アドバンス・レジデンス投資法人 2024年7月期決算概要

アドバンス・レジデンス投資法人
2024年7月期(第28期)決算動画説明書
○動画   https://www.net-presentations.com/3269/20240917/sdfnj249/
○説明資料 https://www.adr-reit.com/files/optionallink/00002986_file.pdf
○説明者 伊藤忠リート・マネジメント株式会社 執行役員・住宅事業本部長 工藤 勲
○説明
2024年7月期決算の報告をさせて頂きます。
4頁、決算ハイライトです。売却益を除く一口当たり当期純利益EPUは前期比+2%の5,092円、調整後EPUは+2.4%の5,468円、一口当たり分配金DPUは+0.4%の5,925円に決定させて頂きました。下段に主な指標を記載しております。NOIは+1.5%、一口当たりNAVは+1.0%、一口当たりFFOは+1.6%、含み益率はほぼ横這いの58.8%となりました。

5頁、分配方針です。内部成長、外部成長を通じ、EPU、調整後EPUの水準を高めることを前提とし、その上で内部留保からの分配金を低減させつつ、逓増分配を実現していきたいと考えています。当面の数値目標としては、調整後EPU5,750円以上、DPU6,000円以上と、EPU、調整後EPUの成長のみで逓増分配を行えるような体制にしていきたいと考えております。調整後EPUについて説明させてください。EPUにリノベーション工事償却方法見直しを行うことで、一時的に生じる損益のマイナスの取り崩し分を加えたものです。本取り組みを行わなかった場合の、従前の水準の実質的な運用上の利益と、ご理解を頂ければと思います。

6頁、分配金の推移と業績予想です。中央に薄い赤色でハイライトしているのが、当期実績となります。上段の太字DPUをご覧ください。当期実績5,925円に対し、25年1月期は5,930円、25年7月期は5,935円 と想定しております。次に2段目の太字、内部留保からの分配額をご覧ください。当期の222円から25年7月期は175円と低減させる見込みです。中段、赤い太字の調整後EPUは、当期5,468円に対し、25年1月期は5,488円、25年7月期では5,524円と想定、黒字で囲っております売却益を除くEPUは、当期5,092円に対し、25年1月期は、積立金追加取り崩しが376円から441円に増加する影響で5,046円に減少しますが、25年7月期には、5,097円と当期微増を見込んでおります。

これらの前提となる稼働率は、下から4段目、当期 96.3%に対し、夫々96.0%、96,1%と想定しております。詳細は追って説明致します。過去の稼働率と比較すると少し低く想定をしておりますが、これは賃貸マーケットの変化ではなく、専有部リノベーション工事の影響を織り込んでおります。

7頁、当期の分配金の詳細です。調整後EPUの差異について報告致します。赤色で記載しております前期実績に対し当期実績は128円、主な要因は、前期は23年9月に実施しました公募増資による一時的希薄化が生じましたが、公募増資で取得した物件が寄与し+114円、内部成長では+31円となりました。

8頁、業績予測の詳細です。調整後EPUの差異ついて報告致します。赤色で記載しております当期実績に対し、25年1月期は+20円、主な要因は内部成長と外部成長で+44円、金融コスト・その他が-25円。25年1月期に対し25年7月期は+36円、 主な要因は、内部成長と外部成長で+95 円、金融コスト・その他が-57円。当期実績5,468円と25年7月期との比較では、1%増の5,524円を想定しております。

10頁、専有部リノベーション工事について報告致します。左上、赤い枠で囲っております通り、当期実施戸数262戸のうち、24年7月末時点の成約率は55%、4月末時点で78%まで進捗をし、賃料変動率は+26.1%、想定ROI収益率は12%と順調です。中央の棒グラフに記載しております各住戸・タイプともに、高い賃料変動率であることがご確認頂けるかと思います。今後の工事計画は、下段に記載しております。1期当たり実施戸数300戸程度としております。

11頁、リノベーション工事の取り組み事例を紹介させて頂きました。我々、運用会社の専門部隊が、自ら工事の企画・設備・使用の選定まで全てを行っております。設備機器を単に交換するだけではなく、デザイン性、機能性を重視し、差別化を図り、長期的に競争力なる商品作りに取り組んでおります。

12頁、リノベーション工事の損益の想定です。こちらは前提として、24年7月期の実績が継続した場合の、今後の損益の見通しを試算したものです。5年程度で損益分岐点を迎え、24年7月期の売却益を除くEPUの実績に対し、10年後を目途に+3%超、20年後を目途に+15%超の見通しとなります。本取り組みは、専用部の設備機器の維持・管理上必要な工事であるとともに、将来的な収益力の向上に貢献できるものと考えております。

13頁、大規模修繕工事・資本的支出です。上段が共用部分の大規模修繕工事の実績です。当期も計画通り3物件実施致しました。下段が資本的支出の推移を示しております。イノベーション工事、大規模修繕工事、その他の修繕工事を減価償却費の範囲の中で計画的に実施し、物件の維持・管理に努めてまいります。

15頁、資産運用について報告致します。賃貸マーケットは順調に推移しております。今後の見通しとしては、都市部への人口流入の継続に伴う需要の増加、分譲マンションの価格上昇や販売戸数抑制による供給量の減少、継続的な賃金上昇と物価上昇による経済の好循環への期待感など、様々な要因が複合的に足元の賃貸マーケットに影響を与えており、その傾向は当面継続するものと考えております。

