森ヒルズリート投資法人 2024年7月期決算概要
森ヒルズリート投資法人
2024年7月期(第36期)決算動画説明書
○動画 https://www.irwebcasting.com/20240917/1/5a654b0ffe/mov/main/index.html
○説明資料
https://www.mori-hills-reit.co.jp/LinkClick.aspx?fileticket=ndQCfj5HjI4%3d&tabid=36
〇質疑応答
https://www.mori-hills-reit.co.jp/LinkClick.aspx?fileticket=Z3DCQcqdysk%3d&tabid=36
○説明者 森ビル・インベストメントマネジメント株式会社 代表取締役社長 山本 博之
○説明
2024年7月期(第36期)決算概要の説明を始めたいと思います
お手元の資料の6頁をご覧ください。中央部分が第36期(2024年7月期)の決算の概要です。主要数値を赤枠で囲っております。営業収益が11173百万円、営業利益が6,879百万円、当期純利益が6,343百万円、一口当たり分配金が3,310円となっております。概要は 左上に記載しております。第36期は、営業収益が概ね前期と同水準の一方、増益を達成し、増配を実現しております。
その下のポイントですが、ラフォーレ原宿の7%持分を譲渡し、新規物件取得、そして買替特例活用なしで、譲渡益1,418百万円を全て分配するため、DPUは計画比で増加しております。その次のポイントですが、保有物件の立地クオリティが優れており、オフィス、住宅ともに高い稼働率を維持しております。この結果、今期のオフィスの稼働率が98.8%と、非常に高い水準となっております。続きまして右側のボックスで、前期比変動要因の主な点を説明します。先ず、営業収益については、前期比-2百万円です。
内訳は、ラフォーレ原宿譲渡益、こちらは36期分ですが、+1,418百万円、解約金が+80百万円、住宅賃料・共益費収入が+12百万円、ラフォーレ原宿譲渡益、これは前期分ですが、-1,373百万円、オフィス共益費収入については-83百万円、ラフォーレ原宿賃料収入、これは譲渡すると剥落をしていきますので、マイナスが生じております。次に営業費用ですが-78百万円です。管理委託費、公租公課が増加しています。
その下の固定資産除却損と修繕費につきましては、前期に説明した特殊要因がなくなったということです。パススルー物件の一部において、本投資法人が設備を所有し、業務委託で運営をしていた職域食堂の、契約終了に伴う設備の除去と原状回復でしたが、それがなくなりました。続いて営業外費用ですが、こちらは支払利息等の増加により+22百万円です。以上が36期の決算の概要となります。
続いて7頁です。こちらは、一口当たり分配金の推移です。26期連続増加後、譲渡益寄与により高水準を維持している状況です。右側の2本の棒グラフは、今走っております37期、それから38期の予想となっております。こちらはラフォーレ原宿の分割譲渡による譲渡益が発生し、買換特例を使ってその一部を内部留保するという前提での、予想となっております。従いまして、若し、物件の取得がない場合は、36期と同様に譲渡益を全て分配するということになりますので、この場合は分配金が上振れてくるということになります。それから、右側2本の棒グラフを見て頂きますと、譲渡益を除く分配金の部分が、低下をしているように一見見えますが、こちらについては、特殊要因を補正したものが実力となります。こちらにつきましては、次の頁で説明したいと思います。
続いて8頁です。こちらは、ラフォーレの分割譲渡を開始した時に発表しました、中長期的な譲渡、取得の方針のイメージ図となります。おさらいのため、上段から見ていきますと、先ず、譲渡に関しては、中長期的にはラフォーレ原宿の分割譲渡を行います。そして右側の通り、最終的には選択肢Aとして持分全てを譲渡する。それから、選択肢Bとしてある程度譲渡した段階で、マイノリティ持分で再開発に参画するというオプションもあり、こちらは将来的に判断するということになります。
続いて中段の取得については、譲渡と並行して、中長期的にですが、物件の取得も行い、そして最終的には売るボリュームよりも買うボリュームを大きくして、資産規模は拡大したいというのが方針です。そして、下段のDPUですが、こちらに38期の分配金予想を記載しており3,090円となります。そのうち、譲渡益を除きますと2,417 円となります。しかしながら、その更に右側に記載の通り、ここには一時的なマイナスが含まれておりまして、その説明として、将来の増加余地を記載しております。
