投資法人みらい 2023年4月期決算概要

投資法人みらい
2023年4月期(第14期)決算動画説明書&質疑応答
○動画  https://www.net-presentations.com/3476/20230619/rfdherd234/
○資料  https://3476.jp/file/term-77aa016ec969d6ae0ddd527da555f426709d6b99.pdf
〇質疑応答 https://3476.jp/file/term-312d20e114eebd98e30607accef2aa62989fddc9.pdf
○説明者 投資法人みらい 執行役員 兼
     三井物産・イデラパートナーズ株式会社 代表取締役社長 菅沼 通夫
○説明 
これより投資法人みらいの第14期決算説明を始めます。本日の説明は、Section1のパートの運用ハイライトの頁を使って説明致します。
第14期決算を総括しますと、複数の課題を着実に解決し、次の成長に向けて準備が整った期ということができます。それでは資料に沿って説明致します。

最初は、1年前の第12期決算発表で公表致しました、みらい中期経営計画2025の進捗状況です。3頁の中期経営計画の進捗をご覧下さい。一口当たり分配金ですが、第14期は前期に続き堅守目標の1,300円台を達成しましたが、これには物件入替による売却益計上が含まれております。第15期、16期は、それらの特殊要因がなくなるため1,150円を見込んでおります。今後は稼働優先で埋め戻したオフィス区画のフリーレント解消、ホテル変動賃料のコロナ前水準への回復とともに、外部成長効果も織り交ぜつつ、当面の目標額である1,300円水準の達成を目指してまいります。一方、一口当たりNAVは着実に引き上げられております。第13期から第14期にかけて行われた、物件入替の効果などにより、53,000円にはあと1.5%弱と、目標達成が射程圏内に入ってまいりました。最後の資産規模ですが、第14期は物件入替に軸足をおいて来たことから、資産規模は横ばい推移となっております。今後は、マーケット動向を注視しつつ、厳選投資方針の下での外部成長により、2,000億円目標を目指していきます。

4頁のエグゼクティブ・サマリーをご覧下さい。ポートフォリオ運営実績としては、最重要課題であった東京フロントテラスの稼働率は、契約ベースで95%と超える水準まで引き上げることに成功。奈良の商業施設ミ・ナーラでは、高い繁華性維持と、新しいテーマパーク開業効果により、2023年5月の月額賃料は、開業以来の最高額を達成しました。変動賃料ホテルでは、稼働改善による変動賃料収受が、概ね継続しており、一方の費用面では、水道光熱費上昇分のテナント転嫁と、エネルギー価格鎮静化が進む等、収益改善に向けたな材料が揃いつつあります。今後はオフィス埋め戻しとフリーレント解消による2024年以降の大規模オフィスの収益貢献、インバウンドの本格復活を通じた、ホテル変動賃料の更なる上昇、そして、大規模物件の想定より有利な条件での電力契約等、ポートフォリオ全体収益の改善が期待される要素が増えつつあります。財務面ですが、昨年11月の70億円のリファイナンスは、新規レンダーを招聘しつつ、金利上昇の影響を抑えて完了し、コミットメント利用額15億円の長期化も完了させる等、未来の強みである安定した財務基盤を維持しております。今年後半には、纏まった額のリファイナンスを迎えますが、金利動向を注視しつつ、調達方法、そして借入れ先の多様化に配慮しながら進めてまいります。ESGに関しては、引き続き個別物件の環境認証取得に加えて、TCFD提言への賛同等行っております。
ここからは個別テーマごとに詳細を説明致します。

5頁をご覧下さい。一口当たり分配金の実績と今後の予想です。第14期の実績です。一口当たり分配金は、インバウンドの回復によるホテル変動賃料の上振れがあり、当初予想比+20円で着地致しました。又、今年3月の物件入替による売却益計上に対して、前倒しで実施予定していた修繕工事の一部がスケジュール変更になったこともあり、内部留保は54百万円を積み増した136百万円とし、将来のDPU安定化の原資を更に厚くすることができました。第15期に配当予想は、譲渡益剥落があるものの、ホテル変動賃料の回復や、その他物件での運用改善効果があり、期初予想比で+50円の1,150円を予想しております。第16期は、ミ・ナーラでの季節要因による賃料減少や、ポートフォリオ全体での修繕費増加があるものの、水光熱費の改善や大規模オフィス物件での収益回復があり、第15位と同額の1,150円を見込んでおります。
6頁ご覧下さい。中期経営計画の一口当たり分配金の通過点である1,300円達成の道筋です。改善傾向にあるホテルでは、更なるインバウンド回復に伴う変動賃料のコロナ前水準の回復や、稼働優先で埋め戻したオフィス区画のフリーレント解消による通期賃料寄与と稼働率回復、そして投資主価値向上に資する外部成長を通じて、賢守目標の1,300円水準の達成を目指します。その先の最終的なDPU目標額は、今年の後半に策定予定です。一口当たり77円に相当する内部留保については、今後のDSPU安定化のために、有効に活用していく予定です。

