インヴィンシブル投資法人 2023年12月期

インヴィンシブル投資法人
2023年12月期(第35期)決算動画説明書
○動画   https://www.net-presentations.com/8963/20240227/sdoajiwae213/
○説明資料 https://www.invincible-inv.co.jp/ir/upd/140120240226542592.pdf
○説明者  コンソナント・インベストメント・マネジメント株式会社
       取締役会長 市來 直人
○説明 
インヴィンシブル投資法人の第41期決算の説明を始めます。
1頁の目次をご覧ください。第1章のエグゼクティブ・サマリーは割愛し、第2章から順に 第7章ESGに関する取り組みまでを説明させて頂きます。

それでは4頁をご覧ください。最初に2023年12月期の決算概要を説明致します。左側、最初の列に前期、次に当期の実績を示して比較をしております。ケイマン2ホテルは、1年の前半が繁忙期で、後半が閑散期となり、当期の運営委託収益は前期比マイナスになりましたが、全体としては、昨年8月1日で新規取得しました6物件の収益寄与、および、既存物件の業績回復により増益増収となりました。営業収益は、対前期比で18.2%増の188億円、一口当たり分配金は、対前期比で12%増の1,640円となり、2019年同期比で95.1%まで回復致しました。尚、昨年12月19日に業績予想の修正を発表しておりますが、それとの比較では、営業収益は約1%、一口当たり分配金は3%と上回りました。

続いて5頁、ポートフォリオの収益構成をご覧ください。当期の営業収益は、業績の回復により、国内の変動賃料があるホテルの変動部分が大幅増になったこと、および、外部成長のより固定部分の賃料も大幅に増えたことから、前期比18.2%増加致しました。又、コロナ前の2019年同期比においては、住居、商業物件の売却による減少にもかかわらず、13.3%増とコロナ前の水準を超過致しました。

6頁に参ります。2024年6月期業予想についてです。左側最初の列が23年6月期の実績で、2列目が24年6月期の予想です。24年6月期は、新型コロナ感染症の影響は完全に払拭され、インバウンドに牽引されるホテルの更なる業績回復により、営業収益は対前年同期比27%増の202億円、一口当たり分配金は20.7%増の1,767円を見込んでおります。中国からのインバウンドに関しましては、春節を機に、航空便が夏ダイヤに切り替わるタイミングで、中国人全般の訪日旅行者数増加に伴い需要回復がある程度望まれ、それ次第で更なる上積みも期待されます。尚、受け取り配当金は、シェラトン・グランデ・トーキョー・ベイ、こちらを保有しておりますTMKからの配当金のことです。
2024年6月期は受取配当金が8期ぶりに計上され、主として会計上の特殊要因を含むため、2019年同期より404百万円多い1,231百万円、一口当たり約182円となる見通しです。

続いて7頁、24年12月期業績予想の概要をご覧ください。24年12月期は、主として既存ホテルの賃料と新規に取得したホテルの通期寄与による賃料増加で、営業収益は対前年同期比7.6%増の約203億円、純利益は6%増、一口当たり分配金も6%増の予想をしております。尚、シェラトンからの受け取り分配金は概ね巡航水準で、2019年よりも約1%6百万円多い、679百万円、一口当たりは約100円を見込んでおります。

次に8頁、令和6年能登半島地震の影響をご覧ください。本投資法人は、能登半島地震の被災地に、6物件を保有しております。右側の地図をご覧ください。全体としましては、地震による本投資法人の保有物件の運用に対する影響は、殆どない見通しでございます。地震発生直後は、一般旅行者による宿泊キャンセルが一時的に発生しましたが、メディアや通信会社、保険会社、工事関係者などによる需要が増加しております。宴会については、震災によるキャンセルに加え、新規予約の伸び悩みが見られましたが、現時点では回復傾向にあります。又、地震により、物的被害が一部に発生しましたので、修繕費やCAPEX、減価償却が一部増加する見込みです。一方、今後の観光需要については、旅行代金の最大50%を補助する北陸応援割の実施、および北陸新幹線の延伸により、需要回復が期待されます。