左上、期中平均稼働率は96.3%でした。過去の稼働率と比較すると少し低い水準ですが、要因はリノベーション工事、262戸の影響が稼働率を-0.4 ポイント程度押し下げております。この分を考慮すると、実質的な稼働率は、従前と概ね同水準と考えております。イノベーション工事は、通常の原状回復工事より工事期間が長期化致します。その結果、空室期間も長くなることで、稼働率にはマイナスの影響を与えます。又、今後は毎期300戸程度を計画しておりますので、稼働率への影響は、もう少し拡大するものと想定をしております。

16頁、入替時の賃料動向です。左上をご覧ください。賃料変動率は+9.8%と、過去最高となりました。その内訳は、赤い点線が原状回復工事の住戸で+7.5%、ベージュ色の実線がイノベーション工事の住戸で+26.2%でした。次に右下、募集関連収支をご覧ください。赤色の棒グラフが平均の収授状況を記載しております。当期は0.65ヶ月と少し低下致しました。その要因は、当期より金利の上昇、インフレへの対応として、更さらなる収益向上のため、東京23区の物件を中心に、より高い賃料上昇率を目指した運営を行っております。高い募集賃料を設定する反面、一部礼金を意図的に緩和して募集をした結果の表れとなります。今後もポートフォリオの将来的な収益向上に、積極的に取り組んでまいります。

17頁、エリア・タイプ別の入替賃料変動率です。全てのエリア、全てのタイプで前期より高い上昇率となっております。上段の水色の折れ線グラフをご覧ください。東京23区の賃料変動率は+12.4%、右上、記載の青い点線が原状回復工事の住戸で+9.6%、ベージュ色の実線がリノベーション工事の住戸で+25.9%でした。

18頁、各都市の賃貸マーケットです。稼働率は高位安定、賃料変動率も前期比で、全ての都市で上昇、又は、改善をしております。名古屋エリアは、賃料変動率のマイナス幅が縮小しております。名古屋の賃貸マーケットの状況についてですが、供給増加による影響はいまだ見られますので、引き続き稼働率を優先した運営を行ってまいります。

19頁、更新時の賃料変動率です。左上をご覧ください。順調に賃料増額改定を行うことができ、賃料変動率は+1.3%と過去最高となりました。左下、エリア別内訳をご覧ください。ポートフォリオ全体での賃料ベースでは、40%の方が増額に応じて頂き、応諾頂いた上昇率は+3.2%。以上の結果から、全体では+1.3%の変動率となりました。

20頁、賃料動向です。左上をご覧ください。入替および更新時の賃料改定の結果、賃料坪単価は0.94%上昇致しました。この結果、左下に記載しております賃料ギャップ上昇余地は、リノベーション工事を行わずに、全ての住居で原状回復工事を実施した場合は+7.1%、イノベーション工事を計画通りの戸数を実施した場合は+13.1%となります。この賃料ギャップは、当期の成約賃料水準で全ての住戸が入れ替わったと想定した場合の、ポートフォリオに与える影響を示しております。

22頁、取得・売却について報告致します。物件の取得は、当期はスポンサー開発物件5物件を142億円で取得致しました。25年1月期は、同じくスポンサー開発物件のレジディア国立を1,260百万円で取得予定です。売却は、レジディア北品川を予定通り4月に売却を完了し、売却益約530百万円計上致しました。売却益は内部留保し、今後の安定分配の原資として活用させて頂きます。

23頁、スポンサーパイプラインの状況です。スポンサーパイプライン20物件、想定規模400億円超となっております。今後もこれらの物件を取得することで、本投資法人の外部成長に繋げてまいります。

24頁、不動産の売買マーケットについて説明致します。賃貸住宅への投資意欲は引き続き旺盛です。点線の折れ線グラフが保有物件の継続鑑定評価における利回りです。利回りの低下は少し落ち着いてきたものの、投資意欲の旺盛さから、取引価格は高止まりの状況と考えております。不動産融市場の環境の変化による不動産価格の動向は注視しつつ、引き続き慎重に投資をしてまいります。

26頁、財務状況について報告致します。左上をご覧ください。当期の調達金利は0.8%、金利は上昇しております。下段が総資産LTVとなります。公募増資の結果、24年7月期48.5%と、23年7月期に対し1ポイント低減することができました。運用上の目安としている総資産LTV50%までの借入余力は151億円を確保し、収益拡大に向けた所得余力を高めることができました。

27頁、財務指標です。財務方針は、長期・固定・分散を図り、安定的な財務基盤の構築です。中央記載の平均残存年数4.8年、右上記載の固定化比率96%となっております。又、下段の棒グラフの通り、1期当たりの返済の分散も図っております。この結果、金利上昇時の収益のマイナス影響を軽微に抑える体制を整えております。一方で、緑色の菱形で記載の支払い金利は、当期実績の0.8%よりも低い水準となっております。金利上昇への対応は、この財務基盤を維持しつつも、収益への影響も意識して、固定、変動の比率を織り交ぜる、調達年限を少し短くするなど、ある程度柔軟に対応してまいります。

29頁、最後に、サステナビリティの取り組みについて報告致します。環境認証、省エネ認証をご覧ください。新規に取得した2物件で新たに認証を取得し、取得割合も32.8%と引き続き30%以上を維持しております。次に右下、物件への施策をご覧ください。建物毎に専有部全体の電力量を計測する、電力量計測システムの設置を行っております。15.5ポイントの増加で設置率は77.3%、共用部のLED照明の導入は、2.1 ポイント増加で導入率53.3%となりました。

30頁です。温室効果ガスの排出量削減への取り組みは、Scope1、2の削減に加え、Scope3の算定も進めております。サステナビリティへの取り組みは今後も着実に推進してまいります。
私からの説明は以上となります。今後も内部成長、外部成長を通じ、アドバンス・レジデンス投資法人の収益拡大に鋭意努力してまいります。
最後までご視聴頂き誠に有難うございました。