先ず、+39円というのは、一時的な大型修繕費の消滅ということになります。この38期に計上されている一時的な大型修繕費がなくなれば、分配金が39円プラスになります。又、その下+131円です。これは、今、ラフォーレ原宿の譲渡が先行していて、取得が少し遅れている状況ですが、ラフォーレ原宿譲渡6回分の合計金額175.7億円により、仮にですが、虎ノ門ヒルズ森タワーを前回と同条件で取得した場合に、このプラスが生じるということです。
よって、この2つの プラスを足すと170円となり、左側の譲渡益を除く2,417円を足しますと、2,587円となります。それから、現在譲渡が進捗して、手元にある程度キャッシュが累積している状況です。昨今J-REITは、全般的に投資口価格が低迷しておりまして、森ヒルズリートも同様です。従いまして、3頁のエグゼクティブサマリーの財務運営でも触れていますが。この累積したキャッシュにつきましては、今後物件の取得の見通しや市場環境を考慮し、最適な活用を検討し実行していきたいと考えております。
続いて9頁です。こちらは、一口当たりNAVの推移です。24期連続増加後、譲渡益分配等の影響はありますが こちらも引き続き 高水準を維持しています。
続いて 10ページです こちらは今走っています37期、それから 38期の業績予想となります 左上に記載しておりますが、大型解約については埋め戻しが完了、通期化し、DPU予想は、譲渡益寄与もあり、37期3,080円、38期3,090円となっています。この大型解約に関しては、前回の説明会でお話ししましたが、1,000坪程度の比較的大きな埋め戻しが、想定を上回るスピードで完了しました。退去と入居に少しタイムラグがありましたが、37期には通期化しています。そうしたこともありまして、オフィスの賃料共益費収入がプラス、又、住宅の賃料共益費収入もプラスとなっています。
続いて11頁です。ここからは森ヒルズリートのポートフォリオの説明です。先ず11頁は、いつも示している方針になりますが、我々は東京都心、プレミアム物件を中心に投資をしています。そして、付加価値創造ということで、物件単体の資産価値に着目するのみならず、その周辺エリアが優れた再開発等によって、地域全体が更に進化し、資産価値が向上するような物件に投資をしていこうと考えています。
続いて12頁です。立地の状況です。引き続きJ-REIT最高の東京都心比率でして、東京都心3区の比率が89.7%となっています。
続いて13頁です。引き続き立地の説明になります。左側の地図に記載の通り、我々の保有物件の多くは、グルーバルな大企業の集積ゾーンと、ITベンチャー企業の集積ゾーンのオーバーラップした部分にありまして、双方の企業群からのオフィス需要を獲得できます。右上のデータは、昨年新規上場した企業の本社所在地が、東京都心の何区に存在するかというものを集計したものですが、 港区 が1位となっております。これは、スポンサーである森ビルが、このエリアで、大企業の新規事業創出に特化するARCH、イノベーションセンターであるCIC Tokyo、大規模VC集積拠点であるTokyo Venture Capital Hubといった仕掛けをしており、様々な企業が集積しやすい環境を整えていることも、大きいと考えています。
続いて14頁です。こちらは、物件クオリティということで、森ヒルズリートの体表的な物件を記載しております。いずれの物件も大規模で駅アクセスが良く、レストランやホテル、カンファレンス、文化施設といった様々な付帯施設が充実していて、更に敷地の緑被率も高く、快適性、安全性に優れている物件です。こうした物件は上段に記載の通り、本社機能として、大変強いオフィス需要を獲得しておりまして、継続して高い稼働率を維持している状況です。
それでは少し頁を飛ばしまして17頁です。ここからは、付加価値創造のご説明となります。右側記載の通り、虎ノ門ヒルズステーションタワーが昨年竣工し、開業しております。森ヒルズリートが既に保有している虎ノ門ヒルズ森タワーとデッキで繋がり、資産価値の向上、我々のテナントの利便性の向上という観点で、大きなプラスとなっています。
