いちごホテルリート投資法人 2023年7月期決算概要

いちごホテルリート投資法人
2023年7月期(第16期)決算動画説明書&質疑応答
○動画  https://www.youtube.com/watch?v=bkHyY8bDvh4
○説明資料
https://www.ichigo-hotel.co.jp/ir/news/p_news_file/file/IchigoHotel_20230914_Corporate_Presentation_JPN.pdf
○説明者 いちご投資顧問株式会社 代表取締役社長執行役員  岩井 裕志
                 執行役員ホテルリート本部長 岩坂 英仁
○説明 
<岩井社長より>
2023年7月期の決算説明を始めます。

決算説明資料の7頁ご覧下さい。決算の概要についてご説明させて頂きます。ハイライトとありますが、当期純利益については、721百万円と前年同期の約2倍、2倍弱ですけども、2023年7月期の決算で終えることができました。その要因としては、先ず1点、前年同期比で言うと、宇都宮のホテルが増えていることと、それ以上に大きく上振れしている要因については、コメントにもあります通り、全国旅行支援とインバウンド旅行者の急増による運行状況というところだと思っております。この2023年7月期の2月から7月の外国人の  伸びを宿泊者数で調べてみますと、前年同期比で+1600%と大幅に外国人旅行者の宿泊が伸びており、その恩恵をいちごホテルもしっかりと享受できたというところだと思っております。いちごホテルの変動賃料16ホテルのRevPARですが、こちらについては6,948円と、前年同期比+57.9%という水準で、大きく伸ばすことができております。NOIが1,589百万円ということで、前年同期の約1.5倍というところです。このうち1ホテル増えた宇都宮のNOIが大体58百万円ですので、それを除いても大きく、45%ぐらい前年同期のNOIを上振れしているというところです。一口当たりFFOが4,382円、一口当たり分配金が2,831円と、前年同期で約2倍というところです。分配金については、2023年3月の期初予想に対して、+79.6%となりました。7月に、実はこの期初予想に対して上方修正をしておりますが、そこからすると若干-10円、-0.4%ということになりました。ちょっと金利の見立てのところで修正をさせて頂きまして、若干のマイナスということになってしまっております。一口当たりNAVについては、136,875円ということで、前期から+3.5%となりました。鑑定評価ですが、CAP-Rateの低減、あとCash-Flowの見直し、これによって改善しております。コロナによって一時鑑定評価も落ち込みましたが、評価額および含み益の回復基調というのは、今期も継続することができております。

では8頁の決算概要です。先ほど、当期純利益は、前年同期の約2倍と申し上げましたが、期初予想との比較においても大きく上振れしておりまして、その主な要因が変動賃料の増加です。期初予想に対して、固定賃料も増加しているものがありますが、大きくは変動賃料の増加というところです。殆どがプラスですが、前年同期比では、実は、3つのホテルがマイナスとなっております。広島、熊本、名古屋、これらが前年同期比でマイナス、その要因は、行政の一括借り上げです。今期については、途中で終わりましたので、その剥落ということでマイナスになっております。予算上は、そこを織り込んでおりますので、予算通りというところです。予算比に対しては変動賃料の松山と倉敷でマイナスになっております。予算では、松山と倉敷は、前年同期比で10%以上の変動賃料をプラスということでしたが、ちょっと期待水準よりは伸びなかったというところです。ただ、足元はしっかりと宿泊需要は伸びてきていますので、今後はしっかりと伸ばしていけるのではないかと思っております。一口当たり分配金は2,831円と、先ほど申し上げた通りです。こちらには、記載はないのですが、この2023年7月期については。コロナ期間中に有事に備えたCash-Positionをスポンサーの劣後投資法人債によって作っておりました。870百万円です。Cash-Flowが大幅に改善しております。こちらについては、スポンサーに全額償還いうことで、今後は若干ですが、金利負担が軽減されるということで、Cash-Flowは、既に健全な状態になっていると判断をしております。