7頁をご覧下さい。次は一口当たりNAVの向上です。今年3月の物件入替は、売却益の向上、利回り改善とともに、含み益拡大に寄与しております。結果として物件入替え前後では、一口当たりNAVは+690円成長、更には、みらいで初となる居住施設の取得と、売却益を活用した将来の配当原資の確保など、今後の投資主価値の向上に向けた施策が具現化されております。

8頁をご覧下さい。堅守共攻戦略に基づく積極的な物件入替は、中期経営計画の目標であるNAVの成長に大きく貢献しております。2回にわたる物件入替えにより、一口当たりNAVの合計で850円成長させており、物件評価額の向上も含めた年平均成長率は、約3%となっております。今後とも、含み益のある物件取得を含めて、53,000円の目標を達成してまいります。

10頁をご覧下さい。今後の外部成長戦略を説明致します。当面のポートフォリオ構築戦略としては、堅守タイプのDefensiveなAssetをメMainとしつつ、そこに将来の成長期待が持てる共攻タイプのセットを織り交ぜる戦略を実施していきます。

具体的には、先に物件入替で取得したような地方中核都市の中規模オフィス、学生マンション等のDefensiveなAsset、そして将来的な賃料アップが期待される、都市型商業施設などの組み合わせが考えられます。尚、コロナ禍以降はホテル比率を引き下げて来ましたが、今後はインバウンドの更なる回復が期待できますので、一定の割合は念頭に置きつつも、取得機会を探っていきます。

11頁をご覧下さい。今後の投資対象は、前の頁でも説明しましたように、Defensiveな堅守タイプのAssetに、共攻タイプAssetを組み合わせていきますが、現在具体的に検討している案件では、共攻タイプの件数が徐々に増加している印象です。

12頁をご覧下さい。将来のインフレと金利上昇への対応について説明致します。将来的なインフレと金利上昇のリスクが意識されるマーケット環境下ですので、資産サイドと負債サイドの夫々で、それらのリスクへの備えを進めてまいります。資産サイドでは、将来インフレによる収益アップサイドが期待できる物件取得をより意識すること、負債サイドでは、今後返済期限が到来する借入れの、可能な限りの長期化を進めていきます。尚、資産と負債夫々の契約残存期間を比較しますと、現状では負債サイドの期間が短くなっております。これは、2016年の上場時に調達した長期借入金の多くの返済期限が、到来しつつあることが影響しております。これら借入のリファイナンスに際しては、期間長期化とともに、返済期限分散化も意識して取り組んでまいります。

13頁をご覧下さい。水道光熱費の状況です。エネルギー価格高騰に伴う電力料金上昇に対しては、テナント専有部のみならず、一部物件では共用部の上昇部も含めてテナントへの請求出来たこと、燃料費調整単価がピークアウト傾向にあることから、水道光熱費収支は、期初予想よりも改善傾向にあります。又、電力購入契約が期限を迎える上位3物件のうち、ミ・ナーラでは、既存契約先と当初想定より有利な条件での延長に成功し、ポートフォリオ全体の約4割の水道光熱費のある川崎テックセンターでは、三井物産のサポートを受けつつ、こちらも当初想定よりも有利な条件で、新たな供給先との契約締結が実現しつつあり、コスト面で大きな課題となっていた、水道光熱費上昇への対応が着実に進んでおります。

14頁をご覧下さい。ここからは、アセットタイプ別の運用状況をオフィスから順に説明致します。最重要取組み課題に位置付けていた天王洲の東京フロントテラスは、稼働優先の積極的なリーシング活動が成果を上げ、足元の稼働率は95%を超えるまで引き上げられました。その他の大型物件は、いずれもエリア平均を上回る稼働率を維持しており、最近時の都心部の大規模オフィスの大量供給の影響は、今のところみらいの運用物件では限定的であることが理解頂けるかと思います。尚、周辺空室率が上昇傾向にある川崎テックセンターにおいては、幅広いテナントに対応できる仕様も特殊性が功を奏し、解約区画が出た場合でも、館内増床を含め埋め戻しが実現するなど、引き続き高い稼働率を維持しております。

