ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人 2023年1月期決算概要
ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人
2023年1月期(第22期)決算動画説明書
○動画 https://www.video-streaming.net/ir/3278/202303/index.html
○資料 https://www.kdr-reit.com/Portals/0/pdf/ir/library/kdr_22nd_material4.pdf
○説明者 ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人 執行役員 兼
ケネディクス不動産投資顧問株式会社 取締役最高業務執行者(CCO)兼
レジデンシャル・リート本部長 川島 哲
○説明
KDRの2023年1月期(第22期)の決算の概要を説明致します。
5頁をご覧下さい。今期のハイライト3点です。1点目は左上、外部成長・財務戦略です。今期大22期は、市況タイミングを捉え、前期に続き2期連続となる公募増資を実施し、新規資産の購入により、資産規模は3,000億円を超過しました。又、この公募増資を通じてLTVをコントロールし、3月の新規物件取得後も、LTVは50.5%と前期水準を維持し、本年の新たな資産取得の機会に備えております。2点目は右上、内部成長です。
第22期は非繁忙期にあたりますが、ポートフォリオ全体では、+0.4ポイントの期中平均稼働率を実現しました。新規賃料増加率においても、好調なファミリータイプで特に増加率を伸ばし、全体では前期並みの堅調な水準を維持しました。賃貸マーケットのトレンドを捉え、メリハリの効いた運営を継続しています。3点目は左下、資産入替えです。公募増資の新規物件取得に合わせ、12月にKDXレジデンス東桜Ⅱを売却しました。賃料下落基調の一方で、鑑定価格の上昇が続く名古屋エリアにおいて、含み益を実現し、約3億円の売却益を分配金と内部留保に充当しました。以上、外部成長、内部成長、資産入替え等を通じ、ボラタイルな環境下においても、機動的な運営を通じて成長を実現し、第22期一口当たり分配金は、前期対比+3.8%の4,257円、一口当たりNAVは、主に鑑定評価額の上昇が寄与し、前期比+7.5%の224,073円となりました。
6頁は、第9回公募増資と新規取得物件の概要です。オファリング顔要は、左上の通りです。ボラタイルなマーケットの中、投資口価格変動リスクを最小限にするため、今回も中2日の短縮日程で実施をし、約48億円の資金調達を行いました。本公募増資により、右上記載の、賃貸住宅の成長性を見据えた東京23区の居住用施設2物件、下段に記載の、安定した稼働が見込まれる東京都と北海道のヘルスケア施設7物件、合計9物件、約130億円の資産を取得し、資産規模と、一層のポートフォリオ分散を拡大しました。
7頁は、居住用施設の運用ハイライトです。上段が稼働率の推移です。今期第22期ですが、東京経済圏、地方経済圏ともに稼働を向上させ、非繁忙期においてもポートフォリオ全体で、前期比0.4ポイント上昇しました。中段は、賃料増加率です。稼働率の上昇を実現しつつも、新規賃料は+1.8%、更新賃料は+0.2%と、繁忙期であった前期と同水準を維持しています。賃料増額については、前期に続きファミリータイプが、特に大きく寄与しました。下段左のグラフは、礼金と広告宣伝費の推移です。前年第20期比で、礼金取得額は0.1ヵ月の増加、広告宣伝費は、0.1ヵ月の低下と、リーシング環境も好調です。右下のグラフは電気料金の推移です。ブルーの折れ線グラフが電気料(費用)、グリーンは電気料収支、つまりネットの支払額をベースにしています。電気料(費用)は、今期も上昇したものの、収入とのネットでは、賃貸事業収入に対するインパクトは、0.9%弱と限定的です。
8頁は、今期の決算数字です。先ず左から1列目前期実績と、3列目今期実績の差異です。中ほどグリーンのボックス内が、主な増減要因です。既存物件の増収、新規取得物件の寄与により、賃貸事業収益は全体で+273百万円。主に非繁忙期による季節要因から、その他賃貸事業収入は-83百万円となりましたが、KDXレジデンス東桜Ⅱの売却益、304百万円が計上され、営業収益は前期比+489百万円となりました。営業費用においては、季節要因によるリーシング関連コスト、修繕費、原状回復費が低下し、賃貸事業費用は全体で低下しましたが、新規取得物件の減価償却計上、資産運用報酬の増加により、営業費用は前期比+45百万円となりました。支払利息、融資手数料の低下も寄与し、当期純利益は、前期比471百万円増益の4,593百万円です。第22期は、内部留保56百万円の積立てを行い、一口当たり分配金は4,257円です。右側が予想比です。営業収益では、既存物件の増収などの要因により、20百万円のプラスとなりました。費用面では、入替率が想定を下回ったことなどから、リーシング関連コストが下振れ、又、ヘルスケア施設で一部工事の期ずれなどが発生したことなどにより、営業費用が62百万円下振れしました。当期純利益では、予想対比+81百万円となりました。
