阪急阪神リート投資法人2024年5月期 決算概要
阪急阪神リート投資法人
2024年5月期(第38期)決算動画説明書
○動画 https://www.net-presentations.com/8977/20240719/bxi2ko0jo/
○説明資料
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS80165/5d4d18b9/5c7c/4333/bceb/c347bfca90c2/140120240719551621.pdf
○説明者 阪急阪神リート投信株式会社 代表取締役社長 岡﨑 豊茂
○説明
阪急阪神リート投資法人、第38期決算説明動画をご視聴頂き有難うございます。
決算説明の前に、トップページの説明をさせて頂きます。今回のトップページは、2024年3月に取得した大阪府堺市に立地するホームセンターコーナン堺高須店です。本物件は敷地への投資となりますが、ホームセンターコーナンをはじめとした、生活必需品を取り扱う店舗で構成されており、周辺マーケットにおいても十分な競争力が期待できる物件です。新型コロナウイルス感染症が5類に移行してから1年以上経過し、保有している商業施設の売上高回復も定着しました。但し、レジ客数は以前の状態に戻ったわけではなく、客単価の上昇、即ち、物の値段の上昇が定着したと言えそうです。この背景には、インフレーションが着実に進行していると感じていますが、本投資法人は、このような変化に対応していきながら、スポンサーグループと共同し今後も成長を続けてまいります。
それでは説明に入ります。4頁をご覧ください。こちらには 第38期のハイライトを記載しています。内部成長面ですが、都市型商業施設においては、HEPファイブ飲食フロアのリニューアル効果が発現したことに加え、観光需要の回復などにより、稼働率に客室単価を乗じた指標である通称RevPARは、コロナ禍前を上回る水準まで伸長しています。又、地域密着型商業施設では、デュー阪急山田のリニューアルが順調に進捗するとともに、敷地2物件において、テナントニーズを踏まえた契約更改を進めました。オフィスにおいては、需要 回復の機会を捉えたリーシングを推し進めることにより、課題となっていた汐留イーストサイドビルの空室率にも改善の兆しが見えてきました。
以上の結果、第38期末の平均NOI利回りは4.5%、平均償却後利回りは3.4%となりました。外部成長面では、トップページで説明しましたホームセンターコーナン堺高須店の敷地を3月に取得し、資産規模は1,800億円となりました。財務面では、2月のリファイナンスにおいて、グリーンボンドおよびグリーンローンによる調達を行い、資金調達先の更なる拡充を図るとともに、物件取得に伴う資金調達については、良好なリレーションを維持している既存の取引行から借り入れを行いました。又、運用会社においては、健康経営の実践に努めた結果、2年連続で健康経営優良法人の上位500社に付与される、ブライト500の認定を受けました。最後に、投資主価値について説明致します。第38期の一口当たり分配金は、各種成長戦略の実現により、内部留保充当前で69円上振れて着地し、第39期以降も着実に伸長すると見込んでいます。
5頁をご覧ください。第38期の一口当たり分配金実績について説明します。2024年1月24日に公表した予想分配金は3,030円でした。これにはデュー阪急山田のリニューアルに関わるダウンタイムをカバーするため、内部留保を98円充当する計画としていました。著しい人流の回復を背景に、都市型商業施設の変動賃料が想定を上回るとともに、デュー阪急山田のリニューアルも順調に推移しました。その結果、内部留保充当前の分配金が予想より69円上振れたことから、内部留保の充当を29円まで減少させ、当初想定通りの3,030円となっています。
6頁をご覧ください。こちらは今後の業績予想です。第39期および第40期の分配金については、いずれも3,100円を予想しています。先ず第39期の変動要因について説明します。デュー阪急山田のリニューアルや、ホームセンターコーナン堺高須店の敷地取得の通期寄与に加えて、地域密着型商業施設における敷地2物件での賃料改定の発現といったプラス要因があります。リーシング費用の発生や公租公課の増加など一定のマイナス要因はありますが、プラス要因の力強さにより、3,100円にて着地すると見込んでいます。これは本投資法人が目標としていた水準であり、コロナ化以降の成長戦略による効果が発現したと感じています。次に第40期について説明します。都市型商業施設において、前期に発生したテナント入替に伴う一時金収入の反動減を見込む一方、高い水準が続いていた修繕費がピークアウトしていくことにより、分配金予想額は3,100円となり、目標水準が持続する見通しです。
