いちごオフィスリート投資法人 2024年4月期
いちごオフィスリート投資法人
2024年4月期(第37期)決算動画説明書&質疑応答
○動画 https://www.youtube.com/watch?v=_a-Kim97rmk
○説明資料
https://www.ichigo-office.co.jp/pdf/ir/library/202404/IchigoOffice_20240614_Corporate_Presentation_JPN.pdf
○説明者 いちご投資顧問株式会社
代表取締役社長執行役員 岩井 裕志
副社長執行役員オフィスリート本部長 加茂 勇次
○説明
2024年4月期決算のご説明資料で説明させて頂きます。
7頁、2024年4月期の決算ハイライトでございます。当期におきましては、先ず、資産譲渡をさせて頂いております。いちご大船ビルでございます。売却価格が24億円でございます。鑑定評価額比11%の価格での譲渡となっております。譲渡益3億円を獲得することができております。利益成長につきましては、NOIにつきましては期初予想比+2.1%となっております。
先ほどの資産譲渡とNOIの向上等を加味しまして、当期純利益につきましては、期初予想比+13.4%で決算を終えることができております。財務につきましては、借り換え、リファイナンスを29億円実施しております。更にスポンサーからのValue Add CAPEX資金、心築CAPEX資金として、投資法人債3.5億円を調達しております。その結果、一口当たり分配金が2,199 円ということで、前期+4%、期初予想比9.6%となりました。巡航EPUも伸ばすことができまして、1,982円ということで、前期比+0.3%、期初予想比+2.4%でございます。更に一口当たりNAVも向上させることができまして、100,189円、前期比+2.6%でございます。鑑定評価については、先ほど申し上げましたスポンサーからのValue Add CAPEX資金を調達して、そこで収益を向上させたいちご笹塚ビルの評価額の向上が、非常に強かったというところで、NAVをしっかり伸ばすことができております。
では次の8頁、決算の内訳でございます。こちらは先ほどのハイライトで申し上げました通り、当期につきましては一口当たり分配金が期初予想から+193円、+9.6%でございます。伸びた理由につきましては、ハイライトで説明させて頂きました通り、先ず、物件の売却の売却益306百万円、それとNOIの上振れ。期初予想から115百万円上振れたというのが原因でございます。更にNOIの内訳を見て頂きますと、右側に差異要因というのがございますが、不動産賃貸事業収益につきましては、期初予想から161百万円ほど下振れをしております。
ただ、その下振れした殆どの理由が水光熱費の減少ということで、-200百万円となっております。水光熱費につきましては、支出の方も同様に下がっておりまして、結果的にはネットすると、プラスということになっております。賃貸事業収入については、期初予想比で7百万円ほど下がっております。主な理由は稼働率です。期初予想と比べて稼働率が届かなかったというところが要因でございますが、こちらも、期末の月額賃料を見ますと、後ほど説明致しますが、稼働は下がっておりますが賃料単価が上がっておりまして、前期末と比べますとしっかり伸びているという状況でございます。更に当期につきましては、物件売却益の一部、101百万円ほどについては、翌期以降の成長施策のために、積立をさせて頂いております。
続きまして 9頁でございます。財務諸表の推移ということで、コメントにございますが、時価LTV低減等盤石な財務基盤の堅持と資産価値の向上というところでございます。こちら、私共の方でしっかりレビューさせて頂きたいのが一口当たりNAVの向上でございます。上場来最高額でございまして、10万円を超えることができました。更にこの資産価値を上げることによって、時価LTVが低減しているというところでございます。このLTVの低減、保有資産価値の向上を利用して、レバ余力というかそういうものをしっかり使って、次回以降の成長にしっかりと生かしていきたいと思っております。有利子負債につきましては、引き続き長期化、固定化を進展させているということでございます。
次の10頁、いちごオフィスの一口当たりのNAVでございます。こちらに記載しているグラフは、いちごオフィスがオフィス特化型リートに展開した後の推移でございます。オフィス特化型になった後の年平均の成長率は+4.3%でございますが、直近5年では、コロナ等がありまして不動産の伸びが鈍化したこともあり+2.6%でございますが、当期につきましては、1年間の成長率が+3.7%としっかりと上げることができております。色々な施策を講じて、NAVをしっかりと上げることができたと考えております。
