三井不動産ロジスティクスパーク投資法人 2024年1月期決算概要
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人
2024年1月期(第15期)決算動画説明書
○動画 https://www.net-presentations.com/3471/20240314/dszijo32/
○説明資料
https://www.mflp-r.co.jp/file/ir_library_term-35aa7bdfe78a44e30f30f459bfe06cf24f15c8f0.pdf
○説明者 三井不動産ロジスティクスリートマネジメント株式会社
代表取締役社長 坂ノ下 忍
○説明
今期、第15期決算につきましては、おかげさまで14期連続となる増収・増益・増配とすることができました。改めまして投資家の皆様のご支援、並びに、関係各位のご尽力に、厚く御礼申し上げます。それでは早速ではございますが、第15期決算説明会資料に沿って運用ハイライトを説明させて頂きます。
4頁をご覧ください。先ずは今期、第15期決算の概要です。営業収益は118億円、経常利益、当期純利益はともに44億円、一口当たりの分配金は8,898円にて着地しました。分配金は、昨年同期の第13期対比5.9%の成長となりました。又、第16期および第17期の一口当たり分配金は、夫々9,214円、9,313円香港でいます。この結果、第1期から第17期予想までの分配金の年平均成長率は、7.6%と想定しています。
運用ハイライトの4つのパート、外部成長、内部成長、ESGへの取り組み、財務戦略におけるポイントは、4頁下段に記載の通りです。外部成長に関しましては、昨年7月に公募増資を行い、スポンサーである三井不動産から、昨年8月にMFLP2物件および本年2月にMFLP 3物件の、計5物件を取得したことに加えて、本年3月には、昨年8月に取得したMFLP東名綾瀬の残りの共有持50%を、株式会社IHIから追加取得することとしました。この結果、本投資法人の資産規模は30物件3,997億円に拡大し、規模のみならず質の面でも、ポートフォリオの安定性は更に向上するものと見込んでいます。又、保有物件の稼働率は、概ね100%で推移しており、今後の契約更改についても、大変順調に進捗しております。引き続き内部成長に着実に取り組んでいきたいと思います。ESGにつきましては、2023年GRESBにおいて5-Starsを2年連続で取得し、物流施設におけるグリーンビルディング認証取得比率は、100%を達成致しました。又、財務戦略におきましては、第16期末においてLTVは40.8%、LTV50%までの取得余力は700億円と見込んでおり、又、足元の金利上昇局面に対応して、調達金利のコントロールも進めています。本投資法人は、更なる投資主価値の向上を目指した運用を継続していきたいと思います。
それでは各パートにつきまして、順次、詳細を説明致します。
5頁をご覧ください。外部成長についてです。本投資法人は、昨年7月に公募増資を行い、昨年8月にMFLP東名綾瀬およびMFLP所沢の2物件を137億円で取得、本年2月にはMFLP平塚Ⅲ、MFLP新木場ⅠおよびMFLP・SGリアリティ福岡粕谷の3物件を173億円で取得致しました。これに加えて本年3月には、MFLP東名綾瀬の残りの共有持分50%を、IHIから99億円で追加取得することを予定しており、合計5物件の取得価格合計は410億円となる見込みです。MFLP東名綾瀬は、三井不動産のCRE戦略により、IHIとの共同事業として開発された物流施設ですが、昨年8月に共有持分50%を三井不動産から取得したことに加え、今般、IHIからの売却意向に応じて、残りの共有持分50%を追加取得することと致しました。本物件はロケーションおよびクオリティともに、非常に希少性の高い物流施設と評価しています。
加えて、今回の取得により、分配金のプラス成長に加えて、共有関係が解消され、持分比率が100%となることに伴い、三井不動産からの取得済み持ち分の評価額も切り上がり、NAVの向上にも寄与し、投資主価値向上に大きく貢献する外部成長となっています。これら5物件の取得により、本投資法人の資産規模は4,000億円弱、3,997億円に拡大致しましたが、引き続き豊富なスポンサーパイプライン、および機動的な外部物件取得を活用して、マーケット環境に配慮しつつ、中期資産規模目標の5,000億円に向けて、規模のみならず質の伴った成長を進めてまいりたいと思います。