8頁をご覧ください。こちらには、ポートフォリオの状況を記載しています。投資エリアについては関西圏に74.1%、アセットタイプについては商業用途区画に74.4%投資しています。賃料体系についても、95%以上が固定賃料で占められていますが、テナント売上増加を受け、変動賃料は増加基調にあります。
9頁から11頁にかけて商業施設の運用状況を纏めています。
10頁をご覧ください。こちらには都市型商業施設について記載しています。梅田にあるHEPファイブについては、飲食フロアのリニューアル効果や観覧車によるインバウンド集客力などにより、コロナ前の水準まで収入が回復しています。今後も若者やインバウンドをターゲットとした施策を推進し、売上の伸長を図っていきます。同じく梅田の北野阪急ビルについては、地下1階で認知度向上を企図したリニューアルを検討しています。
11頁をご覧ください。こちらには地域密着型商業施設について記載しています。デュー阪急山田については、4月にリニューアルが完了し、大幅な賃料アップが図れました。利便性向上により、既存テナントへの波及効果も期待されます。又、敷地物件ですが、掲載の2物件において、テナントの売上好調を背景としたニーズを捉え、 契約期間を延長した上で契約改定するなど、テナントとの共同を推し進めています。
12頁をご覧ください。こちらにはホテルの運用状況について記載しています。観光需要や ビジネス需要の回復に伴い、第38期のRevPARはコロナ禍前を上回る水準となっています。それに伴い賃料水準も回復し、2025年の大阪関西万博の開催によるインバウンド客の増加など、今後も緩やかな伸長を見込んでいます。
13頁をご覧ください。こちらには、オフィスの運用状況について記載しています。保有している8物件のオフィス部分の平均稼働率は、97%を超える高い水準で推移しています。東京都中央区に位置する汐留イーストサイドビルに関しては、稼働率の低下が課題となっていましたが、同エリアの需給バランスの改善により空室率は低下傾向にあることから、リーシングに一層注力した結果、複数の空室区画で成約に至っています。
14頁をご覧ください。こちらには、修繕費と資本的支出について記載しています。大阪関西万博などの大型イベントにより、人手不足が予想される中、計画的に工事を進めています。第40期にかけて、阪急電鉄本社ビルなどで大規模工事の進行がピークを迎えますが、その後は緩やかに減少していく予定です。
15頁をご覧ください。こちらには、第38期の資金調達の概況を記載しています。2024年2月に到来した合計52億円のリファイナンスについては、財務の基本方針に基づき、長期固定資金を獲得しています。具体的には、投資法人債とローンを、同一のフレームワークで組成したグリーンファイナンスにより、コストの抑制と新規調達先の拡大を行っています。物件取得にかかる65億円の資金調達については、柔軟性の確保やコスト抑制の観点から、2年変動金利としています。
16頁をご覧ください。こちらには鑑定評価額の推移について記載しています。第38期末の含み益は、373億円となりました。キャップレートは、前期から低下し、鑑定評価額は約18億円増加しています。保有物件ごとの鑑定評価額一覧は、44頁と45頁に記載していますので後ほどご参照ください。
18頁から21頁にかけて、今後の戦略について記載しています。
18頁をご覧ください。先ず、環境認識としてポストコロナ期に入り、働き方や暮らし方といった価値観、消費動向が変化していく中、インバウンド消費の拡大や、大阪関西万博の開幕といったポートフォリオの成長へのプラス要因がある一方、金利上昇や公租公課の増加、工事費の高騰などのマイナス要因、即ち、成長の阻害要因も目立ってきています。そこで今後の取り組みを19頁に纏めています。