続きまして9頁です。いちごホテルが保有するホテルの業績ですが、各指数をみると、前年同期で約1.5倍の成長というなっており、しっかりと伸ばすことができております。上の表が変動賃料導入ホテル全16ホテルで、下の表が、いちごホテルが保有する全25 ホテルのうちの、開示に同意して頂いている23ホテルの業績です。どちらもしっかりと伸びております。共通して言えるのが、客室稼働率、既に今、80%以上ということで、ホテルで言うと満室に近いような状況が維持されているというところで、23年7月期については、ADRがしっかり伸びたというところです。これの裏付けが、需要がしっかりとあり、高い単価でも宿泊需要があるという状況に移ってきていると思います。

次の10頁が地域別の状況です。地域別に見て頂くと、コメントにもありますが、全エリアで。ADRの力強い成長により、RevPAR成長が実現できているという状況です。いちごホテルについては、関東・甲信越でマイナスになっておりますが、いちごホテルは、このエリアでホテル数が2つありまして、そのうちの1つが、宇都宮のホテルですが、行政の借り上げがありましたので、その反動でマイナスになっております。ただ、宇都宮は、完全固定賃料のホテルでありますので、いちごホテルリートの業績には影響はありません。ADRの伸びを見て頂くと、全エリアで力強い伸びですが、特に伸びているところ、東京、大阪、京都、九州、ここは、延べ宿泊者数を見て、そのうちの外国人のシェアが高いところが、ADRが伸びやすくなっているという印象を持っております。延べ宿泊者数に対する内訳が、2月から6月の5ヶ月の延べ宿泊者数で見ると、東京が外国人の割合が38%、大阪15%、京都11%というところで、まあこういう高いところ、まだそんなに割合的には高くないところもありますが、しっかり伸びているというところです。因みに、いちごホテルにインバウンド比率については、全体で、この7月はだいたい2割ぐらいで、国内需要も非常に強かったというような状況です。

続いて11頁をご覧下さい。いちごホテルの収益拡大に向けた取り組みというところで、スマイルホテル長野を、3月にグランドオープンしております。オペレーターは変更しておりますが、新オペレーターは、ホスピタリティオペレーションズです。今回、変動賃料の導入させて頂きました。長野は、ビジネス客が中心ではありますが、善光寺等のレジャー需要もしっかりあると、我々は考えており、このリブランドの機会に、リニューアル工事を実施しております。更に変動賃料の導入というところです。リブランドオープン後、まだ5ヶ月間の実績ですが、リブランド前の賃料と比べて、80%ほど上振れしておりますので、滑り出しは順調というような状況です。

続きまして12頁をご覧下さい。収益拡大に向けた取組みとして、ザ・ワンファイブガーデン倉敷 、こちらも。3月にリニューアルオープンしております。こちらは、テナントの変更なく、リニューアルオープン致しました。全館リニューアル工事を実施しており、それに伴いましてオペレーター、テナントもサービスの充実化を図っており、これにより、付加価値ホテルへの変貌を目指しているところです。倉敷も、ビジネス需要もありますが、倉敷美観地区に隣接しており、レジャーも非常に強いというところで、その取り組みの強化をしようと、建物の内容としては喫煙スペースとか長期滞在に向けたラウンドリーとかを新設して、宿泊付加価値の新設により需要の拡大、裾野を広げるということを図っております。リニューアル後は、稼働率90%、前年同期比で+40%、ADRで8,291円と、前年同期比で+14%ということで、こちらも順調な滑り出しとなっており、今、運用しているというところです。

続きまして13頁をご覧下さい。サステナビリティ経営に向けた取組みということで、こちらもいちごホテルは、継続しております。消費電力の再生可能エネルギーの切り替えですが、 この7月末時点で、9ホテルが再生可能エネルギーの切り替えを完了しております。いちごホテルは、来年の1月までに、全保有ホテルでの切り替えを目指している状況です。ただ、ホテルについては、電力契約は原則テナントで行いますので、テナントの協力が必要となってきます。そうした中で、いちごホテルはトラッキング付き非化石証書の購入ということも検討させて頂き、R100の達成も検討していきたいと考えています。環境に配慮した省エネルギー工事の実施については、テナントの理解も頂き、順調に進んでおります。照明のLED化、節水対策というところは順次進めているところです。

