東海道リート投資法人 2024年7月期決算概要

東海道リート投資法人
2024年7月期(第6期)決算動画説明書
○動画  https://www.net-presentations.com/2989/20240917/dykiu54/
○説明資料
https://www.tokaido-reit.co.jp/file/ir_library_term-fbca528c4532330eaa123ee1f626b99f00e3cac7.pdf
○説明者 東海道リート・マネジメント株式会社 代表取締役社長 加藤 貴将
○説明
第6期決算説明会資料に基づき、説明させて頂きます。
先ずは改めまして、東海道リート投資法人のエクイティストーリーについて説明致します。3頁をご覧ください。東海道リート投資法人は、右の図の青線で囲われた、東海道地域を投資対象としています。左下のグラフの通り、東海道地域等は、日本の製造品出荷額の上位9県のうち8県を擁する日本を代表する産業地域です。このような製造業の強い地域を投資対象エリアとしており、このエリアにある不動産は、この産業の強さを背景に安定した運用が可能であると考えております。

4頁をご覧ください。東海道地域等の中でも、日本を代表する産業地域が県を跨いで広がる 静岡県、愛知県、三重県の3県を重点投資エリアとしています。このエリアには、産業集積と人口集積が進んでおり、魅力的な不動産への投資が可能であると考えています。

5頁をご覧ください。東海道地域等に90%以上としながら、静岡を核とする産業地域に対して60%以上を重点投資していく予定です。主な用途対象は、産業インフラセット、生活インフラセットでそれぞれ25%以上として、安定的なポートフォリオを構築致します。この地域のアセットの魅力としては3点、1つ目が産業地域の持続的な強い経済を背景としたアセットであること。2つ目が強い経済に裏付けられた優良なテナントであること。3つ目が、不動産価格変動リスクが相対的に低い投資エリアであることがあげられます。

続いて6頁以降が今回の決算ハイライトとなります。
7頁をご覧ください。IPO以来の本投資法人の投資口価格の推移の説明になります。2021年6月に公開価格10万円で上場後、東証リート指数をアウトパフォームし、第6期末での投資口価格は119,300円と堅調に推移しております。足元の投資口価格は、9月3日時点で116,500円となっておりますが、NAV倍率は概ね1倍を超えて推移しており、この点からも、東海道リートの投資口価格は堅調に推移していると考えております。

8頁をご覧ください。こちらが第6期の決算の纏めです。第6期の一口当たり分配金は3,284円となりました。公表済みの予想に対しては+29円となります。第6期末の一口当たりのNAVは113,587円となりました。外部成長では、第6期末の資産規模は530億円で、第6期初での公募増資を経て、当面の目標であった資産規模500億円を達成しております。内部成長では、期末稼動率99.5%、期中平均稼働率が99.6%と安定稼働を維持しながら、賃料も堅調に推移しております。財務戦略面では、第6期末の有利子負債総額273億円、残存期間は2.6年となりました。今後も戦略的な長期化と調達コストの適正化を目指してまいります。

又、期末の総資産LTVは46.9%となり、引き続き40%から50%の範囲でコントロールしていく方針です。金利上昇も見込まれますが、今後のインフレ環境をポジティブに捉えて、賃料増額などでしっかりと分配金の成長をしていきたいと考えています。

9頁をご覧ください。左側が第6期予想との対比、右側が第6期実績について第5期実績との比較になります。第6期は期初に取得した物件が通期で寄与するため、営業収益は1,900百万円と、第5期実績比では259百万円の増収となりました。営業費用については801百万円、第5期実績比では110百万円増加し、営業利益は1098百万円と、第5期実績比では149百万円の増益となりました。営業外費用では、融資関連費用が前期より22百万円増加した影響などにより、第6期の経常利益は915百万円、当期純利益は914百万円と、第5期実績比では101百万円の増益となりました。以上により、第6期の一口当たり分配金は3,284円となりました 。

10頁をご覧ください。第7期および第8期の業績予想となります。第7期は、営業収益は1,989百万円、第6期実績比で89百万円増加する予定です。営業費用については、PM報酬、固都税の増加などにより893百万円と、第6期実績対比で91百万円増加の見込みですが、営業利益は1,095百万円と第6期実績対比で2百万円の減少となる予定です。営業外費用については、支払利息について19百万円の増加を見込む一方、融資関連費用は50百万円の減額を見込んで153百万円、経常利益は942百万円を見込み、一口当たり分配金は3,380円を予想しています。次に第8期です。こちらは第7期収益予想との比較になります。営業収益については、2,012百万円と22百万円の増加となる見込みです。営業費用については、908百万円と15百万円の増加で、営業利益は、7百万円増の1,103百万円を見込んでいます。営業外費用については、3,400万円増加の187百万円を見込んでおり、この結果、一口当たり分配金は3,285円を予想しております。

