平和不動産リート投資法人 2025年5月期決算概要
平和不動産リート投資法人
2025年4月期(第47期)決算動画説明書
○動画 https://www.video-streaming.net/ir/8966/47_j/
○説明資料
https://www.heiwa-re.co.jp/file/ir_library_term-644704368c99cbc0ead3e05f8697ed67070181bc.pdf
○説明者 平和不動産アセットマネジメント株式会社 代表取締役 平野 正則
〇説明
皆様には日頃より大変なご支援を頂いております。先ずはこの場をお借りして御礼を申し上げます。6月には公募増資に取り組みました。非常の沢山の皆様にご応募を頂き、重ねて御礼を申し上げます。今回の公募増資により、成長資産の取得と含み益の実現による投資主還元を進めることができました。ここからは、いよいよ賃料増額改定による内部成長を、更に推し進めるステージです。
3頁をご覧下さい。本決算期における賃料収入の年間成長率は、目標としました2%を上回り、2.3%となりました。これにより、金利上昇を賃上げ効果で打ち消すこととなりました。内部成長を分配金のエンジンとすべく、賃料収入の年間成長率の目標を5%とさせて頂きました。NEXT VISION Ⅱ⁺の残り3年半の期間での達成に取り組んでまいります。私達は、目標の達成に向け3つの施策を実行します。1つ、全テナントへの賃料増額改定依頼。オフィス、レジデンス共に更新期を迎えるテナントのうち、特殊な事情を除きます全てのテナントに対し、賃料増額改定の申し入れを行います。
1つ、バリューアップ対象物件の拡大。オフィスのセットアップオフィス、レジデンスのバリューアップ住戸の対象を拡大してまいります。1つ、成長資産の取得。賃料ギャップのある、若しくはバリューアップ効果の高い成長資産の取得を、更に進めてまいります。私達は、金利上昇とインフレ対応、若しくは低迷する投資口価格の対策として、3つの強化を打ち出してきました。資産回転型戦略の強化と投資主還元強化は、即効性の高い強化策としてその効果を発揮しました。ここからは、内部成長の強化が、賃貸EPUの成長とDPUの成長を牽引していきます。
オフィスについては、東京と大阪の賃貸市況が極めてタイトに推移し、新規供給の限定的です。レジデンスにつきましては、ファミリーとDINKsに続き、私達が主力とするシングルタイプの賃料上昇に火が付きました。内部成長を強く推進する環境が整ったと判断しております。
4頁をご覧下さい。私達は、資本効率を高め、投資主価値を最大化する施策として、3つの強化を進めております。投資主還元の強化、内部成長の強化、資産回転型戦略の強化、夫々の連続性を示しています。賃料上昇期待が高い物件への厳選投資、賃料ギャップを刈り取ることにより、又、バリューアップ投資により賃料ギャップを更に創出し、内部成長に努めてまいります。そしてバリューアッド手法を活用した資産回転型戦略により、含み益を実現益に変えていきます。これらが投資主還元に繋がってまいります。賃料成長を年率2.3%、これを今回、5%の成長目標に改めました。バリューアップ投資に対する平均ROI13.1%、内部留保57億円、含み益総額655億円、含み益率27.1%、16期連続の譲渡益の計上実績、これらが19期連続増配を実現させてくれました。
5頁をご覧下さい。本決算期および来期以降の分配金についてです。2025年5月までの日本決算期(第47期)は、前期より210円増額の3,850円とさせて頂きました。半年間における期あたりの分配金成長率は、5.8%となりました。又、今走っております第48期の業績予想を、ここから100円増額の3,950円、第49期を更に40円増額の3,990円とさせて頂きました。公募増資は決して到達点ではなく、内部成長、資産回転型戦略、投資主還元へと繋がるスタートラインです。三つの強化の推進により、更に分配金を向上させてまいります。
