森ヒルズリート投資法人 2024年1月期決算概要
森ヒルズリート投資法人
2024年1月期(第35期)決算動画説明書&質疑応答
○動画 https://www.irwebcasting.com/20240318/1/d0935603db/mov/main/index.html
○説明資料
https://www.mori-hills-reit.co.jp/LinkClick.aspx?fileticket=LUvSWovqmOo%3d&tabid=36
○説明者 森ヒルズリート投資法人 執行役員 兼
森ビル・インベストメントマネジメント株式会社 代表取締役社長 礒部 英之
○説明
森ヒルズリート投資法人第35期決算説明を始めたいと思います。
お手元の資料の6頁をご覧ください。第35期(2024年1月期)の決算の概要でございます。主要数値は赤枠で囲っておりますが、営業収益が11,176百万円、営業利益が6,803百万円、当期純利益が6,289百万円、一口当たり分配金が3,282円でございます。概要は左上に文字で纏めております。第35期は前期比で減収減益となりますが、譲渡益計上によりDPUは高水準を維持しています。
その下のポイントですが、ラフォーレ原宿の7%持分を譲渡し、新規物件取得、そして、買替特例活用なしで、譲渡益1,373百万円を全て分配するため、DPUは計画比で増加しております。その次のポイントですが、保有物件の立地クオリティが優れており、オフィス、住宅ともに高い稼働率を維持しています。そして続きまして、右側のボックスで、前期比変動要因の主な点を説明します。営業収益については、前期比38百万円のマイナスです。内訳は、ラフォーレ原宿譲渡益+1,373百万円、解約違約金が+59百万円、その下のラフォーレ原宿の譲渡益、これは前期分ですが、-1,376百万円、その下のラフォーレ原宿の賃料収入、これは譲渡すると剥落をしていきますので、マイナスが生じております。
その下のオフィス賃料については-25百万円です。次に営業費用ですが、こちらは前期と比較しまして113百万円増加しております。内訳は、以下に記載の通りですが、この中に今期限りの特殊要因が含まれておりますので、その点を説明致します。それは、修繕費とその下の固定資産除却損に関わる部分ですが、パススルー物件の一部において、本投資法人が設備を所有して、業務委託で運営をしていた職域食堂がったのですが、こちらの業務委託契約の終了に伴い、その設備を除去して原状回復を行うことによる固定資産の除却損、それから修繕費の発生になっております。従いましてこの要素に関しては、今期限り、来期には自然になくなりますので、その点については来季の分配金の上昇要因となります。その下ですが、管理委託費、公租公課が増加し、減価償却費、水道光熱費等は減少しております。そして続きまして営業外費用ですが、こちらは支払い利息等の減少により前期比-18百万円です。以上が35期の決算の概要となります。
続きまして7頁、こちらは一口当たり分配金の推移となっています。 2010年以降26期連続増配というのが続いていましたが、その連続記録はストップとなっております。しかしながら、譲渡益の寄与により高水準を維持している状況です。棒グラフ右側2本が今走っています36期、それから 37期の予想となっております。こちらはラフォーレの分割譲渡による譲渡益が発生し、その一部を買替特例を使って、一部を内部留保するという前提での予想となっています。従いまして、もし、物件の取得がない場合は、35期と同様に譲渡益を全て分配することとなりますので、その場合は分配金が上振れするということになります。それから、右側2本の棒グラフを見て頂きますと、譲渡益を除く分配金の部分が低下をしているように一見見えますが、こちらについては、特殊要因を補正するとそれほど下がっていないということについて、次頁で説明したいと思います。
続いて8頁です。こちらはラフォーレの分割譲渡を開始した時に発表しました、中長期的な譲渡・所得の方針のイメージ図となります。おさらいのため、上段から見てまいりますと、譲渡に関してはラフォーレの分割譲渡を行い、右上の通りに中長期的には選択肢A:持分全てを譲渡する、そして選択肢B:マイノリティ持分で再開発に参画するという、そういうオプションもあるという状況です。そして、中段の取得については、譲渡と並行して、中長期的にですが、物件の取得も行い、そして最終的には売るボリュームよりも、買うボリュームを大きくして、資産規模は拡大したいというのが方針です。そして、下段のDPUですが、こちらが37期の分配金予想3,080円ですが、そのうち譲渡益を除きますと、こちらが2,457円なっております。