当期の施策および今来期以降の施策につきましては、本部長の加茂から説明させて頂きます。
11頁ですが、こちらは、当社のトータルリターン(TSR)についての結果でございます。ご覧のように、直近1年のTSR が-3.3%、東証リート指数に対してアンダーパフォームしているということで、この点については大変申し訳ないと思っているところでございます。ただ、見て頂ければお分かりいただけると思いますが、配当利回りは、2023年4月末の株価を基準としておりますが、こちらと年間の配当を組み合わせた配当利回りが4.9%。それから先ほどご説明しましたように、この1年間でNAVを3.7%上げたということで、合算した分配プラス、NAVというのを我々は理論株価と認識しておりますので、この理論株価を合わせた理論TSRでいうと、8.6%ということで、我々は8%以上というところを1つのベンチマークとしておりますが、運用サイドとしては、しっかり運用の結果を出させて頂いたと認識しております。ただ、結果として東証リート指数にアンダーパフォームしたというのは事実でございますので、この点はしっかり今期以降、施策を進めてまいりたいと思っております。
続きまして12頁目になります。こちらは先ず、平均賃料単価を見て頂きますとしっかり上昇できているということが、見て頂ければと思います。特に都心6区の上昇が大きく寄与しているということで、この点につきましては後ほど説明させて頂きますが、心築CAPEXの投資効果というところが、しっかりと出てきているとご認識頂ければと思います。一方稼働率ですが、計画に対して0.1%ほどのビハインドで着地しております。こちらの理由ですが、後ほど詳細は説明致しますが、いちご笹塚ビルのリーシングにつきまして、若干計画値よりもリーシング速度が遅れたというところが影響しております。
いちご笹塚ビルは、心築CAPEXを投資して、成約賃料単価につきましては大幅な上昇しております。鑑定評価額も大きく上がっていますが、直近で、近隣の競合物件でも大規模な空室が出ておりまして、その影響が若干リーシングのスピードに対して出ているということで、若干稼働率がDelayしたという結果でございます。あと、フリーレントを見て頂きますと、若干期間が伸びていることを見て頂けるかと思いますが、こちらは今期、従前からリーシングに苦戦した案件につきまして、戦略的にフリーレントを付与してリーシングを行いました。具体的には、従前から説明しておりますいちご三田ビルとかいちご本郷ビルとか、こういった区画分割が難しい、150坪程度の面積でリーシングしないといけないというところで、こういった物件はやはりリーシングに苦戦していたのですが、こういった物件にフリーレントを比較的に多めに付与することでリーシングを行いまして、これらの物件は期末稼働率ではしっかりと90%以上を達成しているという状況でございます。
続きまして13頁目です。先ほど岩井の方からも説明がありましたけども、稼働率は若干低下しましたけれども、この後にも説明させて頂きますが、入替、それから改定等での賃料増額により、期末の賃料収入の上昇をしっかり達成しているという状況でございます。
続きまして14頁目です。見て頂きますと、新規成約の8割が増額入替ということで、しっかり成果が出ているということでございます。主要な増額の入替としましては、先程から説明させて頂いているいちご笹塚ビル、又、こちらも心築CAPEXを投資した中目黒ビルこれらが挙げられるという形でございます。具体的な内容については、後ほど説明させて頂きます。今期、若干減額入替が出ておりますが、こちらはコロナ禍において、感染対策等の観点から、資金を分散化させたいということで、入っておられたテナントの本社近くでサテライトオフィスみたいなものを至急探すというニーズがあり、マーケット賃料を超える条件で入居頂いている先があったのですが、そういった先が退去に伴って、どうしても入替による賃料の減額というのが出てしまうということで、一部こうした減額がでたという状況でございます。
続きまして15頁目ですが、見て頂きますと、減額改定がなかったというところを、先ず、見て頂ければと思います。そして、増額改定の割合も増加しております。今期の主要な増額改定ですが、こちらにつきましても、心築CAPEX投資というのが、非常に大きく寄与しています。後ほど説明致しますが、いちご笹塚ビル1階部分の賃料改定、池袋イーストビル等の増額改定が挙げられるという形でございます。