6頁をご覧下さい。分配金の状況について説明致します。賃貸EPUは、前期(第46期)から巡航期(第49期)にかけて、+16円(+0.6%)を予想しております。賃貸上昇は、金利上昇を上回る水準で推移する見込みです。物件譲渡によります賃貸収入の剥落を、公募増資による成長資産の取得でカバーしてまいります。今後はLTVを活用し、成長資産への厳選投資を行ってまいります。DPUは、前期(第46期)から巡航期(第49期)にかけて+350円(+9.6%)を予想しております。賃貸EPUの成長に加え、41億円の譲渡益を4.9億円内部留保とすることで、将来の分配金成長を担保しつつ、31.5億円を各期に配分し、投資主還元の強化を図ります。尚、業績予想における賃料増額効果は、保守的な水準にて試算しており、5%成長に向けてこれを更に引き上げてまいります。
12頁をご覧下さい。NEXT VISION Ⅱ⁺の進捗状況についてです。分配金、資産規模、内部成長が順調に推移しております。懸念されておりました金利上昇を、賃上げ効果が打ち消すこととなりました。内部成長を分配金成長のエンジンとすべく、賃料収入の年間成長率の目標を、説明の通り5%に変更しております。NEXT VISION Ⅱ⁺の、残り3年半の期間での達成に取り組んでまいります。尚、ESGに関し、再生エネルギー電力100%に続き、GHG削減90%の目標をクリア―致しましたことをご報告申し上げます。
ここからは、外部成長、内部成長、財務についてです。
17頁をご覧下さい。ポートフォリオの推移を、含み損益率とNOI利回りを切り口にグラフで表しております。バリューアップ工事と賃上げによりCash-Flowを向上させ、含み益の拡大を図ります。物件によっては、これを売却することにより、キャピタルゲインの獲得を目指してまいります。売却候補となる物件は、中小型のレジデンスの加え、セットアップオフィス化等による収益向上を実現した中小型のオフィス、若しくは買主サイドで収益向上を織り込んでプライシングされた物件等々となります。
又、再開発を想定し、強くプライシングされた物件も売却候補となります。購入物件となる物件に関しましては、オフィス、レジデンスともに賃料ギャップのある物件、若しくはバリューアップ工事等により、賃料ギャップの創出が可能となる成長資産に厳選投資をしてまいります。具体的には、オフィスは、東京、大阪をはじめ全国主要都市の賃料ギャップのある物件、レジデンスは東京の築浅シングル、ファミリー及びDINKsは、東京のバリューアップ効果の高い新耐震以降の物件です。
19頁をご覧下さい。資産回転型戦略をはじめとした物件売買の状況についてです。公募増資での取得物件は、レジデンス6物件、オフィス2物件の合計8物件で、188億円となります。これに関する鑑定評価額の合計は227億円、鑑定評価額の82%での物件取得であり、取得時点で大きな含み益からのスタートとなります。公募増資においては、同時に4物件の譲渡を行っております。これによる実現益は41億円です。公募増資後第48期に入りましてから、東京都心の築浅レジ2棟の取得についての契約が完了しております。こちらも、鑑定評価額の81%での取得であり、大きな含み益が生じております。
19頁をご覧下さい。公募増資の代表物件は、HF目黒行人坂レジデンスです。本物件は、JR山手線をはじめとした複数路線が交錯する、目黒駅から徒歩4分に立地致します。権之助坂商店街や目黒川、目黒雅叙園が隣接するエリアです。少し広めのスタジオタイプから、ファミリータイプまでございます。2002年の築年ですが、前所有者によりワークラウンジやフィットネスジムが設置され、共用部のバリューアップが施されました。専用部におきましても全64戸中37戸がバリューアップ済みです。
バリューアップ推進のため、稼働率は7割台にとどまっておりますが、賃料ギャップも-10.7%と今後の成長が期待できる物件です。HF押上げレジデンスは、平和不動産によります普通借地権開発物件です。2015年にスタートしたリート向けの開発事業ですが、本物件で10棟目となります。成長のトレンドに合わせ、前回のHF北千住レジデンスよりDINKsタイプが中心の間取りとしております。本物件も1LDK70戸、2LDK4戸で構成されております。底地権者は近隣のお寺です。同じお寺を底地権者とするもう1棟の開発が進められております。本物件は、今年の3月に竣工したばかりの物件です。リースアップ期間を考慮し、取得予定日は12月5日としております。尚、7月6日時点で、50.7%の申し込みを頂いております。
