エスコンジャパンリート投資法人 2022年1月期決算概要
エスコンジャパンリート投資法人
2022年1月期(第10期)決算説明 動画配信説明書
動画 https://www.net-presentations.com/2971/20220317/qwseq2y/
資料
https://www.escon-reit.jp/file/ir_library_term-76ca292361b1d473d6202152dbcf4dc014460e97.pdf
説明者 エスコンジャパンリート投資法人 執行役員 笹木 集
説明
資料に沿って、エスコンジャパンリート投資法人の第10期決算並びに第11期、12期の
業績予想について説明致します。
2頁はサマリーの頁です。先ず、今年1月末の決算となります。第10期のハイライトと
決算概要です。
2021年8月に第2回目となる公募増資を実施し、新たに11物件、176億円を取得し、本投資法人の資産規模は、全38物件で総額696億円に拡大しました。第10期中は、長引く
コロナ禍におきましても、本投資法人が保有する底地、及び、暮らし密着型商業施設は、
地域の皆様に、日常的にご利用頂き、安定的な収益を計上することが出来ました。
第10期における一口当たり分配金につきましては、予想3,565円のところ28円増、
パーセンテージとしては0.8%増の3,593円となりました。
続いて、第11期、第12期の一口当たり分配金予想は、保有資産であるパレマルシェ西春
の主要テナント退去後の後継テナント株式会社義津屋との契約内容を織り込み、
夫々3,440円、3,276円を見込んでおります。内容については後程詳しくご説明致します。
又、今後の成長戦略については、引き続き中期目標1,000億円の資産規模を達成すべく
スポンサーサポートを活用した外部成長を目指します。ESGについても今般策定した
マテリアリティをもとに積極的に取り組みを進めてまいります。
以上がサマリーです。夫々について詳しく説明する前に、初めてこの動画を見られている
方もいらっしゃると思うので、先ず本投資法人の概要についてご説明致します。
4頁をご覧下さい。エスコンジャパンリート投資法人は、暮らし密着型商業施設、及び、その底地を主な運用資産とするリートで、東証1部上場の不動産総合ディベロッパーである
日本エスコンをスポンサーとし、中部電力、及び、中電不動産をサポート会社としています。
尚、日本エスコンは、中部電力の連結子会社となります。日本エスコングループの
不動産開発力と運営力、並びに、中部電力グループの信用力、ウエアハウジング機能等の
サポートを活かして、運用資産の着実な成長と投資主価値の最大化を目指しております。
5頁を参照下さい。2019年2月に上場したのちの投資口価格の推移と致しましては、新型コロナウイルス感染症拡大以前は、順調に運用資産の稼働率も上昇し、投資口価格も
上昇してまいりましたが、新型コロナウイルス感染が拡大した2020年3月以降
投資口価格は大きく下落し、商業施設においても飲食店等が営業自粛を求められるなど、
本投資法人のテナント様にも少なからず影響がありました。一方、長引くコロナ禍に
おいても、食品スーパーや、ドラッグストアを核テナントとした暮らしに密着した商業施設
においては、安定性を発揮しており、本投資法人の投資口価格は堅調に推移し、
2022年1月末における投資口価格は、134,900円となりました。この2022年1月末時点
の投資口価格134,900円における予想分配金利回りは4.98%で、J-REIT平均の3.75%を大きく上回っている水準にあります。
7頁をご覧下さい。
ここからは2021年8月に実施しました第2回目となります公募増資について簡単に
説明させて頂きます。今回、約100億円の増資を実施し、11物件、176億円も物件を
購入し、全体で38物件、696億円に成長致しました。取得した物件は、スポンサー
開発物件を中心とした暮らし密着型商業施設3物件、底地8物件となります。
コロナ禍において底地や暮らしに密着した商業施設については、長期的な安定性が注目
される中で、食品スーパーやドラッグストアなどのスポンサーが開発した底地を購入
している点を評価頂いたものと考えております。
9頁をご覧下さい。続きまして、第10期の実績を説明させて頂きます。
先ほどサマリーで申し上げました通り、一口当たり分配金については、前期決算の
開示日時点の予想3,565円から28円増加し3,593円となりました。右側の表を
ご覧下さい。第10期決算の当期純利益実績について、予想値からの主な変動要因に
なります。変動賃料はコロナの影響により、保守的に見ていた歩合賃料、及び、催事による
収入が増加したことからプラスになりました。費用については、引き続き必要な修繕工事を
実施したことでマイナスとなっています。他には、金利やPO関連費用の実績が見込みより削減できたことにより、一般管理費等がプラスになっています。これらを主たる要因として、
当期純利益は予想比1,000万円プラスとなり、一口当たり分配金を28円引き上げることが
出来ました。
次に本投資法人のポートフォリオの概要について説明致します。10頁をご覧下さい。
