平和不動産リート投資法人 2022年11月期
平和不動産リート投資法人
2022年11月期(第42期)決算動画説明書
○動画 https://www.video-streaming.net/ir/8966/42_j/
○資料
https://www.heiwa-re.co.jp/file/ir_library_term-7d05b348a53a4c2432c8ec229cc1328625fd9ea0.pdf
○説明者 平和不動産アセットマネジメント株式会社 代表取締役社長 平野 正則
○説明
第42期は、期初に公募増資を行い、同時に、物件の入替を通じた投資主還元策にも努めてまいりました。そして、公募増資後私達は、Cash-Flowの更なる向上を目指し、高い稼働率と継続賃料の増額改定に取組んでまいりました。結果として、期末稼働率はオフィス99.2%、レジデンスは97.2%と、高い水準で着地を見ることが出来ました。Post-Coronaを踏まえた継続賃料の増額改定においては、オフィスでは、テナント様との面談による協議が漸く本格化し、一定の実績を重ねることとなりました。そして、レジデンスの賃料改定についても、新型コロナウイルス以降の2年前に入居されたテナント様が更新期を向けることとなり、こちらも多くのテナント様から賃料の引上げにご理解を頂くこととなりました。新規契約賃料においては、オフィスの大型区画やレジデンスの都心シングルタイプにおいて、その一部に弱含みの状況がいまだに続いておりますが、高い稼働率と賃上げがCash-Flowを向上させております。平和不動産リート投資法人のポートフォリオには、しっかりとした底力があることが見て取れます。
ここから本編に入ります。3頁をご覧下さい。本決算期および来期以降の分配金についてですが、2022年11月までの本決算期(第42期)は、前期より80円増額の3,130円に、又、今走っております第43期および第44期の業績予想を、夫々3,130円および3,150円と致しました。これは、公募増資、若しくは、これと同時に行いました物件の入替の効果が計画通りに現れ、併せて、オフィスとレジデンス双方の運用が、順調に推移して居ることを意味しております。
7頁をご覧下さい。新型コロナウイルスの影響が薄れる中、金利、物価、為替など、投資法人を取り巻く環境は、目まぐるしく変動しております。新型コロナ禍においても、私達はリスクへの対応を進めてまいりました。分散の効いたポートフォリオは120物件、潤沢なフリーキャッシュは67億円、十分な内部留保として54.6億円、低い鑑定LTVは38.37%、コミットメントラインは70億円、格付けはAA-となりました。尚、昨今の電気料金の高騰により、特にオフィス運営に与える影響が懸念されておりますが、平和不動産リートでは、オフィスのテナント様に対する変動単価による請求方法への切替えが、既に完了しております。
8頁をご覧下さい。第42期決算の概要を説明致します。期初に実施しました公募増資を通じた新規物件取得、これと併せてグレイスビル泉岳寺を第42期と第43期と、2期に分けて売却し、当期純利益およびEPUがともに伸長致しました。既存物件の堅調な運営と併せまして、結果として分配金は前期比+80円の3,130円とさせて頂きました。
9頁をご覧下さい。譲渡益等の一過性要因を除きました賃貸収益ベースのEPUの変動要因を纏めております。2年連続の公募増資による物件取得が寄与、外部成長の面で大きな効果を上げております。これと併せて、オフィス、レジデンスの既存物件においても稼働率上昇による効果が見て取れます。尚、レジデンスにおいては非繁忙期と言うことで、退去戸数が抑えられ、原状回復費用等の修繕費の減少が生じております。次に10頁をご覧下さい。今後の運用状況の予想を纏めております。第43期においては、グレイスビル泉岳寺の2期に分けました後半部分の売却が、計画通りに実施されており、一部を分配金に充当し、残余を内部留保に組入れる予定です。第44期においては、物件の売買は現時点では予定されておりませんが、毎期継続しての物件入替えに取組んでまいりたいと考えております。
ここからは、一昨年7月に打ち出しましたNEXT VISIONの進捗状況について説明致します。14頁をご覧下さい。先ず、分配金の3,300円についてですが、2,800円の水準からスタートして、1年半の期間で早くも目標達成に近づいてまいりました。金融情勢等予断を許さない状況が続いておりますが、既存物件のCash-Flowの向上に手を緩めることなく、又、私達が得意としている物件入替えに更に磨きをかけて、目標達成に向けて邁進をしてまいります。資産規模は3,000億円に向け年間150億円から200億円の取得を目指しているところですが、2年連続となる公募増資により、こちらも計画通りのペースで推移をしております。格付けに関しては、ご案内の通り昨年6月17日付けにてAA-の格付けを頂きました。最後は再生可能エネルギーへの移行についてですが、既に例外物件を除く100%の移行を達成しております。追加目標ということでGRESBの3—Starsの獲得を目指しましたが、こちらも昨年度の評価において達成しております。
ここからは外部成長、内部成長、財務について深掘りをしてまいります。
18頁をご覧下さい。公募増資での本決算期に関わる取得物件を紹介しております。キーワードは取得ルート、取得手段の多様化です。スポンサー以外の第三者から物件入替えで取得した心斎橋フロントビル、スポンサーである平和不動産との物件入替えによる栄センタービル、運用会社独自のソーシングルートから平和不動産のウエアハウジング機能を活用した岩本町ツインビル、ツイン栄ビル、そして平和不動産の普通借地権開発物件であるHF川口駅前レジデンス、HF東尾久レジデンスとなります。平和不動産リートの物件取得の特徴は、スポンサーからの強いサポートを得られていること、これと同時に運用会社独自においても、強力なソーシングルートを確立していること、又、競争を排除した普通借地権開発、区分共有物件への取組み、更には、あらゆるチャンネルへのアプローチを可能とする物件入替えを絡めていることです。
