ラサールロジポート投資法人 2024年2月期決算概要

ラサールロジポート投資法人
2024年2月期(第16期)決算動画説明書&質疑応答
○動画  
https://www.irwebcasting.com/20240416/1/b2bce3bd8b/mov/main/index.html
○説明資料
https://lasalle-logiport.com/file/term-1da87c2f924f4f92e56ec1f803f4f2a124981719.pdf
○説明者 ラサールロジポート投資法人 執行役員 兼
     ラサールREITアドバイザーズ株式会社 代表取締役社長 地紙 平
○説明 
2024年2月期の決算説明会にご参加頂き誠に有難うございます。今年も資本市場環境の不透明性、不確実性が継続し、1から3月の期間に、本投資法人の株価は低迷し、既存投資家の皆様にはご迷惑をおかけしました。一旦、3月中旬に反発したように見受けられるものの、依然として本格的な回復基調には至っておらず、株価浮上策が急務であることを痛感しています。低金利の環境下では、低い資本コストを活用して、外部成長の好循環というものが基本路線でしたが、今の局面では、資本市場の変化にあった最適な資金調達方法、バランスシートの管理、並びに、キャピタルアロケーションが、一段と注目されているものと認識しております。

このような環境下、本投資法人は半年前から成長戦略、資本戦略の舵切りを行いました。例えば、資金調達においては、不動産市場と公募市場の資本コストの逆転現象を踏まえ、継続的な物件売却を打ち出していました。成長戦略においては、資本コストを上回る投資として稼働物件の間接投資や、ブリッジファンドの組成を進めてまいりました。回答政策や株主還元策においては、物件売却益の分割配当に加えて、今般、自己投資口取得を決議致しました。幸い、ポートフォリオの運用状況は極めて堅調です。前期も高稼働を維持し、堅調な内部成長を継続することができています。金利上昇局面においても、本投資法人のポートフォリオは、構造的に負債コストを吸収できるものと分析しています。株式市場では、資本効率の改善や株主還元の拡充を始めとする株価浮上策の意識が高まる中、本投資法人においても、その流れに遅れを取らないよう資本市場の声を反映させつつ、環境変化に機敏に対応した成長戦略の遂行に努めてまいりたいと考えております。

先ずは本決算のハイライトを3頁にて説明致します。今回も5点纏めています。先ず1点目、分配金につきましては、24年2月期実績値は一口当たり3,802円で着地しました。2023年8月期対比で+23%の大幅な増加です。主な要因は、ロジポート流山B棟の第1回目売却と、大阪住之江物流センターの開発利益の計上です。流山の売却は、今後の毎期12.5%ずつ分割して決済していきますので、2025年8月期まで4期間に亘り売却益の継続的な計上が見込まれます。そのため一口当たり分配金の巡航水準は、約3,600円に上昇しました。

2点目、物件入替取引につきましては、昨日流山B棟の追加売却と入替物件に対する新規投資を発表しました。追加で12.5%の売却を、2025年の3月に予定しています。売却資金の一部を活用して、新規2物件への間接投資を行います。3点目、昨日投資主還元および資本政策の一環として、自己株式の取得を決議致しました。規模は最大で60億円、上限口数は発行済みに投資口数の約2.3%に相当します。後ほど詳細を説明しますが、買付はNAV倍率0.9倍を下回る水準にて行う予定です。4点目、2月14日にプレスリリースで公表しました件、今後のパイプライン物件を運用するための、ブリッジファンドの後継ファンドを新たに作成しました。

今後5年間の運用期間を設け、新規投資の余力を約1,000億円備えたファンドで、外部成長の柔軟性を拡充しています。5点目、内部成長も堅調で、倉庫区画はほぼ満床の状況が続き、昨日発表しました業績予想の前提にも、高い稼働率水準で予算を立てています。賃料増額改定も安定的に達成し、賃料ギャップの縮小することに加え、東扇島物件の普通借区画においても大幅な賃料増額の合意を行うことに成功しています。後ほど簡単な分析を説明しますが、今後の金利上昇局面においても、本投資法人のポートフォリオは、構造的に負債コスト増を吸収可能です。

続いて4頁をご覧ください。第16期の実績と第17期、18期の業績予想について説明致します。第16期は流山売却費計上、大阪住之江物流センターの開発利益の獲得、ブリッジファンドへの出資に対する配当、取得物件の通期寄与、内部成長など様々な増益要因により、第15期比較で+23%の大幅増益となりました。今期以降は、引き続き流山の売却益が3期に亘って継続的に計上される予定です。その結果、巡航的な分配金水準の実力値としては、当面3,600円の水準で推移する見込みです。今期は、昨年の入替取引で投資した南港や八千代を保有するSPCの特定社債や、優先出資の収益寄与やロジポート北柏の冷凍冷蔵庫の増築の収益寄与を見込み3,581円の予想です。来期25年2月期は、これらの通期寄与などにより3,602円を予想しています。

