日本ロジスティクスファンド投資法人 2023年7月期決算概要

日本ロジスティクスファンド投資法人
2023年7月期(第36期)決算動画説明書
○動画   https://net-presentations.com/8967/20230915/hjhdksalf/
○説明資料 https://ssl4.eir-parts.net/doc/8967/ir_material_for_fiscal_ym/141610/00.pdf
○説明者  三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社 
代表取締役社長 鈴木 靖一
○説明 
2023年7月期(第36期)の決算について説明を始めます。
3頁をご覧下さい。冒頭で少々お時間を頂き、私から投資家の皆様に、今後のJLFの運営方針について一言申し上げたいと思います。私は、これまで、不動産の開発に加え、複数の不動産ファンドの運用会社に出向し、私募ファンド、私募リート、上場リートの運用に携わり、物件の取得、売却、開発、運用、ESG推進などの実務に、幅広く携わってまいりました。JLFの運営にあたっては、これまでの経験を総動員し、環境の変化に関わらず、JLFが投資家の皆様から選ばれ続ける銘柄であり続けるよう、職務に邁進してまいります。JLFでは、上場以来、一口当たり分配金とNAVの安定と持続的成長を追求してまいりました。今後もこの方針に変わりはなく、更なる投資主価値の向上を目指してまいります。近年、インフレや金利上昇など、リート運用を取り巻く環境は不確実性を増しておりますが、既にJLFの資産運用会社である三井物産ロジスティクス・パートナーズでは、この3年間において、人員を1.5倍以上に拡充し、組織体制や業務推進プロセスの変革の推進によって、そうした環境の変化にも柔軟に対応し、更なる成長を実現するための体制が整いつつあります。今後につきましては、この強化された体制によって、投資戦略、ポートフォリオ戦略、財務戦略、ESG戦略、夫々において、より自立的、主体的な運営を推進してまいります。好調な内部成長、安定的な財務運営に加えて、特に外部成長につきましても、共同開発案件における開発やリースアップを着実に進めることで、取得の蓋然性を高めることや他プレイヤーとの相対取引等の多様なアプローチを駆使して、資本コストに配慮したDPUとNAVの安定と成長に資する物件パイプラインの拡充を、着実に進めてまいります。JLFの18年にわたる運用実績に裏付けされた質の高いポートフォリオと、今後も環境変化に柔軟に対応することで、一口当たり分配金、NAVの安定的な成長を通じて、投資の価値の最大化を目指してまいりますので引き続きご指導ご支援のほど宜しくお願い申し上げます。

それでは6頁をご覧下さい。本投資法人では、上場以来、一口当たり分配金とNAVの安定と持続的成長を追求してまいりました。2022年1月期の決算説明会にてご説明した成長戦略、 デベロップ・ザ・バリューにおいてもこの方針に変わりはなく、更なる投資主価値の向上を目指してまいります。DPUに関しては、頁上段に記載の通り、2023年7月期の実績は、予想を21円上回る5,151円となりました。又、巡航DPUについては、インフレによるコスト増加や金利上昇などといった逆風が吹く中、柔軟な対応でこれらの影響を低減するとともに、それを上回る賃料増額といった内部成長を継続することなどにより、1年前の決算説明会にて示しました5,130円から50円アップの5,180円に増加しました。今後につきましては、好調な内部成長に加え、着実に進展している物件パイプラインを適切なタイミングで取得することにより、外部成長を実現し、引き続きDPUを安定的に成長させ、目標としている5,600円から5,700円の達成を目指してまいります。又、頁下段に記載の通り、一口当たりNAVに関しても、業界最高水準の含み益率は更に増加し、58.1%となり着実に成長しております。今後も、含み益を確保した物件の取得や、効果的な運用による既存物件の価値向上により、着実な成長を目指す方針です。

7頁をご覧下さい。JLFでは上場来、スポンサーからの物件取得だけでなく、常に創意工夫をしながら成長してきました。JLF自らが自立的、主体的に考え、多様かつ独自のアプローチで不動産運用を行うことで、優位な利回りでの取得が可能な共同開発や、好立地のポートフォリオなどといったJLF独自の優位性を築いてきました 。デベロップ・ザ・バリュー戦略においても、JLFの優位性を活用することに加えて、外部環境が不透明な状況が続く中でも、あらゆる事業環境を想定し、リスクの低減と成長機会の獲得ができる戦略を推進することで、DPUや一口当たりNAVといった投資主価値の安定的な成長を目指してまいります。具体的な内容については、次頁以降で投資戦略、ポートフォリオ戦略、財務戦略、ESG戦略の夫々につき説明致します。

