星野リゾート・リート投資法人 2025年10月期
星野リゾート・リート投資法人
2025年10月期(第25期)決算動画説明書
○動画
https://www.irwebmeeting.com/hoshinoresorts-reit/vod/202512/vSiLmJfy/202510_25th_01_ja/index.html
○説明資料
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3287/ir_material_for_fiscal_ym/194451/00.pdf
○説明者
・星野リゾート 代表 星野 佳路
・星野リゾート・リート投資法人 執行役員 兼 株式会社星野リゾート・アセットマネジメント
代表取締役社長 秋本 憲二
・株式会社星野リゾート・アセットマネジメント 企画管理部長 光本 梨菜
・投資運用本部長 高橋 悦郎
・経営企画本部長 兼 財務経理本部長 蕪木 貴裕
・チーフ・サステナビリティ・オフィサー 菊池 昌枝
○説明
<代表取締役社長 秋本 憲二>
本日は星野リゾート・リート投資法人、第25期決算動画をご視聴頂きまして誠に有難うございます。本題に入る前に、冒頭、私からトピックを2点ほどお話させて頂きます。先ず1点目は、足元の日中の外交問題について簡単にお話し致します。中国からのインバウンドは、中国政府の渡航自粛要請により、ホテル、航空業界などで予約キャンセルが相次ぎ、経済損失が懸念されています。そんな中、今後のインバウンド獲得への影響を予想してみます。
本投資法人のポートフォリオ全体の、2025年10月までの1年間のインバウンド比率は21.5%、そしてそのうちの20.3%が中国でした。この実績をベースに2026年のインバウンドの影響を予想して見ますと、中国からの団体はキャンセルが出ていますが、個人は予約が入り続けていますので、中国からのインバウンドは多くて1/2の現象だと予想しています。結果、ポートフォリオ全体への影響としては、1%強が減少するといった感じなのではと思っています。そして、その中国の減少は、ほかで埋めることが可能ですので影響は限定的と言えます。実際、欧・米・豪などの他地域からの需要増で全体は持ちこたえつつあります。
問題は、日中の外交問題がどれくらいの期間続くかということです。以前、小泉元首相の靖国参拝問題の時には長期間続いたことを考えますと、2年くらい影響があるのかもしれません。中国からのインバウンドは、政治的要因に左右されやすく、今後はより一層、国、地域を分散させる戦略が、我々の安定的、持続的な発展の鍵となると考えています。次に2点目、今後の内部成長の推進力となる、温泉旅館ブランド界の進化についてお話をさせて頂きます。日本の観光産業における政府目標は、2030年にインバウンド6,000万人を達成することであり、その時の観光市場は、インバウンド15兆円、国内市場22兆円くらいになると試算できます。実際に15兆円まで伸びるかは確かではありませんが、インバウンド比率が現在よりも高まることは間違いありません。
そんな中、日本は、温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録を、最短で2028年達成を目指しています。温泉文化を体験する装置としての温泉旅館は、今後ますます注目される宿泊カテゴリーになることが予想され、サービス内容、インバウンドニーズにアジャストしていく必要があります。星野リゾートでは、この3年間、業務最適化プロジェクトを進める中で、界においてはインバウンドシフトへの転換を図ってきました。例えば夕食と朝食に、インバウンドからの要望が高いベジタリアンメニューを導入しました。一つのテーブルの中で、ベジタリアン懐石と通常の日本旅懐石コースが混在することにも対応する、運営方法に変更を行いました。
