KDX不動産投資法人 2025年10月期決算概要

KDX不動産投資法人
2025年10月期(第41期)決算動画説明書
○動画  https://www.net-presentations.com/8972/20251217/ykrfyi980/
○説明資料
https://www.kdx-reit.com/file/top-f800b977822195e5b85d802e73f97382c91cebb9.pdf
○説明者 KDX不動産投資法人 執行役員 兼
     ケネディクス不動産投資顧問株式会社 
取締役 最高業務執行者(COO) 桃井 洋聡
〇説明
本日はKDX 不動産投資法人、KDXRの2025年10月期決算説明動画をご視聴頂き、誠に有難うございます。2025年のJ-REITマーケットは、金融政策の影響を受けながらも賃料 上昇の動きを追い風に、年商1,600ポイント台だった東証リート指数は、足元では2,000ポイント前後まで回復し、KDXRの投資口価格も大きく改善致しました。不動産が持つインフレヘッジ性という特徴が、目に見える形で具現化し、賃料は継続的に上昇し得るという期待感が広く醸成された結果、割安なJ-REITの見直しへと繋がったのではないかと思います。

かかる環境変化のもと、KDXRでは、積極的に資産の入替を進めながら、ポートフォリオの用途構成の見直しに取り組むとともに、内部成長を貪欲に追い求めてきましたが、当期、オフィスや宿泊施設などの賃料収入の更なる増加という形で成果が現れ始めています。2026年に向けてポートフォリオ戦略の適時適切な見直しの加速化や、市場環境の変化を捉えた多様な成長戦略の実現、非連続的な成長機会の探索など、KDXRは成長性と安定性を兼ね備えたリートとして、柔軟、且つ機動的に多彩な施策を展開していきたいと考えています。

先ずは、当期の運用状況の振り返りです。5頁、運用ハイライトをご覧下さい。金利の先高感や低いバリエーション水準を念頭に、2025年は一定規模以上の売却を先行させ、含み益を顕在化することで手元流動性を積み上げ、自己投資口の取得や戦略的に保有比率を引き上げている宿泊施設などの良質な物件取得などを機動的に行うことができる体制を敷いてきました。ポートフォリオの6割以上を占めるオフィス、居住用施設、宿泊施設による内部成長は、前期から更に勢いを増しており、厚い含み益や内部留保など、強靭なバランスシートによる下支えなども活用しながら、年率3%以上のDPU成長を実現しています。

6頁をご覧下さい。成長戦略については、旬なアセットを柔軟に取得できるという総合型リートならではの特徴を生かして、内部成長が期待できる物件を中心に取得しながら、収益性や将来キャッシュフローの観点からのリスクオフを目的とした、資産の入替を継続して行ってまいりたいと考えています。ヘルスケア施設については、当面新規投資を行わず、築年が経過したもの中心に保有比率を引き下げ、他のアセットの比率を高めていく考えです。

又、内部成長余地の多角化と持続的な成長機会確保を目的に、固定賃料形態中心のアセットに対するインフレヘッジ機能の肉付けや、オフィスや居住用施設、商業施設など、投資効果の高いアセットを中心に、フリーキャッシュフローを活用したバリューアップ投資を積極的に検討していきます。更には、2025年4月期実績4,045円を基準とするDPUの累進的成長目標の達成に向け、外部成長や内部成長の追求とともに、先行して上昇している金利コストへの対策として適切なコストコントロールを行いながら、売却益や豊富な内部留保を積極的に活用してまいります。

次に8頁、成長戦略実現のためのポートフォリオの構築方針ですが、現状、KDXロジスティクス昭島Ⅰ、イーアス高尾の取得により、資産規模は1兆2,000億円を超える見込みで、インフレ耐性や賃料の成長性などの観点から、ヘルスケア施設については保有比率を落とし、潤沢なパイプラインなどから変動賃料型の宿泊施設や商業施設などを取得していきたいと考えています。尚、LTVの水準は、上限目安までまだ余裕がありますので、総資産および時価ベースの両面に配慮しながら、レバレッジを活用して取得していくことも十分可能です。又、合併を経験した数少ないリートの1つとして、負ののれん発生益に基づく一時差異等調整積立金、所謂RTAを中心とした内部留保が豊富にありますので、償却費負担の重い用途の物件取得とも、比較的相性が良く、こうした特性を活用して外部成長の差別化 にもつなげていきたいと考えています。

9頁をご覧下さい。資産の入替については毎期継続していく方針ですが、今後も売却対象とする物件は、収益性や築年数、CAPEXの見通しなどの観点から用途に固執せず、Cash-Flow も見据えたうえで選定していく方針です。保有物件の平均簿価は30億円程度と流動性も高く、含み益も豊富にある堅実・堅牢なポートフォリオを上手く活用して、売却資金を様々な施策に投じて有効活用しながら、投資主価値の更なる向上を目指します。