11頁をご覧ください。本投資法人の分配金に対する考え方です。第2期からの分配金の推移ですが、薄い青の部分が固都税効果分であり、それを控除したベースの巡航分配金を、徐々に上げてきていることが見て頂けるかと思います。今期は3,284円に着地し、第7期は3,380円を予想しております。その後固都税効果のない巡航分配金の水準となる第8期については、3,285円と公表させて頂きました。巡航分配金については、利益配当のみで年間6,530円から6,630円の水準を維持し、今後の成長戦略の加速により、巡航分配金の更さら向上を目指してまいります。

次にポートフォリオの運用状況について説明致します。13頁が公募増資前から保有する物件、14頁が公募増資で取得した物件になります。第5期末にポートフォリオ全体で99.6%であった稼働率は、第6期末99.5%で着地しました。大半の物件で95%以上の稼働を確保し、第6 期初での取得資産も、概ね高稼働を維持しております。又、ポートフォリオ全体の賃料坪単価も安定的に推移しております。

15頁以降に個別物件の説明を記載しております。いなべロジスティクスセンターについては、9月末に現テナントとの契約の期限が来ますが、テナントとの対話により、ニーズをとらえたリニューアル工事を実施するなど、効果的な運用を通じてポジティブな関係的構築できており、引き続き契約を継続頂く予定です。

16頁をご覧ください。松坂ロジスティクスセンターについては、本投資法人が優先交渉権を保有する隣地での開発案件は、予定通り本年3月に竣工しており、今後タイミングを見て取得に繋げていきたいと考えております。それ以降にも既存物件についての説明を記載しておりますのでご確認頂ければと思います。

次に20頁以降で、第6期取得済資産と運用の状況を説明致します。
21頁をご覧ください。本物件は、本投資法人初の工場底地の取得となる各務原インダストリアルセンターです。AM会社独自ルートでの相対取引であり、セール&リースバックによる工場底地への投資です。取得のポイントの1点目は、エリアの優位性です。本物件が位置する岐阜県各務原市は、愛知県に隣接し、製造業、特に航空産業が集積している地域です。この工場は、立地を生かして航空機部品を扱っています。サプライチェーンや安全保障の観点から、航空産業の振興は国策であり、今後も安定的な成長が期待できます。

続いて22頁をご覧ください。取得のポイントの2点目は、テナントの優位性です。本物件は、当該エリアにおいて、広く航空機産業の拠点となっている川崎重工業の工場に隣接しています。エンドテナントは航空機部品メーカーで、長年にわたり川崎重工と密接な取引関係を継続しています。この長い取引関係により、蓄積した高度な技術と特徴的な設備を有しており、川崎重工の隣接地という特性を生かしてサプライチェーンになっており、テナントの持続可能性、粘着性が高いと考えております。

23頁をご覧ください。取得のポイントの3つ目は、物件と立地の優位性です。本物件は、岐阜駅から3駅のJR高山線蘇原駅から徒歩3分で、住宅地からのアクセスも良い好立地で、周辺人口は豊富なため十分な労働力の確保も可能です。こちらの物件については、2月に取得後しっかり体制を整え、順調に運用することができております。

続いて24頁をご覧ください。9物件の取得額の合計は約61億円、平均鑑定NOI利回りは5.2%、鑑定評価額は66億円で、鑑定対比約7%ディスカウントでの取得と魅力的な水準です。本物件は、産業地域の持続的経済を背景とする、住居系アセットのポートフォリオです。

25頁をご覧ください。本9物件は、産業集積が進むリアの中でも、人口集積がある地域に所在するアセットです。左の地図の濃い色が、産業集積が高水準のエリアですが、それらに対応して右の人口メッシュでは、しっかりと人口が根付いているのが見て取れるかと思います。

26頁をご覧ください。本9物件は、夫々特徴的な産業集積により、差別化されたエリアに所在するアセットです。①の小牧市豊山町エリアは、航空産業や物流関係の従事者を裏付けとする人口が、豊富に集積しております。②の刈谷市エリアは、トヨタグループの古くからの操業地で、住みよいエリアとなっております。③の安城市エリアは、新幹線の三河安城駅があり、刈谷市から広がる一体の産業地域になっています。④の名古屋市エリアも含め、全てのエリアが、産業背景としながら持続的に発展してきた、魅力的なエリアになっております。