一方で、和食メニューを2コース設定したものを、1コースに統一することで労働負荷のバランスを整えました。又、2026年以降には、インバウンドを中心とする連泊ニーズに対応するため、昼食時間帯のお弁当の提供、周辺アクティビティ会社とのOn-Line提携強化、連泊滞在の中で夕食日・曜日の自由設定可能な予約体験などの導入も予定しています。温泉旅館の界がインバウンド市場は勿論、国内市場に対しても連泊ニーズを自然に取り込めるようになることは、界ブランドへの総需要の拡大に繋がります。総需要が拡大すればRevPARが上昇します。
界は2026年、界草津、界宮島、界蔵王の新規開業を予定しています。草津は温泉ランキングで常に高い順位を維持しており、温泉旅館ブランド界にとっては無くてならない拠点です。世界遺産の厳島神社を全部屋から一望できる界宮島は、インバウンド比率が高くなると予想しています。蔵王温泉は、春から秋にかけては国内外から安定した需要を維持していますが、冬が課題です。蔵王温泉スキー場は、2025年、26年冬シーズンから、北米スキー市場における二大年間スキーバスの1つである Ikon Passに加盟することが決定し、当期のインバウンド需要の増加が期待できます。
国内でIkonに加盟しているスキー場は、ニセコを含む9拠点のみであり、その中の2拠点が星野リゾート運営のネコママウンテンとMt.T、谷川岳で、今後Ikonとの連携を更に強化していく予定です。界蔵王は、蔵王中央ロープウェイ乗り場とゲレンデから徒歩1分の場所に位置しています。インバウンドの獲得による内部成長に加えて、これら新規開業施設もパイプラインとして積み上がってきますので、将来の外部成長に繋がってきます。
<企画管理部長 光本 梨菜>
こんにちは新しく企画管理部長に就任をしました弘光です。これからも開示の透明性とタイムリーな情報提供を大切にし、投資家の皆様との信頼関係を一層深めてまいりたいと考えております。どうぞ宜しくお願い致します。
本日の決算説明動画では、今期の決算概要、運用ハイライト、今後の運用戦略、そしてサステナビリティの取り組みについて順にご説明致します。先ずはChapter 1、決算概要について 秋元よりご説明致します。
<代表取締役社長 秋本 憲二>
では今回の決算の概要を説明していきます。
6頁をご覧下さい。2025年10月期、私共の第25期の決算サマリーです。様々な取り組みを推進推することにより、当期の分配金を前期から大きく伸ばしています。予想比では6,077円と、+77円で着地しました。ポートフォリオ全体のNOI利回りは6.3%、LTV39.5%、一口当たりのNAVは305,074円となっています。
次に7頁をご覧ください。分配金の実績および予想についてです。コロナ前の分配金水準に戻すこと、そしてその先の成長に向けて回復スピードを加速させています。2025年10月期の分配金実績は、先ほどご説明した通りです。2026年4月期は 6,500円と、前回予想比で+300円の増配を見込んでいます。万博による宿泊需要が想定を上回ったことや 11月に取得したアクアイグニス取得効果が寄与しています。そして2026年10月期には、コロナ前の分配金である6,651円を超える6,660円となる見込みです。星野リゾート物件では、界遠州の改装休館やOMO7大阪の割増固定賃料の終了に伴い減収となりますが、外部物件ではグランドプリンスホテル大阪ベイやthe bの好調な運営、更にはリアルタイム連動物件のシーズナリティの影響により増収となり、全体としては前期からの増配を見込みます。
次に運用のハイライトを説明していきます。10頁をご覧ください。2025年10月期実績から2026年4月期、10月期への増減要因については、資料に記載の通りです。2026年10月期にはコロナ前を超える分配金となる見込みですが、本投資法人の足元の投資口価格を考えると、その向上に向けて更なる分配金成長を目指していくことが重要だと考えています。2027年10月期には7,000円を、そして7,000円達成以降は、中期的に8,000円の水準を目指して積極的な取り組みを継続していきたいと考えています。それに至るまでの主なドライバーとして、星野リゾートにおいては、人材への投資で一時的に悪化している収益性を改善していくことや、OMO7大阪の予定収益を達成していくことが挙げられます。OMO7大阪は魅力醸成が遅れ、計画時より立ち上がりが遅れました。
