ケネディクス・オフィス投資法人 2022年4月期決算概要

ケネディクス・オフィス投資法人
2022年3月期(第37期)決算説明 動画配信説明書
動画  https://www.video-streaming.net/ir/8972/2022_4/
資料  
https://www.kdo-reit.com/file/term-018b59d0e9573d6315c00d177628f0061cb37ce3.pdf
説明者  ケネディクス不動産投資顧問株式会社 取締役最高業務執行者(COO)兼
     ケネディクス・オフィス投資法人 執行役員 寺本 光
説明
2022年4月期に決算の内容、直近の状況、今後の取組みについて説明させて頂きます。
決算資料3頁をご覧下さい。先ず、最初に運用ハイライトを説明致します。夫々の内容に
ついては、後段で詳細に説明致します。先ず、左上より投資主還元についてです。分配金
ですが、虎ノ門一丁目ビルの土地の一部譲渡に伴う売却益を活用し、14,000円となり
ました。こちらは前期分配金、及び、当初予想比と同額となっております。又、昨日、上限
30億円での自己投資口の取得を発表しました。KDOとして、新たな投資主還元手法として
取り組み、一口当たりの利益、分配金、純資産価格の上昇を企図しています。次に、その下
の外部成長ですが、22年4月期中に仙台本町ビルを取得、22年10月期において江戸橋
ビルの取得と木場ビルの譲渡を予定しております。続いてその下に記載の内部成長です。
22年4月期末で稼働率は98.3%と2期連続で期末稼働率が上昇しました。又、テナント
入替えと、既存テナントの賃料改定に伴う月額賃料の増額は6.6百万円となり、21年
10月期対比で増加、テナント入替えによる賃料単価の増加もプラス4.0%となりました。
レントギャップが縮小傾向にあるなか、継続してネットでのプラスを実現しています。次に
財務です。この3月にJCRの発行体格付けがAAフラット安定的へ格上げとなりました。
デットコストについては、引続き着実に削減、レンダーフォーメーションについても更なる
拡充を実現しています。LTVについては、仙台本町ビル取得に伴う借入れにより、帳簿
価格ベースで44.1%となっています。次に右下のサステナビリティに対する取組みです。
昨年取組み体制強化のために、資産運用会社の体制整備を行いましたが、サステナビリティ
に対する取組みを一層強化しております。先ず、2050年カーボンニュートラルに向けての
温室効果ガス(GHG)排出量の削減目標を設定致しました。又、昨年10月にTCFD提言
への賛同を行いましたが、それに続き定性面での情報開示を実施しています。GHG排出量削減に向けた取組みとしては、実質再生可能エネルギー由来の電力の導入、又、専有部に
おける照明のLED化を実施するなど、着実に歩みを進めています。物件の環境認証取得に
ついても、新たに5物件で取得しています。
続きまして、資料の5頁をご覧下さい。2022年4月期の決算概要を説明致します。先ず、
21年10月実績と22年4月期実績との比較です。営業収益については、15,891百万円と
前期比862百万円の増加となりました。要因としましては、虎ノ門一丁目ビルの土地の
一部譲渡に伴う売却益による増加の他、既存物件の賃料共益費収入のなどが増加した
ことが主なものです。営業費用については、8,463百万円と、前期比292百万円の増加と
なっています。燃料調整費の上昇に伴い、水道光熱費が91百万円増加した他、修繕費、
管理委託報酬を含むその他賃貸費用の増加が、主な要因となっています。その結果、当期
純利益は、6,496百万円と前期比586百万円の増加となりました。圧縮積立金を497百万
円繰入れ、分配金は一口当たり14,000円となりました。昨年12月の決算発表時に公表
した予想との比較については、頁右下に記載の通りです。水道光熱費が増加した一方で、
それ以上に水道光熱費収入が想定より増加したこと、又、修繕費が減少したことを主な要因とし、NOIが182百万円増加したこともあり、当期純利益が209百万円増加しました。
圧縮積立金積額は、想定対比209百万円増加しています。ポートフォリオ含み益と一口