10頁をご覧下さい。外部成長や分配金水準の底上げを下支えする財務戦略につきましては、現状、金利コストが上昇している局面においても、KDXRの与信向上などを背景に、借換え時には、借入期間を大きく落とすことなくスプレッドを引き下げることができています。 足元では、特に借入時の固定金利化コストが上昇している中で、現状でのKDXRの固定金利比率は、J-REIT平均と比較してもかなり高い水準にありますので、コストコントロールの調整弁としての余地があるのではないかと考えています。

日銀による政策金利の変更は、緩やかに進んでいくものと想定していますが、頭打ち感が出てくるまでの間、借入期間や金利の固定化要件を緩和し、最適なコストバランスでの資金調達を行っていきます。尚、出来上がりのコスト感として、借入対比で少し割高な投資法人債につきましても多様な調達手段を保持するため、定期的なマーケットへのアクセスを意識し、適時の起債を検討していきます。

11頁、分配金の状況と今後の方針ですが、2025年10月期実績は4,105円と、年率3%成長の方針に従い予想通りの着地としていますが、不動産等売却損益の影響を除くEPUは、予想対比84円増としっかり伸びています。今後も内部成長や外部成長を両輪とし、収益性を高めながら、これまでの運用成果としての230億を超える豊富な内部留保の活用と、資産入替の過程で生ずる売却益などを駆使しながら、累進的に分配金成長を目指してまいります。

次に決算の内容についてです。13頁をご覧下さい。賃貸事業収入は、賃料の上昇と新規取得物件の寄与などにより、前期から着実に伸びていく見通しで、330億円台から350億円 台を視野に入れる水準まで増加することを見込んでいます。結果、営業収益は、KDRXとしては過去最高となる、400億円台に乗せる計画です。賃料の伸びが保有物件の時価を引き上げ、NAVの成長にも繋がる好循環のサイクルが生まれていますが、費用の見立てを保守的に想定していることもあり、トップラインの伸びほどには利益水準の大きな伸びは見込んでいません。引き続き借入コストを中心とする費用の見直しと、収益性の向上に取り組んでまいります。

14頁をご覧下さい。今期分配金実績の変動要因ですが、今年前半戦の売却を優先とする方針により、オフィスビルや居住用施設など、複数を売却してきた影響が色濃く残る決算期となりましたが、新規取得物件の利益寄与や、オフィス、居住用施設、宿泊施設を中心とする既存物件の賃料収入増加により、その影響を減殺することができました。一方で当期中の物件売却により、売却益の計上による分配金の底上げや、将来的な安定化とともに得られた資金は、翌期の物件取得資金として活用する見込みですので、将来的なキャッシュフローの成長にも繋がる結果を残しています。

翌期、および2期先となる2026年10月期の分配金予想は、年率でボトム 3%成長を目指すべく、夫々4,166円、4,227 円としています。予想2期を通じて、取得物件による利益寄与の巡航化と、主要アセットの一つである商業施設で、賃料引き上げを伴うキーテナントの入替や、入居したテナントの収益寄与などの内部成長も加わり、徐々にEPUの水準が高まる予想としています。

次に17頁、内部成長についてですが、当期につきましては、前期同様、オフィスビルと居住用施設、宿泊施設を中心に月額賃料が伸びましたが、増額幅は更に増し、EPU換算で63円の成長効果がありました。内部成長が実現している3つの用途アセットに加え、契約形態が長期契約、且つ固定賃料型が中心の商業施設や物流施設のうち、残存期間が短く、テナント入替時や更改時の増額改定により、賃料上昇が期待できる契約を足し合わせると、ポートフォリオの8割近くを占めますので、インフレ環境下でも賃料アップの伸び代が十分確保できている収益構造となっています。

18頁、ここからは各アセットタイプ別の運用状況の概略ですが、オフィスビルについては 各種報道と同様に、引き続き低い退去率と高い稼働率で推移しているというのが特徴です。前期、前々期と、マーケット賃料の上昇が続いてきましたが、当期は保有物件におけるマーケット賃料の上昇件数が77件と大幅に増え、保有物件の殆どで賃料が上がっており、この結果、レントギャップも大幅に拡大しています。テナント入替時や契約更新時の賃料増減にもしっかりと数字として現れており、市場全体での空室減などを背景に、当期テナント入替の際に賃料が減少した事例は殆どなく、賃料の純増額や増額幅は高水準で推移しました。契約更新時の増額改定でも更に増額基調を強めており、別ページのAppendixに具体的な金額を記載していますが、オフィスポートフォリオの平均賃料は、前年比で200円程度上昇するなど内部成長に貢献しています。

20頁をご覧下さい。続いて居住用施設ですが、分譲マンション価格の高止まりや都心への人口回帰などにより、賃貸住宅のマーケットは引き続き良好で、稼働率も高い水準で推移しています。新規賃料の伸びとともに、重点的に取組みを強化してきた契約更新時の増額改定 実績も過去最高となり、増額幅を更新しています。