続いて9頁、国内ホテルのKPIをご覧ください。国内ホテルのKPIにつきましては、今まで国内75ホテルのベースで資料を示してきました。しかし、昨年8月に6物件を新規取得し、ホテル物件数が81物件となりましたので、今回、国内81ホテルベースでの数値も合わせてお示ししております。本投資法人が保有する国内75 ホテルに関して、KPIを当期と2019年同期を比較すると、稼働率は2019年同期を若干下回りましたが、ADRは19.2%上回り、RevPARも11.5%増の1万462円となりました。GOPは2019年同期比1.09 倍となりました。2023年年間では、稼働率は2019年と比べまだ5.9%低いものの、その他のKPI は全て2019年を上回っております。2024年はコロナ禍の影響はなく、年間のGOPは、前年比および2019年比、どちらも8%程度の成長を見込んでおります。尚、昨年8月に取得した6物件を含む、81物件ベースのGOPに関しましては、右下に示しております通り、24年は23年比で8.2%の増加を見込んでおります。

10頁をご覧ください。続いてケイマンホテルのKPIに関して説明致します。ここでは、棒グラフは為替変動の影響を排除するため、全て1ドル=110円で試算、換算をしております。オレンジ色の折れ線グラフは、各期における加重平均為替レートを使って円換算をしております。当期も前期同様、稼働率以外の全てのKPIが、2019年同期を上回りました。24年年間の米ドルベースのGOPは、2019年を19%超える見込みで、又、前年比では8.6%増加の予想となります。今後は1月から4月のピークシーズンの団体予約を抑えて、単価が上げやすくなってきております個人予約の単価をより高くすることで、全体的な単価を最大化し、GOP の更なる拡大を図りたいと考えております。

11頁は、資本的支出と減価償却についてです。2023年は、コロナ禍で実施できなかった設備更新などを中心に、減価償却費の35%に相当する2,788百万円の資本的支出を実施致しました。24年は、ケイマン諸島に保有しますサンシャイン・スイート・リゾートの改装工事、1,323百万円の予算を計上しております。更に国内ではフレックステイイン飯田橋による、客室増設改装工事465百万円の予算を予定しております。こうしたバリューアップ工事も積極的に計画し、更なるなるGOP増を目指しております。フレックステイイン飯田橋の工事は、20%超える資本利益率(ROC)を見込んでおります。尚、23年にアパホテルから営業上の要請で、24年に持ち越されたアパホテル横浜関内の空調機全館更新、355百万円の予算ですが、これの実施を含め、24年には減価償却費の約7割に相当する、6,234百万円の資本的支出を計画しております。

次に12頁から14頁で、第3章2023年8月取得物件の概要に関して報告致します。
12頁は取得物件のサマリーです。8月1日に国内ホテル6物件を、平準化NOI利回り6%となる合計572.3億円で取得致しました。6物件のうち、取得価格の7割を占めるフサキ ビーチリゾートホテルは、取得価格で本投資法人ポートフォリオ最大の旗艦物件となります。この物件のKPI 実績については、後ほど簡単に説明致します。

それでは13頁、この6 物件の取得による、ポートフォリオの推移を示しております。主として国内リゾートタイプのホテルへの投資を拡大し、全J-REITで最大のホテルのポートフォリオが取得価格ベースで、5,078億円となりました。コロナ化が収束し、今後増加が期待される、国内外のリゾート需要の取り込みを目指します。