続きまして16頁目になります。こちらが従前説明しております心築CAPEX投資の効果です。スポンサーから昨年11月に3.5億円を調達し、その資金を使っての投資です。本件の取り進めについては、前回の決算説明会において投資効果として、ROIで10%以上が見込めると説明させて頂いておりましたが、現状では30%程度のリターンを出せると思っております。これにより、今期もしっかりNAVを上げられておりますが、來期以降もNAVおよびDPUを成長させて生きたい、そしてしっかり投資主へのリターンを上げていきたいと思っております。こちらの詳細については、次の頁以降で説明しますので、そちらをご覧頂ければと思っております。
17頁目が、先ず1件目、いちご中目黒ビルでございます。こちらは、我々が得意とするレイアウトオフィスを設置しまして、賃料単価で、従前+71%で新しいテナントを誘致することができました。加えて、写真の部分にエントランスが映っていると思いますが、我々の方で、エレベーターから出たところから、テナントの空間としてしっかり訴求できる形でリニューアルさせて頂いたということもあり、賃貸面積を従前より少し増やしてお貸しできるようになったということで、賃料単価では7割の増ですが、賃料収入ベースでは2倍に増えているという形で、非常に大きな成果が出ております。
次に18頁目、いちご笹塚ビルです。こちらは、従前から、今回の心築CAPEX投資の目玉案件であると説明しておりました。本物件の経緯を改めて説明しますと、本物件は1階の一部と3階から10階を借りて頂いていたテナントが退去されました。面積で1,150坪ぐらいです。このような大型テナントが退去されましたので、稼働率は一時的に4割程度までの下落が見込まれましたが、既存のテナントの賃料が、マーケット、その他に比べ割安だと思っておりましたので、我々としては逆に物件価値を上げるチャンスと思い、物件に心築CAPEX投資を行うことを決定しました。
結果的には、1階部分に関しては、賃料単価で従前から85%で成約をしております。3階から10階のうちの3フロアについては、賃料単価で+25%で成約をしております。現状、退去した1,150坪のうち550坪ぐらい、45%ぐらいはリーシングが完了しておりまして、40%程度まで下落する見込みだった稼働率が、大体70%ぐらいが見込めているという状況です。先ほど説明しました通り、近隣の大型空室の影響もありまして、残りのフロアについては、当然賃料単価のアップを目指していきますが、賃料のところも、場合によっては若干柔軟に考えながらリーシングをしていきたいと思っております。そこを少し柔軟に考えたとしても、1階部分、4階部分の今回のリーシングで、非常に大きな成果が出ており、ROIについては36.8%程度を目標としていきたいと思っております。加えて、1階部分については、既存のテナントの賃料改定もありまして、こちらにつきましても、従前から56%の増額での賃料改定ができております。この笹塚に関しては、これらの取り組みにより、鑑定NOIが大体40百万円ぐらい上昇しておりますので、それに伴い評価額が16%ぐらい、金額にして10億円ぐらい単体で上がっているという状況でございます。
続きまして19頁目以降ですが、今後の成長に向けての取り組みということで、纏めさせていただいております。
20頁目が、直近のスポンサーサポートの一覧となっております。見て頂きますと、いちご株式会社、それから、いちごトラストを記載しておりますが、いちご株式会社からは優良物件の提供、それから、先ほど来、説明しております心築CAPEX資金の提供。いちごトラストからはブリッジファンドの出資、第三者割当増資の引受と、非常に強力なサポートを頂いております。特に、いちご株式会社からの心築CAPEX資金の提供につきましては、期間10年で固定金利1%という、非常に高いコスト競争力の資金となっております。先ほど来、説明しておりますが、長期固定で1%というコスト資金を使って、ROIが30%の投資効果を出しているという形になりますので、非常に高い投資効果となります。
直近の長期金利の状況等考えますと、この心築CAPEX投資資金ファイナンスのファイナンス単体のリターンでは、とてもスポンサーのエコノミクスは成り立たないと思います。何ゆえにこのような取り組みができるかというと、スポンサーグループが、ここにも記載しておりますが、しっかりと我々の投資口を保有し、且つ、運用報酬が完全成果型です。投資主価値とスポンサーサイドが、完全に、非常に高いセイムボート性を確立しているという、当社グループだからこそできるモデルではないかなと思っている次第です。
続きまして、21頁目になります。こちらは4月の取得発表の際にも説明致しましたが、改めて今回の戦略的な譲渡と、第三者割当増資による物件取得について説明させて頂ければと思います。先ず、いちご大船ビルの譲渡ですが、こちらの物件は、JR大船駅至近の、非常に好立地にありますが、築年が50年と経過しておりまして、加えて主テナントがメガバンクの銀行店舗でしたが、今般退去されました。従前の磯子の物件の売却の際にも説明させて頂きましたが、銀行店舗というのは面積が大きくて賃料単価も高いので、退去された後のリーシングおよび競争力の回復というのが課題の物件でございました。