14頁をご覧下さい。投資主優待制度です。宿泊代金割引優待ということで、今回も、いちごホテルもホテルオペレーター3社に協賛頂いております。株式会社ミナシア、こちらは、ホテルウィングインターナショナルというブランドのホテルを有している会社です。あとは、ホスピタリティオペレーション、スマイルホテルを筆頭に、色んなホテルを運営されております。今回取得したTHE KNOT YOKOHAMAも、ホスピタリティオペレーションが運営しておりますので、こちらも優待の対象になります。最後は株式会社グリーンです。こちらはチョイスホテルズで、コンフォートホテルのブランドで全国展開しております。いちごホテルが保有していないホテルも対象となりますので、是非ご利用頂ければと思っています。

15頁をご覧下さい。投資主の優待制度ということで 2件目が、いちごJリーグ株主・投資主優待、こちらも引き続き継続しております。
次に、成長に向けた取り組みです。今後のいちごホテルの成長に向けての取り組みです。

17頁をご覧下さい。8月に実施した取り組みとして、スポンサーサポートを活用した資産取得を行いました。5つのホテルで、合計が約150億円です。5ホテル合計の鑑定NOIに対する利回りは5.8%です。大阪の心斎橋と横浜と伊勢志摩、大垣、札幌のホテルを取得致しました。

次の18頁ですが、取得資金についてです。第三者割当てによる資金投資口の発行により、約81億円を調達しております。残りはローンにて資金調達を致しました。第3者割当増資を実施した背景としては、こちらにも記載がありますが、既存投資主に対して投資口価格の低下と希薄化の影響を最も低減できると考えており、その増資をしようとして、第三者割当増資を実施致しました。具体的には記載がありますが、払込前日での終値で実行させて頂いております。ブックビルディング等もありますので、その間の投資口価格の下落を回避することができているということです。又、今回、割引なしですので、これにより、新投資口  発行の引数の増加というものを可能な限り回避できるというところです。後は、公募増資の多大なコストの回避ということです。引受手数料を含めたコストが回避できているということで、今回、この規模というところで、第三者割当増資による発行というところが、希薄化の影響を最も低減できるのではないかということで、資金調達致しました。

本取り組みの意義ですが、19頁をご覧下さい。いちごホテルリートの成長基盤を強化というところです。その背景としては、 ホテルマーケットの本格回復が見えておりましたので。このタイミングで成長基盤を強化するということです。そのためには、スポンサーのサポートをしっかりと活用するところがいちごホテルの強みで、それを実行したというところです。4点ほどこちらに書いておりますが、これは、1番の課題だと思いますが、今回の物件取得によって、分配金がしっかりと向上するというところです。24年1月期については、今回増資による物件の取得によって+5.2%、分配金が上振れしております。資産規模の拡充ということで、NOIのアップサイドを有する資産を取得するというところです。今回取得したホテルですが、エリアのポテンシャル、レジャー需要とかビジネス需要をしっかり取れるというところで、これから平時に移行するにあたって、NOIの向上余地がまだまだ十分あると考えており、取得致しました。3点目にポートフォリオの安定性と成長性の向上というところです。地域分散の進展とありますが、やはりホテルについては、地域分散が非常に重要だと思っておりますので、地域分散を図ることで安定性が向上するというところで、今回これが達成できたと考えています。又、HOTEL THE KNOT YOKOHAMA、THE KNOT SAPPOROの取得のところでコメントにもありますが、スポンサーがデザインするライフスタイルホテルというものです。あとは、ホテルマーケットの本格回復を見据え、従来よりも高単価をターゲットにすることができるというところです。需要が回復して、今、円安ということで、外国人の方も来易くなっているというところで、ADRの高単価化、向上が実現しやすくなっておりますので、需給以外のブランド力を通じてADRを向上させるということが可能なのかというところで、チャレンジということで進めていきたいと思っております。スポンサーの強力なコミットということで、今回、物件の価格が上がりきる前の価格をベースに取得しております。これにより、しっかりと成長余力があるというような状況であると考えております。