続いて14頁で、先程のフサキの実績について説明します。石垣島への観光客数は、空港保安検査員の人員不足により、国際線の運行再開できない状況が継続しているものの、概ね2019年の水準まで回復しております。フサキの2023年のKPI実績については、鑑定による4年目安定稼動ベースをもとにした稼働率82%に対して、昨年は8月の大型台風の影響などにより、75.2%になりましたが、GOP は僅か0.3%減の2,363百万円で着地しました。 今後、国内事情については稼働が低下するオフシーズンの集客に向けて、冬場でもホテル滞在を楽しめるような新たな滞在方法を提案し、リピーターやファン層の獲得を目指していきたいと考えております。又、オンシーズン、夏場の取り組みとしまして、高稼働率を達成するために、きめ細やかな予算管理を行ってまいります。インバウンド需要に関しましては、国際線の運行再開を念頭に、台湾や香港のエージェントに販促活動を行っており、需要を取り込んでまいります。

15頁をご覧ください。ここから第4章で、ホテルの運営状況と市場環境に関して説明致します。先ずは国内の状況とインヴィンシブルのホテル稼働率の推移です。インヴィンシブルが所有する国内 75のホテルの稼働率は、引き続き全国平均を上回っております。23年の日本人延べ宿泊者数は、2019年と同等の水準で推移し、23年10月以降は2019年同期比を上回り、今後も堅調な国内需要が期待されます。一方、低迷していた外国人延べ宿泊者数は、2022年10月の水際対策の緩和後、円安などを追い風に年間を通じて伸長し、昨年12月には 2019年 同期比132%に到達致しました。

16頁に参ります。インヴィンシブルの国内75ホテルのKPI 回復推移についてです。棒グラフは2019年の各月のKPIを100として、23年1月以降の回復度合いをパーセントで示したものです。青が稼働率、オレンジがADR、グレーがRevPARです。23年12月期の各月の稼働率は、2019年同月比93から94%付近で推移し、23年6月期後半とほぼ同水準の結果となりました。一方で23年12月期の各月のADR は、インバウンドの回復などを追い風に、2019年同月比で、右肩上がりで推移し、12月には132.8%に到達致しました。緑色の折れ線グラフをご覧ください。23年第4四半期の訪日外国人数は、2019年同期比3%増となり、24年1月も2019年同月と同水準となりました。

続きました17頁から3頁に渡ってマイステイズによる取り組みを紹介致します。左上の表をご覧ください。当期の会議売上は、2019年同期の108%に達し、前期まで低迷していた宴会売上も、2019年同期の90%まで回復しました。24年も引き続き宴会付き会議への回帰が進み、24年6月期の宴会売上は、23年12月期比102%の見通しでございます。左下に参ります。海外の地域別マーケティングとして、中国や台湾を担当するインバウンドセールス担当者を増員し、現地エージェントへのセールス能力を強化しております。又、韓国やインドネシア、ベトナムなど、アジア圏を中心とするインバウンド需要を更に獲得できるよう、該当するエージェントとの関係強化に取り組んでおります。更に対面セールスや海外エージェントへの出張セールス、日本国内外で開催される商談会への参加など、コロナ禍に休止していた活動を再開致しました。右側をご覧ください。マイステイズは強固な顧客基盤を有しており、マイステイズチェーンの拡大に伴う提案力の強化や、ポストコロナで活発化する企業活動に対して、積極的な提案営業と各種プランで、多様な顧客需要を獲得しています。下段の方にございます通り、教育旅行やスポーツ団体、スタディーツアーなどのプランは、既に2019年同時期の売上を超えております。

18頁をご覧ください。マイステイズ73ホテルGOPの変化です。棒グラフは、GOPの実数を、2019年を100として、前期と当期の対2019年同月比率を指数で表示しています。折れ線グラフは、GOP比率の月次比較で、グレーが2019年、オレンジが2023年です。マイステイズよるGOP per Available、GOPPARといいますが、販売可能室数に対するGOP、これを最大化する戦略が引き続き奏功し、マイステイズが運営する国内73物件のGOP比率は、前期の37.4%から当期は40.7%に上昇致しました。GOP金額ベースでは、2019年同期比で、前期は90.2%だったのに対し当期は107.2%と、2019年12月期を超えました。当期10月以降のGOP比率は、コスト上昇を吸収しながら、2019年レベルを超えています。マイステイズは、水道光熱費や食材などのコスト上昇の影響を最小化するため、ホテル毎、日別に需要予測を行い、1部屋当たりの宿泊者数や1名当たりの販売単価など原価を踏まえて、きめ細かく価格を設定しています。