9頁をご覧下さい。先ず、投資戦略について説明致します。JLFでは、スポンサーが開発した物件を定期的に取得する戦略とは一線を画し、様々な創意工夫により、開発案件をはじめとする多様かつ独自のアプローチで、取得機会を創出する戦略を推進しております。頁上段に記載の通り、様々な取得手法を組み合わせることで、収益性と安定性の確保を両立するとともに、資本コストに配慮し、DPUの安定と成長に資する物件を確保することを、物件取得における基本方針としております。又、不動産売買市場の環境変化に応じて、これらの組み合わせ、注力分野などにつき、自律的、主体的に変化させてきました。足元は、物件価格が引き続き高水準で推移していることを踏まえ、相対的に高い収益性が期待できる事業パートナーとの共同開発や、ソーシングネットワークを生かした、他プレイヤーとの相対取引を注力分野とし、パイプライン構築を進めております。

10頁をご覧下さい。注力分野である事業パートナーとの共同開発は、本投資法人が案件のソーシングやリーシングといった開発プロセスに主体的に関与し、事業パートナーと共同で新規に物件を開発することで、通常、スポンサーやデベロッパーが享受する開発利益を事業パートナーとJLFでシェアすることにより、構造的に優位な利回りでの物件取得を可能とする取り組みです。右下に、共同開発案件のパイプラインの利回り感について記載しておりますが、鑑定NOI利回りは、平均4%台後半を確保しており、J-REITにおける直近の物流施設取得実績や、市場での取引利回りと比較して、高い利回りとなっております。又、実際の取得にあたっては、インプライドキャップレート等の資本コストに十分配慮した、利回りでの取得を目指す方針です。

11頁をご覧下さい。こちらの頁には、パイプライン案件の一部を記載しておりますが、竣工済みや竣工間近のパイプラインが増加するとともに、リースアップも堅調に進んでおります。パイプラインの拡充に関しては、従前より説明しております通り、人員の拡充や業務推進プロセスの変革などによる物件取得体制の強化により、情報取得件数や検討案件数が増加するなど成果が現れてきており、一覧表に新たに追加した、北海道案件などといった 新規パイプラインの獲得にも繋がっております。

12頁をご覧下さい。物件パイプラインの一部を紹介致します。いずれも物流ニーズのあるエリアで、中長期的に安定的な収益が期待できる物件です。左上の尼崎物流センターは、リース会社を事業パートナーとした、テナントリーシング完了済みの共同開発案件です。鑑定評価額より10%から15%程度ディスカウントされた価格で取得予定です。右上の一の宮物流センターは、当社が土地をソーシングし、デベロッパーと共同開発を進めている案件です。 工事は順調に進捗しており、本年中に竣工予定です。又、リーシングについては、申し込み ベースで91%まで進捗しております。左下の福岡大刀洗物流センターは、建設会社を事業パートナーとした共同開発です。7月末に竣工し、8月1日より満床にて稼働を開始しております。右下の石狩物流センターは、当社独自のネットワークを活用した他プレイヤーとの相対取引案件です。こちらも100%稼働となっております。このようにJLFでは、相対的に優位な利回りでの物件取得が可能な、共同開発案件を中心に、物件パイプラインの積み上げが着実に進捗しております。

14頁をご覧下さい。ポートフォリオ戦略について説明致します。テナントとの再契約交渉については、引き続き好調を維持しており、頁左側に期ごとの賃料変動率、右側に直近の事例と賃料増額のインパクトを記載しておりますが、しっかりと賃料増額ができており、2021年1月期以降の共益費込み賃料の増額は、累計で一口当たり176円となり、内部成長の効果が着実に現れております。引き続き、既存の契約賃料とマーケット賃料にレントギャップがあることから、今後も周辺の賃貸市場、そしてテナントの動向等をしっかりと分析し、戦略的なテナント交渉を行うことで、目標としている平均3%から4%以上の賃料増額を、しっかり達成できるよう再契約交渉を進めてまいります。