続いて5頁をご覧ください。今後の成長戦略について、本投資法人の成長の3本柱に基づいて説明します。前期に引き続き不透明な資本市場環境が続く中、公募増資に頼らない戦略を遂行してまいります。資金調達は、引き続き流動性が高い不動産市場の動向を鑑み、物件売却を基本とします。現在は、流山の分割売却を推し進めている中、機会があれば追加の物件入替取引も捉えていきたいと思います。売却資金の活用方法については、引き続き高収益が見込まれる稼働物件への間接投資を継続しつつ、今般自己株取得を決議しました。成長投資と、投資主価値還元の両方を睨みながら最適な選択をしていきます。アセット戦略は特に変更はなく、内部成長機会を捉えていきます。バリューアッド戦略は、成長戦略を代替する重要な柱になり、今年も市況の変化に合わせた新たな取り組みを進めてまいります。ポイントとしては、外部成長の柔軟性を長い期間確保し続けることと、直ぐの収益貢献が見込める稼働物件への投資に重きを置き、低稼働物件や開発案件は選別的に投資すること、という 2点でございます。

続いて6頁をご覧ください。前の頁で示しました足元の成長戦略の考え方を、こちらの頁で図示してみました。今はバランスシートのマネジメントがポイントとなると認識しています。先ず、内部成長を最大化しつつ、負債側では金利市場を見ながら金利リスクと負債コストのバランスをとり、資産と負債の総合管理を行います。それに加えて物件入替を遂行し、含み益を実現して投資主に還元するとともに、成長投資や自己株取得に充当する資金調達を行います。足元はバランスシートの拡大を追求すると、投資主価値を毀損するリスクがありますので、LTVコントロールを行いながら投資主還元に軸足を置きます。そして、本投資法人のバランスシートの代わりに拡大しているのが、バランスシート外の運用資産です。ここは第三者の戦略的資本として位置付けている、レンダーや私募投資家の資本を活用させて頂きまして、本投資法人としての経済圏の拡大をバランスシートの外側で行っています。そして、各ファンドやSPC に対して、本投資法人はセイムボート出資を行い、配当収益を獲得することを目指します。資本市場の環境変化に合わせて、資金調達手法と資金使途を柔軟に反映させ、投資主価値の向上を目指すアクティブ運用戦略に、本投資法人は今後も遂行していきたいと思っております。足元の運用戦略の考え方は、この頁を見てご理解頂けると幸いです。

続いて7頁をご覧ください。こちらは物件売却に伴う資金調達と、配当政策の実施配点を目指す方向性の考え方をお伝えしています。先ず、物件売却を資金調達しようとする理由は一目瞭然ですが、本投資法人の資本コストを測る尺度である、インプライドNOI利回り、即ち、LTVを維持した前提で公募増資を行った場合の、一種のハードル利回りは、今年の第1四半期は4.1から4.4%の範囲で推移しました。それに対し、例えば、流山の売却確認に基づく実績NOI利回りは3.8%であるため、売却による資金調達の方が資本コストは低いです。物流施設の不動産売買市場は引き続き堅調であり、稼働物件の流動性は高いため、売却の方が資本コストの競争力が高い状況です。更に、一括売却ではなく複数期に亘って分割決済を行い、恒常的に売却益を分配することで、配当施策の観点からも、レイアウトレシオを約86%まで恒常的に上昇させることができています。配当利回りが一定と仮定すれば、本投資法人の基本コストの低下、投資主の観点からは株価上昇、又は、安定に繋がると考えています。昨日流山の持分12.5%の追加売却を発表し、売却益計上期間をもう1期延長し、25年8月期まで確定しています。

続いて8頁をご覧ください。この頁では、キャピタルアロケーションについて説明します。今まで2回の流山の売却によって、本投資法人が収受する売却資金は約130億円です。この数字は売却益を除きます。この130億円の資金使途として、2月中旬にブリッジファンドより取得した犬山物流センターに約33億円、今回新しく発表しました2物件を含む稼働物件4物件の間接投資に合計約37億円、そして昨日発表いたしました自己株取得に残りの60億円を上限として充当します。今後については、先ず、24年2月末時点で、本投資法人が自由に使える待機資金が108億円あります。加えて、昨日流山の残りの50%持分について、物件交換を検討する意向がお互いにあることを記した基本合意書を、買主と締結し今後の交換取引についても、具体的な協議を進めてまいります。従って、仮に同額の売却が実現する場合、約250億円の資金調達に目処が立つことになります。資金使途としては、一番右側に示していますメニュー表に沿って活用したいと思います。いずれも前の頁で説明しました運用戦略に沿った使い方と考えております。