先ずは底地の概要です。2021年8月の新規取得物件を含めて、現在、本投資法人の資産の
取得価格ベースで約45%、償却後NOIベースで約44%を底地が占めております。残りは
暮らし密着型の商業施設です。底地の賃貸借残存期間は、5年以上が約98%を占め、賃貸借残存期間の平均は、13.2年となっております。底地のテナントは、上場会社が9割以上を
占めており、その業種につきましても、食品スーパー、架電、ホームセンター、
ドラッグストアなどコロナの影響を受けづらい構成であり、安定的に推移しております。
11頁をご覧下さい。暮らし密着型商業施設について説明致します。
本投資法人は、賃料収入に占める固定賃料の割合が約99%と高く、変動賃料割合が
少ないため安定した収入が期待できる構造となっております。又、変動賃料の過半を
催事収入が占めていますが、これは共有部を中心にイベントなどを開催するという商業
施設のメリットを活かした取り組みであり、空いた区画においても同様の取り組みを
行なっており、イベントの開催で施設の活性化や収益アップに繋げています。暮らし密着型
商業施設のテナント構成も底地と同様に食品スーパー、ドラッグストアなどの割合が
大きく、コロナ禍の影響を受けづらいため、安定性を発揮しております。
下段の折れ線グラフをご覧下さい。
オレンジ色の折れ線は本投資法人が保有する商業施設の1M2当たりの売り上げ推移。
本投資法人の商業施設については食品スーパーやドラッグストアなど生活必需品を販売
するテナントが核となっていることから、日本ショッピング協会の集計と比較しますと、
2020年頃から続くコロナの影響下においても、引き続き変動は小さく、安定していると
言って良いかと思います。
13頁をご覧下さい。次に本投資法人の保有物件に対する新型コロナウイルス感染症の影響
について説明致します。
新型コロナウイルス感染症が拡大し始め、最も大きな影響を受けた第7期は、テナントからの減免要請、支払猶予要請が計115件になりましたが、第8期以降は支払柳野の要請は
無く、減賃の要請も一定数に納まっております。第10期中においては、新たに賃料減額の
要請があったテナント数は6件、テナントの売り上げ等を考慮し、賃料減額の要請に対応
した数は7件、78万2千円になりました。
第10期における新型コロナウイルスの影響は、限定的であったと言えますが、
オミクロン株の感染拡大の影響は、いまだ予断を許さない状況であり、引き続き今後の
テナントの動向は注視しつつ、賃料収入の維持・向上に努めたいと考えております。
第10期中のテナントの解約・退去は3件、新規誘致は5件となりました。1月末時点での
空室は、住宅を含めて7区画のみですが、直近では後程説明致しますtonarie大和高田に
赤ちゃん本舗様が入居することで、全体で残り4区画となる予定です。
以上、底地、及び、暮らし密着型商業施設の概要について説明致しました。
14頁をご覧下さい。次に第11期、及び、12期の業績予想について説明致します。
第11期については、第10期の分配金より153円減の3,440円を予想しております。
右側の表をご覧下さい。ここでは第10期の当期純利益からの変動要因を記載して
おります。後程説明致しますが、パレマルシェ西春の主要テナント退去後の後継テナント
である食品スーパーの義津屋様との契約内容を織り込んだことのマイナス、10期に取得
した11物件に掛かる固定資産税が11期から費用化することに伴うマイナス、他修繕費や
水道光熱費の増加に伴うマイナスに加え、第10期に物件取得に伴う資産運用報酬等の
一般管理費の増加に伴うマイナスを予想しております。一方で、第10期に実施した
リファイナンス費用の剥落やPO費用の剥落によるプラスもあり、結果として前期比で
5,300万円のマイナスとなり、一口当たり分配金を4.2%引き下げる予想となっております。
パレマルシェ西春のマイナスが想定以上となったことで、第11期の予想分配金3,570円に
対し、3,440円と153円の減配となりました。
第12期の予想につきましては第11期の分配金より164円減の3,276円を予想して
おります。15頁の右側の表をご覧下さい。第11期の予想純利益からの変動要因を記載して
おります。第11期からの工事前倒しによる修繕費の減少や、tonarie山田高田の新規
テナントとの契約内容を反映したことによるプラスはあるものの、2023年1月に既存
借入金98億6千万円のリファイナンスにかかる費用を見込んだことによる予想分配金の
マイナス140円があり、第11期予想分配金より更に164円引き下げる予想となって
おります。
次にパレマルシェ西春の運営状況について説明致します。16頁をご覧下さい。
パレマルシェ西春は、愛知県北名古屋市に位置し、名鉄犬山線西春駅直結の、スーパー
マーケットを中心とした商業施設です。今年4月の主要テナントの退去が決定していた
ため、昨年から後継テナント探しに取り組んでおり、3月15日に愛知県等を中心に展開
しているスーパーマーケットの義津屋様と、商業棟を1棟貸しする契約を締結致しました。
17頁をご覧下さい。現テナントであるオークワ様の退去からダウンタイムなく、後継
テナントである義津屋様の1棟貸しを実現出来たものの、賃料が下落したこと、
