いちごオフィスリート投資法人 2025年4月期決算概要

いちごオフィスリート投資法人
2025年4月期(第39期)決算動画説明書&質疑応答
○動画  https://www.youtube.com/watch?v=tPcI6kZ0mWU
○説明資料
https://www.ichigo-office.co.jp/ir/news/p_news_file/file/IchigoOffice_20250616_Corporate_Presentation_JPN.pdf
○説明者 いちご投資顧問株式会社 
代表取締役社長              岩井 裕志   
副社長執行役員オフィスリート投資運用部長 加茂 勇次
〇説明
いちごオフィスリート投資法人2025年4月期Web決算説明会にご参加頂き有難うございます。早速ですが、説明を始めたいと思います。
決算説明資料7頁をご覧頂けますでしょうか。こちらの方に決算ハイライトを記載しております。25年4月期でございますが、5物件の資産譲渡を実施しております。売却価格で合計78億円でございます。簿価が約55億円でございまして、鑑定が54億円ということで、1物件、和泉府中の方で含み損のある物件がございましたので鑑定が低いのですが、売却価格につきまして合計78億円ということで、譲渡益20億円の獲得ができております。今回戦略的譲渡を一部しておりますので、これによってポートフォリオの競争力を向上させております。

利益成長につきましては、当期純利益につきまして期初予想比+1,495百万円でございました。NOIにつきましては、期初予想比+81百万円でございます。当期純利益につきましては、過去2番目の水準で着地することができております。NOIにつきましては、過去最高額を更新することができております。更に財務のところで心築キャピックス資金ということで、第2弾の心築CAPEX資金10億円の調達契約締結をしております。

こちらは、CAPEXを使用する際に引き出せるものでありまして、今、いちごオフィスの方で収益向上に寄与するCAPEX計画を立てておりまして、このCAPEX資金を有効に活用していきたいと思っております。結果、一口当たり分配金が3,330円でございまして、前期比+23.9%、期初予想比+40.6%でございます。巡航EPUが1,946円ということで、前期から見ますと若干マイナスになっております。NOIは上昇しておりますが、当期は売却がございまして、売却に伴う一時コスト、控除対象外消費税ですとか、区分所有建物売却による修繕積立金の取り崩し等々、一次要因によってコストを押し上げてしまいまして、巡航EPUがマイナスになっているというところでございます。一口当たりNAVにつきましては、103,537円ということで、前期比+2.2%とこちらも過去最高額の更新をすることができております。

続きまして8頁でございます。当期の決算について、期初予想比との差異について簡単に説明させて頂きます。営業収益が10,235百万円でございました。営業利益が6,094百万円でございます。営業利益ベースで期初予想比+1,537百万円でございます。こちらの主な要因は右の差異要因に記載がございますが、期初時点では、譲渡益が4物件の売却を想定しておりましたが、実績では5物件の売却を実施しております。期初に予定しなかった西本町ビルですが、こちらにつきましては、非常に良い価格で売却ができるタイミングであると判断し、売却を実施しまして大きく収益が上振れ致しました。

当期純利益が5,173百万円でございまして、今回、売却益の一部の11百万円、こちらを積立させて頂いております。更に毎月定期の取り崩し、負のれんの定期の取り崩しですが、105百万円を取り崩しまして、一口当たり分配金が3,330円でございます。一方で、NOIについて記載がございますが、5,849百万円、期初予想比+81百万円でございました。下に稼働率の記載がありまして、実績は期末稼働率96.2%、期中平均95.7%ということで、どちらも期初予想に到達はできませんでしたが、賃貸事業費用も若干上振れ、39百万円ほど上振れしましたが、トップラインである不動産賃貸事業収益の増加、109百万円の増加がありまして、NOIは上振れで着地することができております。