そして1つ頁を飛ばしまして19頁です。麻布台ヒルズについても、昨年竣工しました。各施設が開業し、イベントも開かれ、多くの方に訪れて頂く町となっています。いずれの物件も、スポンサーである森ビルによる、極めて質の高い大規模な再開発で、この周辺エリアの活性化、資産価値の向上をリードしておりまして、我々のポートフォリオでもプラスの影響があります。そして、こうした物件は、森ヒルズリートにとって、将来の取得の候補となりうる物件です。
それでは、又、少し頁を飛ばしまして25頁です。ここからは内部成長の説明となります。先ず左側ですが、森ヒルズリートの稼働率の推移ということで、オフィス、住宅ともに、高い稼働率を維持しています。オフィスの平均稼働率は、36期98.8%、住宅は97.1%でした。右側は都心オフィス空室率との比較ということで、真ん中の赤い線は三鬼商事が発表している都心5区のオフィス空室率、そしてその上が、内数としての港区のオフィス空室率となります。一方で、一番下の折れ線グラフが森ヒルズリートで、 この中においても、ずっと低い水準を維持しておりまして、日常平均とは全く異なる動きとなっています。
又、一番右側の下を見て頂きますと、2024年の1月に、少し空室率が2.5%と上昇しておりました。これは先ほどお話しました大型解約によるものですが、埋め戻しが完了しておりますので、今期においては0.5%と低下しています。今後の37期、38期につきましても、稼働率は高水準が続く見込みです。この点につきましては、港区の中でも、やはり森ヒルズリートの保有物件について立地が非常によく、そして、何よりクオリティが優れているために、このような結果となっています。
続いて26頁です。こちらは、決算期毎に賃料改定を迎えたテナントの改定率の情報、それから、右下は入替の実績も示しています。左側のグラフを見て頂きますと、上段がオフィスでマイナスとなっています。これはコメントしておりますが。少ない母数において、大きな割合を占めるテナントの減額影響による一時的なもので、37期には解消していく予定です。一方、 左下の住宅に関してはプラスが継続していまして、+9.5%とプラス幅が大きく拡大しています。右上を見て頂きますとオフィスがマイナスとなっています。こちらは大型解約の埋め戻しによる一時的なもので、こちらも37期には解消していく予定です。一方住宅は、高い水準でプラスとなっています。今後につきましては、オフィス、住宅ともにプラスの方向になっていくと考えています。
続いて27頁です。左側はレントギャップ率の情報です。オフィスのパススルー物件の情報でして、改定入替の進捗に伴い、レントギャップが大幅に縮小しました。35期に、一部の物件で大型解約が発生しましたけれども、埋め戻しが完了しており、賃料も底堅い動きとなることが予想されます。
そして1つ頁を飛ばしまして29頁です。ここから財務運営の説明です。左上LTVの推移ですが、36期が簿価ベースで46%、鑑定ベースで36.7%ということで安定した水準で推移しています。又、その下の有利子負債平均金利つきましては、足元の金利動向を反映して前期比0.03%上昇となりました。
続いて30頁です。左上の有利子負債の平均残存年数ということで、36期末で3.8年と前期比少し短くなっていますが、これは今期の借り換え金額の量が少なかったことによるもので、調達年数は変わらずに平均8年程度を続けている状況です。そしてその右、JCRの格付はAAフラット、見通しは安定的となっており、前のページのLTVと合わせまして、引き続き強固な財務体質を維持している状況です。
それではまた少し頁を飛ばしまして32頁です。サステナビリティへの取り組み、こちらは 外部評価の説明となります。左側ですが、MSCIジャパンESGセレクトリーダーズ指数に選定されています。又、右上ですが、GRESB評価4-Starsを獲得している状況です。
続いて33 頁、TCFD関連です。真ん中にあるCO2排出量についてですが、再生可能エネルギー電力の切り替えにより、2030年度に50%削減という中期目標を2023年度で達成し、52.7%削減となっている状況です。最後になりますが、都心オフィス空室率は改善基調にあります。その中でも、立地、クオリティが優れている森ヒルズリートの稼働率は、98.8%と高水準を維持しております。又、住宅の稼働率も97.1%と高水準です。現状は金利を含めたコストの増加もありますけれども、今後は賃料の上昇に努めていきたいと考えております。
私からの 説明は以上となります。