いちごホテルリート投資法人 2024年7月期決算概要

いちごホテルリート投資法人
2024年7月期(第期)決算動画説明書&質疑応答
○動画  https://www.youtube.com/watch?v=rrY-hReYW2k
○説明資料
https://www.ichigo-hotel.co.jp/ir/news/p_news_file/file/IchigoHotel_20240917_Corporate_Presentation_JPN.pdf
○説明者 いちご投資顧問株式会社 
代表取締役社長執行役員    岩井 裕志
      執行役員 ホテルリート本部長 岩坂 英仁
○説明
2024年7月期決算の内容について簡単にご説明させて頂きます。
決算説明資料頁7頁をご覧下さい。2024年7月期の実績の決算ハイライトでございます。当期純利益につきましては、995百万円、前年同期比+37.9%でございました。2024年3月に発表した、当初予想と比べますと+7.8%でございまして、あのコロナの2020年7月期以降、8期連続増益を達成しております。変動賃料21ホテルのRevPARでございますが、8,259円でございます。前年同期比+10.1%でございました。いちごホテルの保有する全エリアのRevPARが、前年同期比プラス成長をしております。

NOIにつきましては、いちごホテル過去最高額を更新することができまして、2,155百万円でございます。前年同期比+35.6%でございました。こちらNOIにつきましては、前年同期と比較しますと5ホテルが追加されております。その5ホテルを除いたNOIの成長は+5.1%でございましたので、内部成長で5.1%、外部成長で30%と言った内訳になります。環境に対する取り組みも進めておりまして、新たに7ホテルで再生可能エネルギーへ切り替えております。これによっていちごホテルは、引き続き100%再生可能エネルギーを継続できております。

更に節水装置導入も進めておりまして、10ホテルにて導入しております。これによって、1人当たり使用料約24%を削減に繋げることができております。一口当たり分配金につきましては、3,040円、前年同期比+7.4%、当初予想比+7.8%でございました。一口当たりNAVにつきましては、146,944円、前期比+3.1%でございまして、この一口当たりNAV につきましては、過去最高額を更新することができております。鑑定評価書の鑑定評価額につきましては、足元のNOI、NCFの向上によりまして、鑑定評価額がしっかりと上がっているという状況でございます。

続きまして7頁、決算概要でございます。コメントにもあります通り、好調な運用成績によりまして、当初予想および修正予想を上回る分配金でございました。営業収益の内訳について簡単に説明させて頂きます。先ず、変動賃料の増加で+122百万円ございました。変動賃料導入ホテル22 ホテル中11ホテルにおいて、賃料が予想よりも上振れしております。こちらの差異要因の採用のコメントにあります通り、名古屋、伊勢志摩、広島、京都、この順番で多く上振れしましたが、こちらが予想以上に上がったというところでございます。

どちらかというとインバウンドの流入もありましたが、どちらかというと今回想定以上に上がったところは、国内のレジャー需要がしっかり伸びたと、想定以上に伸びたというところでございます。コロナ以降、平時にイベントが多く開催されるようになりましたので、それによって変動賃料が予想以上に伸びたというところでございます。一方で、変動賃料マイナスのホテルでございますが、10ホテルほどございました。そのうち前年同期比でプラスになったホテルは、4ホテルほどございます。その他につきましては、オペレーションコストの増加ですとか、トップラインがちょっと予想よりも伸びなかったと言ったところで、予想比マイナスになっております。ただ、トータルで見ますと、営業収益はプラスということで決算を終えることができております。

営業費用につきましては、コスト高を見込んで保守的に計上しておりましたが、そこまで上がっていないというところで、マイナスというところでございます。それによって当期純利益を予想比でしっかりと上げることができております。

続きまして9頁でございますが、いちごホテルが保有するホテルの運営実績でございます。旅行割の剥落を上回る需要により、全室が前年同期プラス成長でございました。表の上側が変動賃料導入ホテル、21ホテルでございまして、下がポートフォリオ固定賃料のホテルも含めたポートフォリオ全体のホテル、そのうちの一部で非開示のところはありますが、それを除いたホテルでございます。どちらの全室もプラス成長となっております。