続いて9頁をご覧ください。昨日発表しました第2回の物件入替について説明します。売却資産は説明済みですが、今回得られる売却資金32億円の中から、約8億円を新たな2物件の間接投資に使います。取得するのは、いずれも最劣後のエクイティ部分に相当するB号匿名組合出資の49%持分です。裏付け資産は、浦安物流センターと沖縄糸満物流センターで、いずれもテナント1社との賃貸借契約、且つ、いずれの物件においても現行賃料が市場より約1割安い水準であり、安定的なキャッシュフローおよび将来的な賃料のアップサイドをおよびダウンサイドプロテクションが見込めます。本投資法人が保有しているB号TK出資に対して、一桁台後半のリターンを見込んでおります。従って、毎期高い利回りの配当収入が見込まれます。絶対金額としては、約8億円と貢献度が少ないかもしれませんが、リスクを抑えつつポートフォリオの一定の範囲内で、今後も同じような投資ストラクチャーを検討していきたいと思います。

10頁をご覧ください。昨日決議しました自己株取得について説明します。先ず、今回の自己株取得の取り組みにおいて、最も強調したい点を先にお伝えすると、ここで言う投資妙味や魅力的な投資というのは、本投資法人を主語としたもの、即ち、投資家からお預かりした資金を使って投資する観点での、投資妙味、魅力的な投資ということを意味することであり、我々が適正だと思う本投資法人の、投資口価格水準を意味するものではないということを最初に申し上げます。そしてJ-REITの自己株取得は、事業会社と若干異なる側面もあると考えております。投資主還元の性質は勿論あるのですが、内部留保ができず、限られたキャッシュを有効的に使うことが求められるため、投資主還元に加えてしっかりと既存投資主の価値を向上する使い方が、求められるものと考えております。

従いまして、今般自己株取得の実施目的を、資料の左上に使える通り、投資妙味のある価格での取得、即効性のあるDPUの押し上げ効果、一時的な売買の需給悪化による株価下落時の吸収の。この3つとしました。投資妙味のある価格水準として分かりやすく、一口当たりNAVの指標を使いますと、NAV倍率で0.9倍未満の水準としています。基準としている一口当たりNAVは、160,535円、即ち、24年2月期末の1口当たりNAVから、流山の50%持分売却に伴う減少分を考慮した数値としておいております。この基準NAVに対して、10%ディスカウントは約144,000円、15%ディスカウントは約136,000円で、その範囲内でこの投資法人のインプライドNOI利回りは4.5%という水準です。

今回の自己株取得の原資は、ロジポート流山B棟の売却した資金です。流山は、帳簿価格に対して償却後NOI利回り4.1%で収益貢献してきたことから、自己株取得を行う上では、その収益性を上回ることが、所謂、アクティブな投資であると考えています。又、右側の株価チャートに記載の通り、2023年以降、本投資法人の株価は、NAVディスカウント10%を下回る水準まで2回下落しました。今後も不透明な市場環境が続き、投資口の売り圧力がかかる可能性は十分にあり、その場合に備えて買い付け決議を行うという意味合いもあります。売り圧力はかかったタイミングで、機能的に自己株取得を決意するというのは、その時インサイダー情報を保有している可能性もあり、必ずしも機動的に動けない場合があります。そのため、インサイダーフリーの決算発表日に決議して対応することが必要と考えました。今回の買付決議の内容としましては、売却資金の金額により買付総額を、上限60億円と計算しており、口数換算すると上限43,000円としています。即ち、発行済み株式総数の2.3%、買付期間は、残りの24年8月期内で本日から7月末までの約70営業日に設定しています。尚、本投資法人の株価は、それを上回る水準で推移した場合には、買い付けがなされない場合がありますのでご了承ください。