20頁をご覧下さい。レジデンスは、ほかに都心築浅4物件の取得となります。最寄り駅は西巣鴨が2棟、東武練馬、両国が各1棟です。いずれの物件も2021年の新規供給です。新型コロナ期間中に新規供給されたため、どの物件も賃料ギャップを抱えております。レジデンスの賃貸市況としては、東京都心部におけるファミリー物件の賃料成長がクローズアップされております。一方で、DINKsタイプがこれを追いかけ、シングルタイプも賃料成長が顕著になってまいりました。
21頁をご覧下さい。オフィスは2物件の取得です。パークイースト札幌は、平和不動産が長期保有し、その後販売用不動産に振り替えた物件です。札幌の大通駅徒歩2分に立地致します。延床10,800m2、基準階面積314坪の規模ですが、30坪前後から分割可能です。大通駅徒歩2分に位置しながら、65台の駐車場を有しております。営業車の利用を前提とするテナント需要に応えることが可能です。札幌エリアの賃料は、近年上昇が続いてきました。そのため32.1%という大きな賃料ギャップのある物件でございます。尚、準共有持分69%の取得となります。
京町堀スクエアは外部からの取得物件です。平和不動産のブリッジ機能を活用し、公募増資のタイミングにて取得するものです。大阪の肥後橋駅徒歩4分、若しくは本町駅徒歩6分に所在致します。大阪エリアは大型再開発の竣工で、需給の軟化が懸念されておりました。一方で、インバウンドや万博など、エリア内の活性化が著しく、オフィス需要も極めてタイトな状況です。本物件は、外壁、エントランス、各階水回り等の共用部が、常にリニューアルされております。それにより、賃料ギャップが19.1%生じております。
今後は、各物件の賃料ギャップ解消による、Cash-Flowの向上に努めてまいります。
22頁をご覧下さい。公募増資の後に契約した2物件についてです。HF曳舟レジデンスEASTは、新型コロナ期間中の供給物件のため、賃料ギャップが高い物件です。HF大森レジデンスは2024年竣工のため、賃料ギャップは大きくありませんが、都心・築浅ということで、今後の成長性に期待しております。
23頁をご覧下さい。一方で、売却第物件つきましては、第47期と48期の1年間で、オフィス2物件、レジデンス2物件を売却致しました。簿価46.1億円、鑑定66.9億の物件を、91.1億円で売却し、譲渡益は41億円となりました。売却価格は鑑定比136.1%、簿価比197.6%となります。売却益の41億円は、投資主還元としての分配金、内部成長を産むバリューアップ工事、サステナブルな投資主還元のための内部留保に活用致します。
24頁をご覧下さい。平和不動産の販売用不動産についてご案内しております。平和不動産の説明資料を抜粋したものですが、ポートフォリオの入替の過程で、物件売却益を獲得していくという方針が打ち出されております。
25頁をご覧下さい。普通借地権レジデンス開発も、着実に進捗しております。押上において開発中のプロジェクトで11棟目になります。
28頁をご覧下さい。ここからは内部成長、先ずはオフィスの運用状況についてです。本決算期の期中平均稼働率は97.8%、期末稼働率は98.0%となりました。岩本町ツインビルの6区画で、セットアップオフィス化工事に取り組んだこともあり稼働が低下しましたが、申し込みも含めすでに5区画でテナントが内定しています。今後も賃料単価を重視した運営をしてまいります。フリーレントの水準は、1.6ヶ月と大きく減少しました。現在のオフィスマーケットを表していると考えます。
29頁をご覧下さい。賃料改定についてですが、改定額、率ともに大幅に増加し、翌期以降も、高い水準の継続が既に固まっています。オフィスポートフォリオ全体に対する賃料増額率は、年率で2.54%となりました。第47期半年間の成長率1.55%を単純に2倍すると、3.1%となります。オフィスの成長率は、実力ベースでは年率3%を既に超えていると考えています。更新テナントのうち40%から賃料増額の同意を得られております。公募増資による取得物件により、賃料ギャップも高い水準が続きます。