当期の詳細の内容につきましては加茂から説明させて頂きます。
加茂でございます。宜しくお願い致します。
それでは9頁をご覧頂ければと思います。こちらは財務指標の状況になっておりまして、先ほど岩井からも説明がありましたように、NAVが着実に成長しているというところを見頂ければと思います。LTVですが、我々は時価LTVベースでコントロールしていく、というのは従前からお伝えしております。前回の決算説明会において、機動的な物件売却をしていく、そしてそれによる含み益の実現化を図っていくが、時価LTVは、心築による物件のバリューを上げることによってコントロールしていきますというふうに伝えさせて頂きました。今

回、5物件を売却しておりますが、5物件の売却があるにもかかわらず、我々はしっかりと既存物件のバリューをあげているということで、時価LTVについてはほぼ変わらずという形で、しっかりとコントロールができていると思っています。又、金利固定化比率が97.1%から約92%という形に低下しておりますけども、こちらは後ほど、説明させて頂きますが、今走っている40期および41期につきましても、現状では、ほぼ変動金利でのリファイナンスというのを想定しています。仮に41期までを今の想定通りほぼ変動ということでリファイナンスした場合には、41期末時点で金利固定化比率が、大体80%強ぐらいの見込みとなっています。こちらの考え方等につきましては、又、後ほど説明させて頂ければと思います。

10頁になります。こちらは一口当たりNAVの成長になっておりまして、直近1年でもしっかり3%以上の成長ということで、しっかり成長できているというところを見て頂ければと思います。
続きまして11頁、こちらは我々いちごオフィスが KPI としているトータルリターン、TSR の実績になりまして、年平均 8%以上という目標値を掲げておりますけども、直近1年および上場来というところで、しっかり目標以上の数値を出しているという形でございます。加えて、東証リート指数およびオフィスリート指数と比べて頂きますと、しっかりと、かなりの部分でアウトパフォームしているという形で、非常にこの目標に対して我々、しっかりと成果を出せているのではないか思っています。今回のように、しっかりとTotal Returnを出していくという戦略を継続していきたいと思っています。

続きまして12頁、こちらは賃料単価および稼働率ですが、今期は、特に我々のポートフォリオの、非常に強い成長というのを示すことができているのではないかと思っています。特にポートフォリオの賃料単価、こちらが大きく成長しております。この6ヶ月間の運用期間全体で大体2%ぐらい、15,200円から15,500円ということで、2%の単価上昇というのを達成できております。先ほど来、説明しています通り、資金調達を行って、機動的にCAPEXをかけていく、そして物件の新築を加速するという我々の運用戦略の成果が、しっかり出てきているという形になるかと思いますので、この成長をこれからも持続していきたいと思っております。

続きまして13頁、こちらは入替ですので新規リーシングの状況になりますけども、増額区画について、今期は30%程度の増額という形で、非常に高い増額率を達成できております。やはり具体的には心築CAPEXをかけております物件、例えば渋谷とか、大手町とかのそういった物件で大幅な賃料単価の増額を実現できております。それで、今走っているこの40期で、心築CAPEXを投下した物件で、こういった高い成果が今のところも見込めているという形になっておりますので、繰り返しになりますけれども、我々のポートフォリオが良い循環に入ってきたのかなというふうに思っております。

続きまして14頁になりますけども、こちらは改定です。改定ですので、新規リーシングではなくて、既存のテナントがいるうえでの賃料交渉という形になりますが、見て頂きます通り、今期は前期と比べても大幅な増額改定という形の実績が出ております。あとは、減額改定も前期と同じく1件という形なので、この改定についても非常に力強い成長が出せていのではないかと思います。今走っている25年10月期についても、都心部を中心として、増額改定が現状で見込まれていますので、こちらも増額改定というのをより加速させていきたいと思っております。

続きまして15頁、こちらは23年の11月に、スポンサーであるいちご株式会社の方から投資法人債という形で調達した3.5億円の資金で、これを使った心築CAPEXの効果という形になっております。ハイライトしている箇所が、前期から更新した部分になっております。笹塚は後ほど説明させて頂きますけれども、笹塚以外の物件については、リーシングだったり、賃料改定の効果だったり、これが確定しておりまして、この350百万円を使った投資のROIは全体で28%程度と、非常に高い水準を達成できる見込みとなっております。