次の20頁ですが、一口あたり分配金の成長を、本取り組みより増強しておりますで、24年1月に、先ほど申し上げましたが、+112円、+5.2%の向上効果があるということです。 DPUについては、2,246円の予想を出しております。これは、前年同期が2,240円ですので、そこから+0.27%の向上というところですが、行政の借り上げが前年同期にありましたので、これを控除すると76.4%の上振れというところです。このように、非常に、今、成長局面ですので、この局面で同じように成長するアセットを増やすことによって、より成長が加速しやすくなるポートフォリオを作っていきたいと思っております。更に、この公表の後に、中国政府は日本への団体旅行解禁がありましたので、ここの成長も、まだ中国人が完全に戻っていない状況ですので、ここの成長期待は十分にあると考えています。ただ、予算上は不透明なので、そこは織り込んでいないというところですが、こういった更なるプラス材料があるという状況で、ポートフォリオを厚くということを実施致しました。

21頁をご覧下さい。地域分散の進展と安定性の向上ということで、ホテル数が30で、取得価格合計が698億円、鑑定評価額合計が746億円です。地域分散も果たせておりまして、シェアが増えたところが大阪と北海道、こちらは、先ほど2023年7月期も実績を見ると、ADR がしっかり伸ばすことが出来ている、インバウンドの比率が高いエリアですが、今後も成長が期待できるエリアと思っております。

22頁をご覧下さい。いちごのホテルブランド、THE KNOTです。先ほど申し上げましたが、いちごが手掛けているライフスタイルホテルTHE KNOTの2ホテルを取得しております。THE KNOTブランドは、全国で4つありますが、そのうちの2つを取得致しました。こちらは、いちごホテルの現状のADR の平均は、8,000円前半ですが、このTHE KNOTについては、1万円を超えているということで、1万円超えのホテルが2つ加わったというところです。更に、1室当たりの平均の広さですが、ADRの平米単価については、THE KNOTの2ホテルは、900円を超えており、比較的高付加価値のホテルというような位置付けができるのではないかと思っております。ビジネスホテルは平均で500円から600円の平米単価ですが、付加価値を上げることにより、しっかりと差別化をしているという状況のホテルです。

続きましてTHE KNOTのレストランとバーについてです。THE KNOTは比較的レストランに力を入れておりまして、レストランと宿泊施設一体になって雰囲気を出すというようなことです。THE KNOT YOKOHAMAについては、SMOKE DOORというレストランでありまして、こちらは、外部のテナントに賃借しておりますが、薪火レストランというところで、サンフランシスコでミシュランの三ツ星に輝いたシェフがいるというところで、非常に話題性の高いレストランというところです。こちらも、宿泊客に対するサービスも含めて、非常にTHE KNOTのホテルについて付加価値を上げているものです。SAPPOROはLES BOIS、こちらも非常におしゃれなレストランですが、こちらはテナントではなくオペレーターが自社運営しておりますが、非常に良い雰囲気で、ホテルの付加価値を上げております。このように、レストランについては、宿泊客のみをターゲットのするのではなく、そこに生活している地域客、そういった方々にも魅力的なレストランを提供することによって、そういった方々を呼び込むというような働きかけをしているというものです。