15頁をご覧下さい。2023年7月期末のポートフォリオ稼働率は100%で、引き続き高水準を維持しております。又、契約満期の分散化を進めており、テナント退去が集中するリスクの低減も図っております。2021年1月期から2024年1月期の再契約率は、92.1%と高水準ですが、一方で退去となった場合のリテナント対応においても、テナントの使用状況や拠点戦略等を把握し、退去の可能性を早期に把握することや、効果的な後継テナントのリーシング活動を通じ、平均ダウンタイム0.2ヶ月とスムーズなリテナントを実現しているうえ、 リテナント前後の賃料比較において、4.2%の賃料増額に成功しております。

16頁をご覧下さい。JLFでは、戦略的なテナント交渉を通じた賃貸借契約条件のコントロールを推進し、賃料増額の獲得や将来の増額機会の獲得、そして安定性の確保を推進し、環境変化への体制強化を進めております。契約交渉に際しては、周辺の需給動向等を考慮したうえで、競争力の高い物件に関しては、レントギャップと契約期間に応じた、将来の契約賃料を考慮した市場賃料を考慮した交渉を行っております。具体的には、インフレなど将来の市場賃料の増加を考慮した賃料での、長期契約の締結を提案、又は、契約期間の短期化を提案することで、今後の再契約に伴う賃料増額機会を確保するといった対応を進めております。尚、足元の契約期間は4.3年と、ポートフォリオ全体での9.4年に対して短期化の傾向にあり、再契約、リテナントに伴う賃料増額機会を狙っていきます。加えて、一部物件におけるCPI連動条項の導入を進めており、2023年7月期も新たに1件、アップサイドオンリーのCPI連動条項の導入実績が積み上がっております。その他にも、普通借家契約の定期借家契約の切り替えなどといった、将来の賃料増額機会の獲得にも努めております。又、電気料金高騰によるコスト増加リスクにつきましては、テナントとの契約切り替えなどの推進により、2023年7月末時点において、JLFが影響を受ける割合は延べ床面積ベースで約3.9%と限定的です。

18頁をご覧下さい。財務戦略について説明致します。LTVについては、引き続き健全な水準にコントロールし、高水準の格付けや安定的な財務基盤の維持に努めてまいります。又、有利子負債の調達先については、頁右下の円グラフにもある通り、多様な資金属性の金融機関から借入を行うことで、資金調達環境の急変に対する耐性を高めております。
19頁をご覧下さい。加えてJLFでは、引き続き返済期限の分散を図ったうえで、有利子負債の平均調達年限および高水準での固定金利比率の維持に努めることで、金利上昇への耐性を確保しております。期ごとの平均借り換え額は約71億円で、有利子負債総額の5.9%程度となっており、仮に急激な金利の上昇や調達環境の悪化といった状況に直面した場合でも、返済期限の分散により、一度に影響を受ける比率を下げ、相対的に影響を軽減しております。又、足元の固定金利比率は、引き続き100%で、金利上昇への耐性が高い状態となっておりますが、今後の新規借入、借り換えにおいては、借入コストの低減にも配慮し、少なくとも現時点では、変動金利の方が、金利上昇幅が相対的に小さいことから、状況次第では、変動金利による調達も検討してまいります。但し、変動金利による借り入れに関しては、手元資金で即時返済可能な範囲とし、急激な金利上昇時には、すぐに返済できる範囲で借り入れることとする方針です。

20頁をご覧下さい。資本政策につきましては、DPUと一口当たりNAVの成長に資すると判断する場合には、公募増資の実施を検討してまいります。公募増資を想定するDPUの成長につきましては、内部成長やLTV引き上げなどの財務的アプローチよりも、外部成長効果を主体とした成長を実現することを目指します。一口当たりNAVの成長については、 鑑定評価額に対して割安な価格での取得を実現し、公募増資前後で一口当たりNAVが増加することを目指します。又、取得物件の利回りについては、資本コストとの見合いで優位な水準、具体的にはインプライドキャップレートを意識して、取得物件の利回り確保に努めます。尚、金融市場環境の悪化により、投資口価格が割安な状態が継続する場合には、効果的なタイミングを見極め、手元資金を活用した自己投資口の取得についても、適宜検討してまいります。