従前から説明させて頂いていますけども、この350百万円の資金を、期間10年で金利が固定 1%、非常に競争力の高い資金調達ができまして、その資金による投資ですので、ネットしても非常に高い投資効果ができております。こういった我々の成果を見て、SMBCから10億円のCAPEX Financeの枠も頂戴したという形で、そちらの投資についても加速しているところとなっております。

笹塚の進捗につきましては、改めて別の頁で説明させて頂きます。
16頁です。こちらが24年11月にSMBCよりコミット頂いたJ-REIT初の取り組みと認識していますが、物件のバリューアップのための、心築CAPEXのためのフィナンス、こちらを調達した資金での投資実績です。これはあくまで今継続中ですので、現状の進捗になっています。スポンサーグループも含めて、いちごグループ全体としてセットアップオフィスっていうものに、今非常に力を入れておりまして、その事例を中心に説明させて頂いています。今回、10億円という資金枠を頂戴していますので、この資金を最大限活用して物件の心築、今の賃料増額、それから賃料改定の増額、こういったものを加速させていきたいと思っております。

続きまして17頁です。こちらが笹塚の状況になります。前回の決算説明資料におきまして、この4月末の稼働率で90%以上目指しますとお伝えしましたが、その結果として、今期末の4月末では、契約ベースでは、追加で10階のワンフロアの成約で、その稼働率が73.4%という形で未達となりました。笹塚のリーシングの遅れが先ほどの、正に全体説明のところでございました、全体稼働率の96.5%の予測に対して96.2%の着地というところの、ほぼほぼの要因と思って頂ければと思っています。

ただ、契約という意味では間に合わなかったのですが、現状残り4フロアについて、3テナントから全て申し込みを受領している状況になっております。申し込みにつきましても、既存の賃料にプラスする形での申し込みというのを頂いておりまして、かなり確度の高い申し込みがあるということなので、この申し込みをしっかり取り込んで、なるべく早期の100%稼働というところを目指したいと思っているところでございます。今期末ということに関しましては、契約 ベースで少し間に合わなかった、期ずれだったのですが、翌期には高い稼働率の実績ということをしっかりとお見せできるのではないかなと思っております。

続きまして18頁です。18頁と次の19頁が今期の物件売却についての説明となっております。この18頁にはいちご四谷四丁目と西本町という、丁度帳簿価格と鑑定評価額を非常に大きく上回った売却という2物件となっております。四谷四丁目に関しては仲介会社を使わずに直接マーケティングさせて頂きましたし、西本町の方も鑑定を大きく上回るという価格で売却ができております。こういった売却によって、しっかり含み益を顕在化させて、譲渡益を投資主に分配させて頂いております。従前から説明しております戦略の通りです。 こういった売却によって回収した資金によって、後ほど説明させて頂きますけども、本日バイバックの発表もさせて頂いておりますので、投資主還元にも積極的に取り組んでいくという形で運用させて頂いております。

続きまして19頁、こちらはフチュール和泉を含む3物件を、我々の方として戦略的に譲渡させて頂いた案件でございます。フチュール和泉は、見て頂くと分かります通り、大幅な 含み損を抱えておりました。嘗てメインテナントから退去通知も受領しておりまして、我々も色々スタディしましたが、やはりこのフチュール和泉において、メインテナントが退去した後のリーシングはなかなか簡単ではないであろう、又、時間もかなりかかるであろうということが予測されました。又、この物件を保有し続けるということは、いちごオフィスにとって、将来収益の結構大きなリスクになると判断しましたので、今回3 物件纏めてという形になりますけれども、売却をさせて頂いたという形になります。

今回の売却は我々にとって非常に大きいと思っていますのは、いちごオフィスのポートフォリオの、所謂、競争力の向上リスクの正常化と言いますか、過去銀行店舗が入っていて抜けた案件を含めて、そういった物件をしっかり売却してきましたので、今回このままフチュール和泉を売却させて頂いて、我々のポートフォリオでのリスク要因というのは大きく減ったのではなかろうかと思っております。今後、しっかりこういった、我々からするとちょっとリスク要因がある物件を売却させて頂いて、手元の案件の心築にしっかり取り組んでいくという流れができたのではないかと思います。

