フロンティア不動産投資法人 2025年6月期決算概要

フロンティア不動産投資法人
2025年6月期(第42期)決算動画説明書
○動画   https://www.video-streaming.net/ir/8964/42nd_j/
○説明資料 https://ssl4.eir-parts.net/doc/8964/ir_material_for_fiscal_ym/185752/00.pdf
○説明者  三井不動産フロンティアリートマネジメント株式会社 
代表取締役社長 横地 重和
〇説明
本日はフロンティア不動産投資法人の2025年6月期(第42期)の決算につきましてご説明させて頂きます。

決算説明資料の3頁をご覧下さい。本年2月の決算説明の際に設定致しました、中期的な目標と施策について改めてご説明させて頂きます。定性的な目標と致しましては、巡航EPUの安定的な成長を通じ、投資主価値の向上を目指してまいります。又、その際資本コストを意識した運営に努めてまいります。そのための施策と致しましては、外部成長においては、主にスポンサーパイプラインを活用し、償却後利回りやインプライドキャップレートを意識した優良物件を取得していく方針です。

内部成長においては、契約満了時期を迎えるテナントを中心に、長期固定賃料に加えて売上歩合賃料や賃料改定条項を組み込み、将来的な内部成長を実現していきます。又、資産価値向上に資する戦略的テナント入替等も、積極的に実施していきます。資産入替においては、将来の収益性や競争力向上が見込めない物件や、将来の不確実性を有する物件については、譲渡を検討致します。その際譲渡の時期や規模を調整し、分配金水準の安定にも配慮していきます。財務戦略においては、LTVコントロールによる健全な財務体質を維持するとともに、返済時期および返済額の平準化により、安定性を確保していきます。

次に定量的な目標について、下段のグラフを用いて説明致します。2025年6月期(第42期)一口当たり分配金は2,200円でございます。前回決算発表時には、内部留保の活用も含め2,200円を当面のDPUの下限値としたうえで、4年後の2029年6月期(台50期)に、2,400円以上に成長させることを目標と致しました。今般、各種施策の推進、進捗により、;EPUベースでの分配金2,200円は、遅くとも2027年12月期(第47期)には、達成できる見通しとなってきたことを報告させて頂くとともに、早期前倒しの達成も目指してまいります。

続きまして2025年6月期(第42期)決算の概要および業績予想につきましてご説明を致します。
8頁をご覧下さい。先ず第42期の一口当たり分配金につきましては、2,200円とさせて頂いております。EPUは2,147円となり、業績予想対比では+34円となりました。又、第43期、第44期とも当期の分配金と同水準の、2,200円という予想を夫々公表しております。いずれの期も圧縮積立金の取り崩しを予定していますが、先ほど申し上げました通り内部成長と外部成長の継続により、4年後には2,400円以上の分配金を目指してまいります。次に内部成長実績を記載しております。

詳細は後ほど説明させて頂きますが、第42期には記載の3物件が収益貢献、第43期にはベルタウン丹波口駅前店、第44期は竹下通りスクエア、第47期にはVIOROが夫々収益貢献予定でございます。次に外部成長実績ということで、3月に取得したららぽーと愛知東郷を記載しており、第42期では約3ヶ月、第43期から通期での収益貢献となります。最後に主要な財務指標についてですが、第42期期末時点でのLTVにつきましては、Book Value Baseで46.3%、鑑定ベースで35.3%となっております。又、殆どのJ-REITがLTVコントロールの指標としている有利子負債/総資産比率は、40.2%と極めて低い水準となっております。以上ここまでが決算サマリーとなります。

続きまして資料の9頁をご覧下さい。2025年6月期(第42期)の決算の概要になります。左側の表の緑の列の一番上ですが、営業収益につきましては11,728百万円、対前期比559百万円の減収でございました。主な増減要因につきましては頁右側をご覧下さい。営業収益の主な要因としましては、ららぽーと愛知東郷の取得で+179百万円、三井アウトレットパーク入間やららぽーと磐田の売上歩合賃料の増加により+23百万円、クイーンズ伊勢丹杉並桃井店譲渡による売却益が剥落し△732百万円となっています。