24頁です。今後の内部成長戦略ですが、先ずは、いちごのホテルブランディングの付加価値向上ということで、いちごホテルではTHE KNOTというブランドとThe One Fiveいうブランドですね この2つがありますけども、これらはどちらもいちごグループが手掛けているのですが、ここを初めとして、付加価値化というところを狙っていきたいと思っております。ホテルのオペレーションのコストですが、どうしても今 インフレ、コストプッシュによるインフレが起きている中で、トップラインをいかに上げていくかというところで、各ホテルは色々と試行錯誤しているところです。需給以外のところでADRを上げられるかということで、ブランディングの強化というところをしっかりとやっていきたいと思っております。THE KNOTはライフスタイルホテルということで、宿泊客以外の地元の方にも、ホテル内の施設を楽しんで頂くというコンセプトです。地域交流、文化発信の拠点として、利用価値の高い空間を創造するというようなブランドコンセプトです。The One Fiveについては、食を通じたおもてなしというコンセプトで、地域の食材にこだわり、季節ごとのメニューを展開致します。又、ウェルカムアフタヌーンティ、フルーツ缶は、ブランドのアイコンになっており、高付加価値にてADRの上昇を目指すというものです。
25頁をご覧下さい。外部成長戦略につきましては、スポンサーのパイプラインを中心に考えることになると思っております。今、スポンサーは、全国で13ホテルを購入しており、 スポンサーの取得価格、簿価ですけども460億円、約500億円となります。こちらは、適宜リニューアル工事を実施しており、競争力をつけているような状況ですので、適切なタイミングで、いちごホテルは資産規模が1,000億円未満ですので、1,000億円以上を目指して拡大 というところも検討していきたいなと思っております。

27頁をご覧下さい。業績予想です。先ず、2024年1月、2024年7月の業績予想のホテルの業績の前提ですが、こちらに記載しております。前提としては、現在保有する30ホテルでの想定であり、今回のリブランド、リテナントは想定しておりません。又、賃貸借契約の満了についても入れてありません。インバウンド旅行者については、先ほどこれから中国の団体旅行の需要の成長が見込めるというようなことを申し上げましたが。まだまだちょっとわからないところもあるので、今の旅行者の急激な上昇ということは織り込んでおらず、現状のレベルでの想定いうところです。全国旅行支援割需要の剥落の影響は想定に織り込んでおります。下の表ですけども、 上が変動賃料21 ホテルの指標の前提ですが、24年1月期については 客室稼働率が84.6% 、ADRが8,217 円、RevPARが6,912円ということで、RevPARについては、前年同期比で+11.1%です。同ホテルベースで比較しておりますが、+11.1%というところです。稼働は、引き続き、全国旅行支援割等の剥落がありますが、 80%以上の高い需要を見込むと。ただ、行政借り上げ等の剥落があるので、若干マイナスというような想定ですADRは、この2023年1月というのは、まだ、インバウンド旅行者がそれほど強くなかった時期ですので、ここはしっかり伸ばせるだろうと思っておりまして、足元の状況を前提で、ADRについては前年同期比+14.3%という成長を織り込んでおります。ただ、ここは、需要の拡大をそんなに織り込んでいない状況ですので、まだまだアップサイドがあるのではないかと思っています。24年7月期については、客室稼働率が85.5%、 ADRが8,805円、 RevPARが7,525円ということで、RevPARの前年同期比は+0.4%ということで、ほぼ横這いとしております。こちらも、インバウンド旅行者の成長は期待できるものの、足元の前提状況ということで、ほぼ同水準であろうというところです。行政の借り上げや全国旅行支援の剥落というものはありますが、全体では、強弱を管理すると同水準で想定できるのではないかなということで、こちらも、保守的な想定という位置付けです。

28頁をご覧下さい。具体的な業績でございますが、24年1月期については、8月16日開示の業績からは、今回は、変更は致しませんでした。8月がフルで実績が出てくるタイミングではありますが、まだ全部出てきてない状況でして、8月については、概ねこの予算を上振れするような水準で行くのではないかなと思っております。6ヶ月間となるとどうなるかというところもありますので、8月16日開示の業績から変更しておりません。ホテルが増えているので、当然営業収益等も上がっているのですけども、新規5ホテルと既存25 ホテルで分けると、既存25ホテルのNOIは、前年同期比+51百万円、+3.6%という想定です。行政の剥落はありますが、インバウンド急増により、足元も力強さというものを加味して、変動賃料としては大阪や札幌、ここがもう少し上振れするのではないかという予想です。又、リニューアルした倉敷、長野、こちらについても前年を上振れる実績になるのではないかということで、こういったところをプラスにしております。新規5ホテルが加わりまして、こちらも同様の前提です。8月16日の予算は、中国の団体旅行者のニュースの前に作った予算をベースに作成しております。今回増資をして取得した5つホテルの一口当たり分配金の効果は、+5.5%ということで、先ほど申し上げました通りです。それによって、一口当たり分配金が2,246円ということで、前年同期と比べて+6%というところです。こちら、 先ほど申し上げましたが、特に、行政借上げを除くと大きな上振れとなりました。成長基調については、非常に成長している状況というところです。