19頁は、マイステイズによる今後の見通しと戦略についてです。国内のビジネス利用は、引き続き新しい働き方の浸透による影響が見られる一方で、対面での商談やイベントの増加が予想され、出張需要は安定的に増加すると見込んでいます。国内のレジャー需要については、一部の都道府県で再開・延長された旅行支援やイベントの再開により、需要が更に増加することが見込まれ、引き続き2023年並みの顕著な需要が続くと思われます。右側でございます。インバウンド上全体については、国際線の需要が増える中で、空港職員の不足による新規就航や増便への制限による影響はあるものの、円安や国内観光地の整備、交通インフラの改善、国際イベントの開催などにより、需要の増加が期待されます。中国団体旅行については、ビザ発行の遅れや航空便の制限、消費者の旅行意欲の変化などから、24年夏から国慶節のある10月にかけての回復するものと見ております。下段の今後の戦略をご覧ください。マイステイズではグループ全体のネットワークを活用し、更なる需要発掘に努めています。又、人員確保に大きな問題は生じておりません。昨年は新卒・中途、合わせて707名を採用しております。又、昨年6月に開校した成田・ホスピタリティ・アカデミーから60名を採用し、順次卒業生がマイステイズグループで就業する予定でございます。

20頁はシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルに関して紹介しております。左側をご覧ください。当期は継続的な法人営業活動により、会議・宴会売上高は、前年同期比1.9倍、2019年度同期比で7.7%増加しました。24年1月から6月の確定予約数も堅調に推移しており、23年同期比約60%の増加を予想しています。引き続きホテル運営費用をコントロールしながら、様々な宿泊パッケージのプロモーションを展開してまいります。右側をご覧ください。前期より地元企業や関連団体の関係強化により、新規事業の取り組みを図っております。当期は新たにラグビーのリーグワンチームである浦安D-Rocksとスポンサー契約を締結し、ローカルゲストへの販促を行っております。ファミリー層の新たな需要の取り組みを図るため、2022年12月にキッズエリアをリニューアルしましたが、昨年12月には新たに読書エリアが登場致しました。

次に21頁と22頁でケイマン2ホテルの状況について説明します。当期は、オレンジ色で示しておりますADRもグレーのRevPARも、毎月2019年度同月を上回りました 。今後もこの傾向は続くと考えています。コロナ禍で鬱積していたインセンティブ旅行をはじめとする団体需要により、2023年12月期の団体による客室販売室数は、2019年同期比で171.2%を記録しましたが、青色で示した稼働率は、2019年同月比 7.5%ポイント減にとどまりました。空路での宿泊訪問数が、2019年同期比93%を示した11月には、稼働率も一時2019年同月比で99%まで回復致しましたが、期待したほどの航空便での回復は、まだ見られておりません。今後、2019年度水準で安定化するには、コロナ禍で減少したケイマン諸島への航空便数の更なる回復が必要となります。当期の米ドルベースの運営委託収益は、2019年同期を10%上回る14.6百万ドルになりました。23年通年では、2019年比9.6%増、対前年比では倍増となる43.7百万ドルとなりました。今後、ケイマン諸島への航空便増便に伴う空路での訪問客数増加を前提に、更さらアップサイドを企図して、ウェスティンの増築を検討しております。建築許可については、政府中央計画委員会、CPA と申します、これによって、条件付きで承認はなされました。しかしながら、近隣事業者からCPA に対して異議申し立てがなされています。そのため、今後はCPA と協力してこの意義申し立ての対応を行い、建築許可の条件として挙げられた事項を遂行していく予定です。
22頁ではケイマン諸島への就航エアラインとパイロット不足解消の動きを示しています。今年2月時点でエアライン10社がケイマン諸島への便を運行しています。