しかし、今年の11月にPIKAPIKA NIGHTというアクティビティを大リニューアルさせ、漸く他のホテルではまねできない星野リゾートらしい魅力作りが完成し、今後の堅調な運営が期待できると考えています。星野リゾート以外の物件については、宿泊特化物件を中心に収益向上に寄与する投資機会が豊富に残されているので、今後積極投資を行うことで分配金向上に繋げていきたいと考えています。又、ML契約変更やリブランドなどのストラクチャー変更などでも収益向上の機会がありますので、それらも狙っていきたいと考えております。外部成長策としましては、高利回り物件や成長余地が大きい物件へ厳選投資することで、分配金に寄与させていきます。今期取得しましたアクアイグニスは高利回りの取得、且つ取得以降の内部成長も期待できる物件となっています。直近も複数行った課題物件の入替も引き続き狙っていきます。これらの取り組みにより、2027年10月には7,000円を、そしてその先の8,000円の水準を目指しています。
<投資運用本部長 高橋 悦郎>
続いて高橋より新規取得物件のご紹介をさせて頂きます。
11頁をご覧ください。2025年11月4日アクアイグニス/湯の山素粋居を取得致しました。コンセプトは訪れる人々の心を癒す、そっと人が交わる極上の休日空間です。高いデザイン性を備えた、癒しと食をテーマにした複合温泉リゾート施設です。アクセスは記載の通りでして、名古屋から約45分、大阪からは約2時間程度の立地となっております。資料右手に概要を記載しております。取得価格は、対鑑定評価93.9%である5,953百万円、鑑定NOI利回り5.8%、償却後利回り5.3%となっており、高い利回りを実現した外部成長であったと言えます、下段に記載しておりますパフォーマンスについてですが、稼働率に物足りなさを感じますが、この前提でのバリエーションで取得しておりますので、今後のアップサイドは投資法人の利益に直結してまいります。現在、顧客満足度を高める魅投資を検討中であり、これにより利用者の増加、ひいては賃料増収を目指しております。魅力投資の実施による内部成長を着実に進めてまいります。
続いて12頁、ブランド別実績サマリーです。星野リゾート運営物件の合計で、一昨年比19.2%のRevPAR成長、前年比では0.7%の成長となりました。これは競合物件の出現により、リゾナーレ2物件の獲得力に下落圧力がかかっていることに加え、一件好調に見える星のやハイブランドも、夏の地震の噂や実際に発生した自然災害の影響を受け、一部期間の成長が鈍化してしまったことが要因です。リゾナーレでは、現在新たな魅力を創出し、価格競争から脱するための戦略を検討しておりまして、随時実行してまいる予定でございます。右側が外部物件です。一昨年比30.2%、前年比で14.6%の成長となっております。改装期間やリブランド期間を含んでおり、前提条件が揃っていない部分もありますが、概ね順調に成長していると評価できると考えております。
13頁をご覧下さい。次に大阪・関西万博会期中の実績および今後の宿泊需要のアップサイドについてご説明します。本投資法人は、万博会場であり将来的なIR会場である夢洲へのアクセスが良好である、4物件を保有しております。左手下段に会期中の実績を記載しておりまして、会場である夢洲に最も隣接しておりますグランドプリンスホテル大阪ベイは、会期中好調を継続し、RevPARで135%以上を達成しております。万博はあくまでも一時的なイベントであり閉幕してしまいましたが、夢洲はこれからがより期待できるエリアです。資料右側をご覧ください。
既にIRを中心としたまちづくりである第1期区域の工事は、2025年4月に着工しており、2030年秋頃の開業が予定されています。国内外からの年間来訪者数は約2,000万人と見込まれておりまして、USJ の2024年の来園者数である1,600万人と並べてみると、IR 事業のインパクトはよりご理解頂けるかと思います。又、IRのその後の計画の議論も着実に進んでおります。詳細は資料をご覧ください。IRとこれらの開発が進んでいく過程において、フェーズごとに高まる宿泊需要をしっかりと取り込んでまいります。それではここで、星野リゾート代表の星野より皆様へのメッセージが届いております。ご覧ください。