9頁左側は23期と24期の予想です。左側が第23期の予想と前期比増減要因です。第23期は96.5%を想定稼働率としています。既存物件の増収と繁忙期要因に加え、新規取得物件が大きく寄与し、賃貸事業収入、その他賃貸事業収入合計で、340百万程度増収となるものの、前期計上した売却益が剥落し、営業収益は+35百万円の見込みです。費用面は、繁忙期によるリーシング関連コストの増加、新規物件の影響や、固都税の費用化、減価償却の増加などにより、前期比+208百万円となり、当期純利益は-187百万円の4,405百万円の予想です。当該期は、内部留保を5百万円取崩し、一口当たり分配金は,140円の見込みです。右側が第24期の予想と前期比です。第24期は、96.5%を想定稼働率としています。既存物件の増収と新規物件の寄与を見込むものの、非繁忙期によるその他賃貸事業収入の減少により、営業収益は前期比-24百万円の見込みです。営業費用では、大規模修繕工事が当期に集中すること、又、信託契約の満了の集中による信託報酬支払の増加など、一時的な要因の影響により、賃貸事業費用が前期比で増加し、営業費用は前期比+144百万円を見込んでいます。この結果、当期純利益は前期比-172百万円の4,233百万円の見込みです。当該期は、RTAの追加取崩しを含め、内部留保を合計177百万円取り崩し、一口当たり分配金は4,140円の見込みです。尚、第24期の費用増加の特殊要因については、次のセクションで補足説明させて頂きます。
10頁は、今後の分配金マネジメントです。グラフの紺色の部分は巡航分配金、ピンクが売却益、グレーが内部留保取崩し額を示しています。KDRでは、第20期より分配金下限値を設定し、中期目標である4,300円に向けた巡航分配金の成長を目指しながら、売却益と内部留保の活用により、分配金下限値の漸進的な向上を分配金方針としています。今期第22期では、KDXレジデンス東桜Ⅱの売却益を還元し、下限値を上回る分配金を実現した一方、内部留保を56百万円積み増し、今後の安定的な分配方針の原資としました。第22期末の一口当たり内部留保額は、1,869円と前期水準をほぼ維持しています。第23期は、今期の公募増資による効果により、巡航分配金が4,126円まで成長予定であり、この成長も考慮し、下限値を4,140円まで上方改定しております。第24期は、収益力は向上するものの、大規模修繕工事の計画が当期に集中すること、2013年の公募増資時に取得した60物件のうち、51物件の信託期間満了が同時に到来し、期間延長の信託報酬支払が集中することなどにより、巡航水準が一時的に低下します。これらは、第24期の特殊要因であり、第25期以降は平準化する費用となります。特殊要因の影響を考慮した場合の、第24期想定巡航分配金は4,088円であり、第25期以降、引続き中期目標4,300円に向けて内部成長、外部成長、財務戦略により、巡航水準の向上を目指します。
12頁をご覧下さい。頁下段は住戸タイプ別稼働率です。今期は、前期比、前々期比で、全住戸タイプにおいて堅調な推移を見せましたが、秋葉原Ⅱのリースアップが順調に進んだことなどが寄与し、特に前期まで95%近辺で推移していたシングルタイプの稼働率も、今期は改善傾向を示しました。
13頁は、新規賃料、更新賃料の増減率の推移です。上段が新規賃料ですが、左上の通り、東京経済圏、地方経済圏ともに前期並みを維持しました。右側がタイプ別の増減率です。ファミリータイプは前期以上の増加率を伸ばし、スモール・ファミリーも好調です。シングルタイプは、今期マイナスの増加率となりましたが、前年同期比では、0.2ポイント改善しており、又、先に述べた通り、稼働率は好調なことから、シングルタイプも改善基調にあると考えます。下段の更新賃料においては、前期並みの水準を維持しました。
15頁はエリア別の賃料変動率の状況です。今期、地方経済圏では、大阪、名古屋、広島で賃料下落となりましたが、その他のエリアでは前期以上に増加率を伸ばし、前述の通り地方全体では、前期比で増加率を維持する結果となりました。右下、東京経済圏においては、都心8区において、前年同期比のマイナスから今期はプラスに転じ、又、東京経済圏全体では、第20期以降、増加率の上昇基調が続いています。