続いて11頁をご覧ください。ここから3頁に亘り、先ほど運用戦略にて触れました戦略的資本の活用について説明します。本投資法人は、2018年よりバリューアッド戦略の一環で、間接投資という形でSPCを活用して、低稼働や開発案件に投資してまいりました。ロジポート尼崎、大阪ベイ、住之江のような実績と、本投資法人の信用力に基づいて、後継ファンドの組成を行うことが足元でできており、投資対象や投資形態も多様化しています。このように本投資法人との共同投資を行う資本を、外部からの戦略的資本を、英語で言えばストラテジックキャピタルという考え方をして、今後も成長戦略に活用していきたいと思います。足元での最大のポイントは、やはりバランスシートの外で運用資産を増やすことができる点であり、直近では約1,000億円のAUMに拡大しました。又、これに加えて追加で約1,000億円の投資枠も確保しており、約2,000億円の潜在的なAUMがございます。更に戦略的資本を活用することで、本投資法人のインプライドNOI利回りを下回る資本コストの水準で、資金を調達できるため、本投資法人としては高いリターン、具体的には8%超が見込める投資を行うことが可能となっています。本投資法人としては、無尽蔵にこれらを使うつもりはなく、現時点での出資残高は約68億円、総資産の約2%未満にとどまっており、リスクマネジメントしながら運営していきます。

12頁をご覧ください。戦略的資本により、具体的な活用方法と運用資産の残高推移を記載しています。大きく分けると3つありまして、ブラインドプール型ファンドの資金を活用する運用するLRFシリーズ、2点目は長期投資を前提とした稼働物件への間接投資、最後に外部事業パートナーとの共同開発関係、これらの3つに分かれます。運用残高は左側に内訳とともに積み上げバーチャートで示す通り、本投資法人の株価が軟調に推移した2022年以降、大きく積み上げてまいりました。LRFシリーズのうち、1号、2号ファンドは既に清算済みで、今年2月に第3号ファンドを組成しました。第3号ファンドの運用目標規模は、約1,700億円と過去最大です。稼働物件への間接投資は、昨年10月に公表した第1号案件に続き、今般第3号案件まで発表しています。これらは収益寄与の即効性があることに加えて、長期投資を前提としているため、外部成長のパイプライン物件とは若干区別して考えております。勿論、外部環境が変われは、本投資法人は取得に優先交渉権を有していますが、基本的には純投資としての対象物件を揃えています。開発案件は工事が進捗するごとに出資を行っていくため、前回から件数は増えていませんが、出資金額は徐々に吊り上がります。

13頁をご覧ください。LRF3(第3号ファンド)について説明致します。一言でいえば、LRF2のブリッジファンドとほぼ同じストラクチャーですが、足元の環境を鑑み、ブリッジファンドというよりも、長期、具体的には、今5年間、本投資法人とともに並走するファンドの性質が強いため、サイドカーファンドと呼んでいます。取り組んでいます。第2号のブリッジファンドで運用していた5物件をシードアセットとし、元々フォワードコミットしていた20件、岩沼案件、尼崎案件を2月3月に新規取得しています。現在、運用総額は約700億円ですので、今後の投資余力は約1,000億円あります。仮に資本市場環境や投資口価格が大幅に回復しない場合でも、今後5年間に亘り、スポンサー開発案件や外部からソーシングする案件を、このサイドカーファンドで取得運用することができます。

14頁をご覧ください。前の頁とは別に、スポンサーが開発する物件、本投資法人が出資する開発案件および保留する東扇島底地の総額は、約2,000億円規模になります。外部成長が厳しい環境のため、本投資法人が取得することは現時点で考えていませんが、今回新しく スポンサー開発関係として3つの着工を迎えました。建設コストが高騰している環境ですが、これら3案件については、その影響を大きく受けることなく工事が進捗していると聞いています。本投資法人が出資する開発案件も同様で、順調に開発が進捗しています。リーシング活動も開始し、まだ成約には至っていないもののいくつかの引き合いは来ています。

15頁をご覧ください。内部成長について、先ずは第16期の着地と向こう2期の業績予想の前提について記載しています。第16期の賃貸借契約の更改は、合計で25万平米と、通常よりも2倍以上の面積で契約更改を迎えましたが、こちらは半年前から報告している通り100%内定済みで、内部成長に貢献しています。更改面積の平均増額率は4.3%です。続いて業績予想の前提ですが、今期、来期ともに高稼働を予想しています。業績予想の作り方は、今までと変わりなく、一定程度保守的な前提をおいて作成していますが、それでも高稼働の予算を決めています。毎度ですが、本投資法人のポートフォリオ、特に東扇島物件は、事務所面積が比較的大きいため稼働率が構造的に低く出ますが、倉庫区画の割合に直せばほぼ満床が続く想定です。今期、来期の現時点での内定率は夫々82%、今期、来期は41%、1期先、2期先の、過去のトレンドと比較して、上回る進捗率を達成しています。市場全体の空室率は上昇傾向にありながらも、本投資法人の保有物件のテナント需要の強さは維持しています。尚、この頁に掲載している契約更改の面積内定率、賃料増額率は、東扇島3物件を除く数値です。目標賃料に対する賃料ギャップは、ポートフォリオで引き続き約5%存在します。それに対して市場のスポット賃金とのギャップは、こちらは2年に1回見直していますが、今回見直した結果は、約15%に拡大していますので、引き続き内部成長のアップサイドポテンシャルは高いものと考えています。