左の表に戻って頂きまして、NOIは9,044百万円で179百万円の増加、営業利益は6,295百万円で584百万円の減益、経常利益は5,882百万円、当期純利益は5,881百万円と、売却益剥落の影響により夫々619百万円の減益となりました。一口当たり当期純利益は2,174円となりましたが、分配金については圧縮積立金を69百万円取り崩し、2,200円とさせて頂いております。

10頁をご覧下さい。2025年12月期(第43期)、並びに2026年6月期(第44期)の業績予想についてご説明致します。左側の表の緑の列をご覧下さい。先ず第43期の予想でございます。営業収益は12,080百万円、351百万円増収の見込みです。第42期の実績との比較につきまして、右側の主な増減要因に沿って補足を致します。

数字が2列並んでいますが、左側の(b)-(a)をご覧下さい。ららぽーと愛知東郷の通期稼働により+157珀万円、三井アウトレットパーク入間の季節要因による歩合賃料の減収により△17百万円、テナント入替等では、ベルタウン丹波口駅前店にて大幅な賃料増額があった一方で、竹下通りスクエアの2テナントによるダウンタイムが発生し△1百万円、又、その他収入として竹下通りスクエアのテナント入替にかかる原状復旧費収入等で、160百万円を見込んでおりますが、こちらは賃貸事業費用の修繕費の増加で相殺される見込みです。

左の表に戻って頂きまして、NOIは9,128百万円で84百万円の増加を見込んでいます。又、営業利益は6,309百万円、当期純利益は5,808百万円を見込んでおります。第44期の予想につきましては、左側の表の黄緑の列をご覧下さい。営業収益は11,683百万円で396百万円の減収となる見込みです。第43期予想との比較につきまして、右側の主な増減要因の(c)-(b)の列をご覧下さい。詳細は後ほどご説明させて頂きますが、VIOROのリニューアル工事に伴うダウンタイム影響により△352百万円、ベルタウン丹波口駅前店や、竹下通りスクエアのテナント入替に伴う賃料増加により+134百万円、その他収入の△165百万円は、竹下通りスクエアの原状復旧費収入等の剥落、費用の減少という形で相殺される見込みです。一口当たり当期純利益は、第43期に2,147円、第44期に2,111円を見込んでおりますが、一口当たり分配金は、中期的目標と施策に従って圧縮積立金を取り崩し、出汁43期、第44期とも2,200円としております。

11頁をご覧下さい。第41期分配金実績から第44期分配金予想までの主な影響要素を、項目別に記載しております。第42期では、ららぽーと愛知東郷の新規取得による外部成長がありましたが、第40期から第41期にかけて売却した、クイーンズ伊勢丹杉並桃井店の売却益剥落が相殺する形で、前期比と同額の2,200円となりました。ただし43期では、ららぽーと愛知東郷の通期稼働やベルタウン丹波口駅前店の内部成長がある一方で、新規借入と借換えに伴う金利コストの上昇に加え、第44期に内部成長貢献予定の竹下通りスクエアのダウンタイム影響が見込まれます。

第44期では、その竹下通りスクエア、ベルタウン丹波口駅前店等で、+50円のプラス成長が見込まれるものの、ららぽーと愛知東郷の固都税費用化の影響で外部成長は△18円、第47期に内部成長に貢献してくれるVIOROのリニューアル工事によるダウンタイム影響が見込まれます。いずれにしても、一時的なダウンタイム発生はあるものの、金利上昇に伴うコスト増などを、しっかりと外部成長、内部成長でカバーすることで、当面のDPU下限値である2,200円を分配してまいります。

13頁からは、当期における内部成長の取り組みについてご説明致します。先ずは、福岡市の天神にありますVIOROについて。今般、将来の内部成長に資する、新マスターリース契約を締結しましたのでご報告致します。本取り組みについては、現状の課題と対応策という形で上段に纏めてあります。本物件においては、新型コロナウイルス感染症拡大により、複数のテナントが退店しました。又、天神ビッグバンの周辺再開発により、相対的にエリアでの訴求力が低下し、テナントリーシングで苦戦を強いられました。

