イオンリート投資法人 2022年7月期決算概要

イオンリート投資法人
2022年7月期(第19期)決算動画説明書
動画    https://www.net-presentations.com/3292/20220916/xcfgnhy/
資料   
https://www.aeon-jreit.co.jp/file/ir_library_term-4ae8da6466708b6dc9fd9ade8ad08665b03d418b.pdf
説明者   イオンリート投資法人 執行役員 兼
     イオン・リートマネジメント株式会社 代表取締役社長 関 延明
説明
決算説明資料に基づき説明を始めさせて頂きます。
6頁をご覧下さい。今期、19期のハイライトになりますが、一口当たり分配金は3,274円
と、ほぼ公表通りの着地となりました。又、下段にありますように、様々な施策に取組んで
おりますが、全体的には足元の成長と言うより、将来への布石を打った取組を行ってまいり
ました。特に、外部成長については、新たなパイプアインの確保など将来への準備を整えた
期であったと言えるかと思います。
7頁をご覧下さい。今期の保有物件の動向を説明致します。引続き変異株の流行により、
感染者数が大きく増減しましたが、国内、マレーシアとも、これまでのような厳しい行動
制限はありませんでした。このような環境下、マスターリース賃料は、計画比100%を確保、
エンドテナントの稼働率は、高いレベルで維持され、売上高は19年対比でも回復傾向に
あります。これらの状況を見ますと、新型コロナウイルスの影響というより、どのように
夫々の物件で、新しい時代への対応が進んでいるかということが、問われ始めて来ている
ような気がします。これは、マレーシアについても同様と考えます。
8頁をご覧下さい。第19期の決算概要です。この頁で、計画との差異や内訳いついて説明
致します。今期については、為替の影響による配当の増加やファンドコストの削減、イオン
モール大和郡山の土地の一部収用に伴う収益などがあり、経常利益が6,694百万円となり
ました。特別損益は、前期に発生した地震被害への保険金収入と、今期3月に発生した地震
の被害およびその保険金収入が計上されています。夫々の金額は、スライド右上の表③と④
に記載しておりますが、この特別利益と損失の差額195百万円は、これまで通りの対応を
行い、配当準備積立金に繰り入れることになります。結果、配当総額は経常利益額とほぼ
同額となり、一口当たり分配金は3,274円となりました。
9頁をご覧下さい。この頁では、今の説明について、参考までに一口当たり分配金という
視点で、計画との差異や内訳について説明しているものです。後程ご確認頂きたいと思い
ます。
1頁飛んで11頁をご覧下さい。第20期、第21期の業績予想です。両期共に、一口当たり
分配金は3,270円を見込んでいます。定借地権の償却分については、配当準備積立金の取り
崩しを想定しています。
以上、今期の運用状況と、今後1年間の業績予想を説明致しました。
それではここから、3年前に公表したものに次ぐ、新しい中期目標について説明致します。
14頁をご覧下さい。先ず、前回から大きく変化している外部環境について整理しておき
たいと思います。特に、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、営業状況が大きく変化
しただけでなく、一時的に投資口価格も大きく下落しました。そのような環境下においても、
イオンリートの特徴を生かし、分配金および資産規模を着実に成長させてきました。前回の
目標公表時と比べて、巡航分配金は3,018円から3,270円程度に、資産規模は3,624億円
から4,470億円に成長しています。足元ではエネルギー価格高騰など運営コストの増加や、
金利上昇による資金調達コストの増加といったネガティブな外部環境が続いています。
しかしながら、このような中でも、イオンリートの強みを生かすことによって、安定した
運用が出来ていると考えております。
15頁をご覧下さい。先ずエネルギー価格高騰に伴う運営コスト増加への対応です。イオン
リートのスキームでは、水道光熱費はマスターリース会社負担となり、リートの負担はあり
ません。従って、現在のような環境下においても、安定した運営を出来ることが強みと
なっています。又、資金調達のコスト増加についてですが、3月のリファイナンスは、予定
通り実行出来ています。これまで長期調達、金利固定化の方針で調達を行ってまいりました
が、今後もこの原則を守りながらも、調達環境が変化する場合には、一時的に調達期間の
短縮や変動金利を導入することで、調達コストの抑制を考えていきたいと思います。以上の
ことから、イオンリートの強みを生かすことによって、厳しい環境下においても継続して
成長できると考えました。このような外部環境の変化を踏まえ、新しい中期目標を作成して
います。
16頁をご覧下さい。ここから、新たな中期目標について説明致します。今から3年半程前、
2019年3月に中期目標を公表し、巡航分配金目標を第一に運用を続けてまいりました。
この目標に近づいてきたことから、新たな目標を設定し、公表させて頂きます。今回目標を
4つ設定しましたが、最重要目標と重要目標の2つに分類を致しました。先ず、最重要目標
についてです。イオンリートは、引続き巡航分配金の向上を第一に考えており、新しい目標
は、3,600円としました。第19期末から約1割増加させることを目指します。又、巡航
分配金の定義について変更を行います。これまで、利益超過分配は、巡航分配金に含めて
いませんでしたが、今回から含めるようにします。これは、災害発生時の費用負担や定借地
権で発生する借地権償却など、分配金の下押し要因に対して、配当準備積立金を活用して
きましたが、将来的に残高が無くなった時を見据え、定義を変更するものです。これに伴い、
新たな利益超過分配方針も策定していますので、後程詳細を説明致します。
17頁をご覧下さい。重要目標は、3つ設定致しました。資産規模、サステナビリティ、財務
に関する目標です。資産規模目標については、新しい目標は6,000億円としました。現在
から約3割、1,500億円の拡大を目指します。イオンリートの成長ドライバーは、外部成長