22頁をご覧下さい。ESG戦略について説明致します。外部評価につきましては、昨年12月より MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数に採用され、引き続き高い評価を得ております。又、GRESBに関しては、2021年に続き、2022年の評価においても2年連続となる5-Starsの評価を得ております。引き続きESGの取り組みの進捗の目安として、外部機関からの評価、格付けを意識した対応を行ってまいりたいと思います。GHG排出量については、2030年度までの削減目標がパリ協定に整合していることに関して、SBT認定を取得しております。又、2050年度までにネットゼロとする目標も設定しております。尚、 2022年度については、非化石証書の購入により、ネットゼロを実現致しました。今後については、持続的なネットゼロの実現に向けて太陽光発電設備の追加設置など、他の施策も含めた対応を進めてまいります。又、資金調達のグリーン化も進めております。本年2月に有利子負債の借り換えに際し、グリーンローンによる資金調達を行いました。これにより、グリーンボンドローンの調達総額は115億円となっております。グリーンビルディング認証の取得率については、2023年7月末時点において、ポートフォリオ全体の約80%となっており、今年度末には85%、2025年度末には90%まで引き上げる目標です。尚、本年8月1日に サステナビリティレポート2023 を発行致しました。JLF のホームページに掲載しておりますので、詳細につきましてはそちらをご参照下さい。ESGについては、今後もリート運用上の重要課題と位置づけ、取り組みを推進してまいります。

24頁をご覧下さい。2023年7月期の実績および2024年1月期、2024年7月期の業績予想について説明致します。2023年7月期の実績について説明致します。当期は、引き続き賃料増額の効果により、賃料および共益費が増加、水道光熱費は、電気料金の継続的な高騰を見込んでおりましたが、予想を下回ったことで、収益費用ともに減少し、収支としては改善がさらに進みました。その他2022年に取得した浦安、久喜、板橋において固都税の費用化が始まったことや、修繕の増加により費用が増加しました。その結果、営業収益は前期比17百万円減少の10,139百万円、NOIは前期比107百万円減少の8,203百万円、当期純利益は前期比78百万円減少の4,810百万円となり、一口当たり分配金については前期比 84円減少の5,151円となりました。

25頁をご覧下さい。2024年1月期の予想の説明です。当期は、引き続き賃料増額に伴い、 営業収益が増加するなどの影響で、営業収益は前期比91百万円増加の10,230百万円、NOIは前期比29百万円増加の8,232百万円、当期純利益は前期比18百万円増加の4,829百万円となり、一口当たり分配金は前期比19円増加の5,170円を予想しております。

26頁をご覧下さい。続いて2024年7月期の予想の説明です。当期は、1テナントの退去に伴う賃料共益費収入の減少を見込んでおりますが、修繕費の減少等により費用も減少する見込みで、営業収益は前期比25百万円減少の10,205百万円、NOIは同水準の8,232百万円、当期純利益は前期比9百万円増加の4,838百万円となり、一口当たり分配金は前期比10円増加の5,180円を予想しております。冒頭申し上げました通り、JLFの運営にあたっては、強化された運営体制の下で、これまでの経験を総動員し、より自立的、主体的な運用を推進し、一口当たり分配金、NAVの安定的な成長を通じて、投資主価値の最大化に取組んでまいります。環境の変化に拘わらず、JLFが投資家の皆様から選ばれ続ける銘柄であり続けるよう、職務に邁進致しますので、引き続きご指導ご支援のほど宜しくお願い申し上げます。ご清聴有難うございました。

<質疑応答>
Q:物件のパイプラインの積上げは順調に来ているとのことですが、今後の取得のタイミングについて伺います。物件面では取得できる状況にあり、あとは資金調達の目途が立ち次第ということなのか、若しくは物件のトラックレコードをもう少し見てみたいので様子見とするのか、取得のタイミングで検討したいことがあればお聞かせ頂きたいと思います。
A:<鈴木社長より>
公募増資のタイミングに関しましては、まだ決定したものは何もございません。具体的なことを現時点でお伝えする段階にはなくて、パイプラインが、今、着実に積み上がってまいりまして、取得の蓋然性も高まってまいりましたので、実現の可能性について検討、検証を行っていきたいと、このような段階です。公募増資の実施にあたっては、資料の20頁に示しておりますような実施基準を満たすかどうかを見極めて判断していきたいと考えております。パイプラインの状況に関しましては順調に積み上がっておりまして、資料の方で示しております4つの物件に関しましては、かなり蓋然性が高まってきているという状況ですので、タイミングに関しましては、物件側というよりは、 今のマーケットの状況をしっかりと見て、タイミングについては、取得実施基準を満たすかどうかを見極めて判断していきたいと考えております。
<宮田財務企画部長より>
資金調達のタイミングについては、鈴木の方からご回答申し上げましたけれども、6頁に記載の通り、物件の取得に当たっては、公募増資を1つのメインシナリオとして考えておりますが、目先の資金調達の手段としては、それ以外の手法も含めて、幅広に検討しておりまして、そのように回答についてご理解を頂ければと思います。