23:24
右側をご覧ください。ケイマン航空は、23年11月以降ロサンゼルス国際空港からの直行便を、週2便に増便しました。右下をご覧下さい。フライトを増便する上では、アメリカでのパイロット不足は課題となっていますが パイロット志願者が増加する中、パイロット養成学校の拡充など、状況改善に向けた動きが見られます。
続いて23頁をご覧ください。国内の新規ホテル供給状況についてです。左側をご覧ください。月間ホテル・レストランによる半年ごとの調査によると、毎年の新規供給客室数の実績、計画値は、右肩下がりで推移しています。一方で、右側をご覧頂くと、新規増設ホテルの計画確認客室数は、2019年12月以来の減少トレンドから初めて増加に反転しました。しかしながら、1年前の調査時点の計画確認客室数を下回っております。

続きまして24頁は、国内既存ホテルの状況です。左側をご覧ください。ホテル市場全体の回復傾向の中、23年の旅館・ホテル業の倒産件数は前年比微減でした。右側をご覧ください。23年11月時点における日本のホテル数は前年比2%増加し、その中では年率10%ほどで増加していたシティホテルは、減少に転じています。
25頁に入ります。ビジネス・レジャー事業の動向に関する試算です。下の欄に記載しております、一定の前提に基づいた本試算に基づくと、マイステイズのビジネス利用による稼働率は、前年同様2019年レベルまで回復していると考えられます。23年のレジャー需要については、インバウンド事業の回復などを背景に、前年から14ポイント以上を伸長していますが、2019年と比較すると、更なる上昇が期待されます。

26頁は海外の状況です。左側のグラフをご覧ください。国連世界観光機関によると、23年12月の国際観光客数は、2019年比89%まで回復しました。地域別の国際間航空便の座席数は、アジア太平洋では戻りが遅いものの、米州では2019年比106%まで回復し、欧州も98%まで戻っています。米国ホテルのRevPAR指数は、引き続き高水準のADR により、多くの週で2019年を上回って推移しています。

27頁に参ります。インバウンド市場の動向について説明します。23年の訪日外国人数は19年比 0.79倍、日本への団体旅行が8月半ばまで禁止されていた中国から訪日客数は、下のグラフの通り、0.25倍にとどまる一方、中国以外の国については、ほぼ2019年のレベルに回復しました。平均宿泊日数、左の上をご覧ください、こちらは2019年比1.17倍と長期化し、訪日外国人旅行消費額は1.1倍と、2019年を超過しています。右上の消費額の内訳をご覧ください。2019年に最大の割合33.6%を占めていた買物代の割合が、23年は26.1%に減少し、宿泊費が2019年の30%弱から34.5%に増加して最大の項目となり、ADR の更なる上昇への効果が期待できます。左のグラフをご覧ください。
28頁に参ります。左のグラフをご覧ください。JTB の見通しによると、訪日外国人客数の回復は継続し、24年は2019年を上回り、過去最大になる見込みとなっております。23年7月に実施されたDBJと公益財団法人日本交通公社の調査によると、アジア居住者欧・米・豪居住者双方において、次の海外旅行先の行き先としては、日本が最も人気を集めています。