<星野リゾート代表 星野 佳路>
こんにちは、星野佳路です。今日は、2026年どのような運営になるか、ちょっと予想してみたいと思っています。
これが2024年の日本の観光消費額全体ですけれども、春にご報告した通りです。
2025年のインバウンドがどれくらいになるのか予想してみたのですが、4,500万人に落ち着くと思っています。コロナ禍からは急回復したのですが、ちょっと長期的な視線で見てみると、S字カーブを描いていまして、段々成長率は落ちてきている可能性があると考えています。
最終的にどのへんでフラットになってくるかということですが、観光のインバウンドが多い国というのは、地続きの国が結構上位を占めておりまして、島国はイギリスですね。これが大体2025年は、恐らく4,400万人ぐらいになる予定なので、日本も、4,000万人、5,000万人、6,000万人の手前ぐらいのどこかでフラットになってくる。今後は、一旦成長させた日本のインバウンドの数を、これからも維持できるのかどうかというところが大事になってきて、そこに政策や私たちの考え方を変えていかなくてはならない時期に来ていると私は思っています。
2024年の国別のインバウンドの構成比は、こういうふうになっていましたが、2025年をちょっと予想すると、少し変わっていますが大枠は昨年と同じように推移するだろうというふうに考えています。今、残念ながら日本と中国との問題で、中国から日本に来られる方が減るのではないかという懸念を、皆さん、持っていらっしゃると思いますが、それがどのくらい減る可能性があるのかということを予測してみると、2025年のインバウンドをベースに予測してみると、インバウンドの23%が中国、そして6%ぐらいが香港からで、2.7兆円ぐらいあります。私達の今の予約を見てみると、団体のキャンセルというのは一定程度出ていますが、個人の客については大半を維持しています。ですので、2.7兆円が全部なくなる訳ではなくて、そのうちの1/3、又は1/4になるのではないかと予想していまして、日本の観光業界の2.5%ぐらいが、恐らくリスクに晒されるだろうと思っています。
ただ、元々10%以上の成長率でインバウンドを来ておりまして、これは全世界からの数字ですが、例えば豪州、すごく大きく成長しましたが、2025年はさらに伸びて初めて100万人を超える予定です。やはりインバウンドを考える時には年間の数字の平準化、日本の観光目標を達成するためには、色んな国からいらっしゃるというDiversityが重要です。そういった意味でも、アジアの近い国からだけではなくて、もっと、もっと他の場所から沢山いらして頂き、分散してマーケッティングができるようになると、日本の観光産業はもっと強くなるのではないかと思っています。
そして今年、星野リゾートは、フレボルを導入しました。長い間構想してきたサービスですが、これは、予約の段階で体験を豊かにしていこうということなのです。日本のホテル、日本だけではありませんが、世界の中では、滞在の価値というのはどんどん上がってきていますが、予約体験というところに戦いの主戦場が映ってきているのではないかと感じていまして、予約の体験をもっと快適にお客様に感じて頂こうと構想してきました。その第1弾が今回発表した内容です。
ここに辿り着くには紆余曲折ありまして、エンジニアの人達に社内に入ってきてもらって、システムを内製化するということが私達の考え方を実現するのにプラスになっています。今回導入したサービスというのは、主にこの4つですが、一旦予約をして頂いた後に人数変更したい、これは大きなニーズがあります。人数変更したことによって部屋タイプを変更したい、例えば、露天風呂のある部屋に変更したいと後から思うというのは、今までは電話をするか、又は一旦キャンセルして取り直すかですが、一旦キャンセルすると返金があったりしまして、クレジットカードの場合の返金は1ヶ月、或いは2ヶ月後に返金されますので、新しい予約をするのに、又、払い込んだりするとかが、予約段階での抵抗になっていると我々は思っておりまして、私達に大きな手間が発生していた訳です。それをOn-line上で自由に、簡単にしたというのがフレボルの導入です。人数を変え、部屋タイプを変え、そして日程も2泊だったのを3泊、今週ではなくて来週に、というような予約変更も簡単にできるようになりました。