当たり純資産価額は頁の一番下に記載しております。ポートフォリオ含み益は、22年
4月期末は、21年10月期末対比136億円増加の1,086億円、一口当たり純資産価額は
21年10月期末対比で35,000円、4.7%増加し、780,000円となりました。
6頁をご覧下さい。次に、22年4月期実績と22年10月期予想との比較です。
22年10月期予想の収益は15,959百万円と、前期比69百万円の増加を予想しております。
虎ノ門一丁目ビル土地の一部譲渡に伴う売却益の剥落がある一方で、既存物件における
賃料共益費収入、水道光熱費収入の増加とともに、新規取得物件の賃貸事業収益の増加と
木場ビルの売却益計上が主な要因です。営業費用は、8,845百万円と前期比381百万円の
増加、主な増加要因は燃料調整費上昇による水道光熱費の増加、新規取得物件の賃貸事業
費用の増加となっています。結果として、当期純利益では、6,190百万円と前期比306
百万円の減少を予想しています。圧縮積立金を127百万円繰入れ、分配金は一口当り14,150
円と、当初の予想対比、及び、22年4月期実績対比約1%の増加を予想します。続いて
22年10月期予想と23年4月期予想との比較です。23年4月期に営業収益は、156億円
と前期比359百万円の減少となっておりますが、こちらは既存物件における賃料共益費
収入の減少と木場ビルの売却益の剥落が主な要因となります。営業費用については、11
百万円の増加を見込んでおります。結果として、当期純利益は5,836百万円となり、前期比
354百万円の減少を予想しております。一口当たり当期純利益は13,619円となりますが、
分配金の安定化のために、圧縮積立金を227百万円取崩し、分配金は一口当たり14,150円
と、22年10月期予想と同額を予想しています。
続いて8頁をご覧下さい。左側一口当たり分配金についてもう少し説明致します。
一口当たり分配金は、22年4月期が14,000円となり、22年10月期、及び、23年4月期
については、いずれも22年4月期対比約1%増加の14,150円で予想をしています。依然、
売却益を除いた一口当たり当期純利益は、夫々22年10月期、23年4月期ともに13,886
円、13,619円と従来の分配金14,000円には達してはいませんが、新規物件取得によるNOI
の底上げもあることから、分配金の水準を見直し、22年10月期、23年4月期は14,150円
と予想しています。引続き売却益と圧縮積立金の取崩しを活用しながら、分配金を安定化
させていく方針に変わりはありません。次に頁右側の圧縮積立金残高です。22年4月期は、
当初、虎ノ門一丁目ビルの土地の一部譲渡に伴い、288百万円を積み立てる想定でしたが、
NOIの改善に伴い、当初想定に対し290百万円増の497百万円を積立て、残高は4,326
百万円、一口当たり残高は10,095円となりました。22年10月期については、木場ビル
譲渡に伴う売却益から127百万円を積立てる想定、23年4月期は、分配金の安定化のため
227百万円を取崩し、23年4月期分配後の残高は4,225百万円、一口当たり9,861円と
なる想定です。圧縮積立金の活用方針については、右に記載の通りで、従来の方針と変更は
ありません。21年4月期以降に組入れる圧縮積立金については、積極的にその全額を
分配金の安定化に使用致します。
続いて、昨日発表しました自己投資口の取得についてご説明致します。10頁をご覧下さい。
投資口価格の水準、手元資金の状況、財務状況、マーケット状況等を総合的に勘案しまして、
今回の決定に至っています。実施内容は、頁左上にある通り、取得総額は上限で30億円、
取得期間は本日6月15日より9月9日となります。30億円の枠で、6月15日の投資口
価格の終値662千円で投資口を取得したと想定しますと、4,531口取得できることとなり、
その投資口すべてを償却する前提で計算しますと、予想DPUは14,150円から14,290円へ
上昇することとなります。本施策は、手元資金を効率的に活用することで、資本効率の向上、
投資主への還元強化につながるものと考えています。
続いて運用状況について説明致します。12頁をご覧下さい。最初に外部成長です。