6頁をご覧ください。新規5物件取得後のポートフォリオの概要は、頁の右サイドをご覧ください。今回新規5物件の取得を行い、本投資法人のポートフォリオは30物件、資産規模合計3,997億円に拡大します。又、ポートフォリオの平均巡航NOI利回りは4.7%、償却後NOI利回りは3.1%、平均鑑定NOI利回り4.0%となり、いずれも今回の取得前とほぼ同水準に維持されます。一方、平均築年数は7.1年から6.6年へと低下し、物流施設に関しては100%グリーンビルディング認証物件となっており、環境性能が高く、築浅の物件群から構成される、本投資法人のポートフォリオの強みが更に強化されるとともに、上位5物件比率も37.8%から34.7%、上位5テナント比率も30.0%から27.4%の分散が進み、ポートフォリオの安定性はますます向上するものと考えています。
次に今後の外部成長について説明致します。7頁をご覧ください。上段に記載の通り、三井不動産は、引き続き物流施設の開発事業を拡大しています。三井不動産が国内外の開発・運営する施設は64物件、累積投資規模約8,500億円以上に達しており、2023年度中にその規模は、1兆円を達成する見込みと発表しています。引き続き戦略的パートナーである、三井不動産における物流施設の開発事業の拡大を背景として、本投資法人は中長期にわたり継続的にクオリティの高い物件を取得し、安定した外部成長を継続して実現できると考えています。新規5物件取得後におきましても、優先情報提供対象物件は、7物件92万m2と、引き続き潤沢なパイプラインを確保しています。又、リーシングも順調に進捗しており、安定稼働物件が積み上がっている状況です。加えて、今回のMFLP東名綾瀬の共有持分のIHIからの取得と同様に、外部からの取得機会について、今後も機動的に活用していきたいと思います。本投資法人は、マーケットに留意し、適切な取得タイミングを図ることを重視しつつ、豊富なスポンサーパイプラインに加えて、外部取得機会を活用し、中期資産規模目標である5,000億円に向け、着実な外部成長を目指します。又、引き続きクオリティ、ロケーション、バランスにこだわり、安定性の高いポートフォリオを構築すべく、質の伴った成長を目指してまいります。
続きまして、内部成長について説明します。
先ず、ポートフォリオの運営状況につきまして8頁をご覧ください。左側はテナントとの契約更改の状況をグラフで示しています。下段のグラフの通り、第15期の契約更改は完了、第16期につきましても、極めて順調に進捗しております。又、多くのテナントには賃料を増額の上、契約更改にご承諾頂くことができています。頁右上をご覧ください。このパイチャートは、賃貸借契約満了時期の分布を示しております。本投資法人の賃貸借契約のうち、凡そ半分が3年を待たずに、順次契約更改を迎え、又、70%以上が5年を待たずに契約更改を迎える予定となっています。昨今のインフレの継続が懸念される経済環境に対応し、引き続き賃料増額による契約を積み重ねていくことによって、着実な内部成長を実現していくことを目指しています。頁右下をご覧ください。契約更改開時以外のタイミングにおいても内部成長を図るため、いくつかの施策を設けています。
テナントとの賃貸借契約において、契約期間中においても一定の期間、例えば3年ごとに賃料を見直すための協議条項を設定し、インフレ等にも対応した賃料の改定が可能な契約となっています。当該協議条項を設定した契約の割合は、約80%と順次導入を進めています。又、グリーンリース条項についても導入を進めています。賃貸借契約の中にグリーンリース情報を設定することにより、テナントと共同してLED照明への切り替えなど、省エネ化を進めるだけではなく、電気料金の軽減分については、その一部を第二賃料等として投資法人が享受することにより、内部成長にも繋げていければと考えています。
次に足元の物流施設賃貸マーケットの状況に関して説明致します。9頁をご覧ください。上段3つのグラフは、夫々2023年12月末時点の首都圏、大阪圏および中京圏の賃貸マーケットの状況を示しています。首都圏では23年の大量供給に伴い、新築の空室率が上昇していますが、竣工1年以上の既存物件の空室率は、依然低い水準を提供しています。首都圏においては、24年、25年の供給は顕著に減少するものと見込まれており、需給バランスは改善に向かうと考えます。大阪圏につきましても、供給増加により新築の空室率の増加が見られますが、既存物件の空室率は、非常に低位のまま推移しています。中京圏については、22年、23年と地域供給が多く、新築の空室率を押し上げていますが、一方で堅調な需要も確認され、既存物件の空室率は落ち着いた状況が継続しています。
足元、土地代に加え、建築資材や労務費などコストの高騰を背景に、物流施設の新規開発のハードルは高くなりつつあると見ています。一方で、先進的物流施設の需要は旺盛であり、賃貸マーケットは堅調に推移していくものと考えています。左下をご覧ください。このパイチャートは、国内の物流施設のストックを分析したものとなりますが、先進的物流施設の国内全体に占める割合は6.9%と、そのストックは限られており、引き続き古くて狭い、最新の設備に対応することができない倉庫からの、潜在的な移転ニーズは潤沢であると考えられます。又、E-コマースのテナントニーズも継続しています。右下のグラフで示している通り、日本のE-コマース比率は、グローバル、或いは、米国と比較しますと、尚、拡大の余地は大きいと思われます。サブマーケットによっては、一時的に供給増の影響を受ける可能性がありますが、概ね需給のバランスは良好に推移と考えています。