続いて29頁をご覧下さい。24年7月ですが、こちらは、行政への1棟貸しの終了、全国旅行支援割の剥落というような前提で想定しております。こちらも、既存25ホテルについては 行政への1棟貸しの剥落とか、全国旅行支援の剥落があるとはいえ、回復が期待できるホテルがありますので、そこを考慮して、既存25ホテルについては、NOIは昨年同期比で+2百万円くらい、ほぼ横這いというところです。上振れをしているのが倉敷、名古屋、岡山、松山などがあります。その結果、新たに新規物件取得の効果も含めますと、一口当たり分配金が2,728円となり、これは前年同期比-103円、-3.6%となっております。前年同期との比較については、次のページで具体的にブレイクダウンを作っておりますので、参考にして頂きたいと思っております。

30頁をご覧下さい。前年同期が2,831円で、既存25ホテルのNOIで8円ぐらいの上振れです。ただ、減価償却が少し増加しており、リニューアル工事も実施しておりますので、今期については減価償却が少し減って-77円というところです、販管費は収益のマイナスになりますが、運用報酬が下がるということで+18円。営業外費用ですが、いちごホテルは、去年までコロナ期間というところでローンのリファイナンスは1年間ということでしたが、今年からローンのリファイナンスについては3年超の中長期化を図っておりますが、 まだ1年ローンの期限が来るものが増えていますので、ここの営業外費用が増えると、アップフロント費用の増加というところで-190円ということです。ただ、新規5ホテルについては、+137円、+5.29%の上振れ効果がありますので。その結果2,728円という想定にしております。こちらは、前年同期比で少し下振れしておりますが、まだ半年以上先ということで、読めないところがあるので、比較的保守的に想定をさせて頂いております。全国旅行割の剥落があるとはいえ、7月の延べ宿泊者数を見ると、まだ日本人の宿泊需要は全然落ちておりませんので、そこの剥落というのは見込まなくてもいいかもしれませんし、インバウンドについても 中国から旅行者が現時点ではなかなか読めないところですが、コロナ前にまだ戻ってないというところですので、上振れ期待があるという中で、楽観的な業績予想ではなく、かなり保守的な業績予想としております。以上、決算についての説明を終わります。ご清聴有難うございました。

<質疑応答>
Q:今回の実績は、非常に良かった内容と思っています。やはり、インバウンドと国内旅行の回復もあったと思いますが、回復して始めたところで少し性急かもしれませんが、このインバウンドにしても、国内旅行の回復にしても、いつぐらいまで続くのか、まだまだ続くのではないかとは思ってはいますが、運用されていての見立てとして、どの程度で続きそうなのか、見解があったら教えて頂ければと思います。
A:<岩井社長より>
インバウンドについては、色々な見解があると思いますが、基本的に日本は、国策としてインバウンド受け入れを、今後増やしていくというところでして、外国人の方々からの日本への評価というところでは、非常に高いので、私個人的には半永久的にインバンドは上昇して続くのではないかと思っております。
<岩坂本部長より>
コロナ前のインバウンドが3,000万人を超えるレベルまでいきましたが、現状、2,000万人に近づいてきているという状況の中で、中国の団体旅行の解禁もありながらも、その回復というのがまだ見通せないところですが、コロナ前を超えるような人の流入というのが起きている国もありますので、スピード感についてはゆっくりかもしれませんが、先ずは3,000万人を超えるところまではいくのではないかとは思っております。元々政府の目標としては、6,000万人という高い目標がありましたが、そちらに向けては観光の整備というところも合わせて進むものと考えております。成長とか回復のところでは、やはり、中国の団体旅行の回復というところが鍵となってくるというところもありますが、その他の部分においても近いアジアの国からの流入も増えておりますので、今後も期待できるものと捉えております。