厳しい取得環境下で優良な取得機会が限られるなか、今回スポンサーパイプラインを活用
し、仙台本町ビルを4月28日に取得し、江戸橋ビルの取得を6月30日に予定しています。
又、木場ビルの譲渡を7月29日に合わせて予定しています。先ず、仙台本町ビルの取得
です。こちらのビルは、仙台の地下鉄南北線広瀬通駅から徒歩約1分と駅至近に立地し、
広瀬通りと東2番町通りの交差点に位置する中規模ビルです。整形でレイアウトし易い
貸室になっており、フロー分割にも対応可能で、又、共用部のリニューアルや照明のLED
化も実施済みで、エリア内においても相応の競争力を有しています。現在40以上の
テナントが入居しており、テナント分散が図られ、相応の賃料水準と相まって、安定稼働が
期待される物件です。
次が江戸橋ビルです。13頁をご覧下さい。このビルは、三越前駅から徒歩5分に位置する
中規模オフィスビルです。周辺では複数の再開発が計画されており、今後更に中規模
オフィスビルの希少性が高まるエリアに立地しています。重厚感のある外観、貸室の整形と
いった特徴を有しており、取得後はビルの競争力の更なる強化、テナントに対する訴求力を
更に高めるべく、エントランスを含む共有部のリニューアルや、照明のLED化といった
環境に配慮した工事を実施する予定です。
14頁をご覧下さい。次は木場ビルの譲渡です。この物件は22年4月期末時点で帳簿価格
1,356百万円、鑑定価額1,150百万円と約2億円の含み損の状態にあります。立地する
エリアもオフィスマーケットとしては周辺エリアと比べても劣後しており、貸室の形状も
特徴のある物件で、将来的に収益性の低下懸念がある物件であることから、譲渡を決定して
おります。譲渡価格は、鑑定評価額を43.5%上回る価格であり、売却益の出現と含み損の
解消を可能とする譲渡となっています。今回の2物件の取得と、木場ビルの譲渡による
資産入替え効果は、頁右側の記載にあります。ポートフォリオの資産規模は143億円拡大し、中長期的にNOIが年間5.7億円増加致します。又、譲渡により22年10月期において、
不動産等売却益が2.4億円発生し、そのうち1.2億円を、圧縮積立金として繰入れる予定
です。
次に内部成長、既存物件の運営状況について説明します。15頁をご覧下さい。先ず、
稼働率の推移です。頁左上に示す折れ線グラフをご覧下さい。この4月末における契約
ベースの稼働率は98.3%となり、昨年10月末から0.7ポイント上昇、半年前に想定して
いた98.2%を0.1ポイント上回りました。又、フリーレント対象面積を考慮した実質
稼働率は4月末で95.3%となり、昨年10月末から2.0ポイント上昇、半年前の想定と
同水準となりました。契約稼働率と実質稼働率のギャップについても、フリーレントが
明けてくる契約も出てきたことから、21年10月のギャップ4.3%に対し、22年4月末
では3.0%まで縮まっています。入退去状況は、折れ線グラフの下の棒グラフで示して
いますが、22年4月期は、入居が64件4,790坪、退去が43件3,309坪、ネットで1,480
坪の入居増となっています。右上のテナントの入退去理由を見て頂いても、依然、入居に
ついては、70%以上が拡張移転を理由としており、引続き業績堅調な中堅・中小企業の拡張
移転の動きが活発だということを表しています。この活発な動きを着実に捉えたことに
よって、稼働率向上に結び付けています。右下にあるように、付与しているフリーレント
期間は、21年10月期対比で、若干長期化しています。引き続き市場賃料水準での埋め戻しを意識し、空室が発生しているビルの特長や、周辺マーケットの状況を踏まえ、フリー
レント期間は、メリハリを付けて対応をしていますが、リーシングの難易度が高いと思われ
る空室に対しては、相応の期間のフリーレントを供与している状況です。次に退去率です。
左下に記載がありますが、22年4月期は2.3%と低い水準でしたが、22年5月までに受領
した解約予告に基づく22年10月期の退去率は、4%と上昇しています。因みに、従来
退去率については年率で開示しておりましたが、今回からリートの決済期間6ヶ月での