このシステム、今、界の全施設で導入されておりまして、Lucyの施設でも導入されております。今後、2026年、2027年に関しては、私達は73の運営施設の中で、まず国内をフレボルが導入できる体制に、どんどんシステムを入れ替えていきたいと思っていますし、同時に、この2年間においては、先ほどの4つの項目以外に違った予約体験を、もっと、もっと快適になるように新しいサービスを導入していきたいと思っております。
星野リゾート、予約体験を充実させると同時に、実は、2026年は開業ラッシングになります。私達、9施設を開業させる予定です。これからも私達の進化に是非ご注目頂きたいと思います。どうも有難うございました。
<投資運用本部長 高橋 悦郎>
ご視聴、有難うございました。
続いて14頁です。星野リゾートの運営基盤を強化する取り組みについてご紹介します。先ず、左手上段、業務最適化プロジェクトの内容についてご説明します。これは上昇を続けるオペレーションコストについて、一つ一つの業務を見直していくことによって、この上昇幅を相対的に緩やかなものにしていくという取り組みです。ただ、業務内容は顧客の満足度、ブランド力、収益力など、図で示している6つ全てが影響しあう関係性にあります。1つの業務を止めるということは何かを犠牲にするということであり、トレードオフを伴う判断となっているということがご理解頂けるかと思います。去年、今年と、その6つの要素を高い時点でバランスするオペレーションに変えていくために、代表の星野と各施設の総支配人が一堂に会する場、グループ内でサミットと呼んでおりますが、そこで一つ一つのトレードオフを判断し、業務改善を続けてまいりました。
2024年のプロジェクト開始時と比較し、本投資法人が保有する界においては、総労働時間が▲4.34%、一室当たりの労働時間が▲4.9%の削減を見込んでいます。続いて左下をご覧ください。持続可能な運営体制を構築するための取り組みについてご紹介します。先ず前提ですが、ホテル業界全体は、今、人材不足が大きな課題となっております。これは少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少という構造的な問題に加えて、ホテル業界特有の労働環境、中抜け勤務・シフト制、キャリア形成の不透明さなども大きな要因となっております。星野リゾートは、マルチタスクの導入による中抜けシフトの廃止、立候補制度による自律的なキャリア形成支援などを通じ、この課題解決を進めてまいりました。
今回、選ばれる企業であり続けるために新たな運営体制を導入しており、漸く本題ですが、それがこちらで紹介しております週休3日制という、ホテルサービス業界における革新的な取り組みです。界ブランドにおいて、離職率低下、採用力の向上を目的として、週休3日制を導入しております。労働時間を変更せずに休日数を増やすという手法です。休日が増えた代わりに、1日の労働時間が8時間から10時間に変更となりますが、繁忙期を中心として1日2時間程度の残業が発生している場合が多く、現在の労働時間から大きな変更は生じておりません。週休3日で得られる効果は記載の通りです。中長期的な効果である人員定着率の向上による採用費の減少や、トレーニング時間の削減、スキル習熟度の向上といったことに加え、同業界は勿論、他の産業と比較し、持続的に労働者に選ばれる企業になるための取り組みを継続していくということが、最も需要である考えております。
続いて15頁でインバウンド比率を紹介しています。全体的にインバウンド比率が上昇してきていることがご理解頂けると思います。星野リゾート運営物件においては、ここを更に上昇させることが可能だと考えており、その具体的施策については次の頁でご説明します。