16頁をご覧ください。内部成長に関して、本投資法人の特徴である東扇島A、B、C棟の運用状況を踏まえて、この頁で説明します。本投資法人のポートフォリオの賃貸面積のうち約2割は東扇島A、B、C棟の3物件で構成されています。この2割のうち約1割は定借家契約への切り替えが完了していますが、約1割は普通借家契約が残存しています。しかし、内部成長の観点で見れば、東扇島の物件もその他と引けを取らない、寧ろ、契約残存年数が1.4年と短いことから、インフレ基調の中では、今後のアップサイドを期待できる物件という位置付けになっています。実際、過去3年間において、契約更改等を迎えた面積における平均賃料増額実績は、他19物件の平均を上回る6.6%となっています。昨年はテナント入替時に定借家契約に切り替えると同時に、大幅な賃料増額を達成した事例がありましたが、直近では普通借家契約を維持したままの区画においても、大幅な賃料増額による賃料ギャップの縮小に貢献する事例が4区画においてあり、約4,800坪で19%の賃料増額に合意しています。これらは今年以降に改定を迎えるので、今後の内部成長の材料となります。これらは、弊社の運用部の努力によるものが大きいですから、もう1つの要因としては、普通借の契約に賃料改定条項が入っているということで、契約更新に協議のうえ改定を可能としています。昨今の物価上昇基調を受け、現行賃料と相場賃料に乖離が大きくなっていることを踏まえ、この条項に基づいて、テナントとの交渉を有利に進めやすくなったものと考えています。

続いて17頁をご覧ください。財務運営について説明します。今年2月に120億円のリファイナンスを行いました。従前より金利上昇局面においては、金利リスクヘッジのために、借入年限と固定化比率の維持を基本的な考え方としてまいりました。今回のリファイナンスにおいても、一部短期変動のブリッジローンを固定化し、且つ、平均借入金を6.3年から7.8年に長期化しました。ベースレートの上昇により平均借入金利は上昇しましたが、スプレッドは銀行のサポートにより維持されています、本投資法人の総資産に対するLTVは41.9%、鑑定評価額に対するLTVが34.8%で、この水準を維持する方針ですが、自己株取得を全額行った場合には、総資産LTVが42.5%まで上がる可能性があるため、その際には期限前弁済を行い、LTVを低減させることを検討しています。現在、平均借入年数は7.9年、固定化比率は90.7%と、金利上昇リスクをヘッジできている強固な財務体質を有します。昨年の物件取得時に調達したブリッジローンの残高は74億円あり、金利市場を見ながら少しずつ長期化していく予定です。尚、今後金利市場が落ち着いた場合には、マチュリティラダーを平準に保ちつつも、一部短期化を検討し、負債コストを抑制することも視野には入れます。それは次の頁で説明するALMに関連します。

18頁をご覧ください。最近、リート市場における関心事項の一つとしてALMという認識しておりますので、弊社の収益構造に基づいて分析を行いました。左右にリースとデッドのマチュリティラダーを夫々10年間示しています。先ず、リースマチュリティラダーから読み取れる本投資法人の特徴としては、先ほども説明しました東扇島物件のリースが2年以内に更改を迎え、それがロールしていく点です。従って、ALMの分析においては、ここ2年間の契約満了面積がポイントとなり、ポートフォリオの約4割を占めます。この点は、本投資法人の最大の特徴です。翻ってデット側で見れば、2年以内に期限が到来する有利子負債は全体の2割未満、この割合の差が ALMの分析の1つのキーパラメータと考えています。夫々について、今後の変化見通しを前提において、賃料収入と純利益の影響を管理試算しています。リース側は賃料増額率を、賃料ギャップの水準から+5から10%のレンジ、デッド側は、借換え時の金利上昇を+30から60basisのレンジで想定しました。