19頁にお進みください。これまで外部成長、内部成長といった成長戦略を実践することにより、目標分配金として掲げていた3,100円という水準には到達できたと見ております。今後分配金を更に成長させるためには、阻害要因たるリスクファクターを上回る、成長戦略の実現が必要となります。そのため運用会社においては、3,100円+αの実現に向けて、成長戦略のブラッシュアップを進めており、2025年1月頃に公表予定です。
20頁には 分配金に対する感度分析を行っています。分析の際にご活用ください。
24頁にお進みください。こちらには、スポンサーグループが取り組んでいる大型開発事業について記載しています。又、地図上の緑のエリアでは、グラングリーン大阪に名称決定したうめきた2期地区開発事業のエリアが広がります。本プロジェクトは、オフィス、ホテル、イノベーション促進を目的とした中核機能施設、商業施設、都市公園、住宅を有する複合開発事業です。2024年9月6日に先行街びらきとなり、うめきた公園の一部、北街区のホテル、商業施設、中核機能施設ことジャムベースなどが開業予定となります。尚、スポンサーグループが手掛けるホテル阪急グランレスパイア大阪の開業は、2025年春頃を予定しており、2027年度の全体街びらきに向けて着々と開発が進んでいます。右下の芝田1丁目計画では、阪急大阪梅田駅周辺のバリューアップが予定されています。これらの大型開発事業を初め、スポンサーグループは、大阪梅田エリアに保有する資産のリノベーションを連続的に行うことで、都市空間の魅力を向上させるとしており、本投資法人も、共生戦略の中で一定の役割を果たしていけるのではないかと考えます。
25頁と26頁には、関西圏および首都圏でのスポンサーグループの開発状況を記載しておりますので、後ほどご参照ください。
次に財務についてご説明します。29頁および30頁をご覧ください。財務の基本方針は、従来から大きく変更していません。市場金利は上昇基調ではあるものの、金融機関とは良好な関係を維持しており、長期固定を中心とした資金調達を維持します。一方、金利上昇に伴うコストアップにも対応すべく、平均残存年数は4年程度の範囲で、調達年限を柔軟化させるとともに、固定金利の比率は80%以上を維持しつつ、一部は変動金利を活用します。又、30頁の下段には、今後2年間で返済期限が到来する、リファイナンスのシミュレーションを例示しています。前提となるベース金利の水準が上昇しているので、金融コストの増加は避けられませんが、財務の基本方針に則り、現状の固定水準を維持していけば、金利上昇影響もコントロール可能と見ています。
33頁にお進みください。33頁から36頁にはサステナビリティへの取り組みを記載しています。本投資法人では、2018年11月にサステナビリティ方針を制定し、環境、社会、ガバナンスの各方面での取り組みを進めています。第35期には重要課題マテリアリティを特定し、第37期には新たにKPIを設定致しました。今後も各種 KPIの達成を通じてESG課題に対応していき、投資主価値の向上に努めてまいります。
34頁をご覧ください。34頁には、保有物件における環境面への取り組みを記載しています。2023年度GRESBリアルエステイト評価では2-Starsとなり、5年連続でグリーンスター、開示面では最上位のAレベル評価を取得しています。又、環境認証を取得している物件の割合は60%となっています。環境パフォーマンス向上に向けた修繕・更新投資の事例として、右下に各物件での取り組みを記載していますので後ほどご参照ください。
35頁をご覧ください。こちらには社会面の取り組みを記載しています。ポストコロナ期においても、安心・安全の確保とともに、地域コミュニティやテナントとの繋がりを進めています。又、運用会社においては、健康経営や働き方改革を推進することにより、ブライト 500に2年連続で選出されました。引き続き役職員一人一人が、多様な個性や能力を最大限発揮できる職場環境づくりに努めてまいります。
36頁をご覧ください。こちらには、運用会社のリスクモニタリングを含めた、ガバナンス面での取り組みを記載しています。左上記載のコンプライアンス研修は、全社員を対象に 定期的に開催しています。この研修にはグループ会社の役職員も参加することで、グループ全体でコンプライアンス意識を高めています。本法人では、今後もスポンサーグループとも 連携しながら、サステナビリティ への更なる取り組みを進めてまいります。
38頁以降には決算の概要を記載しております。こちらは後ほどご覧ください。
私からのご説明は以上です。ご視聴有難うございました