しかしながら、そこの更に右側に記載の通り、ここには一時的なマイナスが含まれておりまして、それが何かという説明ですが、+47円というのは一時的な大型修繕費の消滅ということで、この37期に計上されている一時的な大型修繕費がなくなれば、分配金が47円増加します。又、その下の+109円ですが、これは、今ラフォーレの譲渡が先行していて、取得の方がまだ少ない状況です。従いまして、ここに記載の通り、ラフォーレ原宿の譲渡5回分の合計金額146億円により、仮にですが虎ノ門ヒルズ森タワーを前回と同条件で取得した場合に、このプラスが生じるということです。ですので、この2つのプラスとその左側の譲渡益を除く2,457円を足しますと、大体2,610円ぐらいとなりまして、その一番下に参考として書いてある、ラフォーレ譲渡を開始した期の譲渡益を除くDPU2,660円から多少は低下していますが、それほど大きくは下がっていないというのが現状でございます。それから、ここの資料には記載していませんが、譲渡が先行して現在手元にある程度キャッシュが累積しています、昨今Jリート全般に投資口価格が低迷をしていまして、森ヒルズリートも同様です。従いまして、この累積したキャッシュについては、今後、物件の取得、或いは、自己投資口の取得も含めて、最適な活用を検討し、実行してまいりたいと考えております。
続きまして次の 9頁です。こちらは一口あたりNAVの推移です。24期連続増加後、譲渡益分配等の影響により減少となりましたが、こちらも引き続き高水準を維持しております。続いて10頁になります。こちらは、今走っています36期、それから37期の業績予想となります。左上に赤文字で記載していますが、大型解約については速やかに埋め戻しが内定し、DPU予想は譲渡益寄与もあり、36期3,070円、37期3,080円となっています。この大型解約に関しては、前回の説明会にても話しましたが、1,000坪程度の比較的大きな解約が生じました。しかしながら、この埋め戻しが我々の想定を上回るスピードで完了しまして、それにより退去と入居に少しタイムラグがあるので、一旦36期に減収となりますが、その次の37期には再び増収となるという状況でございます。
続きまして次の11頁に参ります。ここからは森ヒルズリートのポートフォリオの最新状況のご説明です。先ず、11頁は我々の、いつもお示ししている方針になりますが、我々は東京都心プレミアム物件を中心に投資をしております。そして付加価値創造ということで、物件単体の資産価値に着目するのみならず、その周辺エリアが優れた再開発等によって、その地域全体がさらに進化し、資産価値が向上する、そういう物件に投資をしていこうと思っております。
12頁以降でそのポートフォリオの最新状況ですが、先ず、次の12頁、立地です。引き続きJ-REIT最高の、東京都心比率でありまして、東京都心3区の比率が89.4%、左下の表は、公的機関が出しています将来の人口推計になりますが、昨年の終わりには、これは5年ごとに更新されておりますが、昨年の終わりに新たに更新されましたので、その数値を掲載しております。一番下段の全国というところを見て頂きますと、2050年において2020年の人口に対して、一番右側ですが、全国で-17%という大きく人口が減少するということですが、東京都については、その変動率が+2.5%、5年前の推計よりもプラス幅が大きくなっています。そして更に、その上の都心3 区と都心5区については、より大きなプラスが予想されております。こうした人口動態の観点からも、引き続き東京、そして東京都心部の競争優位性が見て取れます。
次の13頁は、引き続き立地の説明です。左側の地図に掲載の通り、我々の保有物件の多くは、グローバルな大企業の集積ゾーンと、それからITベンチャー企業の集積ゾーンのオーバーラップした部分にありまして、双方の企業群からのオフィス需要を獲得できます。右上のデータは、昨年新規上場した企業の本社所在地が、東京都心の何区に存在するかというものを集計したものですが、港区が1位となっています。我々はこのデータを、2018年頃から集計して、この説明資料に掲載していますが、2018年あたりからずっと港区が1位です。やはり上場するような勢いのあるベンチャー企業が、好んでオフィスを構えるのが港区ということが言えるかと思います。又、右下に、港区に本社を置くIT企業の例ということで、企業名を掲載しておりますが、様々な名立たる企業が本社を構えている状況です。
続きまして次の14頁ですが、物件クオリティということで、森ヒルズリートの代表的物件をそちらに掲載しております。いずれの物件も、大規模で、駅からのアクセスがよく、それからレストランですとか、ホテル、カンファレンス、文化施設等々の付帯施設が充実していて、更に敷地の緑被率も高く、利便性や快適性、安全性に優れている物件、こうした物件は上段に記載の通り、本社機能として大変強いオフィス需要を獲得しておりまして、コロナ禍を経ても、ずっと高い稼働率を維持している状況です。