続きまして10頁で、いちごホテルの、エリア別のRevPARの前年同期比でございます。RevPARにつきましても、全エリアでプラス成長でございました。特に伸び率が強かったのが京都でございます。41%、ただRevPARの成長を見ますと7,506円となっておりまして、一時期、コロナ前の非常に良かった時は11,600円ぐらい上がっていましたので、そこから比べるとまだまだ伸び代があるという水準でございます。 東海・中部もしっかりと伸びております。こちらは、先ほど差異要因で申し上げました通り、インバウンドの流入も一部ありましたが、どちらかというと、国内のイベントが再開されたことによるレジャー需要が多かったと、又、エリアによっては、工事が非常に多くありますので、再開発が多くありますので、その工事のビジネス需要も多く取れたというところでございます。

私どものホテルのインバウンド比率につきましては、全体で大体27%でございました。変動賃料ホテルのみでございますと31%となっております。日本全体の延べ宿泊者数で見ると、この2月から7月までのインバウンド比率は、大体25%でございましたので、全体で見ると同じぐらい、変動賃料で見ると、それよりもインバウンドの流入の多いエリアというところが言えるかと思います。

続きまして、成長戦略としまして11頁でございます。私どもは、賃貸借契約でテナントと契約を結んでおりますが、契約満了時にテナントの見直し、契約条件の見直しを行っております。その成果が、足元見られましたので、紹介させて頂きます。1点目、ホテルウィングインターナショナル名古屋です。こちらにつきましては、固定賃料をあのコロナによって若干減額しましたが、それに伴いまして変動賃料の料率を改定致しました。それによって、足元2024年7月期の賃料収入は、コロナ前の2019年7月期と比べまして、+6%の賃料収益増益を達成できております。

2点目が、スマイルホテル京都四条ですが、これは当期に行ったものですけども、契約満了に伴いまして、テナントは複数ある中で今までのテナントと再契約をさせて頂きました。それによって、先ず、固定賃料を増額させて頂きました。先ほど、RevPARで11,000円から7,000円まで下がっているという状況を説明しましたが、少し不安定な状況が続いておりますので、固定賃料を増額したというところでございます。ただ足元は、変動賃料もしっかり出ておりますので、今後、しっかり伸ばしていきたいと思っております。3点目がカプセルプラス横浜でございます。こちらは完全固定賃料のテナントから完全変動賃料のテナントへ変更しました。それによりまして、足元、変動賃料導入前と比べまして+38%の賃料増収となっております。

続きまして12頁、環境対応でございます。冒頭ハイライトで申し上げましたが、いちごホテルは、全保有ホテル100%で再生可能エネルギーへの切り替えを達成できております。更に節水装置の導入も進めておりまして、今、10 ホテルで導入済みでございます。これによって、1人当たりの水使用量の約24%削減を達成できております。

続きまして13頁、投資主優待制度でございますが、今回新たにコアグローバルマネジメントに賛同頂きまして、4社から、いちごホテルの投資主の優待価格での宿泊のご提供を、頂くことになっております。足元の宿泊料金が非常に上がっていますので、本投資主優待を利用するお客様が、非常に増えたということを各オペレーターより聞いております。
続きまして14頁、引き続きでございますが、いちごJリーグ株主・投資優待制度につきましても継続しております。
それでは、今後の成長に向けた取り組みについて説明させて頂きます。

16頁でございますが、こちらは既にリリース済みでございますが、ネストホテル札幌駅前を売却致しました。帳簿価格2,130百万円に対して、譲渡益2,180百万円での譲渡でございます、譲渡予定価格が47億円でございますので、鑑定評価額の約1.7倍、帳簿価格の約2.2倍の価格での譲渡を実現することができております。譲渡によって償還された資金で、 簿価部分21億円につきましては、今後の成長投資資金として活用を検討していきたいと思っております。こちらのホテルは、賃貸借契約は今年の12月までの定期借家契約でございました。ホテルにおいては、契約の満了時が一番Value-がでるというか、価格が出るというようなタイミングになります。

私共もCAPEXをかけてリブランドオープンするのか、若しくは売却をした方が良いのかを、比較的長期間かけて比較検討をしておりました。このネストホテル札幌駅前につきましては、いちごホテルで、札幌で3ホテルほど持っておりますが、その中で一番インバウンド比率が低いホテルでございます。更に、一番平均客室の広さが狭いというものでございました。私共も、今後のアップサイドというところで、インバウンドおよびレジャー需要をしっかり取るというようなことを考えておりましたので、その点が少し売却の要因になったというところでございます。

更に本ホテルは、私共のホテル中で比較的客室が多く、162室でございますので、競争力アップのためのCAPEX負担が 比較的大きいというところでございます。又、ただ立地が非常に良くて、認知度も高く、CAPEXによるバリューアップ余地が、非常にあると考えておりましたが、今回のこの価格、直近の償却後NOIと比較しまして、10.5年分の売却益が獲得できるわけでございますが、このような価格であれば、売却した方が投資主にとってメリットがあると、更に償還した資金を更なる成長投資に回した方が良いのではないかと判断させて頂きました。