30頁をご覧下さい。ここからオフィスにおける具体的な取り組みを紹介致します。セットアップオフィスについては、HF岩本町ツインサカエビル、HF浜松町ビルディングに加え、HD岩本町ツインビル、HF池袋ビルディングと、対象ビルを拡大しております。本決算期におきましては、HF岩本町ツインビルにおいて6区画、HF池袋ビルディングで1区画のセットアップに取り組みました。従業員満足度を高めたいというニーズにとどまらず、リモートワークからの出社を促そうという移転、スタートアップ企業の成長過程における短期間を想定した移転にとどまらず、既存オフィスからの長期使用を見据えての移転、テナント工事費も高騰し、工期も長期化する中、極力工事を伴わない長期の移転、こういった様々なニーズが、セットアップオフィスをオフィス移転の一般的な選択肢の一つにしております。更なるセットアップ対象の拡大を検討してまいります。
31頁をご覧下さい。HF浜松町ビルディングは、バリューアッド運用による実現益の拡大事例です。私達は、ビルの一部である2フロアのセットアップ化により、賃料アップの事例を作りました。併せて未施工のフロアも、セットアップ化による賃料上昇を前提として、プライシングしてくれる買主を見つけました。これにより、大きな実現益を創出しております。
32頁をご覧下さい。中長期回収型の事例です。オフィスのエントランスや水回りを、バリューアップ後に、既存テナントに賃料増額をお願いしています。HF名古屋錦ビルディングは、2年前の購入後から直ぐに共用部リニューアルに取り組みました。昨年から賃料増額協議を進め、既にROIで25%の実績を出しております。
34頁をご覧下さい。続いてレジデンスの状況についてです。期中平均稼働率は96.7%、期末稼働率は96.4%となりました。ファミリータイプの稼働率が若干落ちているのは、バリューアップの推進によるものです。
35頁をご覧下さい。賃料改定状況ですが、増額改定傾向が拡大しております。前期から通算した年間の賃料増額率は、2.0%となります。更新テナントの56%で、賃料増額が実現しました。新規テナントにおけるタイプ別変化率は、ファミリー+19.1%、DINKs+12.5%、シングル+4.2%となりました。シングルタイプも、賃料の上昇が顕著になっております。又、マーケットの好調を受けて、礼金取得率が高い水準で推移しております。諸往来の賃上げに繋がる賃料ギャップも拡大をしております。
36頁をご覧下さい。レジデンスのバリューアップは、効果の高い東京都区部のファミリー、DINKs物件を中心としております。70m2前後の部屋でも、総額500万円程度とコストを抑えた形で。キッチン、バス、トイレ等の水回りを更新し、床・壁・天井をバリューアップしております。既にバリューアップに取り組んだ、同タイプの間取りを集中的に実施するなど、工期の短縮に努めています。
37頁をご覧下さい。含み損益の状況です。含み益額は55億円増加し655億円、含み益率27.1%となりました。資産入替を除いた鑑定上のCash-Flowは、賃料増額改定が牽引し、前期比+119百万円と大幅に増加しております。
38頁をご覧下さい。続いて財務についてです。借入金の残存年数と金利固定化比率は、前期比同水準を維持しております。公募増資により、鑑定LTVは39.0%まで引き下げられました。借入余力を活用し、Cash-Flowの成長余地のある物件に厳選投資してまいります。
ここからはESGへの取り組みについてです。
40頁をご覧下さい。NEXT VISION Ⅱ⁺の進捗状況でも触れましたが、再生エネルギー電力100%に続き、GHG削減90%の目標をクリアしております。
42頁をご覧下さい。社会への取り組みとして、ピンクリボン運動、ペットボトル回収運動、クリアファイル回収運動に参加しております。運用会社社員への取り組みとして、囲碁ボール、ウォーキングイベントなど、スポートイベントを実施致しました。社員の健康増進を図り、投資法人のパフォーマンス向上に繋げてまいります。
45頁をご覧下さい。社員インタビューのコーナーでは、前回のバリューアップに続き、資産回転型戦略の強化について、不動産投資部長にインタビューをしております。是非、意気込みを感じて頂けましたらと思います。
私達は、今年の初めに3つの強化を掲げました。投資主還元の強化、内部成長の強化、資産回転型戦略の強化、この3つはしっかりと機能し、投資口価格にも明るさが見えてまいりました。そして今回、賃料増額年率5%という高い目標を掲げました。ここからは、J-REITの本丸ともいえる内部成長の強化により、EPU成長を産み、更に分配金を押し上げてまいります。引き続き平和不動産投資法人、並びに平和不動産アセットマネジメントを宜しくお願い申し上げます。