次にESGへの取り組みについて説明致します。10頁をご参照ください。本投資法人および資産運用会社において、ESGへの取り組みを最重要の経営課題の1つと位置づけており、強化、推進しています。左上をご覧ください。GRESBにつきましては、昨年10月に最高位である5-Starsを2年連続で取得するとともに、開示評価においても、最高位のAレベルを3年連続で取得することができました。又、左下をご覧ください。昨年、三井不動産が実施致しましたMFLP・MFIPの従業員、トラックドライバーを対象とした、顧客満足度調査の結果を記載しています。
従業員を対象とした調査においては、各項目において、満足、大変満足が8割以上を占めていて、このアンケート結果からも、本投資法人の保有物件も含め、三井不動産が開発・運営する施設において、ハードの充実と運営を中心としたソフトの水準、その両面において、顧客満足度が非常に高いということがご理解頂けると思います。トラックドライバーを対象とした調査では、常にバースへの入庫のタイミングを気にしながら、時間に追われ、あわただしく食事やトイレ等を済ませている実態が判明しています。引き続き本投資法人は、三井不動産と共同して、DX活用や様々な施策を組み合わせ、トラックドライバーの方々の労働環境改善をサポートし、2024年問題の解決に向けて取り組んでいきたいと思います。頁右側をご覧ください。環境KPIにつきましては順調に進捗しています。特に今期は、既存物件の改修も進めた結果、物流施設のグリーンビルディング認証比率は100%を達成しています。今後ともESGへの取り組みを強化、促進しながら外部評価なども積極的に活用し、本投資法人のESGへの取り組み状況を、分かりやすく情報発信してまいりたいと思います。
財務戦略につきまして11頁をご覧ください。上段に示しております通り、有利子負債残高は、第15期末で1,313億円、LTVは36.4%、平均調達金利は0.48%、平均調達期間は8.3年となりました。又、有利子負債残高につきましては、第16期末には、新規物件の取得のための借入に伴い、1,572億円となることを見込んでいます。この結果、LTVは第16期末では40.8%、LTVを50%まで上げた場合の取得余力は、第16期末では700億円と想定しており、J-REITの中でも低いLTVと、十分なレバレッジ余力を継続しています。下段をご覧ください。足元の金利上昇に対応した借入の状況です。本投資法人は、2022年、23年、24年と、およそ1年ごとに新規の物件取得のため、借り入れを行っています。借入のベース金利、即ち、マーケット金利の上昇に機動的に対応しながら、調達機関の短縮化や変動金利による借り入れ、サステナビリティ・リンク・ローンによるスプレッドのタイト化を活用し、借入金利のコントロールを積極的に推進しています。
それでは最後に改めまして分配金成長、並びに、決算概要について説明致します。12頁をご覧ください。今期、第15期の一口当たり分配金は、8,898円に落ち着きました。第15期は、昨年8月に取得したMFLP 2物件の取得効果と安定運用の継続に加えて、分配金の算定にあたり、FFOのペイアウト・レシオを72%とした結果、前年同期と比較しますと5.9%の分配金成長、上場来14期連続で増配を達成することができました。又、第16期は、2月に取得したMFLP3物件およびMFLP東名綾瀬の追加持分の取得に加えて、分配金の算定にあたり、FFOのレイアウト・レシオを73%にすることを前提として9,214円、又、第17期は、MFLP東名綾瀬の追加持分の通期稼働効果に加えて、分配金の算定にあたり、FFOペイアウト・レシオを74%にすることを前提として、9,313円と予想しています。
この結果、第15期に引き続き、第16期、第17期につきましても、前年同期対比年率5%程度の分配金成長を目指すことはできると考えています。尚、分配金の棒グラフの下段に、一口あたりのFFOの金額を記載しています。第6回公募増資前の、第14期における一口あたりのFFOの金額と、公募増資に伴う投資口数増加後の、第16期、第17期における一口当たりのFFOの金額は、同じレベルを継続しております。本投資法人おける第15期以降の分配金成長は、FFOペイアウト・レシオの引き上げ効果によるところが大きいものの、既存物件の安定運用と新規物件取得の効果、即ち、安定したポートフォリオおよび的確なキャッシュ・マネジメントにより、一口あたりのFFOの金額が、同水準に維持されていることが、強固なベースになっていることをご確認頂ければと思います。又、第15期末の一口当たりNAVは、481,892円となりました。新規5物件を取得後の一口当たりNAVは482,747円との想定しておりますので、第1期末からの年平均成長率は8.3%となる見込みです。今後とも投資口価格の安定とNAV向上を目指してまいります。