退去率を開示しておりますので、数値は従来の半分となっております。22年10月期は、
期末近くに、複数フロアに跨るテナントの解約が複数発生する見込みで、退去の多くが期末
近くに偏ります。そのことから、期末時点では埋戻しよりも退去が先行することを想定し、
期末の契約稼働率は97.5%に低下することを見込んでいます。退去率が高まる想定ですが、
業績が堅調な中堅・中小企業の増床移転の動きは引続き活発ですので、ビルスペックや周辺
エリアの状況を踏まえ、機動的、且つ、柔軟なリーシング戦略により、稼働率の維持・向上
に努めたいと思います。
続いて16頁をご覧下さい。こちらはテナント入替えによる賃料増減の状況です。左側の
グラフは月額賃料の増減状況を示しています。22年4月期においては、入替えのあった
区画では、54.2%と単価が上昇しました。月額賃料の増加分については、22年4月期で
プラス650万円と、21年10月期対比で160万円減少し、月額賃料の減少分は22年
4月期でマイナス380万円と、21年10月期対比で120万円減少しました。ネットでは
260万円の増加となりました。右側には賃料単価の変化を記載していますが、新規・従前比
はテナントの賃料単価はプラス0.4%、662円の増加となっています。テナント入替えの
賃料増減は、空室の従前賃料水準にも左右されますが、レントギャップがある区画について
はテナント入替え前後に賃料を上げる機会となりますのでしっかりと対応し、賃料増加を
積み上げていきたいと思います。
17頁をご覧下さい。既存テナントとの賃料改定の状況です。頁右上には賃料増額改定の
件数と面積割合の推移を示しています。22年4月期に契約更新を迎えた既存テナントとの
賃料増額改定については、テナント数で34件、面積割合では20%の増額改定を行いました。
21年10月期対比では、件数、面積割合ともに大きく増加しています。頁左側に賃料改定に
よる増減額の推移を示していますが、月額賃料はネットで約4百万円の増加となり、21年
10月期対比で増加しています。又、右下に示している通り、賃料増額率についてもプラス
6.4%とこちらも前期比で上昇しています。テナントの企業活動における新型コロナへの
対応がだいぶ落ち着きを見せ、賃料改定の交渉に応じて頂けるケースが多くなり、前期と
比較して増額改定実績を伸ばすことが出来ました。
次に18頁をご覧下さい。レントギャップの状況です。頁左上には22年4月期末における
レントギャップの分布状況を示しています。マーケット賃料より低い賃料契約の割合は、
22年4月期末では55.4%となり、21年10月期末の59.7%から減少しています。これは、
引続き一部の物件でのマーケット賃料の低下と、テナントの入替えによる賃料増額や賃料
改定時の賃料増額積上げが要因です。頁左下には平均レントギャップの推移を示していま
すが、22年4月期ではマイナス4.6%となっており、引続きマイナス幅は縮小しています。
頁右下では、前期からのマーケット賃料の変動を、上昇、横這い、低下に分類した物件数を
エリア別に示していますが、上昇した物件が2物件有る一方で、61件、64%の物件が
横這い、32件、34%の物件が低下となっています。低下物件の数は、前期対比で13件増加
していますが、周辺で、大規模オフィスを含め空室が増加しているエリアに立地する物件で、
小幅にマーケット賃料が低下しているケースが増えている印象です。レントギャップ縮小
傾向にありますが、引続きレントギャップがあるテナントに対し、積極的に交渉することで、
賃料改定において一定の成果を上げていきたいと考えています。
続いて19頁をご覧下さい。工事実績と予算の状況です。22年4月期の工事実績について
は、半年前の予算からは減少しました。入札等による工事費削減、不要となった工事と
いった要因の他、一部半導体供給不足による機器の納品が困難となり、延期された工事など
の影響が、依然出ています。22年10月期については工事予算を減少します。主な工事内容
は記載の通りですが、原則、適切な時期に、適切な工事を行うという方針の下での積上げ
です。
次に、20頁をご覧下さい。こちらでは、21年10月期末における稼働率が90%を切って