続きまして20頁になります。こちらはサステナブル関連についてです。前回の決算説明会において、我々いちごオフィスは、保有する物件の消費電力、これを我々グループの非化石証書も使って、実際、再エネ化を全て達成したという形になっています。次にサステナブル関連についてどういった目標とするかですが、環境認証の取得、物件についての環境認証の取得を順次続けていくこととしています。今、現状は、面積ベースで35%程度ですけれども、これを29年10月期末には、50%を超える水準に持っていくというところを新しい目標として掲げさせて頂いています。今期もCASBEEについて3物件でSランクも取っているという形で、こういった取り組みもしっかり進めていきたいと思っています。

続きまして21頁以降が今後の成長に向けた取り組みです。
22頁ですが、こちらは本日発表させて頂いた、自己投資口のバイバックについての概要になります。トータルリターンについて、しっかり今期、直近1年と上場来というところで、数字達成しておりますけども、こちらを引き続きしっかり達成していくという意味も含めて、今回バイバックを発表させて頂いています。前回の24年10月期の決算説明会において、今後の運用戦略という形で説明させて頂いたのがこの頁の上段になっております。先ず、物件の心築をしっかり加速するということと、まだ投資口価格、回復してきましたけど、まだ本格回復には至っていないというところかと思いますが、まだJ-REITの投資口価格から見た不動産価格と、実物不動産売買市場における不動産価格にはギャップがあるということなので、このギャップをうまく使ってしっかり機動的に物件売却をすると。

これによって含み益を実現化して資金調達も行うと。売却によってキャッシュの回収というような資金調達を行うと。調達資金をどのよう使うかに関しては、投資主還元施策に重点的にアロケーションしたいという説明をさせて頂きましたが、今回、正にしっかりこういった売却をして、その回収資金でバイ バックをするという形で、我々としては説明していた内容をしっかり有言実行で実現できていると思っています。バイバックについては、上限25億円というのを想定しております。このバイ バックについての詳細については、本日は補足説明資料も開示させて頂いていますので、そちらを併せて確認頂ければと思っていますが、我々のキャッシュの状況とか、そういったところからこの25億円という金額は決めさせて頂いておりますので、しっかりこのバイバックについても、効果を出してきたいと思っております。

続きまして23頁でございます。こちらは現状のパイプラインでございまして、こちらもこの前、前期の決算説明資料よりもしっかり増加しているという形でございます。又、投資口価格というところは、かなり、ちょっと回復基調ではあると思っておりますが、完全回復に至っていないというところなので、今回はバイバックを選択させて頂いたというところもございます通り、こういった、この物件をどうやって組み込んでいくかというところは、1つ課題なのかなと思っておりますけども、昨年前期の決算説明会で、色々知恵を絞って新規の投資を考えていきたいというふうにお伝えしましたけども、その通りしっかりこのパイプラインを失わないような形で、将来しっかり投資口価格が回復してきた時に、組み込めるような色んな施策を考えていきたいと思っていまして、今、色々検討しているところという形でございます。

続きまして24頁、こちらは、今走っている40期の予想になっておりまして 今期については、今のところ物件売却を想定していませんので、売却益が剥落し、それによって分配金が減少する見込みとなっています。今々出させて頂いている予想には、バイバックの効果というのは見込んでおりません。実際どれぐらいの口数が買えるかというところも、まだ分からないところがございますので、こちらは40期、41期ともに、口数のところは現状のままの口数という形になっております。稼働率については 96.5%となっております。先ほど説明しました通り、笹塚については申し込みがしっかり入って来ているということで、先ず、この笹塚の申し込みをしっかり取り込むというところと、あとは、今、非常にマーケット関係も改善してきておりますので、しっかりリーシングの方を頑張って、賃料単価の増額とともにこの稼働率も達成していきたいと思っています。ファイナンスについては、ほぼ先ほど説明しました通り、この期につきましても、変動金利でのリファイナンスということを想定しております。ファイナンスについての前提については、次の41機のところで併せて説明できればと思っております。

