アドバンス・レジデンス投資法人 2024年1月期決算概要

アドバンス・レジデンス投資法人
2024年1月期(第27期)決算動画説明書
○動画   https://www.net-presentations.com/3269/20240314/dfmp4342/
○説明資料 https://www.adr-reit.com/files/optionallink/00002899_file.pdf
○説明者 伊藤忠リート・マネジメント株式会社
      執行役員 住宅事業本部長 工藤 勲
○説明 
2024年1月期アドバンス・レジデンス投資法人の決算の報告をさせて頂きます。

先ずは決算ハイライトです。4頁をご覧下さい。業績予想に対し当期純利益+85百万円、その結果一口当たり純利益EPUは+1.1%の5,603円、一口当たり分配金DPUは+0.5%の5,900円と決定させて頂きました。資産取得・売却は、7 物件の取得および1物件の売却を行い、売却益870百万円を計上致しました。売却益は内部留保し、安定分配の原資として活用させて頂きます。資産運用、入替賃料変動率+5%、更新時賃料変動率+1.2%と、順調に推移しております。占有部のリノベーション工事を161戸に実施し、入替賃料変動率+20.7%と、高い水準で成約しております。資金調達は、公募増資によりLTVの引き下げを行いました。又、調達した金利は0.78%で、支払金利は若干上昇しております。
それでは、夫々につき説明致します。

6頁は分配金の詳細です。上段記載のとおり、前期実績+50円の5,900円とさせて頂きました。前期実績と当期実績の比較です。左側中段赤色で記載の前期実績、調整後EPU5,431 円をご覧ください。この調整後EPUについて説明致します。昨年発表致しました専用部のイノベーション工事、減価償却方法の見直しを行わなかった場合の、従前の水準の実質的な運用上の利益とご理解ください。この5,431円から本取り組みによる影響の-306円、こちらが追加の取り崩し分となります。これを引いた数値が売却益を除くEPU5,125円となります。次に中央右側に記載の当期実績をご覧ください。調整後EPU5,340円は、前期実績-91円となりました。既存物件では、若干収益はプラスとなりましたが、23年9月に行いました公募増資による希薄化―185円の影響が要因となります。

8頁をご覧下さい。取得・売却実績です。上段の物件の取得は、スポンサー開発物件を中心に、築年数が浅く、競争力の高い物件を、24年7月期の取得予定も含めると、合計で12物件約248億円となります。下段の売却は、24年7月期の予定も含め、2物件約46億円となります。この結果、売却益は当期870百万円を計上、翌期は531百万円の見込みとなります。売却益は内部留保し、安定分配の原資として活用させて頂きます。売却予定のレジディア北品川は、当該物件を含む地域で、都市計画事業の京浜急行本線の立体交差事業が認可をされており、将来的に収益の安定性が損なわれる恐れが高いなど、総合的に勘案のうえ売却を決定致しました。

9頁をご覧下さい。スポンサーパイプラインの状況です。現在東京23区を中心に19物件、想定規模約389億円程度となっています。引き続きこれらの物件を取得することで、投資法人の外部成長に繋げてまいります。

10頁をご覧下さい。不動産売買マーケットです。賃貸住宅への投資意欲は引き続き旺盛です。点線の折れ線グラフが、保有物件の継続鑑定評価における利回りを記載しております。売買市場は少し落ち着いてはいるものの、利回りや取引価格にはほぼ変化が見られない状況です。今後の外部成長、不動産金融市場の、環境の変化による不動産価格の動向には注視しつつ、 引き続き慎重に投資してまいります。
ここからは足元の運用状況を報告致します。運用は順調に推移しております。

12頁をご覧下さい。先ずは稼働率です。上段がポートフォリオ全体の稼働率となり、期中平均96.7%と高い水準で推移しております。下段2つのグラフをご覧ください。こちらは月次の稼働率の推移です。左側がポートフォリオ全体、右側がエリア別となっております。左の赤い実践の折れ線グラフをご覧ください。23年8月の稼働率は、96.1%と一時的に低下を致しましたが、その後は回復していることがご確認頂けるかと思います。

13頁をご覧下さい。入替時の賃料動向です。上段の賃料変動率をご覧ください。当期は+5%と、前期より更に高い変動率となりました。下段のグラフをご覧ください。当期の賃料 変動額は、合計で月額1,178万円となり前期より高い変動額となりました。ご覧の通り、原状回復住戸とともに、ベージュ色の棒グラフのリノベーション住戸+622万円が、牽引していることがご確認頂けるかと思います。

14頁をご覧下さい。エリア・タイプ別の入替賃料変動率になります。先ずはエリア別です。中央記載の囲ってあるところをご覧ください。水色の折れ線グラフが東京23区です。前期を上回る賃料変動率は+6.9%、他方、黄色い折れ線グラフが政令指定都市等です。先ほど少し触れさせて頂きましたが、一時的な稼働率の低下により、条件を緩和した結果、当期の変動率は-0.8%となりました。下段が住戸タイプ別です。同じく中央記載の囲ってあるところをご覧ください。各タイプとも前期比で同水準以上の推移となっております。
15頁をご覧下さい。更新時、その他の指標になります。先ずは上段左側をご覧ください。更新時の賃料変動率です。順調に賃料増額改定を行うことができ、+1.2%と過去最高水準の変動率となりました。右上をご覧ください。増額戸数は947戸、前年同期比約+50%と増額件数も増加をしております。次に左下、募集関連収支です。赤色の棒グラフの礼金は、0.76ヶ月と従前どおりの水準で、安定して収受をしております。