いた物件の、足元の稼働状況を記載しています。いずれの物件も、6ヶ月前と比較し、
稼働率は向上しています。Turn Key Officeのある飯田橋ビルは、低稼働が長期化して
いましたが、専用Webサイトに加え、Web広告といった新しいツールを活用、又、
リーシングキャンペーンの継続効果もあり、Turn Key Officeは7区画中6区画が埋まり、
22年4月末で91.8%まで稼働率が回復しました。御茶ノ水ビルと新橋駅前ビルは、稼働率
が上昇したものの、依然90%を切る水準ですが、御茶ノ水ビルは外壁、エントランス等の
大規模リニューアルの効果もあり、問い合わせ件数も増加していますので、早期に稼働率の
更なる向上を図りたいと考えています。新橋駅前ビルも、商談中の案件がある他、駅至近の
好立地を活かしたリーシング活動を展開することで、早期の満室稼働を実現したいと思い
ます。
次に21頁をご覧下さい。こちらでは、22年10発期以降に稼働率が大きく低下する物件を
リーシング注力物件として示しています。ポルタスセンタービルは、一旦90%まで稼働率
が回復しましたが、継続して解約が発生する見込みから、リーシング注力物件としています。
又、ここに記載の物件は、複数フロアを借りているテナントの解約が予定されており、稼働
率の低下が大きく見込まれています。ビルスペックや周辺エリアの状況を踏まえ、機動的、
且つ、柔軟なリーシング戦略をとることで、現在商談中の案件を確実に取り込み、稼働率の
早期回復に努めたいと思います。
次に22頁をご覧下さい。左側に大口テナントのリストを掲載しています。一部増床により
順位の変動があったものの、上位10テナントの占める割合については、21年10月末対比
で大きな変化はなく、引続きテナントが分散されている安定したポートフォリオとなって
います。
続きまして、財務の状況を説明します。24頁をご覧下さい。先ず、JCRによる格付けが
AAマイナス(ポジティブ)からAAフラット(安定的)に向上しています。Cash-Flowの
安定したポートフォリオ、ポートフォリオ運営における安定したTrack Record、LTV運営、
SMFグループからのサポート体制の強化、シナジー効果による財務基盤の強化等が評価
され、今回格上げに至っています。次に22年4月期末における残高、約2,000億円の
有利子負債の平均金利は0.84%と前期末対比で0.05ポイント低下しており、引続き、着実
に金利コストの低下を実現しています。又、金利の固定化比率は94.8%となっており、頁下
のマテュリティラダーを見て頂いても、返済期日もしっかり分散されています。22年4月
期末の帳簿価格のLTVは、仙台本町ビルの取得に伴う借入れがあり、21年10月期末の
43.6%から0.5ポイント上昇し、44.1%となっています。鑑定ベースでは35.7%という水準
です。
25頁をご覧下さい。頁左下に記載の通り、取引金融機関は、前期末対比で8社増加し25社
となり、レンダーフォーメーションの更なる拡充が実現しています。
続いてサステナビリティへの取組みについて説明致します。27頁をご覧下さい。22年
4月期の取組みが左側になります。環境面では、先ず、温室効果ガス(GHG)の排出量削減
目標を設定しました。2013年度対比原単位で、2030年度50%削減、幼少2050年度までに
カーボンニュートラルを目指します。次にTCFDの定性開示を行っています。気候変動に
よる財務的影響を複数の世界観、地球の平均気温が4度、又は、1.5度上昇する場合を基に
したシナリオ分析を実施し、この分析を基に中・長期的な財務面での影響を検討し、開示を
行いました。又、GHG排出量削減に向けた施策として、実質再生可能エネルギー由来の
電力の導入を13物件で実施しています。同様に照明のLED化を継続して進めています。
単独所有物件の共用部のLED化は、既に概ね完了していることから、今後は専有部での
LED化を中心に推進することとし、22年4月期には約5,900坪のフロアでLED化を実施
し、賃貸可能面積ベースでの専有部照明のLED化率は35.6%まで進捗しました。ビルの
環境認証取得については、延床面積に対して認証取得割合70%超を目標としていますが、