次が25頁、こちらは41期の予測になります。この期は、先ほど説明しました通り達成したその賃料単価の大幅な上昇、2%の賃料増加を6ヶ月で達成したという形になりますが、加えて、昨年11月にSMBCから調達した資金による心築CAPEXの効果、これがしっかり利益成長として貢献してくるという見込になっておりまして、これによってNOIについては、40期に比べて2億円ぐらい成長するという形になっています。

40期、41期の金利の想定ですが、我々は1-MONTH TIBORをベースにファイナンスを取っていますが、これを85basisの想定と見ており、1-MONTH TIBORの水準が大体60basisぐらいですので、現状の1-MONTH TIBORに25basis乗せていると。当然、既存の変動金利分についても同じ1-MONTH TIBOR 85basisという形になっておりますので、その分が乗っているという形になっております。仮に、先ほど説明しました通り、この41期までを変動金利でリファイナンスした場合には、大体固定比率が80%超ぐらいになる見込みとなっております。

それで、42期以降でどういう戦略を取るのかと、つまり固定比率をどれぐらいでコントロールしていくのかというところは1つの論点であると思いますが、現状では、何パーセント以上は維持するというような方針は、明確には決めておりません。その時々のスワップコスト等を見ながら、ちょっと柔軟に考えていきたいと思っています。今々、やはりこのコストが結構高いというところと、あとは、我々先ほど、昨年来説明しています通り、B/Sについても一部物件の売却というのも機動的にやっていくと。それに伴って基本的には我々先ほど説明しました通り、物件のバリューを上げていくという形で、時価LTVをコントロールしていくという戦略ではありますが、場合によってはデット返済するというオプションも手元に持っときたいという考えはありますので、そういった意味では、やっぱり一定の変動金利のファイナンスというのは入れておきたいというふうには思ってはいます。

あとはそのコストとのバランス、ちょっとここら辺を検討しながら決めていきたいと思っています。ですので、特に41期ついては、今のところほぼ変動と説明をしましたが、場合によってはスワップコストが非常に魅力的な水準になってきた場合には、スワップして固定も考えると。そこは柔軟に考えていきたいと思っているところでございます。
駆け足になりましたけども、以上で40期、41期の予想も含めて今期決算の説明とさせて頂きます。有難うございます

<質疑応答>
Q:自己投資口取得についてですが、前回の説明である程度頭出しがあったというか、こういった方針でいきますという形でしたが、ここ 6ヶ月ぐらいで株価2割ぐらい上がっていて、過去3年ぐらいで見ると最高値近辺、一時的に大きく上がった時もありましたが、過去3年で見たらで見たら最高値近辺ですが、この状況でも自社株買いを決断されたっていうのは、資本コストと実物の不動産の利回りにはかなり乖離が残っているという、そのような認識でしょうか。あと、従来からすると運用の考え方がかなり変わっているような印象もありますが、そのあたりも、もし特別な背景なんかがあったら併せて説明頂ければと思います。
A:バイバックについてですが、ご指摘頂いた通り、直近、足元は、投資口価格がかなり回復はしてきております。今日91,000円弱ぐらいという形でございまして、かなりの回復でございますが、ご指摘頂きました通り、この投資口価格の状況でも、我々のインプライドキャップというところでいくと、ちょっとまだ、競争力のある物件を買うには、まだちょっとギャップがあるのかなという認識でございます。引き続き投資口価格も、NAVについて0.9倍弱ということで、我々もこのキャッシュをどのように使うか非常に悩ましいな、というふうに考えておりまして、ここはちょっと新規の物件取得よりも、この流れの中でバイバックからというふうに判断致しました。もうちょっと投資口価格が上がってきて、もう少しインプライドとかと、マーケットからしっかり競争力のある物件が買えるというところのギャップが縮まってくれば、B/Sの拡大という方向に舵が切れるのではないかなと思っておりますけども、 まあちょっと今回、我々も悩んだのですが、今期にてはバイバックするという形で判断をさせて頂いています。運用戦略が変わったというところについてですが、我々、何かものすごく大きく変えたという認識はそこまでなくて、基本的には我々のコアである心築によりバリューを上げていくというところがメインでございまして、ただ、やはり資本コストとか、そういった投資主価値の向上から必要とされる、そういった仕様をしっかり意識して、何を、どのような戦略を取るべきか、より考えているとうところでございます。ちょっとマーケットは回復基調になってきておりますので、今回、ちょっと我々のこういった戦略がしっかり評価されて、できれば又、規模とかB/S拡大という方向、流れになれば、我々としては有難い、嬉しいと思っているところでございます。