では16頁です。左下に、星野リゾート全体におけるインバウンドによる客室売上の推移を記載しておりまして、右肩上がりに推移していることがお分かりになるかと思います。ここでご着目頂きたいのが自社予約比率の高さでございまして、売上規模が拡大してもなお、6割超えのシェアを継続しております。OTA依存を下げることは収益性向上に繋がりますし、自社予約で獲得したゲストの方が顧客満足度を高めやすいという利点もあります。今後もこの両立の実現に向けた施策を検討してまいります。続いて右下の、滞在満足度を確保する施策もご一読ください。特に宿泊体験の向上を狙う食の方針については、インバウンドの更なる獲得、滞在体験の向上にはベジタリアンメニューの導入が重要でした。内容は冒頭に秋元が申し上げた通りでございます。
続いて17頁で内部成長施策をご説明致します。インバウンド市場や国内レジャー市場の伸長に応えていくため、大人数部屋への投資を促進しておりまして、ここではthe be赤坂、浅草の実績を紹介しています。赤坂では、2室を1室に統合するニコイチ化を実施し、浅草では部屋はそのままに、ロフトベッドを導入することで、滞在可能人数を上昇させています。いずれの物件でも改装部屋は好調であり、投資回収期間は当初より短縮する見込みです。大人数部屋や中長期滞在部屋は、新規参入のプレイヤーも多く、供給も増加傾向にあります。競争激化も予想されますが、各物件の滞在需要を見極め、適切な投資を実行してまいります。又、本投資に限らず、宿泊特化の各ホテルに存在する豊富な投資機会を捉え、収益構造に繋げてまいります。
18頁は、不動産鑑定評価額等サマリーでございます。好調な運営実績や足元の需要を反映して、全体的に上昇しています。詳しい説明については割愛させて頂きます。
<経営企画本部長 兼 財務経理本部長 蕪木 貴裕>
ここからは、私、蕪木が財務の状況についてご説明させて頂きます。
19頁をご覧ください。先ず足元の財務環境ですが、日銀の利上げ観測により、市場金利が上昇傾向にあります。右上のグラフの通り、本投資法人の平均金利も上昇しています。このような環境も踏まえて、主に3つの方針で取り組みを進めていきます。1つ目は、長期固定を基本としながらも、財務コスト上昇を抑制するため、借入金の短期化や変動金利も一部採用していきます。又、手元資金で定期預金等の運用を機動的に行うことにより、効率的な資金運用を目指します。2つ目は、サステナブルファイナンスの活用により、金利コストの低減にも継続して努めてまいります。今期は、本投資法人として、初めてサステナビリティ・リンクローンを実施しました。3つ目は、金利上昇への耐性を高め、リファイナンスリスクも最小限にするため、借入金の返済期限の分散を進めてまいります。
20頁をご覧ください。直近の財務ハイライトです。レンダーフォーメーション拡充のため、新規行として商工中金を招聘しました。商工中金にとって初めてのJ-REITとの融資取引となっています。又、みずほ銀行と相対取引を行い、シローン対比で低利な資金調達も実現しています。レンダーフォーメーションについては、引き続きメガバンクおよびDBJにより、全体の8割超のシェアを維持しており、安定的なバンクフォーメーションを構築しています。LTVについては、アクアイグニスの取得により40.7%となっていますが、引き続きJ-REIT全体の中では低位に位置しています。足元の調達環境も踏まえて、先ずは上限 42~3%を目線に、取得余力の活用も検討していきます。
<企画管理部長 光本 梨菜>
次に今後の運用戦略についてご説明致します。22頁をご覧ください。こちらは本投資法人の目指す姿です。引き続き資産規模3,000億円という中長期的な目標は持っていますが、規模ありきではなく、原則、P/NAV1倍付近以上で公募増資を行う方針です。引き続き分配金を向上させていくことで、増資できる環境を構築していきたいと考えております。
23 頁をご覧ください。着実に資産規模を成長させており、現在は2,339億円となっています。
24頁をご覧ください。アクアイグニスの取得により、星野リゾート運営 比率は若干下がり48.1%となっておりますが 引き続き 星野リゾート 運営 比率は50%超を目線に運用してまいります。