今回、譲渡先はいちご地所でございますが、実は複数社から検討してもらえまして、このスペシャルプライスと言って良い価格だと思いますが、このスペシャルプライスについては2社から出ました。そのうちのより条件の良い価格の高い方、売却決算時期の先延ばしの方というところで、いちご地所に売却するという決定をさせて頂きました。決算が12月でございますので、まだ時間がありますので、それまで有効な成長投資について検討していきたいと思っております。

続きまして17頁でございます。向こう3期、2025年 1月から2016年1月までの間に、契約満了のテナント、ホテルがございます。こちらにつきましても、更なるアップサイドを追求する良い機会だと思っておりますので、リテナント、大型リニューアル等々について、 今検討しているところでございます。この中の一部の契約は、閑散期にリニューアル工事をした方がいいということで、現在の契約を若干延長しております。定期借家契約なんですけども、当然、テナントも継続したいという意向がありますので、契約の延長について応じて頂いているというところでございます。

その中で、どういう戦略にするかということを検討しています。こちらにつきましても、保有、継続、売却のどちらにメリットが高いかについて、合わせて検討していきたいと思っております。今、CAPEXリスク、工事費が高騰しておりますし、工事が長期化してくると見積もり結構時間がかかってくるという状況でございますので、なるべく満了の前倒しで計画を立てるようにしているというところでございます。いちごホテルは、今後はリニューアル、リブランドについては、レジャー需要への取り組み、特にインバウンドへの取り組みができる仕様ができないか、というところを中心に考えていきたいと思っておりますが、全部のホテルがそういうわけではないのですが、それによって、よりアップサイドが追求できるホテルに変えていきたいというところで、可能であれば大型のリニューアルというところを検討していきたいと思っております。

18頁でございます。償還資金もございますが、投資主価値向上に向けて、スポンサーパイプラインの活用というところを、今後も検討していきたいと思います。スポンサーは、今14 ホテル、約637億円を保有しておりますので、いちごホテルで購入対象となるホテルも多くございますので、こちらについてもしっかりと検討して、いちごホテルの成長に繋がるように考えていきたいと思っております。

続きまして19頁でございますが、本日、規約変更のリリースを発表させて頂いております。いちごホテルは、10月に投資主総会がございますので、その際に契約変更等々の起案をさせて頂く予定でございます。その中で、運用報酬の変更もさせて頂きたいと思いまして、提起させて頂く予定でございます。先ず、いちごホテルは、現在、成果が現在化した場合にのみ発生する完全成果報酬体系を取っております。この報酬体系については維持させて頂きます。いちごホテルはコロナ禍で、収益がだいぶ下がりましたが、同時に運用報酬も非常に下がりましたので、それによって分配金資金の確保に貢献できたのではないかと思っています。これは非常に投資主目線に合った報酬体系だと思っておりますので、この体系は引き続き維持させて頂きたいと思います。

それを前提に、更に投資主目線に立った変更ということができないかというところを検討しまして、今回、3点の修正、およびそれに伴う文言の修正を投資主総会に付議させて頂きたいと思っております。先ず1点目が、譲渡成果報酬の変更でございます。こちらは、譲渡益が発生した場合、譲渡成果報酬が発生しますけども、その場合、その譲渡益を分配してもしなくても、期中の運用報酬である収益分配金成果報酬から譲渡成果報酬相当額を差し引くことと、新たにさせて頂きたいと思います。今までは、譲渡成果報酬を差し引いて、更にその差し引いた後の譲渡益を分配する場合は、収益分配金成果報酬が非常に高くなるというようなことが起きてしまっておりました。

当然、売却損が出た場合は逆で下がりますが、それはそのままで、万が一譲渡成果報酬を獲得した場合は、収益分配金追加報酬から譲渡成果報酬を差し引きます。これは利益を分配してもしなくても差し引かせて頂きます。更に被合併時成果報酬および被買収時成果報酬の料率の引き上げをさせて頂きますが、現在は、譲渡成果報酬と料率合わせて15%、利益の15%とさせて頂いておりましたが、これを10%とさせて頂き、更に被買収時成果報酬の内容の明確化、スクィーズアウトを想定した条文を加えさせて頂くというものでございます。