次に第15期の決算概要を説明致します。13頁をご覧ください。第15期決算は、おかげさまで増収・増益・増配の安定した決算とすることができました。第15期実績欄に記載の賃貸事業収益につきましては、第14期実績に比較して、366百万円増加して11,845百万円となりました。右側の差異の主な内訳欄に記載しましたが、第15期取得物件による増収に加えて、水光熱費収益の変動、太陽光発電設備賃料の季節要因などが主な差異の要因です。一方、営業費用に関しては、第15期取得物件にかかる費用増、水光熱費用の変動、資産運用報酬の増加等により、賃貸事業費用が72百万円増加の2,740百万円、減価償却費が123百万円増加の3,108百万円となりました。営業利益は134百万円増加の4,738百万円となります。営業外損益は、営業外収益が31百万円の増加、営業外費用が公募増資の関連費用の増加等による20百万円の増加となり、第14期実績に比較し11百万円のプラスとなった結果、当期純利益は145百万円増加の4,405百万円に落着しました。一口当たりの分配金は、9月公表の予想より117円 増加し8,898円となり、第14期実績から94円の増配となります。分配金の内訳としては、利益分配金7,247円、利益超過分配金1,651円となります。
第16期および第17期の業績予想につきましては、14頁をご覧ください。第16期の賃貸事業収益につきましては、第16期取得物件による増収に加えて、第15期取得物件の通期稼働による増収、水光熱費収益の変更、太陽光発電設備賃料季節要因などを見込み、574百万円増加して12,419百万円を見込んでいます。一方で、営業費用に関しては、第16期取得物件にかかる費用増、第14期および第15期に取得した物件の固都税の費用化、修繕費の増加、水光熱費用の変動、資産運用報酬の増加等により、賃貸事業費用が181百万円増加の2,922百万円、減価償却費が214百万円増加の3,323百万円となりました。営業利益は112百万円増加して4,851百万円と見込んでいます。営業外損益は第15期実績に比較し、その他の営業外収益の剥落、借入増に伴う支払利息増加などにより、167円のマイナスとなり、当期純利益は55百万円減少の4,350百万円と予想しています。
分配金は、FFOのペイアウト・レシオを73%に変更することを前提として 9,214円、この内訳として、利益分配金は7,156円、利益超過分配金は2,058円と見込んでいます。続いて第17期の賃貸事業収益につきましては、第16期取得物件の通期稼働による増収、水光熱費収益の変動、太陽光発電設備賃料季節要因、契約更改等による影響を保守的に見込んだ結果、73百万円増加して、12,493百万円を見込んでいます。一方で、営業費用に関しては、修繕費の減少、水光熱費用の変動、外注委託費の増加等により、賃貸事業費用が87百万円増加の3,010百万円、減価償却費が34百万円増加の3,357百万円となりました。営業利益は58百万円減少して4,793百万円と見込んでいます。
又、営業外損益は、第16期予想に比較し2百万円のプラスとなり、当期純利益は56百万円減少の4,294百万円と予想しています。分配金は、FFOのレイアウト・レシオを74%に変更することを前提として9,313円、この内訳として利益分配金は7,064円、利益超過分配金は2,049 円と見込んでいます。最後に昨年7月に第6回公募増資を行い、第15期、第16期も予定通り新規5物件を取得することができました。このようなマーケットの変化が早い環境下において、本投資法人が着実に成長できたことは、ひとえに投資家の皆様、多くの関係者の皆様のサポートのおかげと感謝申し上げます。本当に有難うございました。この結果、本投資法人の資産規模は4,000億円弱となり、中期資産規模目標としている5,000億円に着実に近づいてまいりました。本投資法人における次なる成長戦略、運用の方針につきましては、スポンサーの三井不動産とも協議を重ね、検討を進めています。エクイティ・マーケット、金利動向、不動産市況、その他の状況など点検を行い、今後我々に及ぼす影響を勘案した上で、更なる投資主価値の向上に向けたロードマップについて、改めて次回お話しすることができればと考えております。
説明は以上となります。今後とも投資主利益の最大化を目指し、本投資法人の運営に尽力してまいります。ご清聴有難うございました。