管理委託費が増加したことなどで損益が想定以上に減少しました。業績予想においては、
保守的に3階部分についての賃料を見込んでいないため、そのリーシングの早期実現や、
現テナントとの原状回復費用の交渉により、損益の改善を目指します。
将来的には、スポンサーサポートも活用した資産の入れ替えなど、損益の改善につき幅広く
検討致します。
次にtonarie大和高田の運営状況について説明致します。18頁をご覧下さい。
tonarie大和高田は、奈良県の大和高田市に位置し、近鉄大阪線大和高田駅直結で、
スーパーマーケットを核テナントとする商業施設です。3月15日に赤ちゃん本舗様と賃貸契約を締結致しました。6月より奈良県初店舗として営業開始と伺っており、施設全体の
賑わい創出に繋がるものと期待しております。又、tonarie大和高田の隣には、スポンサー
である日本エスコンが開発した、全205戸の分譲マンション「レ・ジェイド
大和高田駅前」の入居が、既に開始しており、今後一層の集客と成長が期待できます。
tonarie山田高田の稼働率につきましても、93.3%から99.4%に上昇する見込みです。残り
あと1室についても出店申込書を頂いており、100%稼働が期待出来ます。
次に、今後の運用方針について説明致します。21頁をご覧下さい。
本投資法人は、2019年2月の上場以降、2度の公募増資を経て、2022年1月末時点の
資産規模は696億円となっております。引き続きスポンサー及びサポート会社との連携を深め、中期目標である資産規模1,000億円への成長を目指してまいります。又、本投資法人
は、ESG施策をより一層推進してまいります。第10期にはGRESBリアルエステート
評価において、GRESB-Ratingで2スターを取得するなどESG施策を着実に進めており、
今般、ESG活動方針にかかるマテリアリティを策定致しました。今後とも中電グループの
サポートも活かしながらESGの取り組みを強化してまいります。他にも、グローバル・
ファンド・インデクスのEPRA Nareitの時価総額採⽤基準の緩和が公表されたことをうけ、
今後組み入れの可能性を視野に入れ、準備を進めて行くことや、格付けの向上を目指すなど、
様々な取り組みを行なってまいります。スポンサーについても、中部電力の連結子会社と
なって以降、活発な投資活動を続けており、その投資計画と資産循環モデルを活かした
本投資法人の外部成長を考えております。スポンサーは、2021年から2023年までの
3年間で、計2,200億円の投資を計画しており、いずれ本投資法人は多様な物件の取得機会
を得られることが期待出来ます。
サポート会社である中部電力グループに関してですが、22頁をご覧下さい。
2021年4月5日に日本エスコンは中部電力連結子会社になったことにより、スポンサーと
サポート会社の連携は更に強化され、投資法人においても信用力の向上による
ファイナンスコストの削減などの効果が出ているほか、2021年7月には中部電力の100%
子会社である中電不動産から2名が、本投資法人の資産運用会社であるエスコンアセット
マネージメントに出向しており、連携強化が進んでおります。又、本投資法人は、
スポンサーから13物件の優先交渉権を獲得しており、引き続きスポンサーである
日本エスコン、及び、サポート会社である中部電力グループの機能を活用しながら、
マーケット環境を見定めつつ、資産規模の拡大を継続致します。
24頁をご覧下さい。財務の状況ですが、1月14日、既存の借入金に関わる全ての担保権を
解除し、無担保化を実現致しました。又、1月末には、上場後初めてのリファインスを実施
し、約100億円の借入金の長期化、分散化を達成致しました。今後とも財務の安定化に
努めてまいります。
最後に、ESGへの取り組みについてご説明させて頂きます。26頁をご覧下さい。
本投資法人は、環境に対する配慮、社会への貢献、及び、組織のガバナンスの強化が投資主
価値向上に寄与することを認識し、今般ESGに関してマテリアリティの設定を行いました。
環境面では、環境負荷の低減に向けて施設共有部へのLED照明の導入を行う等の取り組み
を進め、DBJグリーンビル認証を初めとする外部認証の取得や、GRESBの更なる評価
向上を目指してまいります。社会面では、本投資法人は、暮らしに密着した商業施設は身近
な生活に欠かせないインフラとして、地域の皆様に多様な機能を提供できる場と考えて
いることから、各商業施設は子供たちが集まり、地域の皆様が参加できる各種イベントの開催や、施設従業員や施設運営会社が受講した認知症サポート養成講座の経験を活かして
高齢者にも優しい地域作りに貢献しています。又、授乳室や従業員休憩室の設置も行って
おり、来館者やテナントの方々が快適に過ごせる施設環境作りに、取り組んでいます。
ガバナンス面では、コンプライアンス体制の強化を重要課題として考えており、引き続き
ガバナンスの強化やコンプライアンス研修の充実化に取り組んでいます。
以上、簡単ではありますが、第10期の実績、及び、第11期、第12期の予想、運用方針等
につき説明させて頂きました。今後とも投資家の皆様の期待に沿えるよう安定性に重点をおいた堅実な運用をしてまいります。ご拝聴、有難うございました。