28頁をご覧ください。刈谷市、安城市エリアの今回取得物件を、航空写真で赤のプロットで示しています。本エリアには、トヨタグループの関連会社を中心に工場が集積しており、国道1号線を挟んで大規模工場が広がっています。右の表は、本エリアの企業の時価総額ですが、赤で示しているのはトヨタグループであり、集積が経済的にも巨大で、正に日本有数の産業エリアであることが見て取れるかと思います。

29頁以降は個別物件の説明になりますが、夫々魅力ある産業地域の住宅アセットですので 後ほどご確認ください。これら9物件は2月に取得が完了し、しっかりと第6期の運用を終えました。一部稼働率は、90を割っている物件もありますが、概ね、安定的な運用ができております。

続いて34頁をご覧ください。期初で実施した公募増資によって取得した、10物件を加えた ポートフォリオ全22物件の状況です。概ね、鑑定NOI利回り5%以上での取得となり、利回りを維持しつつ、産業インフラアセットと生活インフラアセットの比率が、4対6程度とバランスの良い構成になりました。インフレ進行の中、円安で好調が続く製造業が集積する地域において、本投資法人初の工場底地への投資や、住宅系アセットを大きく取得することで、インフレ耐性の高いポートフォリオに移行できます。

次に財務状況の説明です。36頁をご覧ください。主な財務指標は記載の通りです。足元での有利子負債総額は、第6期初での新規物件取得により273億円となりました。平均借入期間3.9年、平均残存期間は2.6年で、今後も戦略的な長期化と調達コストの適正化を目指してまいります。又、今回の公募増資により、関西みらい銀行を新たに招聘し、借入先の分散化が進みました。公募増資後の総資産LTVは右下の通り46.9%となり、今後も40%から50%の範囲内でコントロールしていく方針に変更はありません。

続いて37頁以降で、今後の成長戦略について説明致します。
38頁をご覧ください。今後の成長戦略の1つ目は、多様なパートナーと連携してパイプラインを拡大していくという点です。本投資法人の投資エリアとなる産業地域には、まだまだ多くの投資機会があり、スポンサーをはじめとして多様な事業者が存在します。これをAM会社が主体的に連携して、更なるパイプラインの構築を推進してまいります。

続いて今後の成長戦略の2つ目は、工場底地も含めたアセットタイプの拡大です。
39頁をご覧ください。先ほどの説明の通り、今回の公募増資で、本投資法人初となる岐阜県各務原市の工場底地を取得しました。昨今の経済情勢を俯瞰して製造されている状況を考えると、今後もCREニーズは増大していく可能性があると考えています。その際には、テナントとなる企業や産業としての持続可能性を確認、土地としての価値を正確に把握しながら、取得に繋げていきたいと考えています。

続いて40頁をご覧ください。本投資法人では、製造業の置かれている事業環境として、下記3点から取得機会が増えていく可能性を考えております。1点目として、米中のデカップリングなどでサプライチェーンの再構築が必要になっており、先端技術中心に国内拠点回帰の潮流があること。2点目として、東証の資本効率改善要請、ガバナンス強化、賃上げ要請などのインフレの進行を見越した企業の、資産効率化に関する意識改革の進展があること。3点目、アセットのセール&リースバックによる成長戦略強化は、製造業にとって急務であることなどです。本投資法人では、こういった状況を踏まえて、積極的に投資機会を捉えていきたいと考えております。

続いてパイプライン物件の説明です。41頁は開発パイプラインである静岡市駿河区の恩田原ロジスティクスセンターです。本物件はメインスポンサーのヨシコンのほか、サブスポンサーの木内建設と清和海運の3社と、AM会社とが連携して開発する物流アセットです。本物件は、2019年に東名高速道路に新設された、日本平久能山スマートインターチェンジに近接した、規模ある希少な土地で、一帯は2022年度に区画整理が本格化した静岡市内では、数少ない開発要求のある大規模平地として、有効活用が可能なエリアです。ここで各スポンサーの強みを生かした物流施設の開発が進行中です。