そのような中で、マスターレッシーの変更を行うなど、稼働率の上昇を図る施策を取ってまいりましたが、将来的に成長余地は限定的という課題がございました。そうした課題への対応策として、契約種類を歩合賃料設定を含む固定賃料型マスターリース契約に変更し、マスターレッシーであるJR博多シティの、地の利を生かしたリソースのフル活用が可能となる、リニューアルを実施することとなりました。景気に左右されない固定賃料と、売上増加が賃料収入に直結する売上歩合賃料を設定することでNOIの改善を図り、物件価値の再構築へと繋げてまいります。

スケジュールを右側中段に記載してございますが、2026年1月から、順次改装工事とテナント入替を行い、2027年秋のリニューアル工事完了を予定しております。本リニューアルによりNOI利回りは、直近1年間の実績である1.9%から4.0%まで改善する見込みです。ご参考までに、14頁には天神ビッグバンの概要を記載してございます。左上段の概要にありますように、2015年から始まった天神ビッグバンは10年が経過し、エリア最大規模のONE FUKUOKA BUILDINGの竣工により、正に佳境を迎えております。右上段に、主な経済効果が書かれておりますが、天神ビッグバンの経済効果、インバウンド需要の恩恵を最大限享受すべく、今般、新マスターリース契約の締結とリニューアルについて決断させて頂きました。本取り組みによってしっかりと本物件の価値を高めていく所存でございます。

次に16頁をご覧下さい。竹下通りスクエアの内部成長についてです。前回の決算発表時に、テナント入替により+10%の賃料アップが実現できることについてお話させて頂きましたが、その詳細になります。1階から3階にサンリオ直営店が、店頭面積国内最大規模で、本年冬にグランドオープン致します。又、地下1階にはGIGOがアソビシステムとタッグを組んで手掛ける店舗が開業致します。スポンサーである三井不動産の強力なリーシングサポートにより、竹下通りというエリアの主要ターゲットとなるティーンズ、インバウンドにより一層訴求するテナントを誘致できたことで、大きな物件価値の向上に繋がったと認識しております。

17頁をご覧下さい。こちらの頁では第42期における、その他の内部成長取組み実績を記載してございます。TENJIN216については、サ-ビステナント区画で6%の賃料増額、ギンザ・グラッセについては、飲食・サービステナント3区画で平均5%の賃料増額、新川崎スクエアにおいては、飲食・サービステナント12区画の契約更改を実施しており、うち7テナントで平均7%の賃料増額を実現致しました。洛北阪急スクエアについては、普通借家契約ではありますが、今般3年毎のCPI等に連動する賃料改定条項を導入することとなりました。下段には、今後の重点取組み事項を記載してございますが、契約完了を迎える物件の価値向上に今後も取り組んでまいります。

19頁をご覧下さい。ららぽーと愛知東郷についてです。前回の決算発表時に取得する旨のご説明を致しましたが、本年3月26日に無事取得が完了しております。
20頁にありますように、三井不動産とのマスターリース契約に基づき、2023年度の売上高267億円を超過したものに対して、売上歩合賃料が発生しております。今後も売上伸長により、更なる歩合賃料獲得を期待しております。

最後に財務の状況についてご説明申し上げます。21頁をご覧下さい。左上の表にありますように、第42期末の借入金等合計額は137,700百万円、LTVはBook Value Baseで46.3%、鑑定ベースでは35.3%となっており、又、多くのJ-REITでLTVの計算に採用されている、有利子負債、総資産比率については、40.2%とJ-REIT最低水準となっており、更なるレバレッジ活用については検討の余地があると認識しております。右下には参考までに、昨今の金利変動に伴って借換え時の適用金利が、一口当たり分配金に与える影響をシミュレーションしております。今後も引き続き金融環境を注視しつつ、金融機関の皆様と良好なリレーションシップを大切にしながら、強固な財務体質を維持してまいりたいと考えております。

駆け足になりましたが、フロンティア不動産投資法人2025年6月期(第42期)の決算につきまして、私からのご説明は以上となります。ご清聴頂きまして誠に有難うございました。