本投資法人のPLに基づけば、この前提において、賃料収入は年率1.1から2.1の上昇が見込めますが、借り換え時の金利上昇に伴い純利益の影響を見ると、年率1.1から3.4%という分析結果になっています。即ち、フィナンシャルレバレッジが、成長率の観点で逆ザヤに転じることは想定しにくく、賃料収入の増加率と同程度の、又は、順ザヤを維持するという分析結果です。賃料増額改定は、引き続き最大限の運用努力を示していく中、財務運営は、本投資法人の内部成長を下支えする要素であり、借り換え金利上昇を最小限にとどめるために、金利が落ち着いたタイミングでは、変動化や短期化を検討する価値があること、或いは、LTVを低減して、差異コストの絶対額を下げることが、内部成長のサポートに繋がるということがここからは読み取れます。結論としては、本投資法人の収益構造および負債プロファイルは、構造的に内部成長をサポートでき、今後もALMを意識した運用を行っています。

19頁をご覧ください。最後にESGの取り組みのアップデートです。先ず、オフサイトPPAについてロジポート新守谷と柏沼南屋根に、新たに太陽光発電設備を設置し、発電した電力をロジポート相模原、北柏および東扇島3棟の5 物件に、託送供給する仕組みを引き続き準備しています。本投資法人では、温室効果ガスの削減において、エネルギーヒエラルキーの優先順位に従った取り組みを推進していますが、日頃の物件運営の改善やエネルギー効率の向上など、昨年よりロジポート川崎ベイにて、オンサイトの再生可能エネルギーの発電の取り組みとして、自家消費型の太陽光発電が稼働を開始しています。川崎ベイの太陽光パネルのうち、半分は固定買取り価格制度に基づく発電事業者への屋根貸し、残り半分の3.2MWの容量分が自家消費型スキームです。第16期の実績値として、約55万 KWH相当のCO2排出削減と約6百万円の電気料金の削減効果が得られています。今後もESGの取り組みにおいては、環境価値のみならず収益貢献の両立する取り組みを優先していく予定です。
決算説明は以上になります。ご清聴有難うございました。

<質疑応答>
Q:前回の決算説明時点で言われたようなことを、しっかりと実行に移されたという印象ではありますが、8頁、10頁を基に質問させて頂きます。8頁に、様々な、これからの戦略。考え方を書いておられますが、この中でも特に力を入れていきたいところはどこの部分か、ちょっと黒字太線で書いているところなのか、もしくは、できるもの全部これからやっていきますよというところなのか、そこの優先度合いについて、今後の資本環境にもよるとは思いますけど、お伺いできればと思います。加えて、自己投資口の取得も含めて、できるものであればずっと継続的にやっていく、継続可能性というところについても伺いできればと思います。
A:8頁のキャピタルアロケーションについてですけれども、こちらは結論として優先順位というのはなくて、環境変化によって機敏に動いていかなくてはいけないというのが、先ず、大前提としてあります。今回は、自己投資口の規模は130億円から新規投資を差し引いていって、60億円というところに充当するというようなこういう、バランス型となります。 新規投資をしっかりやって、できた部分の残りを還元していくという、そういった考え方に基づいておりますけれども、基本的には、今後このキャッシュを成長投資にしっかりと使っていきます。 おそらく流山の売却スピードよりも、こういった成長投資のスピードの方が、現時点では若干遅い気がします。それは1つあるのは、こういったSPCの優先出資とか、匿名組合出資は、投資効率が良い分規模が張らないので、その分、物件数を沢山やっていかないと、多分この売却による資金に追いつくスピードで投資できていけないと思うのですが、それは石田の方で最大限やっている状況です。よって、稼働物件への間接投資というところが、今の我々の、どちらかといえば、重きを置いている、つまりはD 1から収益をちゃんとDPUに還元できる可能性がある投資というのが大事と思っておりますので、そこが1つ挙げられるとすると、言えるところかなと思っております。自己株買いの継続性についてですが、今回も決議をしましたけれども、当然ながら来期とか環境が変わらない、悪化するということがあれば、その都度資金と見合い、あとは出来高との見合いということで、ここは増やすこともできますし、色々な選択肢があると思っています。増やすことができるというのは、例えば、流山の売却が進んでいけば、当然それを充当していけるとか、他の入替案件を成約することができれば、その分充当していけるとか、そういうふうに考えておりますので、継続性はあるもの、ただ環境をしっかり見るというところが大事だと考えております。