16頁はヘルスケア施設の状況です。左上は稼働率の推移です。メディカル施設においては前期比で2ポイント低下、シニアリビング施設は前期比で0.9ポイント上昇しました。メディカル施設においては、コロナ第8波の影響を受け、一時的に利用者、入所者が減少しましたが、シニアリビング施設は、回復の兆しが見て取れます。又、右上ですが、折れ線で示す売上高賃料比は改善したものの、棒グラフで示す賃料負担力が、前期比で0.1ポイント低下しました。こちらは、秋口から年末にかけて、いくつかの施設でクラスターが発生したことや、電気料などの物価高騰等による税引き前の減少が、要因として挙げられますが、依然としてKDRが施設運用状況の基準としている賃料負担力1.2倍を、大きく上回る水準にあり、引続き健全な運営がなされていると判断しております。各オペレーターにおいて、この環境下で、利用者に安心できるサービス提供をするための努力を重ねており、KDRとしては、各オペレーターと良好なリレーションを維持し、コロナの状況が落ち着き、期を通じて安定的な新規営業活動が再開出来ることをサポートしていきたいと思います。右下の宿泊施設は、前期からの改善基調が継続しており、特にADRについては、足元コロナ前に近い水準まで回復をしております。
20頁以降は、今後の更なる成長への取組みです。先ずは、内部成長の強化です。賃貸需要が好調なファミリータイプにおいて、新規賃料を一層伸ばしていく施策として、頁左側に記載の通り、KDX千駄木において専有部のバリューアップ工事を実施しています。築20年超の物件ながら、賃貸需要を捉え、トレンドに沿った改修を行ったことにより、賃料単価平均38%の上昇を実現しています。又、21戸のリノベーション未了住戸があり、ターンオーバーの際にこうしたバリューアップを継続する予定です。右側は、東京都内のシングルタイプの稼働率の推移、賃料増加率の推移、そして下段は、東京都への転入超過数の推移です。コロナ発生以降、東京都心からの転出傾向が強まったことから、東京都の転入超過数は、2020年、2021年と2年連続で減少し、2022年に転入超過傾向が回復しました。この人口動態の影響を受け、稼働率、賃料増加率ともに、第18期頃より低下傾向となりましたが、人口動態の底入れを見極め、機動的なリーシングに努めたことにより、20期末以降、改善傾向に転じています。引き続き、市況に応じ、メリハリを利かせた運営を継続し、内部成長の機会をしっかりと捉えていきたいと思います。
21頁は外部成長の継続です。今期末を基準に、これまで過去5年間で年平均273億円、直近1年間で233億円の資産規模成長を実現しました。左に記載の通り、今期の公募増資による新規取得物件以降、決算発表と同時に新たに1物件、ヘルスケア施設のリハリビホームボンセジュール南千束の取得を決定し、本年3月29日に取得を予定しています。東京23区の好立地にあり、大手オペレーターが運営する優良物件の取得になります。レジデンシャルも右に記載の通りのパイプラインを含め、運用会社独自ルート、スポンサーサポートによる新規物件のソーシングを、年初から積極的に継続しております。引き続き中期目標3,700億円に向けて、外部成長による投資主価値の向上に努めてまいります。
24頁は財務の状況です。右上記載のLTVは、第22期末で50.2%まで下げ、先日のリハリビホームボンセジュール南千束取得後も、50.5%と前期の水準を維持します。下段には、2月末時点の有利子負債の状況を記載しています。今期は、1社新しい借入先を追加し、借入先は29社となりました。足元、ベース金利が上昇局面にありますが、拡大したバンクフォーメーションを背景に、積極的な既存レンダーも活用し、安定的、且つ、効率的な財務運営に努めてまいります。
最後に、サステナビリティの状況です。27頁はESGの主な取組みのサマリーです。前期からのUp-datedですが、先ず、環境面において、2022年にGRESB Ratingで、2021年から、One-Star評価を上げ、3-Starsを獲得しました。又、社会Sの欄の右側に記載の通り、今期、ケネディクス従業員向けの、持投資口制度の導入を決定しました。この制度は、従業員の福利・厚生向上に止まらず、投資主と運用会社従業員、又、ケネディクスグループの従業員の利害の一致を図る意味で、重要な施策と位置付けています。
28頁では、具体的な施策を纏めています。前期にGHG削減の目標を掲げましたが、左側中段に記載の通り、共用部を中心にLED化工事を順次進めており、第22期、第23期合計で、8件の改修を進める予定です。又、今後普及の加速が見込まれる、電気自動車の充電設備の需要増に備え、Terra Motorsと協働し、電気自動車充電プラグの設置を致しました。今後、少しずつ拡大をしていく予定です。
以上がKDRの第22期の決算説明となります。今後も、内部成長、外部成長、財務運営に注力し、持続的な成長を目指し、投資主価値の向上に努めてまいりたいと思います。引き続きご支援の程、宜しくお願い申し上げます。最後までご視聴頂き有難うございました。