Q:リーシングに関してですが、2024年7月期の業績説明で、1テナント退去での減収を予想されているとのことでしたが、こちらについては、後継テナントの内定等決まっていないので、とりあえず保守的に見ているのか。退去が見えているのであれば、リーシングに対する何かしらの手ごたえがあるのかお伺いしたいと思います。
A:リーシングに関してですが、2024年7月期に退去が1件予定されております。これに関しましては、業績予想上も今回織り込ませて頂いておりますが、ポートフォリオに占める割合としては、貸床面積で約1.4%です。こちらに関しては、修繕費のコントロールでカバーできる範囲であり、2024年7月期の業績予想上も巡航水準の5,180円を達成できる見通しと見込んでおります。こちらの物件は、首都圏の湾岸エリアに所在している物件でして、 建物の仕様についても、汎用性が確保されている物件です。リテナントにおいても、特に心配はしておりません。リーシング活動については、既に着手しておりまして、早速、複数のテナントから引き合いも頂いております。極力短いダウンタイムでリテナントリースアップをしていきたいと考えております

Q:DPU目標について、今の状況を整理してみると、22年2月に5,600円から5,700円の目標を出され、3~4年でメインシナリオが、外部成長が500億円やりながら、とのことでしたが、内部成長は伺う限り順調だと思いますが、外部成長の方はシナリオから少し遅れてきているという状況だと思います。物流リート全体で、足元弱含みの状態で、NAVを割ってしまっているところも多いのですが、今後の動きとして、この状況の回復をじっくりと待つというのか、打開すべく積極的に何かをやっていこうとするのか、戦略変化などがあれば教えて頂きたい。
A:デベロップ・ザ・バリュー戦略で目標としている5,600円から5,700円の達成に向けた 進捗状況などについてのご質問ですが、デベロップ・ザ・バリュー戦略で示しております目標である5,600円から5,700円、これについては、内部成長で2割から3割ぐらい、残りを外部成長でということを考えておりまして、こちらの内訳については、足元、特に変更はしてはおりません。このシナリオの達成には、公募増資を伴う場合には、大体物件で500億円ぐらいの取得が必要になると試算しておりますが、現状、パイプラインが1,000億円程度まで積み上がっておりまして、その中で取得の蓋然性が高まっているものもかなり増えてきていると考えております。よって、この3年から4年のTermで500億円の取得をしていくということは、 十分にできると考えているところです。それで、マーケットの環境によって公募増資が難しい場合ですが、手元資金と減価償却費の見合いの手元のCash、これが毎年30億円ぐらいずつ積み上がっていくのですけれども、 これを活用し、あとは、少々レバを効かせることで、物件取得を行っていくというのが、サブシナリオとして考えていることです。この場合は、増資による希薄化が起きませんので 目標達成に必要な物件の規模感と致しましては、先ほど申し上げた500億円の半分程度で到達できると試算しております。又、もしも、仮に、投資口価格が低い水準で継続するような場合には、20頁でも示しておりますように、自己投資口の取得を行うことも検討していきたいと考えております。そうしますと、希薄化の逆で、一口当たり、更に少ない物件でDPUの増加が見込めますので、取得する物件の金額感というのは小さくなっても、この5,600円から5700円の達成というのは可能かなと考えております。

Q:今すぐ購入できる物件はどんなものがあるのか教えて頂きたい。
A:今すぐに買える物件というご質問だったと思いますが、今、最も取得蓋然性が高くなっているというか、物件として取得にできる状態に近いものという意味で、4つの物件を資料で示しました。こちらの4つの物件は、これを取得するという意味で出しているわけではなく、今、一番取得蓋然性が高まっているよというものです。例えば、この4つの金額規模感で言いますと150から200億円ぐらいの規模感でございます。

Q:1問目の補足になりますが、POが遅れていることではないとの理解で良いでしょうか。他の手段で5,600円から5,700円の達成はできるので、状況に応じてPO以外の選択肢もあり、当初の時間軸で進んでいるとの理解で良いでしょうか。
A:はい、そのご理解の通りで大丈夫です。デベロップ・ザ・バリュー戦略で、当初示しました時間軸で今のところ進捗しているという認識です。