Q:6頁のところで、バランスシートマネジメントについても記載があり、かなり考えてやっておられると思います。ALMについて、御社ご自身で見ていて、御社独自の戦略というような認識でおられるのか、結構他も実は皆やっているということなのか、御社の優位性というところをお伺いできればと思います。
A:6頁のバランスシートマネジメントとか、アクティブ運用戦略とか、我々の独自性というところだと思いますけれども、先ず上段と言いますか、資料に書いてある内部成長、物件入替の左側の上2つと、財務と投資主還元、これは特に我々の優位性があるという訳ではなくて、皆様やられているところと認識しております。よって、我々の優位性というのは、やはりこの下の半分の、バランスシート外の戦略的資本の活用です。これは、ストラクチャー観点からは、何か目新しいことをやっているわけではありませんが、やっぱりこの取り組みを進めている時に感じるのは、実績です。2018年以降、当時尼崎とか大阪ベイとか住之江の、今回でいうLRF1(1号ファンド)の実績とか、それに続いてLRF2のブリッジファンドの実績、こちらは、ちゃんと利益を作って投資家に、投資家というのは私募の投資家に、リターンを分配している、又、我々もセイムボート出資者として、それを享受しているということからすると、このトラックレコードを過去5年間に亘って作ってきたということが、結構な差別化になっていると感じますので、ストラクチャーの目新しさはないものの、そこの部分で我々の独自性と言いますか、優位性が働いて、今この取り組みができて、結果的には我々の成長戦略の根幹になりつつあると考えておりまして、更にはこのような環境下において、自分のバランスシートを膨らませず、ALMという言い方ですかね、ここを拡大させることできるっていうのは、今になって結構効いてきているというような感じです。

Q:今回より、この資本コストを考慮に入れた色んな戦略を出されておられますが、金融人材と言うか、かなりの専門知識も必要になってくるかなと、私自身も思っているんですけど、社内でこのような金融人材をしっかりと拡充されて、十分やっていけるということであるのか、やはり、そこの人材の確保というのは課題点として、これから見ていかないといけないのかについて、お伺いできればと思います。
A:金融人材については、言われる通り、これらを進めていくとなると、専門性とか経験値がかなり必要になってくるというところはあります。金融のバックグランドという意味では、私も幸い証券会社出身ですし、昨年入社した財務部長の山口も、同じく証券会社出身ということで、マネジメントの中で金融バックグラウンドが増えているというところと、あと石田は、正にハイブリッドで、IPOから財務をやってきて、今アクイジションやっているというような形ですので、そこの傘下に人材を拡充していく、それをサポートする人材を今後とっていく必要はあると思っております。ただ、人材不足の環境下でもありますので、そこはなかなかそう簡単にはいかないですけれども、そういう体制でやっています。

Q:自社株買いについてですが、今回発動水準が、0.9倍以下の株価のところに設定されたということで、もし又、やる場合というのは、例えば発動水準0.93とか0.95とか、下げることもあると思いますが、上げていくようなこともありえるのかどうか。少しずつ株価を底上げしていって、最終的なゴールというのは、安定的にNAVを上回る株価まで持って行くということかと思いますので、環境が悪化したら、又検討するということでしょうが、仮に 全体が少し良くなったけれども、まだ少し足りないという場合は、0.9 より上のところで、又、設定してやるっていうようなことも、あり得るのではないかと思ったのですが、この辺りの細かな、少し設計のことになりますけれども、そういったことを検討されているかどうか、その点に関してご説明頂ければと思います。
A:売却資金を自己株買いに振り向けるという時に、先ほどちょっとプレゼンでも説明した通り、売却した資産の利回りを上回る必要があるというところとか、あとは自分の株価水準を不動産価値に変えた時に、それが資本コストを何basisぐらい上回っているのかとか、ここら辺も少し睨みながら今回価格設定をしましたので、そことの兼ね合いで、もしかしたら 今後変わるということがあるかもしれません。

Q:戦略的資本の活用に関してですが、現時点で 間接投資やブリッジファンドが総資産の 2%ぐらいですが、上限の目途何%とかという目安があるのか。それから、管理の方法としては、あとはレバレッジの水準なんかもそうだと思うんですけども、間接投資ビークルで引いているデットは、リートでは考慮せずに全部資産となるのか、それとも、プロラタでデットと見做して、リートのLTVというのはコントロールしていくのか、 こういったところも含めてこの戦略的資本の活用での投資枠の管理をどういう風にやられているのかを説明頂ければと思います。
A:戦略的資本の管理方法については、こちらは何か制度的に制限しているものはないと理解している中ではあるものの、当面総資産の5%というところを1つの目処として上限を考えていきたいなと。 そうすると具体的な数字としては約200億弱というところにはなりますので、今トータルで70億円ぐらい使っているので、あと100+億円ぐらいというものは、十分manageableだと考えております。LTVに関しては、言われる通り、これはどういう風に見るのかというところに正解はないとは思いますが、先ず、基本的にはノーリコースローンであるというところと、あとは 取得する物件というところのクレジットに基づいたデットであるというところに関して言えば、基本的には本投資法人から切り離されているものという整備でおりますけれども、考え方としてはそれを数字に落とし込んだ時には我々のシェア例えば 49% 持分であれば、それをプロラタにかけていって考えるといったところで、こちら側では試算をしておりまして、今その水準を全部足しこんだとしても、疑似的な本投資法人のLTVというのは、総資産ベースでも45%を下回っている水準に抑えることができているということで、それを管理の一つの指標として、2段構え、ノーリコースであること、プラス疑似的に乗っけたとしても十分に低いというところで考えております。