Q:19ページ目のTHE KNOTですが、ブランディングができている高付加価値のホテルということで、結構高単価をターゲットにしているとの話でした。今まで、ビジネスホテル主体という形だったと思いますが、こういった高単価のところを取得のメインに据えていくのか、外部成長のところでこういった別のブランドでも高いものを考えていきたいとのお考えなのか、そのあたりを教えて頂ければと思います。
A:基本的には、いちごホテルは、売り上げの割合が宿泊主体でありますので、THE KNOTというブランドについてはフルサービスじゃなくて、一応、宿泊主体ホテルですので、その中で 可能な限り単価を上げるというようなことやっておりますので、当然こういったものをターゲットになります。又、ポートフォリオが拡大するにつれて、フルサービスも対象にしたいと思いますが、基本的には高付加価値ホテルについては、力を入れていきたいと思っております。とはいえ、THE KNOTもADRは1万円台ですので、LUXURY HOTELでは7万円とか それぐらいが平均とすると、まだまだ安い水準ではありますので、ここをしっかりと高付加価値によって、トップラインを上げられるような要素にしていきたいなと思っております。

Q:THE KNOTホテルが4件あるうちの2件を保有ということでしたが、他の2件も取得を見据えているというイメージで宜しいでしょうか。
A;今、広島と新宿に2ホテルがあり、スポンサーの方も、THE KNOTのブランドは拡大していく傾向にあるので、そういったものはいちごホテルリートの取得対象として強力な候補になると思っております。

Q:今回の第三者割当による新規の取得は、全てスポンサーからの取得となりましたが、運用会社のソーシングにおいて、所謂、ホテルの売買市場の環境というのは、今どのような状況でしょうか
A:<岩井社長より>
今回は増資による取得ということで、比較的コントロールしやすいというところで、スポンサーからの取得ということがメインシナリオでした。ただ、本件取得する前に長野、宇都宮も取得しておりますが、これは、どちらかというと運用会社の独自ルートです。コロナによって、売りのホテルが出るかと思ったのですけども、思った以上に競争力のあるホテルは少なかったというところではありますが、今現在は、アジアの投資家を含めて、ホテルの購入意欲は非常に高い状況でありますので、今後は取得競争が強くなる恐れはあります。ただ、私共は、スポンサーのパイプラインをしっかり持っているというところと、マーケットからの信用力が非常に高いというところで、取得機会は今後も増えるではないかと思っています。スポンサーも、今回、私共が物件を取得したことによって、また新たなホテルの取得を、積極的に検討しているというようなことも聞いておりますので、いちごホテルの拡大に繋げていきたいと思っております。
  <岩坂本部長より>
今、岩井が申し上げましたように、マーケットにも売却物件等も出ている中で、それも我々としては見ていまして、それも、一時期より数も増えてきていますが、やはり、取得意欲のある機関も非常に増えて、意欲の高い方々もおられ、色んな競争は激しくなってきているという印象です。その中で我々としては、独自のルートでもしっかり買うことも検討しつつ、スポンサーパイプラインも活用して、最適なところを選択して、しっかりと規模拡大に努めていきたいと考えているところでございます。

Q:岩井社長の業績予想の説明でも言われておりましたが、業績予想の前提が、かなり保守的ではないかとのコメントを頂いておりますが その点につきましては如何でしょうか。
A:やはり、保守的であると思います。インバウンドは、この1年で急激に成長していて、又、中国人の旅行者を織り込まないで想定しております。ただ、やはり、どう動くか分からないという状況なので、先ずは私どもの方で、確実にこの金額はいくだろうというようなことの前提で想定しております。又、需要が落ちるというような雰囲気も、今のところ、8月時点では感じていませんので、そういうところでいえば、押してきているというところですが、私共は、毎月の業績、各ホテルの運営状況と開示しておりますので、そのタイミングを見て、業績の上方修正の必要であればさせて頂きたく思っております。
以上をもちまして、2023年7月期Web決算説明会を終了とさせて頂きます。
本日は、お忙しいところご参加頂き、誠に有難うございました。