Q:14頁の賃料改定についての右側のチャートの月額賃料変動の推移で、今期は+738万円になっていましたが、半年前の予想時では156万円になっていたので、かなり上振れています。これは何か大口でインパクトの大きいやつが1個あって、ボーンと上振れたのか、 それとも、ある程度小さいものを積み上げていってこのような形になったのか、この背景についてご説頂きます。
A:賃料改定のところですが、こちらは細かなところの積み重ねもありますが、ご指摘の通り、大口のところで、大きなテナントで改定がありまして、そういった意味でグロスの賃料の増額というところについては、結構なインパクトがあったというところで、今回こういった大幅な増額になったとご理解頂ければと思います。

Q:増額の改定の比率ですが、据置というのがまだかなりの大多数を占めているという形にはなりますが、インフレの環境下でも、やはりこの増額改定の比率、81.9%が据置の数字と思いますが、ここが縮小して増額改定の件数、今17.7%になっていますが、この比率が上がっていく余地はあるのでしょうか。御社がターゲットとしているオフィスについては、テナントの賃料負担力等もあると思いますが、このへんの伸び代はやはり限定的で、先ほど言われていた戦略的CAPEXというのがメインドライバーになり得るのかというところでしょうか。一番聞きたいのはこの増額改定の17.7%という比率が伸びていく確証とか、今後の見立てがあるのかどうかをお聞かせ下さい。
A: 改定のところですが、ご指摘頂いた通り、まだまだ据置というところが多いというところでございまして、ただ、この据置の割合というのは徐々に縮小してきておりますし、段々と増額の部分が増えてきており、減額改定は1件のみということで、傾向としては、改定のところについてもモメンタム的言うと、期待できる水準になってきたのではないかと思っています。今走っている期でも、やはり都心部の物件に関しては、かなりの部分で増額改定ができてきていると思っておりまして、例えば恵比寿と銀座とか、そういった都心部のエリアについては、やはり基本的に増額改定という流れになってきているのではないかと思っていますので、ここは期待できるのではないかと思っております。今後の確証というところですが、ここは、我々は基本自信を持っております。ただ、どうしても普通借のテナントが、我々のポートフォリオの場合、ほぼほぼ占めておりますので、ここについてはやはり どうしても交渉が入るということと、どうしても何らかのCAPEXをして、それによって賃料を上げていくという方が、やはり効果は出やすいというところになっていますので、ちょっとそこら辺を我々としてはうまく使いながら、この改定のところをより目指していきたいと思っています。ですので、モメンタムとしては、非常に、特に都心部については自然体でも増額改定というのが非常に増えてきている、見込めるということと、あとはCAPEXをかけて共有部のリニューアルとか、そういったものをやって、しっかり上げていくと、この両輪でやっていきたいと思っているところでございます。