それでは少し頁を飛ばしまして、17頁以降が付価値創造です。17頁右側の通り、虎ノ門ヒルズステーションタワーは昨年竣工しました。そして1つ頁を飛んで、19頁の麻布台ヒルズについても、こちらは昨年竣工、開業しております。いずれの物件ともスポンサーである森ビルによる、極めて質の高い大規模な再開発で、この周辺エリアの活性化、資産価値の向上をリードしておりまして、我々のポートフォリオにもプラスの影響がありますし、そしてこうした物件は森ヒルズリートにとって、将来の取得の候補となりうる物件でございます。それでは、少しページを飛ばしまして、25頁から内部成長のコーナーとなります。先ず、左側ですが、森ヒルズリートの稼働率の推移ということで、オフィス、住宅ともに高い稼働率を維持しております。先ほども申し上げましたが、オフィスの平均稼働率は35期99%でした。
右側は都心の平均空室率との比較ということで、真ん中の赤い線が、三鬼商事が発表されている都心5区の平均空室率です。その上が港区の同じく三鬼商事が発表されている港区の平均空室率です。一方、一番下の折れ線グラフが森ヒルズリートで、コロナ禍においても、ずっと低い水準を維持しております。市場平均とは全く異なる動きとなっています。一番右側見て頂きますと、2024年の1月に少し空室率が上昇しておりますが、これが先ほど話をしました大型解約によるもので、しかしながらこれは、速やかに埋め戻しが終わっておりますので、この後の期においては再びこちらが低下してまいります。
続いて26頁です。こちらは、決算期ごとに賃料改定を迎えたテナントさんの改定率の情報、それから右下は、入替の実績も示しております。左側のグラフを見て頂きますと、上段がオフィスで、引き続きややマイナスが続いております。一方、左下の住宅に関しては、プラスがずっと継続していまして、プラス幅が拡大しています。
次の27頁ですが、左側はレントギャップ率の情報です、パススルー物件の情報でして、レントキャップがずっと拡大していたのですが、今般改定の進捗、それから入替の進捗に伴い、 レントギャップが反転して縮小しました。今後については、こちらのレントギャップが徐々に収束に向かっていく感覚を持っております。
それでは最後になりますが29頁から財務運営の話です。こちらは、あまり特筆すべきことはないのですが、左上LTVの推移を見てまいりたいと思います。安定した水準にありまして、35期最新値が、帳簿価格ベースで46.1%、鑑定ベースで36.7%ということで、我々のターゲット水準で推移しております。
又、次の30頁ですが、左上は有利子負債の平均残存年数ということで、こちらに関しても従来4.0年程度以上ということで掲げておりますが、引き続きこちらも4.0年程度以上ということで運用してまいりたいと考えております。
私からの説明は以上となります。
<質疑応答>
Q:手元キャッシュが積みあがっている点に関して、今後物件取得とか自社株買いとか最適な使途に使うとのことですが、最適が何かをどう判断するのかということに関して、もう少し説明頂ければと思います。効果としては、具体的にはDPUへのインパクトとか、NAVへのインパクトとか、資産規模の維持だとか、LTVとかも変わってきますし、現実的には色んな要素を総合的に判断するということなのかもしれませんが、何を最優先して決断していくのか補足で説明を頂ければ思います。
A:こちらは、効果は勿論さることながら、どちらかというと、次の物件取得のタイミングですとか、その物件が何であるとかというその物件の状況と、それから投資口価格の水準、この辺りが中心になってくるかと思います。それに加えまして、その他分配金への影響、NAVへの影響等々も総合的に勘案しますが、主に物件の状況、それから投資口価格の状況、このあたりを中心に考えながら、総合的な影響を勘案して判断するということになります。
Q:理解としては、物件がまず先にあって、物件があれば買いたいと、買うべき物件がなければ他の選択肢も考慮していきたいという、そういう理解で大丈夫ですか。
A:その物件があるというか、森ヒルズリートの場合は割と比較的わかりやすいと思うんですが、いずれラフォーレ譲渡の方針を示した際に示しました通り、中長期的には取得を行っていくということで、物件パイプラインもあるので、取得はいずれ必ず発生するわけですが、前回の決算説明でも話しました通り、スポンサーの方の住宅分譲が想像以上に好調であるので、我々への物件売却、我々から見ると物件取得が少し遅れているというような状況ですので、いずれにせを取得は発生しますが、そのタイミングが、例えば、割とすぐ起きるのか、少し先になるのかとか、そういう物件のタイミングを図りながら、例えば、それがずいぶん先のようであれば、投資口価格の状況も見ながら別の判断を行う可能性もあるという、そういうようなニュアンスになります。
それでは追加の質問がないようですので、これにて質疑応答および説明会を終了させて頂きます。
本日はお忙しいところ、弊社決算説明会にご参加頂き、誠に有難うございました。