です。引続き投資主の価値向上に繋がる物件を取得することにより、巡航分配金を伸ばして
いきたいと思います。尚、物件取得は、資金調達環境に左右されるものであり、無理な物件
取得をしないためにも、期限を設けた目標とはしておりません。次に、サステナビリティ
目標についてです。これは、少し定性的になりますが、この分野においてJ-REITトップ
水準で評価されるリートを目指すために、外部認証関連を中心に設定致しました。MSCI
ESG格付けでA評価、GRESBリアルエステイト評価で5Stars、第三者認証取得率4Stars
相当以上で80%以上、3Stars以上では85%を目指します。ここで言う第三者認証とは、
DBJ Green Building認証、CASBEE不動産認証、BELS評価直を想定しています。
つまり、認証に耐えられる物件かどうかを、取得検討時に判断材料の一つにするということかと考えます。しかし、重要なことは、認証評価の取得を目標にするのではなく、イオン
リートの方針に沿って、様々な取組みを行った結果、評価取得となるということが重要だと
考えています。又、CO2削減についてですが、こちらは、より定性的な目標になります。
イオンでは、脱炭素ビジョンを掲げており、CO2を初めとした温室効果ガス削減に努めて
います。グループ各社と協働し、排出量削減に向けた取組みを推進します。尚、サステナ
ビリティについての詳細は、24頁に記載をしておりますので、後程ご参照下さい。3つ目
の重要目標は、財務分野での目標についてです。6月にJCRより、長期発行体格付けに
おいて、AA-の、安定的からポジティブに、見通しが変更されています。健全な財務
コントロールを意識し、AAフラットへの格付け向上に繋がるよう努めてまいります。
以上が、新しい中期目標となります。
続いて最重要目標のところで触れました、新しい利益超過分配方式を説明します。18頁を
ご覧下さい。これまで再開発ステージの費用負担や、定借地権物件で発生する借地権償却等
で配当準備積立金の活用を行ってまいりました。この積立金の残高が減少することが想定
されるため、新たな利益超過分配の方針を定めるものであります。尚、この方針について、
特にご理解して頂きたい点があります。それは、今回の方針は、あくまでも配当準備積立金
が無くなった場合に、分配金の安定化を図るために策定したものであります。従って、残高
があるうちは、利益超過分配は行いません。又、この方針は、一時的な利益超過分配であり、
継続的に行うものでもありません。先ほど説明しました第20期、第21期の業績予想に
ついても、配当準備積立金残高があることが想定されるため、資本の取崩しとなる利益超過
分配は予定していません。今回、これまでの適用方針に加え、物件の競争力強化や、機能の
維持・向上に資するもので、一時的な費用負担となるものと追加を致しました。これは、
物件を長期に亘り運用するにあたり、必要な投資も増え、一時的に多くの修繕費が発生した
場合に備えるものであります。想定事例をスライド右側に記載しておりますので、ご参照
頂きたいと思いますが、イメージにあるように、該当する投資に対して、修繕費と計上され
たものが、益超過分配の対象になります。繰り返しにはなりますが、分配金の安定化を図る
ために行う、一つの手段として考えています。
19頁をご覧下さい。この頁と次の頁で、外部成長に関する考え方について説明を致します。
言うまでもなく、巡航分配金の達成に向けて、外部成長が重要になります。前回との比較
では、資産規模目標を6,000億円に引き上げたほか、パイプライン総額は、2,600億円に
増額、パイプラインサポート契約の締結先は、10社へと増えています。しかしながら、
投資対象やポートフォリオ構築方針に、変更はありません。引続き地域社会の生活インフラ
資産への厳選投資を進めてまいりたいと思います。
又、20頁では、外部成長の蓋然性を高めるために、パイプライン総額の拡大と、サポート
先の拡充について詳細を記載しておりますので、ご確認下さい。
21頁をご覧下さい。これまでも、賃料増額を伴う活性化工事を行って来ましたが、地域
社会の生活インフラ資産としての質を高めるため、より注力したい工事の事例を2点掲載
しています。特に左側の事例は、グリーンリースを推進することで、マスターレッシーも
イオンリートにも、双方にメリットのある取組みでありますので、検証を重ねて、水平展開
を実現してまいります。
22頁をご覧下さい。資金調達方針について説明します。イオンリートの成長に伴い、調達
方法の多様化、借入れ期限の長期化及び分散化を行い、安定的な財務基盤を構築してまいり
ました。スライドに記載した推移が、これまでの結果となります。又、イオンの知名度を
活用したリテール債については、グリーンボンドやサステナビリティボンドも含め、
これまで450億円発行しています。
23頁をご覧下さい。今後の調達方針についてです。調達コストの上昇傾向は、懸念事項の
一つではありますが、現時点では想定通りに調達出来ています。しかしながら、今後の調達
環境次第では、ファイナンスの難易度が上昇する可能性も否定できません。従って、ローン
による調達が厳しい局面においては、リテール債などを増やすことで、安定調達を進めて
まいります。その場合の方針として、投資法人債の発行は、有利子負債対比で、上限50%
迄とし、基本的には40%迄の範囲でコントロールしてまいります。
以上、中期目標および今後の方針について説明致しました。
来年11月イオンリート投資法人は、上場10周年を迎えます。これまでの目標は、上場時
から示しておりました資産規模5,000億円に加えて、巡航分配金3,300円の2つであり、
目標達成が近づいてまいりました。今回、新たな目標を設定するにあたり、環境が大きく
変化する中で、投資主様を初め、ステークホルダー様から求められているものは何か、と
いうことを検討した結果、サステナビリティ分野、財務分野に関する目標も設定致しました。
まだまだ足りないところはあるかもしれませんが、引続きイオンリートの強みを生かして
成長し、皆様の期待に応えていきたいと考えております。
以上で私からの説明を終わります。有難うございました。