出していきたいと考えております。
Q:デットに関してですが、金利の調達コストは昨今の注目事例とは思いますが、物流不動産を裏付けとする御社を含めたところについては、例えばデュレーションリスクをより長くとれるデットプレイヤーはいるのか、いないのかというところや、後は、銀行の借入だと5年超というのは、例えばデュレーションを長く引っ張っていくのは大変なのかもしれませんが、それ以外の手段でデュレーションを長期化させること自体は可能かどうかについて、教えて頂きたい。
A:デットのデュレーションですが、基本的な選択肢としては、レンダーを増やしていくか、或いは、投資法人債を取るかというところで、レンダーのプレイヤーというのは、少しずつは伸びているのかもしれませんが、基本的には今までの付き合いのあるレンダーから、どのような条件を引き出すのかに収斂していく収れんされていくと思っており、なるべくなら。長くとれるに越したことはないのですが、どちらかというと、昨今のデットコストの上昇というのは、そういったレンダーのスプレッドというより、スワップですね、固定化するためのコストが上がっているというところですので、そこの削減というか、DPUにインパクトのない形で検討していくには、足元の環境下では、少しデュレーションを短くしていく方向が、適していると思っておりますので、長くするというより、なるべく今の年限を維持しつつ、借入コストとのバランスを図っていくというのが戦略と思っております。
Q:6頁にフォワードコミットメントの話が出て来たのですが、このメリット、リスクについて、改めて紹介頂ければと思います。フォワードなので、相対的に高めの利回りが確保できることがメリットなのか、リスクのところでは、基本的には竣工が前提としておりますが、リーシングが遅れている場合とかはどのようなっていくのか、もしかしたら、ブリッジファンドが絡んだりするかもしれませんが、別の物流リートで、優先交渉権の物件とかがリーシングの遅れで外れたとの事例を直近出ていたので、フォワードコミットメントのメリット、リスクについて伺えればと思います。
A:フォワードコミットメントのメリットですが、我々の場合物の目利きもできるという運用会社の特性も踏まえながら、リーシングリスクを取りながら、他社が開発している案件をフォワードコミットメントするという形になるので、取っているリスクというのはリーシングリスクのみという形が多く、その分安定稼働している物件よりも安く、つまり高い利回りで買えるというのがメリットになります。リスクに関しては、飽くまで、契約主体はブリッジSPCですので、直接リートがフォワードコミットしている訳ではないのですが、フォワードコミットをSPC自体がしておりますので、仮に買えない、買わないということになるとReputationの問題にもなりますので、当然長い期間のフォワードコミットというのは基本的にはやっていなくて、常に竣工が見えている物件で、そういった期間のリスクも考慮しながら、間尺に合う物件を厳選して投資をしている状況です。
Q:賃料改定の事例で東扇島の話がありましたが、追加投資をしたということなので、追加投資で賃料が7割増えたとの事でしたが、今回の追加投資がどのような効果をもたらして7割増となったのか、投資効率みたいなものがあれば伺いたい。又、7割増というのはレアケースなのでしょうが、こういった案件は、探せばいくつか出てくる可能性があるのか、これが特殊なのかも含めて伺いたい。
A:東扇島B棟の件ですが、こちらは設備投資を行ったというよりは、単純に解約通知を受領した際にリーシング活動を行い、新しくテナントを入れた際に、今まで割安だった賃料と市場賃料のギャップが一挙に解消したということ、これが主な効果ですので、ある意味東扇島の普通借でValue-lockされていたものが解放されたとご理解下さい。新しいテナントの方に入居してもらう際の協議として、このような設備投資を行ってほしいというようなところを進めて。LED化とかを行ったというのが。ものの順番です。投資効率についてですが、設備投資は1.2億円と計画していますが、これが毎期、毎期の増額分にどれくらい寄与していくかということで、あんまりROIのような指標では見ておりませんが、ざっくり3千万円、3.5千万円、6ヵ月での賃料増額が見込めますので、4から5期で投資の回収が可能と見ております。事例としては、かなりの成功事例とご理解頂きたいのですが、潜在的に東扇島の普通借の中で、魅力的な安い現行賃料で入っているものがあれば、こうした機会にテナント入替を行うことで、こうしたアップサイドも実現できるということは、潜在的にはあります。
Q:物件取得がブリッジ期間の長期化等で遅れた場合、超過収益が獲得できるスキームを構築するという主旨の説明があったと思いますが、これについて詳細をお聞かせ願いたい。具体的にはSPCに主旨している部分の配当ではないかと想像していますが、仮に現物での取得がLLRサイドで遅れた場合に、それをヘッジするスキームがどういったものかご紹介頂きたい。
A:超過収益をどのようにして取っていくかですが、我々が2018年から定義にしている超過収益というのは、1つは出資に対する償還益などのリターンと、もう1点は取得する際になるべく安く含み益を実現する形で取得する、この含み益の部分とこの2つで構成されておりますが、今回長期で運用可能なブリッジファンドを組成することで、今までは、1つ目の出資に対するリターンというのは、取得の際の償還益一発で取るというものでしたが、今回は安定稼働物件も複数入っているブリッジファンドを長期で運用するので、その間のSame Boat出資に対する期中の配当が入ってくるような仕組みに、仕立てることができるというのが1つの変化というか、今までとは違うところです。これが1つの超過収益の考え方とお考え頂きたいと思います。長期に運用する限りにおいては、なるべく簿価を下げて、ブリッジから取り出す時には、取得した時よりも パー、若しくはそれよりも低いところで長いものについては取れるような可能性もあるというところで、ここが若干の超過収益に効いてくるというような、この2つとご理解頂ければと思います。
Q:ブリッジファンドへのSame Boat出資を、従来から行い続けているとのことでしたが、この出資に関しては、制限とか上限、或いは基準みたいなものがありますでしょうか。
A: 出身対する制限ですが、こちらはリートの制度上の制限のみということですが、当然ながらマイナー出資である必要があるところですので、それ以外に特に大きな制限はないというところで、後は、我々が持っているCashをどれくらい使うか、今回ブリッジファンドに対する出資割合は7.5億円、11%ですが、この7.5億円と言うのも、130億円のうち少しずつ使っていくという観点で、この金額に設定しておりますので、強いて挙げるとCashの残高というところぐらいかなと考えております。
Q:35頁の資料を拝見しますと、市場全体では空室率が上がってきており、このまま上がっていく見通しになっておりますが、御社はそうなっておらず、御社の見通しもそうならない理由を教えて頂きたい。
A:質問の確認ですが、空室率が上昇している局面において、我々のポートフォリオがそうなっていない要因ということでよろしいでしょうか(はい、お願いしますとの返答)。言われるように、マーケット全体で見れば新規供給が大きいということで、全体の空室率は、特に首都圏に関しては上がっておりますが、基本的に我々および他社の既存の物件については、引き続き市場賃料と現行賃料との間のレントギャップが0,大きいところでは10~15%あるような状況ですので、基本的には既存の物件から新しい物件に移転するようなIncentiveは、テナントにはないような環境が続いていることから、ポートフォリオは引き続き満室稼働というところが、一番の要因ではないかと考えております。
以上で決算説明会を終了します。