28頁では中国の動向を示しています。23年1月のゼロコロナ政策終了後に、中国人の海外観光旅行が一部再開しました。規制緩和の段階的進行やビザ免除処置などを背景に、月別の空路による海外旅行者数は着実に回復し、12月時点では2019年同月比約6割まで回復しました。しかしながら、空路による中国国内の旅行者数は、2019年レベルまで回復しており、それと比較すると大幅に回復が遅れております。下のグラフをご覧ください。空路による海外旅行者数の回復にリンクする形で、訪日中国人数の回復はしておりますが、回復の進捗は遅れており、昨年12月時点で2019年同月比44%です。24年2月に発表されました中国政府系シンクタンクの中国旅行研究院によると、24年の中国の海外旅行者数、これは日本も含む全行き先です、こちらは 2019年比で84%となる見込みです。
30頁は国内ホテルの所在地図です。本投資法人の国内ホテルポートフォリオの約8割が、都道府県別の訪日外国人延べ宿泊数(2023年1月から11月)の上位10都道府県に立地しております。

続きまして31頁と32頁、第5章住居物件の運用に関して説明します。
31頁ですが、当期の住居41 物件のNOIは、1,120百万円、前年同期比0.2%増でした。住居41件と商業1物件は、ともに安定的な収益を見込んでおります。
32頁は、住居ポートフォリオの賃料改定状況です。新型コロナ感染症5類引き下げによる経済活動の活性化を背景に、賃貸市場の回復トレンドは明確になってきております。昨年12月期においては、新規契約および更新契約の双方において、賃料上昇の割合が6月期から増加しました。右下のグラフをご覧頂きましたら、新規契約の平均賃料増減率は、当期でプラスに転じたことがお分かり頂けると思います。

33頁、財務の状況です。当期は、9月と12月に本投資法人初となるグリーンボンドを、合計35億円発行しました。借入期間の長期化と返済期限の分散化を進めたことにより、有利子負債の平均残存年数が、23年6月末時点の0.9年から24年2月26日時点では、2.9年に増加しました。長期ローンとしては、昨年11月および今年の1月に、期間6年の借入を行っています。又、24年1月以降には、本投資法人初となるグリーンローンにより借換えを、又、更に、本投資法人初のリテール債60億円も発行致しました。加えて、金利上昇リスクに備えた金利スワップ取引の実施により、固定金利率を上げ、直近の金利固定化比率は50%となりました。

34頁と35頁で、ESGに関する取り組みを紹介します。
34頁は、本投資法人の取り組みです。23年のGRESBリアルエステイト評価では、前年の2-Starsより1段階高い3-Starsを獲得しました。23年8月にグリーンファイナンス実施のために、グリーンファイナンス・フレームワークを策定し、本投資法人初となるグリーンボンドを発行し、更に24年1月には、初めてグリーンローンによる借換えも実行しています。又、24年1月には、新たにホテル4物件でBELS評価を追加取得しました。これにより、BELS評価の取得物件は合計で19物件になります。

35頁はマイステイズによるESGに関する取り組みです。マイステイズでは、環境省の補助金(Shift事業)を活用しまして、CO2排出量の削減とエネルギーコスト削減に取り組んでおります。又、マイステイズ独自の取り組みとして、外国人技能実習生の、ホテルでの技能実習に特化した成田・ホスピタリティ・アカデミーを開校しまして、人材のダイバーシティを推進し、昨年はベトナム、フィリピン出身の実習生合計60名が卒業し、マイステイズに就業しております。今年もネパール、ベトナム等の実習生が、講習を修了して順次マイステイズに就業予定です。

最後に41頁をご覧下さい。おかげさまで、当期も大幅な増収増益が達成できました。24年の年間配当予測では3,506円で、2019年2月にインヴィンシブル投資法人に称号を変更してから最高の配当を目指します。又、スポンサー、そのファンドで日本全国に60棟以上のホテル、約6,800室を保有し、コンソナントは、これらの中から20物件程度に対象を絞り込み、J-REIT最大のホテルポートフォリオを更に充実させる協議を行っております。コロナ化は収束し、新たな成長のステージに入ったと考えております。皆様からの倍旧のご支援をお願い申し上げます。長時間有難うございました