21頁をご覧下さい。業績予想を説明させて頂きます。先ず、2025年1月期の業績予想でございます。こちらにつきましては、ネスト札幌駅前の売却によりまして、過去最高益、一口当たり分配金額になる予定でございます。更に、先ほど申し上げました運用報酬の変更を加味させて頂きまして、譲渡益が発生しますので運用報酬を修正します。一口当たり分配金は、修正前と比べまして+1,176円、+13%ほど押し上げる効果になり、一口当たり分配金は、9,009円と過去最高額になる予定でございます。

今回は譲渡成果報酬を改訂するという前提で、予算を想定させて頂いております。ホテルの運用益等々につきましては、変動賃料は足元の強弱、地震の影響とか、台風の影響がありますけども、そこを反映させて頂いているというところでございます。賃料が増額になるのは、前年同期との比較で申し上げますと、前年同期中に取得した5ホテルが通期で寄与するということで、上振れするというところと、倉敷で段階賃料を取り入れているものが、更に1段、固定賃料が上がりますので、その段階賃料の上昇というところを想定しております。賃料の減額、前年比マイナスのホテルにつきましては、売却によるマイナスですとか、あとはテナント契約満了時のダウンタイム、ダウンタイムと言いましても、テナントがいないと言うよりは、リニューアル工事期間中の賃料収入がゼロのタイミングを想定させて頂いております。

更にオペレーターコストが高くなるということを想定しておりまして、オペレーターコスト増による変動賃料の減少というところもマイナス想定を加味させて頂いております。それによって一口当たり分配金が9,009円、売却益が大きいこともあり、過去最高額ということになります。

続きまして22頁、2025年7月期の業績予想でございます。こちらも若干保守的という想定になっておりますが、先ずネストホテル札幌駅前譲渡によるNOIの減少を想定しております。更に契約期間満了によるテナントのダウンタイムを想定しておりまして、それによって一口当たり分配金が2,733円という想定になっています。前年同期比-10%となっております。一番大きいのが売却によるマイナスです。あとは、2ホテルのダウンタイムというところです。こちらは、まだまだ時間がある状況でございますので、物件売却した売却資金を使って、しっかりと分配金をあげる施策をとって、マイナスを少しでも減らしていく、プラスに転じるようにしていくということを考えていきたいと思っております。
以上、私からの説明になります。

<質疑応答>
Q:昨年のホテルの購入が先でその後売却というアクションが、今回ありましたので、営業収益が下がったように見えてしまいますけれども、今後の取得余力について質問させてください。デットでいうとどのくらいの取得余力がありますでしょうか。又、今後の資産の取得については、資産の入替、或いは、単純な追加取得の、どちらがメインシナリオになるのか教えて頂きたい。
A:今後の取得・売却のシナリオどちらかというところでございますが、やはり規模がまだ小さいというところもありますので、PO利用ですとか三者割等を含めて、取得をメインにしていきたいと思っております。現時点のLTVが約43%ほどでございます。上限については、概ね45%ぐらいが上限ではないかなと考えておりますけれども、物件とか状況によっては、そのLTVにしても、45を超えていくような水準というのもありうるのではないかなと思っております。今後の余力につきましては、LTVは2%程余地があると思いますので、そこを使っての取得を考えて行きたいと思っております。先ほど申し上げましたPOとか三者割とか含めて、合わせて検討していきたいと考えております。

Q:直近の金利上昇の影響については、RevPARの上昇でカバーすることは可能でしょうか。
A:金利上昇につきましては、上がったり下がったり というところで、先がなかなか見えない状況だと思っております。ホテルについては、売るという意味ではADRですとか、RevPARに反映させやすいアセットタイプだと思いますし、賃料の上昇も可能性あるかなと思っております。単純に金利がどんどん増えていくという意味では、負担が大きくなっていくというところがありますけれども、現状、我々の借り入れは、今100%固定化という状況でございますが、勿論、収入面でのカバーというところもできると思いますし、現状 100%の固定金利のところについては、変動も織り交ぜながらリファイナンスをしていくということも、検討の余地はあるのではないかと考えておりますので、状況を見ながらカバーしていけたらと考えております。

有難うございます。それでは質疑応答はこの辺りで終了とさせて頂きます。
以上をもちまして2024年7月期 Web 決算説明会を終了とさせて頂きます。追加のご質問等につきましては、お問い合わせのいちごホテルリートIRデスクまでご連絡をお願い致します。
本日はお忙しいところをご参加を頂き、誠に有難うございました。