22年4月期は、新たに5物件での認証を取得し、取得割合は64.4%と、前期比プラス
7.3ポイント上昇しています。ソーシャルの側面では、日本赤十字社への活動支援という
ことで、献血実施会場の無償提供を行いました。又、テナント従業員や地域住民に、環境に
配慮した移動手段としての自転車、電動キックボードのシェアリングポートの設置を継続
して行っております。ガバナンスの面では女性監督役員が、1月28日開催の投資主総会で
1名選任されたことで、本投資法人のマネジメントにおけるダイバーシティが推進されて
います。又、サステナビリティに関する今後の取組みについては、頁右側に記載されている
通りです。開示の透明性を高めるという観点からは、GHG排出量のスコープ別のデータの
開示とともに、エネルギー使用量、水使用量を含めたデータに関し、第三者機関の保証を
受ける準備を進めています。又、TCFDに基づく開示情報の拡充を検討していきます。
環境面での取組みについては、引き続き物件における環境認証の取得を進めるとともに、
GHG排出量削減に向けての、実質再生可能エネルギー由来電力の導入、照明のLED化を
推進致します。ファイナンスにおいては、グリーンボンド・フレームワークをグリーン
ファイナンス・フレームワークに更新、22年10月期中に、リファイナンスにおいて
グリーンファイナンスを実施することを計画しています。
最後に今後の取組みについてご説明させて頂きます。34頁をご覧下さい。
先ず、外部成長についてです。足元の取得については、マーケットにおける競合プレイヤー
も多く、又、目線の会う物件情報の数は限定的と、取得環境は厳しい状況が続きますが、
引続き優良物件の発掘に注力していきたいと考えます。又、資産入替によるポートフォリオ
の質の向上を図っていく方針です。次に内部成長についてです。先ず、稼働率の維持・向上
が最優先という考え方は変わりません。稼働率の維持・向上は、本投資法人の収益の押し
上げに不可欠の要素です。足元の退去率が再び上昇していることもあり、退去が先行し、
稼働率が低下する場面も想定していますが、業績堅調な中堅・中小企業の増床移転ニーズは
引続き活発です。フリーレントを活用し、市場賃料の水準を目標にリーシングを行っていく
とともに、物件の個別特性や周辺マーケットの状況次第では、より機動的、且つ、柔軟な
リーシング戦略をとることで着実にテナントを捕捉し、稼働率の維持・向上を目指したいと
考えます。財務戦略については、既存借入については、相応の金利水準のものも残って
いますので、引き続きリファイナンスを通じて、金利コストの削減を図っていきます。一方
で、為替や物価の上昇等の状況を踏まえ、今後の金利動向には留意も必要だと思っています。
金利の固定化比率の高水準での維持とマチュリティの分散を意識した財務運営は継続して
いきます。サステナビリティへの取組みについては、昨年の運用会社の体制整理以降、
取組みについて一層の強化を図り、徐々に軌道に乗ってきております。TCFD開示情報の
拡充に向けた取組みを進めて行くとともに、GHG排出量削減にむけた実質再生可能
エネルギー由来の電力導入や、LED化といった取組みを進めて行きます。物件レベルでの
サステナビリティの推進は、テナントから選ばれる要素に、今後なりうると思いますので
積極的に進めて行きます。最後に投資主関連です。現状、不動産売却益や内部留保の取崩し
を行いながら分配金の安定化を図っていますが、引続き売却益と内部留保の取崩しを活用
することで、分配金の安定化を継続していきます。又、今回、30億円を上限とした自己
投資口取得を実施しますが、今後についても手元資金の状況や、投資口価格の水準次第では、
自己投資口の取得を検討していきたいと考えています。足元では、新型コロナの状況が若干
落ち着きつつある一方で、ウクライナ、ロシア、中国の動き、又、それに伴う金利、為替、
物価、エネルギー価格の動きなど、依然落ち着かない環境が続きますが、外部成長、内部
成長、財務、サステナビリティ、投資主還元と各側面で、しっかり取組むことで更なる
投資主価値の向上を目指していきたいと考えております。
以上が私からの説明となります。ご清聴、有難うございました。