Q:戦略CAPEXの資金の融資についてお伺いしたいのですけれども、ちょっと素人ながら申し訳ありませんが、物件の取得時の借入と金利コストというのは変わらないのかということと、J-REIT初と仰って頂いたというその理由についてです。元来から心築CAPEXというのを御社が結構積極的にされていたので、今回J-REIT初となったのかどうか、この経緯についてご説明ください。
A:去年11月のSMBCからのファイナンスですが、基本は従前のアクイジションのファイナンスと、条件は大きくは変わらないという形になっています。期間も24年11月にコミットを頂いて、ドローダウンしてから7年ぐらいの期間が頂けるということで、長期という形でございます。我々がJ-REIT初と銘打ったのは、我々の認識なのでひょっとするとご意見があるかもしれませが、投資法人債等によって、所謂、物件のLCC 的なCAPEXコスト、これを調達したという例はJ-REITとしてもあると認識していますが、純粋に物件のバリューを上げるためのCAPEX資金のみの使途で、こういったファイナンスの枠を貰ったという例は、J-REITとしては例がないというように我々は思っていまして、今回J-REIT初とさせて頂いています。やはりこういったファイナンスの枠を頂戴できたのも、我々いちごオフィスもそうですし、いちごグループ全体としての、こういった新築に対する取り組みを銀行から評価頂いたと思っています。我々としては、このファイナンスを、できれば、可能であれば、毎年一定の枠で取っていって物件のバリューを上げていくという、こういった循環を作っていければと思っているところでございます。

Q:そうしますと、将来的には、手元キャッシュでCAPEXのためにリザーブしておく比率は減っていくということでしょうか。
A:どちらかというと、バリューアップのためのCAPEXについては、できれば我々としては、手元キャッシュよりもちょっとコストの低い借入を使ってきたいと思っています。ただ、一方、普通の建物のMaintenance CAPEXみたいなものは、一定程度、減価償却を超えて、少し若干発生するところもありますので、そこの部分については、引き続き減価償却プラスアルファみたいなところの資金を使っていくという方向になっています。ですので、ここら辺のLCC CAPEXの手当てがある程度ついてきた後は、できればこういったバリューアップ資金の部分はファイナンスで調達して、高いリターンを上げていくという戦略を取ってきたいと思っております。

Q:バリューアップ投資のところに入ってくるような気もしますが、先日、1月でしたか、渋谷の物件で、「築年数は経過しているけれども」というものがありましたけれども、かなりバリューアップという形で、シェアオフィスを作られるような形で内覧などもやって頂いた訳ですが、あのような形のシェアオフィスのニーズ、渋谷のエリアであれば東急不動産が一坪4万円以上というところを、御社はそれでも賃料は上げられるけれども、それなりに抑えてというようなところで、結構ニーズがあるということだと思いますが、結構こちら今16頁にも出して頂いておりますが、今、渋谷、天神、そして大手町という形になっており、今回、天神も入っていますが、地方でのシェアオフィスのニーズについてどのようなお考えなのか。その辺りかけられるかどうかというところがあると思いますが、どのようなお考えなのか教えて頂ければと思います。
A:まさに今回のいちご天神ノースビルは、元々住宅の区画でしたが、オーナーがおそらく住まれていた住宅をオフィスにコンバージョンして、更にセットアップオフィスという形で設定させて頂いたという事例になっています。地方でのニーズですが、東京の中心部に比べると、まだそこまで浸透しないというところはありますが、この天神に関しては、我々スポンサーグループで1件、 天神でセットアップオフィスをやりまして成功しており、そういった実績もあってチャレンジしたという形になっています。福岡でいうと、比較的、ちょっとセットアップオフィスも増えてきているというところはありますが、まだやはり、エリアとか面積帯とか、そういったところは絞ってやっていく必要があると思っておりまして、ちょっと我々としては、又、手探りしながらやっているという形でございます。ですので、東京ではセットアップオフィスというものがかなり一般化してきておりますし、全体としてオフィス、人材の採用というところもかなり直結してきておりまして、特に新興企業とか、これから成長していきたいと思っている企業にとっては、非常に受け入れられ易くなってきておりますので、主要な都市圏では、これからニーズがしっかり出てくるのではないかと思っていますので、我々が保有している物件でも、そういった立地ですとか面積帯の規模感ですとか、そういったものがあてはまるところについては、チャレンジしていきたいと思っているところでございます。
質疑応答はこの辺りで終了させて頂きます。
以上を持ちましていちごオフィスリート投資法人、2025年4月期 Web決算説明会を終了とさせて頂きます。追加のご質問等につきましては、画面に表示されております問い合わせ先のいちごオフィスリートIR デスクまでご連絡をお願い致します。
本日はお忙しいところご参加を頂き、誠にありがとうございました