19頁をご覧下さい。公募増資によりましてLTVを引き下げることとなりましたが、これを活用し、3物件のレジデンスの契約が完了しております。なかでもHF中野坂上レジデンスは、丸の内線、大江戸線の中野坂上駅徒歩5分に立地し、単身者からファミリーまでの幅広いライフスタイルに対応した物件です。平和不動産が懇意とする証券関連企業様の保有物件を相対取引にて契約しております。名古屋エリアにおける2物件も、Closedな取引下での迅速な対応によるものです。いまだLTVは低い水準にありますので、これを活用した物件取得を引き続き検討してまいります。
ここで、平和不動産の販売用不動産について見ていきたいと思います。21頁を参照願います。こちらは平和不動産の決算説明資料を抜粋したものですが、ポートフォリオの入替えの過程において、物件売却益を獲得していくという方針が打ち出されております。これらは、私達から見れば、将来のパイプライン候補であると考えており、価格等の条件が折り合えば、パイプラインに組み入れていきたいと考えております。尚、継続しております普通借地権開発についても、既に新しいプロジェクトが2件スタートを切っておりますことを申し添えます。
24頁をご覧下さい。ここからは内部成長、先ずはオフィスの運用状況についてです。期中平均稼働率は98.7%、期末稼働率は99.2%にも及びました。コロナ禍で長期空室となっていた店舗区画等が前期に成約したこともあり、今期の空室期間が2.2ヵ月と低い水準に抑えられています。
次に賃料改定についてですが25頁をご覧下さい。賃料改定についてですが、新規においては100坪を超える、私共に取りましては大型区画では、従前のテナント様の賃料より下回る場面もありました。一方で、既存テナント様の継続賃料においては、新型コロナウイルスの影響も薄れて来たことで、対面での協議も再開し、一定の実績を残せたと考えております。高い賃料ギャップを背景に、又、高い稼働率を味方につけて、継続テナントの賃料改定に引き続き積極的に取り組んでまいります。
次にレジデンスの状況についてです。28頁をご覧下さい。先ず稼働率ですが、期中平均稼働率は97.1%と過去最高を記録しました。期末稼働率も97.2%と高い水準から翌期の繁忙期に臨むこととなりました。2年前の2020年11月には、新型コロナウイルスの影響を受け、私達は稼働を大きく改善する施策を打ち出しましたが、その反面で、募集条件の緩和を行いました。現在でも都心シングルタイプにおきまして、新型コロナウイルスの影響も残っておりますが、環境は2年前と一変しております。この状況を受けて、2年前の11月に入居されたテナント様に賃貸条件の引上げ、実態としては賃貸条件の引き戻しと捉えておりますが、これをお願い致しました。更新頂いたテナント様の43%の皆様より合諾を頂いております。
29頁をご覧下さい。新規入居時の賃料改定では、非繁忙期ということも重なり、いまだ都心部の一部物件で減額改定が続いております。一方で更新時の賃料改定においては、増額改定率が過去最高となりました。レジデンスはこれから繁忙期を迎えることとなります。稼働率も高い水準でスタートを切ることが出来ましたので、新型コロナ禍で緩和してきました賃料の引き戻しに、積極的に取り組んでまいります。
次に34頁をご覧下さい。財務面のトピックスは、第43期初となりますが、グリーンボンドの発行です。AA-という格付けを頂き、初めての投資法人債であり、又、グリーンボンドという形でも、初となる発行となりました。起債環境が不透明な中ではありましたが、昨年12月に、10年固定20億円を、0.88%の水準で発行しております。又、りそな銀行グループ様の関西銀行みらい様を新規レンダーとして招聘しております。
35頁をご覧下さい。強固な財務基盤を背景に、平均調達年数および平均調達金利も良好に推移をしております。
37頁をご覧下さい。ここからはESGへの取組み状況についてです。ESGの中での最大のトピックスは、GRESBにおける3—Starsの獲得です。中小型のオフィスとレジデンスのポートフォリオではありますが、再生可能エネルギー100%など、独自の取組みが反映され、3—Starsを頂くこととなりました。
38頁をご覧下さい。TCFDに関しましても、一昨年の賛同表明に続き、昨年定性分析を公表しております。気候変動リスクに対する取り組みにも、しっかりと対応をしてまいります。
40頁には、そのほかの取組みとして紹介しております。ペットボトルのキャップ回収運動、デジタルサイネージの設置、災害救援寄付型自動販売機の設置などを実施しております。
44頁をご覧下さい。今回の運用会社リーダーたちの紹介の頁では、コンプライアンス・リスク管理室から2人のリーダーを紹介しております。高度なコンプライアンス意識は、企業理念である、私達が大切にしたい5つのことの1つに掲げる最重要事項です。特にこの分野においては、リーダー2人の活動もさることながら、社長である私自身が模範を示していかなければならないと考えております。本決算資料に関する説明は以上となります。
平和不動産リート投資法人の特徴を表すキーワードとして、物件入替え、内部留保、投資主還元、こういった施策が挙げられます。私達は、これらのキーワードに高稼働、賃上げという言葉を加えていきたいと考えております。従来の物件入替えを通じた売却益の内部留保と投資主還元に、引き続き積極的に取組み、これに加え高稼働と賃上げによる既存ポートフォリオのCash-Flowの向上に努めてまいります。投資主価値の最大化、又、私達が掲げますSteady Growth & Sustainable Profitを実現すべく、社員一同業務に邁進してまいります。引き続き平和不動産リート投資法人、並びに、平和不動産アセットマネジメントを宜しくお願い申し上げます。