16頁をご覧下さい。各都市別の賃貸マーケットの概要です。東京23区は順調に推移しております。次にその他の都市の主な傾向です。札幌は賃料変動率はマイナスとなりましたが、一時的な稼働率の低下により、募集条件を緩和したことが要因です。その結果、稼働率は回復しております。次に名古屋ですが、稼働率は回復致しましたが、供給増加の影響で賃料変動率はマイナスが続いております。

17頁をご覧下さい。賃料動向です。上段のグラフをご覧ください。新規入替および更新時の賃料改定の結果、ポートフォリオ全体の賃料坪単価が0.45%上昇致しました。その結果、下段に記載しております賃料ギャップ上昇余地は、リノベーション工事を一切行わず全ての住戸で原状回復工事を実施した場合には+2.9%、リノベーション工事を計画通りの戸数を実施した場合には+8.8%となります。この賃料ギャップは、当期の成約賃料水準で、上記の条件で全ての住戸が入れ替わった場合における、ポートフォリオに与える影響を示ししております。

19頁をご覧下さい。占有部リノベーション工事です。中央に赤色で囲ってあります通り、当期の実施戸数は161戸、うち24年1月末時点の成約戸数は236戸、賃料変動率は+20.7%と、引き続き順調に進捗しております。中央の棒グラフで記載しておりますが、各住戸タイプともに、通常の原状回復住戸の比較をし、高い賃料変動率であることがご確認頂けるかと思います。今後の工事計画は左上に記載の当初の想定値に記載しております。1期当たり実施戸数300戸に向けて、運用体制を強化し推進してまいります。このリノベーション工事の推進が、ポートフォリオにおける長期的な収益力の向上に貢献できるものと考えております。

20頁をご覧下さい。修繕工事の計画です。上段が共用部の大規模修繕工事の実績です。当期実施の8物件を含めると、合計で120物件の工事を実施しており、保有物件の40%強の物件が工事実施済みとなります。下段が資本的支出で、今後の工事の計画となります。減価償却費の範囲の中で、リノベーション工事、大規模修繕工事、その他修繕工事を計画的に実施し、物件の維持管理に努めてまいります。

22頁をご覧下さい。物件の財務の状況です。上段左をご覧ください。従前の支払い金利0.7%、年限6.6年に対し、当期の調達は、支払金額0.78%、年限5.3年と、支払い金利は若干上昇しております。下段が総資産LTV借入比率となります。公募増資を行った結果、23年7月期の49.5%から24年7月期の想定で48.5%と、1ポイント低減をする見込みです。その結果、右下記載の運用上の目安としている、 LTV 50%までの借入余力 145億円を確保し、今後の収益拡大に向けた取得余力を高めることができました。

23頁をご覧下さい。財務指標についてです。基本方針は長期固定、分散を図り、安定的な財務基盤の構築をすることです。上段中央の借入平均残存年数4.6年、上段右、固定化比率は98%となっております。又、下段のグラフにあります通り、1期当たりの返済の分散も行なっております。その結果、金利上昇時による収益のマイナスの影響を軽微に抑える体制を整えております。これに加え、今後は安定的な財務基盤は維持しつつも、収益への影響も意識して金利上昇への対応は柔軟に行ってまいります。

25頁をご覧下さい。サステナビリティに関する評価・取組みです。上段をご覧ください。左側のGRESBリアルエステイト評価では、4年連続5回目のセクターリーダーに選出をして頂き、右側のCDP気候変動プログラムへは、住宅系のJ-REITとしては初の参加をし、上から3番目のB 評価を頂きました。下段左をご覧下さい。環境認証、省エネ認証の取得割合も32.2%となり、30%の目標を達成致しました。サステナビリティへの取り組みは、今後も着実に推進してまいります。

29頁をご覧下さい。業績予想です。持続的な逓増分配を目指してまいります。棒グラフを3つ記載しております。左から当期実績、中央が24年7月期、右側が25年1月期の予想となります。各棒グラフの上段の黒い太い数字をご覧ください。当期実績のDPU5,900円に対し、24年7月期は5,905円、25年1月期は5,910円を想定しております。次にその下に記載の、薄いグレーでハイライトをしております内部留保の取り崩しは、左側の当期実績は325円から、右側に記載の25年1月期は207円と減少させつつ、分配金の増加を見込んでおります。次にその下の赤い太い数字の調整後EPUについて説明致します。当期実績 5,340円に対し、中央記載の2024年7月期は物件の取得による増収で+48円の5,388円、こちらは売却益を除くEPU4,999円、追加取り崩し額 389円を加えた金額となります。

右側25年1月期も同様に、24年7月期に対し+80円の5,468円を想定しております。一番右下をご覧ください。売却益による内部留保の残高です。1,061円が25年1月に取り崩し後の残高となります。内部留保の取り崩しは、今後の進捗状況を見ながら検討してまいります。最後に今後の収益向上への対応について少し説明をさせて頂きます。中長期的な取り組みは、占有部リノベーション工事を施すことで、物件の競争力を高めてまいります。又、賃貸住宅は、他の不動産と比べ個人の方の生活の拠点であることから、比較的景気の影響を受けにくい、常に一定の需要の見込める安定した資産であると考えております。一方で、金利の上昇、インフレによるコスト増加への対応として、東京23区を中心に物件の特性を見極めながら、より高い賃料上昇率を目指した運用を行ってまいります。この取り組みで保証期間の長期化による稼働率の低下、礼金の減少ということも想定はされますが、収益向上に積極的に取り組んでまいります。
私からの説明は以上となります。最後までご視聴頂き、誠に有難うございました。