42頁をご覧ください。テナントリーシングは、物流系スポンサー清和海運が、荷主のニーズを捕捉した物件で、清和海運が3PLとしてテナントになり、製造業の荷主に対して物流サービスを提供予定です。又、産業系スポンサーの木内建設の設計施工能力を活用して建設を行います。これに、我々AM会社が主体的に関与しながらスポンサーと連携し、しっかりと開発パイプラインとして魅力的な物件に仕上げ、取得していきたいと考えております。

続いて43頁ページをご覧ください。今回新たにご紹介するパイプライン物件で、愛知県豊橋市でメインスポンサーヨシコンが、パートナーと連携して開発中の、エンブルタウン豊橋富士見台になります。本物件が所在する豊橋市から田原市にかけては、自動車産業をはじめとした産業が集積しており、又、人口の集積も見られるエリアです。企業の社宅跡地全体をメインスポンサーヨシコンが取得して、敷地の一部を宅地分譲地として開発・販売し、幹線沿いの立地を生かした部分に、本物件の商業施設を開発するもので、本物件はリース会社を含めた開発スキームの段階からAM 会社として主体的に関与し、開発物件として取得していく方針です。

続いて45頁の2物件をご覧ください。いずれもパートナー企業でブリッジ中の物件で、本投資法人が優先交渉権を保有する物件です。エンブレール常滑新開町は、大手航空会社の社宅として利用されております。ソシオ刈谷東新町は、周辺メーカーへの人材派遣を行う企業への一棟貸となっております。これらの物件も、確実に取得に繋げていきたいと考えております。

続いて46頁をご覧ください。夫々、掛川の物流アセット、浜松の住居系アセットです。いずれもメインスポンサーヨシコンがCRE提案をしながら、リートへの出口を見据えて開発している物件であり、こちらもAM会社としてしっかりと関与しながら、開発パイプラインとして取得していきたいと考えております。

続いて47頁は、メインスポンサーヨシコンの保有物件である島田プラザと袋井プロジェクトです。袋井プロジェクトは、スポンサーが開発を見据えておりましたが、市況の変化に伴い土地を外部企業に売却して、それと同時に当社は、その出口での優先交渉権を取得しております。島田プラザは、静岡県中部に位置し、産業集積と人口集積がある島田市の中心に位置する商業施設です。メインスポンサーヨシコンが相対で取得して、今後バリューアップを図っていく方針です。

48頁にスポンサーの開発案件のご紹介を掲載しております。
続いて49頁をご覧ください。先日の公募増資で、資産規模が530億円になる中、本投資法人は資産規模2,000億円の中長期目標を掲げました。これは2021年の上場以来、公募増資を継続し、着実な成長が達成できている一方で、我々が対象とする産業地域には、まだまだ投資対象となりうるアセットが、潜在的に多いであろうという確信を背景としています。

スポンサーのパイプライン物件と、第三者物件を取得することで、1,000億円までは、概ね、視界が開けてきているものと考えており、本投資法人としてその後の成長を達成していくためには 、現段階から計画的、且つ、周到にパイプラインを積み上げていく必要があることから、2,000億円の目標を掲げるに至りました。第6期初の公募増資後、半年が経ちますが、具体的な案件の検討も進んでおり、1,000億円、2,000億円の道筋は、以前よりもクリアになってきたという実感がございます。今後とも、エリアの特性をしっかりと把握し、地域のパートナーとのリレーションを深めて、着実な成長に結びつけていきたいと考えております。

最後にESGおよびSDGsに関連する事項として、51頁をご覧ください。松阪ロジスティクスセンター、セントレアロジスティクスセンター、葵タワーの3物件について、環境認証を取得しております。今後も、本投資法人は、引き続きステークホルダーの皆様と共に、持続可能な社会を目指しながら、投資法人での認証取得などの取り組みも含めて、継続的な活動を続けてまいりたいと考えております。

今後も投資家の皆様のご期待にお応えしながら、スポンサーやビジネスパートナーと共に、産業地域におけるCREニーズを掘り起こしつつパイプラインを拡大し、運用会社の独自ルートを生かした第三者物件の探索も含め、資産規模2,000億円を目指して成長し、投資主価値の向上に努めていきたいと考えております。又、インフレ環境、金利上昇の環境ではございますが、この環境変化をチャンスと捉えて、産業地域を背景とするポートフォリオの強みを生かし、投資主価値の向上を見据え、巡航分配金水準をしっかり向上させていきたいと考えております。今後とも、ご支援のほど宜しくお願い致します。
以上で説明を終わります。有難うございました。