21頁をご覧下さい。これを地域別・タイプ別で見ると、新規賃料の増額率は東京経済圏のファミリー向け住戸が、引き続き伸びを牽引している状況に変わりはありませんが、シングル向けの住戸においても更に強い勢いで上昇しています。加えて地方経済圏では、福岡で強い上昇傾向が見られるなど、増収基調は広がりを見せています。地域別の更新賃料の動向では、東京経済圏を中心に増額改定が積み上がっている一方で、地方経済圏への広がりはまだ限定的ですが、タイプ別で見ると、全タイプの住戸で更新賃料を引き上げることができています。新規賃料の更なる引上げや、更新時増額改定の定着化に向け、居住用施設においても バリューアップ工事の積極化など、工夫を凝らした運用を行ってまいります。

次に22頁、商業施設についてですが、入居テナントの売上は、概ね前年を上回る実績が続いており、我々が保有する商業施設における消費は堅調です。当期は大口テナントの退去防止と、リブランドによる新規オープンを支援するため、纏まった金額での減額改定に応じたことから、月額賃料のネット上限額はマイナスとなりましたが、来期以降は、逆にテナント入替によるリテナントでの賃収増加や、契約更改時の増額改定の積み上げなどを見込んでおり、大きな内部成長が期待できる状況です。

23頁は、商業施設における具体的な賃料動向についてです。テナント入替時の新規賃料は、当期、長期空室の埋め戻しを目的とした賃料減額を行いましたが、大部分は新規賃料が増加するケースであり、契約更改時の増額改定実績に目を転じても、上昇トレンドを辿っていることが分かります。3年程度で契約満期を迎えるテナントの数も相応にありますので、売上 好調なテナントを中心に、テナント入替や契約更改時の賃料改定によるアップサイドポテンシャルが期待できるのが、今の商業施設のおかれた状況というのが我々の現状認識です。

24頁をご覧下さい。続いて宿泊施設の運用状況についてです。当期にMC型のホテルJALシティ名古屋錦を取得しましたが、万博終了の影響を補完する形で賃収に寄与する形となり、変動賃料収入全体としては、引き続き大きな伸びを見込んでいます。足元では日中関係の緊張による影響で、中国からの団体旅行客等の減少が危惧されていますが、今のところKDXRの保有物件では、大きな影響を受けているものはないと認識しています。今後の動向については注意深く見ていく必要はありますが、中長期的なインバウンド需要に対する見立てとしては、引き続き増大傾向を辿るものと見ていますので、今後も内部成長を牽引するキードライバーの一つとして、積極的に取得を検討していきたいと考えています。

続いて物流施設についてです。25頁をご覧下さい。商業施設を超える賃料ベースで、5割近くが今後3年程度で契約満期を迎える見込みで、現状、全体としては市況環境があまり良くないと言われながらも、個別性も強く、実際に契約更改期を迎えたテナントとの間で 段階的ではありますが、6%増額改定に成功した事例も出てきています。今後3年間程度で契約満期を迎えるテナントのうち、マーケット賃料との比較で、割安な賃料水準となっているテナントが7割を超えており、その一部ではマーケット賃料と大きく乖離した契約となっていますので、こちらも今後満期を迎えるタイミングで、積極的な増額交渉を行っていきたいと考えています。

26頁をご覧下さい。続いてアクティブ運用についてです。賃料増加を実現するためケネディクスグループでは、これまでも様々な取り組みを行ってまいりました。例えばオフィスビルにおいては、2年に一度テナント満足度調査を実施しており、ここから得られた様々な声を参考に、日常的なビル運営やバリューアップ工事の内容検討に活かし、満足度を高め、ひいては賃料上昇に繋げるための努力を続けています。マーケット環境が好調なオフィスビルや居住用施設などにおいては、賃料上昇幅の更なる引き上げに向けて、攻めのバリューアップ工事を積極的に仕掛けていきたいと考えています。

28頁をご覧下さい。最後に財務の状況ですが、現状、高い水準で維持している長期負債比率と固定金利比率については、当面コストバランスを踏まえながら、適切な範囲内でコントロールをしていく方針です。引き続きKDXRの信用力向上によるスプレッド水準自体の引き下げや、スプレッドの高い時代に調達した借入金の借換えなど、金利上昇に対する相殺方法とかも一定程度確保できています。将来的な金利動向と内部成長スピード等をしっかりと見極めながら、適時適切な財務方針を採用することで、金利コスト増加の影響を最小化することを目指し、DPU成長の阻害要因とはならないよう運用していく方針です。引き続き財務の健全性は意識しながらも、収益性の強化と金利環境の変化に柔軟に対応してまいります。

以上ご説明してきた通り、現在の運用状況は、どのアセットタイプも堅調であり、賃料の引き上げもしっかりと結果が出せているという認識です。新たな年では、これまでのディフェンシブな姿勢から、我々が得意とする攻めの視点へのポジションチェンジが、大きく期待される局面になりうるのではないかと考えていますが、一方では、これまで通り資本コストを意識した経営やポートフォリオの不断の見直しなど、環境変化への即応力にも十分配慮した運営を心掛けてまいりたいと考えています。
引き続きKDXRの動きにご注目を頂くようお願い申し上げます。