ただ、退去区画の一部は、当社のリーシング活動によって、比較的短期間でテナントを決定することができたということで、加えてこの物件の立地の良さも評価頂いて、しっかり鑑定評価額以上での売却というのを実現できております。そして。いちご九段二丁目ビルですが、こちらの物件は、取得時から入居しておりました1棟貸しのテナントが退去されたという後で、当社の方でエントランスとか共用部のリニューアル工事を実施致しました。その結果、従前の賃料単価に対して38.5%増でのリーシングというのを成約できております。そういった我々の運用力を評価頂き、結果、鑑定評価額の1.7倍、想定帳簿価格の2.7倍という非常に高いプライスでの売却を実現できておりまして、こちらも皆様に還元させて頂く予定であります。この2物件の譲渡により回収できた資金を最大限活用しまして、第三者割当増資の資金調達を組み合わせて、後ほど説明致しますが、東京都心部、それから、福岡の中心部に所在する6物件、154億円の中規模オフィスの取得を決定しております。
続きまして、22頁です。こちらが今期の第三者割当増資の概要になります。説明しましたように、2物件の譲渡により回収した自己資金を最大限活用しまして、調達するエクイティ金額を抑えております。どうしても公募増資を行うといった場合には、調達するエクイティの金額の多さに関わらず、一定の固定コストが発生しますので、今回のように調達するエクイティの金額が少ない場合には、相対的なコスト負担率が高くなり、その分既存の投資主の皆様への影響が高くなるということがございます。あと、今のようなマーケットの地合いが良くないという状況ですと、ブックビルディングの期間に、どうしても投資口価格は下落しますので、こういったところも考慮しますと、今回は、この第三者割当増資という形で資金を調達して物件を取得するのがベストであろうと考えた次第です。投資口数とか発行口数とか発行金額については、ご覧頂ければと思います。
続きまして、23頁目です。こちらが、今回、第三者割当増資を使って取得した物件の概要です。見て頂ければお分かりのように、東京都心部、それから福岡市中心部の好立地のポートフォリオでございます。東京は秋葉原、五反田、大手町。福岡は天神エリア、それから博多駅エリアと天神エリアの間に位置する、ビジネス立地の祇園呉服町というような、当社が得意とする好立地の中規模ポート不フォリオを取得しております。取得発表の説明動画でも説明させて頂きましたが、我々としては、我々が運用対象としております中小型オフィスは、今後資産価値の向上が見込めるセクターであると思っておりまして、積極的に投資をしていきたいと思っております。
その理由としては、先ほど来説明しております通り、リーシングが非常に堅調であり、97%ぐらいの稼働率をしっかり維持できており、賃料の上昇も見られるという形でございます。あと、やはり、昨今の建築コストの高騰の影響が非常に大きいと思っておりまして、今の土地値と上がった建築コストの環境下では、我々が主要なターゲットとしております、賃料坪単価で大体1万円代半ばから2万円ぐらいのオフィス物件の新規供給は、かなり難しいであろうと思います。
どうしても、色んなデベロッパーも開発する時に、賃料で2万円半ば以上をつけないと、どう考えてもエコノミクスが合わないのではないかと思いますので、且つ、この建築コストの高止まりの状況は、少なくとも暫くの間は続くであろうと思っております。こういった形で、しっかりリーシングの需要は堅調で、且つ、新規物件の供給制限があるマーケットであると思っておりますので、逆に言うと既存資産の価値、当然立地とか区画分割ができるかとかの色んな特性は見なくてはいけませんが、そういったところをしっかりと見極めて買えば、この既存資産の価値はしっかりと上げていけると思っております。そういった背景から、今回、売却した資金を最大限活用して、第三者割当増資も使ってこの6物件、154億円を取得したという形でございます。
次に24頁目、心築計画についてです。こちらも取得発表の際に、個別に説明させて頂いております。こういった形で、取得後に大きなバリューアップ、心築余地のある物件を取得しております。取得発表の動画でも個別物件ごとに説明させて頂きましたので、ここでは物件個別の説明は控えようと思いますが、見て頂ければお分かりのように、取得においては具体的なビジネスプランをしっかり立てて、しっかり運用して価値を上げていこうと思っておりますので、是非、期待頂ければと思っているところでございます。