Q:ブラインドプール型のファンドについてですが、このファンド期間5年間という意味合いについて、もう1回教えて頂ければと思います。ブラインドプールタイプで5年間というのは、相当長いかなという気がしますけれども、要は時間を買ったという話はありますが、これがブラインドプールにおけるMAXの期間で引いている事なのか、それとも、例えば、 物流不動産の市況のシクリカルとかも考慮されて、この期間を設定されているのか教えて頂きたい。
A:ブラインドプール型の5年間の意味合いというところですけども、言われる通り両方です。不動産市場のシクリカリティと、あとはパブリックマーケットのシクリカリティ、これを5年間確保することで、我々の中で最適なタイミングで外部成長するのか、或いは、継続運用するのか、5年後にもう1回リファイするのか、或いは、本当に良い条件があれば外にいるとか、色々な選択肢を5年の間取れるというのは、かなり柔軟性を確保できていると思っております。それで、5年間のうち3年間は取得期間になっています。即ち、LRF3号ファンドいえば1,000億を使う枠がありますが、これを残りの3年間で使っていけると、即ち、取得のシクリカルを3年確保しているということで、その3と5という数字がかなりの柔軟性というところとして捉えております。

Q:戦略的な資本の活用ですが、今200億円との話もありましたけれども、頁で言うと6頁目の、ここの更なる広がりというのは期待できるのかどうか。先ほど、経済圏という話もされていますけれども、ここの更なる拡大に対する期待とか、可能性についてお聞かせ願います。
A:ストラテジックキャピタル、200億円は、我々の出資額の上限は、ということであって、我々以外の外部の戦略的資本でいえば、潜在的に2,000億円あるというところですので、考え方としては、トータルで見れば、3,800億円の我々の総資産にプラス2,000億円のAUM というところで、今後の拡大期待というのはあります。これは、先ずはその稼働物件のSPC というのは、これは個々に作っている、案件ごとに組成しているものですので、案件がソーシングできれば、こういった形で作っていくことが可能かなと思っているところと、開発についても同様に、これも都度組成をしています。サイドカーファンドは、今一旦、残り1,000億円の投資余力があるので、ここはこれを使っていくのが当面の戦略というか、当面の動きと思います。そういったところが全容です。1つ、多分申し上げておいた方が良いのが、投資家のお金はどこから引っ張っているのかというところがあって、それは、例えば、私募リートとかと競合するのかとかあると思いますが、そこは競合しないように作っているものですから、例えば、私募リートの市場が冷え込んだ時に、これがスローダウンするのではないかというところは、現時点においては、我々の認識としてはないので、そこは、もう1つ投資活動というか、キャピタルアクセス先の多様化という意味ではできているかなと思っております。

Q:事務的な話になりますが、先ほど200億円という話もありましたけれども、例えば、TKで今回も、B号TK出資49%ってことで、一応劣後ながらもマイノリティかなと思っていますけれども、基本的に、今後御社はこういったものに手をかける時に、仮にマイノリティであっても、ある種コントローラブルにファンドの上ができているという前提、管理できているという立場に立っているという理解で良いのかどうか、最後ですが、宜しくお願い致します。
A:制度ながら投資法人は、私は日本の制度を変えてほしいのですが、他のSPCに過半を持てないというところで、上限49%しか、優先出資であっても、TKであっても、持てないというのがありますので、これが上限値になっていますけれども、昨年10月に発表した浦安八千代については、本当にグロスを取りたければ特定社債を上にのせて、そこである意味ステークを取っていくということはできるかなと思っております。これは、案件ごとに、都度、都度、どういうふうにキャピタルスタックを設計した方が良いのか考えているところです。コントロールについては、基本的には、我々は最大株主というか、最大TK出資者というか、そこで持っている権利を、ある意味行使するというところになりますけれども、それに加えて優先交渉権の保有もしているということで、基本的にはEXIT先が我々というベースシナリオとなっているビークルですので、優先交渉権者としての関与の仕方というのが、プラスアルファであるという意味でのコントロールというのが、現在の取り方としてやっているとご理解頂ければと思います。

以上