25頁をご覧ください。今回のトピックとしては、星のや明日香の開発プロジェクトが、DBJ共同ファンドに組み入れられたことです。奈良県明日香村は、推古天皇や聖徳太子が活躍し、古墳やお寺など多数の史跡が存在します。そのため日本国内で唯一、行政区域内の全域が歴史的風土特別保存地区に指定されています。星野リゾートと飛鳥三浦は協定を結んで、相互の連携を強化し、その時代や土地に思いを馳せる滞在を提案する予定です。
26頁をご覧ください。パイプラインの一覧をお示ししています。取得可能性のあるものを簡易的に試算しますと、合計で約1,300億円のパイプラインがあります。足元の環境も踏まえ 取得物件については厳選して検討していく方針です。
27頁ページをご覧ください。星野リゾートの今後の開業予定を紹介しています。引き続き星のや、界、リゾナーレ、OMOがバランスよく開業し、運営施設数も堅調に拡大していく予定です。
<チーフ・サステナビリティ・オフィサー 菊池 昌枝>
続いて本投資法人が進めているサステナビリティ活動について、環境、投資、地域の3つの視点からご説明致します。
29頁をご覧下さい。今、気候変動は、社会や技術、制度のあり方まで揺さぶる時代の中核課題となっています。その大きな転換の中で、持続可能な価値をどう作り、どう守るかがテーマです。気候変動と自然資本、生態系の回復を軸に、投資と運用を通じて地域や人のウェルビーイングを高めることを目指しています。そして星野リゾートと共に、不動産運用と施設運営を結び付けたサステナブルなビジネスモデルの確立に取り組んでいます。
30頁をご覧下さい。次に環境建築と脱炭素の取り組みです。私たちは2050年ネットゼロ を掲げ、2030年にはGHG排出量40%以上削減を目標に、土地の条件や風土に根ざした建築を通じて、低炭素自然共生型の取り組みを進めています。象徴的な事例が星のや軽井沢とOMO7大阪です。星のや軽井沢では、地形や生態、水系、温泉の歴史を読み解き、地中熱や水力発電、谷の地形を生かした建築など、自然と調和するリゾートとして設計されています。一方都市部のOMO7大阪では、都市特有の熱環境や土地の歴史を踏まえ、緑の風促進地区への協力など、地域らしさを設計と設備の両面で実現しています。どちらにも共通しているのは、パッシブデザインと高効率設備を組み合わせている点です。こうした土地に根ざしたデザインを積み重ねることで、低炭素を自然共生型のポートフォリオを少しずつ形にしています。
次に31頁、パフォーマンスと投資判断の高度化についてです。環境パフォーマンスや外部評価はご覧の通りですが、本投資法人では低炭素経済への移行を前提に、投資判断や資本配の考え方の見直しを検討しています。現在取り組んでいるのが内部炭素価格導入の検討、サプライチェーンGHG排出、所謂、Scope-3の把握と削減の準備、TNFD会議体制の整備です。これらは投資を将来の変化に強いものにしていくための準備であり、長期的な資産価値を守り、座礁資産リスクを抑えるための重要な取り組みです。
32頁をご覧下さい。最後に地域社会と地域経済へのインパクトについてです。 私たちは旅が持つ力を生かし、観光を通じて地域社会の活性化と自然環境の保全を同時に実現する、共有価値の創造を目指しています。その一例が星のや軽井沢のツキノワグマ対策です。2000年代初頭からツキノワグマとの共存を研究し、ベアドッグの導入やごみ対策の人側の工夫を含め、自治体とともに生態系保全、観光、安全、地域教育を結びつける事例として、全国から問い合わせが寄せられています。又、令和6年能登半島地震と、同年9月の奥能登豪雨を受け、ANAクラウンプラザホテル金沢では、能登島水族館支援として水族館、コラボ スイートのイベントを展開し、継続的に地域復興を後押ししています。更にテナント満足度向上の取り組みや、「えるぼし認定」の取得などを通じて、従業員を含む人のウェルビーイングを高めながら、持続可能な成長と長期的な資産価値の向上を同時に目指しています。
<代表取締役社長 秋本 憲二>
以上でございます。ご清聴頂き有難うございました。引き続き本投資法人へのご支援を、宜しくお願い致します。