次に25頁目、スポンサーパイプラインでございます。これはスポンサーサイドで持っているパイプラインですが、合計14件、約646億円のパイプラインでございまして、今回一部物件、150億円ぐらい取得しておりますので、こうした物件が抜けておりますが、過去の資料と見比べて頂きますと、新たに加わっているという形です。又、取得が完了していないものもありますが、今、スポンサーの方でこれに加えて150~160億円ぐらい、エリアとしては東京、名古屋、大阪の優先交渉権を保有しておりますので、こういったところも入ってくれば、この約650億円が800億円ぐらいになっていくという形で、スポンサーのパイプラインもしっかりあるとみて頂ければと思います。
最後に26頁の24年10月期と25年4月期の予想ですが、こちらは岩井の方から改めて説明させて頂ければと思います。
26頁をご覧下さい。24年10月期の予想です。コメントにもあります通り、譲渡益の計上および取得物件の収益寄与によって分配金は2,683円を想定しており、前期比+22%でございます。こちらは、物件譲渡の時にも収益想定を出しておりますが、前回予想から+3円、+0.11%と微増させて頂いております。コメントにあります通り譲渡益、先ほど説明しましたいちご九段下2丁目ビルの譲渡を行ったというところと、前期の大船ビルの譲渡益が剥落しておりますが、それ以上の譲渡益があったといところでございます。更に先ほど説明のあった物件取得、それと既存物件の稼働率の上昇によってNOIの上昇を想定しております。期末稼働率97%を目指すというような想定にしております。
続きまして27頁、25年4月期の予想です。簡単に説明させて頂きますが、分配金が2,102円というところで、前期予想から比べますと-581円とビハインドしますが、要因としましては、譲渡益の剥落でございます。ただ、取得アセットが通期インパクトしますし、稼働率が前期97%まで上げて、当期については97%を維持するというような想定にしております。これによって、巡航EPUをしっかり成長させるという計画を立てております。
以上簡単ですが、向こう1年間の予想になります。
<質疑応答>
Q:25頁にあるパイプライン物件の今の状態、例えばスポンサーの資金を使いながらCAPEXで投資効率30%出た物件があると思いますが、このパイプラインに入っている物件というのは、同じようなことが期待できるのでしょうか、スポンサーの方で、ある程度バリューアップされていると思いますが、リートに入ってからももう一段伸び代があるというイメージなのか、リートに入った際のアップサイドについてお伺いしたいと思います。
A:パイプラインのバリューアップ余地ですが、十分あると認識しています。当然スポンサーの方でも要求リターンを上げるというのは当たり前のことですので、投資をして価値を上げるというのはありますが、いちごオフィスリートの特徴、我々グループのリートの特徴としては、スポンサーもしっかり投資口を保有して、且つ、運用報酬は完全成果型となっているという形ですので、全てをバリューアップして、上がった効果を見込みで我々リートに売却するのではなく、まだまだバリューアップの余地のある物件を買わせて頂いて、そこらにCAPEXをかけて価値を上げていって、又、投資口価格も上がり、運用報酬も上がるというモデルを追求しておりますので、そういった物件がこの中に多数あると思って頂ければと思いますので、今回取得しました6物件のように、取得する時にはしっかりとビジネスプランを提示させて頂ければと思っています。
Q:中規模オフィスとかで、最近セットアップオフィスが事例として増えていて、上場会社でいうとサンフロンティア不動産の物件とか、スポンサーも一部福岡とかでセットアップを図って賃料を上げている事例もあるかと思いますが、そういうところは、結構、スタートアップとかシェアオフィスに行くようなテナントが入ってくるとかの効果とか、又、それに近いような事例もあるかと思いますが、こうしたセットアップ化を加速する余地があるのか、メリット、デメリットはあるかと思いますが、そのあたりについてコメント頂ければと思います。
A:セットアップの加速余地についてですが、我々はレイアウトオフィスと銘打ちまして、実は結構前からセットアップオフィスのような、言葉の定義の問題はありますが、取り組みはさせて頂いております。ご質問にあったように、スポンサーの方でも色んな物件でセットアップオフィスを展開しております。これは、スポンサーと我々はいちご投資のノウハウの共有化というところに繋がります。当然、スポンサーサイドの物件でも、このセットアップオフィスが非常に成功した案件もあれば、リーシングはできたものの想定までの成功まではいかなかったとか、色んな案件がありまして、我々なりの勝ちパターンとか、そういったものはグループの中に蓄積されてきます。我々も8万坪ぐらいの賃貸面積がありますが、そういった中で、セットアップの商品化ができるような区画には積極的に投資を行って、セットアップオフィスをやっていきたいと思っているところでございます。