Q:物件売却よる資金調達についての考え方についてお聞かせください。
A:売却等に関してですが、JLFでは、毎期、全物件に対してCash-Flowの安定性を検証しております。足元では、Cash-Flowに減少懸念のある物件といったものはなく、売却を検討している物件はないという状況です。又、Positive Screeningと言って、物件の価値がある程度も高まっているものに関しても、レビューを行っていますが、こういった物件を売却してしまいますと、その期は良いのですが、翌期以降の分配金が減少してしまうということもありますので、単純なあの売却というのは望ましくないと考えております。交換であるとか、入替などを基本として、ポートフォリオの質の向上とか、その後の収益性などを考慮して判断していきたいと考えております。

Q:次期OBRについて検討されているのか、OBRに関しての方針とかコメントがあればお願いします。
A:OBRに関してですが、候補としては、引き続き8物件の候補があります。これによって、潜在的な延床面積の増加余地は、ポートフォリオ全体の11%というところも変わりありません。これに関しましても、半期ごとに収益性などのレビューなども行っております。今、現状としては、いずれの物件も100%稼働状態にあり、テナントリレーション等の諸条件も考慮して、又、実施にあたっては建物を壊した時の除却ゾーンとか、建て替えている期間中のCash-Flowの減少の影響などが、各期のDPUに与える影響なども踏まえて、投資主価値の向上の観点から、ベストなタイミングで行っていきたいと考えているところです。

Q:リーシングマネジメントをどのようにやっているのか、御社のリーシングの力がどのように表れているのか、お話を伺いたい。又、短い期間にリテナント出来ていますが、何故そのようにスムーズにリテナント出来ているのか、理由、分析があれば教えて頂きたい。
A:足元のJFLのレントギャップの状況ですけれども、保有物件の殆どでポジティブな賃料ギャップがある状況です。ポートフォリオ全体で均すと、引き続き1桁後半パーセントの賃料ギャップがあると認識しており、これが内部成長の余地というふうに考えております。テナントとは、15頁の下段の部分ですが、入居テナントの退去の発生可能性というものに関しては、常に注意を払っており、早期かつ効果的なリテナント、リーシング活動にも努めております。テナントさんとの日々のコミュニケーションを図って、拠点戦略とか施設の使用状況から早期に退去の可能性を察知して、リテナントの活動に一早く取り組むというのが、まず一つ、平均ダウンタイムを短くするために取り組んでいることです。賃貸マーケットなども踏まえて、当社のこのリーシングにおいて好調を維持できていることの要因の一つとしては、先ず、物件の多くが東京湾岸エリアであるとか、首都圏の中でも需給環境が比較的良好な立地に存在しているというのは大きいかなと思っております。それから、大量供給などが首都圏などでは起きておりますけれども、引き続き新築の物件と既存の物件の間では、賃料の差がまだそれなりに大きいというのがありまして、新築物件に引き抜かれていくというのは、賃料を考えるとテナントにとってはハードルが高い部分もあります。加えて、先ほど申し上げた通り、賃料ギャップがあるということ再契約交渉に当たっては、周辺のマーケット状況というのを踏まえたうえで、一件、一件、賃料増額交渉とか契約条件のコントロールを行っておりますので、そういったところで再契約率も比較的高く維持できているのではないかなと思っております。

Q:取引先には色んな企業があると思いますが、スポンサーは三井物産ということで、スポンサーグループの力というか、影響があるという理解で良いか。
A:グループ間で、様々な情報交換等は日々行っておりまして、そういったルートでの引き合い等も頂いておりますし、テナントの中には三井物産グループ企業多く入居されていらっしゃいます。
<投資運用部吉川部長よりの内部成長についての補足説明>
投資運用部長吉川です。先ほどの質問頂きました内部成長について、鈴木の説明を補足させて頂きます。9頁にも記載をしておりますが、多様、且つ、独自のアプローチというところで、パイプラインの拡充を進めています。例を申し上げますと、右端に書いてあります再開発、OBRとか、左中段に書いております事業パートナーとの共同開発というところで、運用会社自ら新しいリーシングを獲得していく必要があるということで、当社のリースチームも新たな客の開拓に邁進しているというところで、各客とのリレーションが深まっていって、リテナントとか更新に波及をしているというところがあると思います。