Q:「東証リート指数に対してアンダーパフォームしている、又、トータルリターンが少し低迷しているので、しっかり施策を行っていく」との説明でしたが、全体を伺っている限りでは、入替投資を進めるとかCAPEXを継続するとか、従来の基本方針から特段変わってくるような内容ではなかったと思うのですが、ベースの考え方として、今までと同じことを愚直にやっていれば、そのうち評価が戻ってくるというお考えなのか、それともアウトパフォームするためには具体的に、根本的な変化を加えていくというようなことを考えられているのか、説明頂ければと思います。
A:今までのやり方で良いのかというところは、我々も常に考えております。今は、実績を見て頂くしか、勿論それだけではないのですが、先ずは今回の発表の実績を見て頂ければと思っておりまして、しっかりCAPEXに関しましてもROIで高いリターンが出せており、売却も九段2丁目を初め、かなりのSpecial Priceでの売却をしております。物件の入替においても、取得した物件も立地等に関しては、正に我々の求める物件を購入できておりますので、買う物件も含めて今までと同じで良いのかとのご指摘はあると思いますが、先ずは、我々の取り組み、CAPEXをかけてしっかり資産価値を上げていく取り組みを続けていきたいと思っております。ただ、このままで良いのかというところは、当然我々も考えていかないといけませんので、ご指摘はごもっともだと思いますが、しっかり今今の効果、運用という意味での効果は出せておりますので、少し見て頂いて、継続して我々の方としましては、何をすべきか考えていきたいというところでございます。
Q:トータルリターンに関する説明のところで、理論トータルリターンという分配金利回りプラスNAV成長率というのを、今回初めて伺ったように思うのですが、こういう考え方をベンチマークにしていくというのは、従来から説明されていたのか。あと、NAVは重要だと思いますが、私募ファンドではないので、株価というのが投資家にとっては、上場リートの投資家にとっては一番重要で、ちょっとここに対する意識が下がっているように見えなくもないので、なんで今回こういう説明をされたのか、その背景を説明頂ければと思います。
A:理論TSRのところですが、従前説明していなかったとのことですが、1年前の決算説明会資料に、トータルリターン8%以上というKPIを提示させて頂きました。その時に、トータルリターン8%というのは妥当なのか、数値としてどうなのかという質問を頂きまして、その時私の方で回答させて頂いたのが、仮にこの8%を分解した時に、分配金利回りが5%だとすると、NAVを年間3%上げることだと、NAVが理論株価かどうかは色々ご意見もあるかと思いますが、我々は、NAVは理論株価と思っておりますので、分配金5%プラス毎年NAVを3%上げますと。今の高止まりしている不動産マーケットの中で、NAVを年間3%上げるというのは決して容易ではなく、この8%というリターンは結構チャレンジングで、しっかりとした投資指標であると説明したと記憶しております。そういった点で、今回、理論トータルリターンという形の指標を使わせて頂いたという認識でございます。株価のところは、おっしゃる通りなかなかこう、とは言ってもこの実質的なトータルリターンが弱じゃないかというところも事実だと思っております。
Q:スポンサーに第三者割当をして外部成長をしたということですが、これは今後も続けて行かれるのか。これを続ける限りだと、自社株買いというのは期待できないと理解していますが、この理解で正しいのか確認をお願いします。
A:自己投資口買いをするのかというところですが、第三者割当増資という形を使うのか、入替で買うのか色んな議論があると思いますが、先ほど説明しました通り、我々としては、中小型オフィスというのは将来性が高いと思っておりまして、需要の部分、それから先ほど説明しました供給制約がありますので、今回取得した6物件のような非常に良いポートフォリオを買えるチャンスがあるであれば取得をしたいと思いまして、今回この6物件を取得しました。ただ、当然、先ほど説明しましたように評価が上がっていくと思っておりますので、それを加味しますと、逆に言うとマーケットから物件が買い難くなるかもしれません、スポンサーも含めて。そういった状況も想定されますので、そういった状況になった時に、資金をどう使うかという時に、自己投資口買いも一つの選択肢として出てくると思っているところでございます。
それでは、質疑応答はこの辺りで終了させて頂きます。
本日はお忙しいところご参加頂き、誠に有難うございました。