16頁、中規模オフィスをご覧下さい。みらいが運用します中規模、大都市圏オフィスに目を移しますと、いずれの物件とも安定稼働が維持されており、都内大規模ビルとの比較では、安定性が高いことが確認頂けます。今後のオフィス取得に関しては、この高い安定性に注目して、地方中核都市圏も含めて中規模オフィスの取得自体を探ってまいります。
17頁をご覧下さい。奈良の商業施設ミ・ナーラは、コロナ禍においても積極的なテナント誘致が奏功し、来館者数は増加傾向であり、更には、金魚に続く新たなテーマパークの開業効果もあり、2023年5月の月額賃料は75百万円と、開業以来の最高額を更新することができました。この新たなテーマパーク「生き物ミュージアム」は、運用会社として企画、コンセプト、販促まで関わりながら、金魚ミュージアム運営会社と協働で作り上げたもので、ミ・ナーラのコンセプトである観光、こと消費に合致した取り組みであります。実質的なオープン初月となる5月の同ミュージアムからの賃料は、金魚ミュージアムの6割を超えており、今後は金魚ミュージアムとともに、ミ・ナーラの変動賃料のドライバーになることが期待されております。尚、昨今ミ・ナーラは商業施設としての繁華性が、商業経験者の間で認知されつつあることも手伝って、複数の新規テナントの誘致、入替が更に進んでおり、今後、更なる賃料アップサイドが見込まれます。

18頁をご覧下さい。みらいのホテル物件は、固定賃料物件と変動賃料物件に分かれていますが、いずれの物件群ともに稼働状況は改善傾向にあります。年明け以降は、変動賃料物件3物件で、変動賃料を概ね収受できる状況まで改善してきており、インバウンドの更なる回復に伴い、今後の稼働状況が、コロナ前の水準を達成することが期待されております。尚、オペレーター変更となりました伊勢市のホテルEN Hotel Iseは、開業初月稼働が想定を超える水準にあるなど、順調なスタートを切っております。

19頁をご覧下さい。財務戦略について説明致します。右上の表の通り、第15期のリファイナンス額は35億円と少額ですが、第16期は165億円の纏まった金額のリファイナンスが控えております。強固な財務基盤、運営はみらいの強みでもありますので、今後の金利動向を注視しつつ、着実にリファイナンスを実現していきます。尚、これらのリファイナンス後の想定調整コストは1%と、比較的保守的な前提を置いております。今月19日には、コミットメントライン用15億円を、既存の取引行にて長期リファイナンス済みであり、調達面含めて引き続き取引先金融機関の皆様よりは厚い支援を頂いております。

最後はESGです。20頁をご覧下さい。第14期はTCFD提言への賛同表明に加えて、個別物件の環境認証取得に継続的に取り組んでおり、更には個別物件での省エネルギー施策を推進する等、ESGにおいても着実に歩みを進めております。
以上が第14期決算説明となります。
改めて今回決算のポイントを振り返らせて頂きます。1点目は、堅守共攻戦略の下での安定を成長の両方を意識して取り組んだ物件入替により、ポートフォリオの収益性を維持しつつ、一口当たりNAVを大きく改善させたこと、2点目は、物件売却益の活用により、修繕工事の前倒しと、将来の配当安定化に向けた内部留保を確保したこと、3点目は、最重要課題であった天王洲東京フロントテラスのリーシングでは、契約稼働率95%超を達成させたほか、奈良の商業施設ミ・ナーラではリニューアル後の繁華性を維持しつつ、金魚に続く新しいテーマパークのオープンにより、月額賃料は過去最高額を達成したこと。4点目は、インバウンドの回復に伴うホテル変動賃料回復があったこと、そして、最後の5点目は、コスト面で課題であった大規模物件の電力契約を、想定より有利な条件で締結できたこと、以上の5点です。運営が難しいマーケット環境下ではありましたが、収益改善と投資主価値向上に資する取り組みにおいて、着実な結果を残すことができました。今後は、投資主価値向上に繋がる外部成長を織り交ぜながら、中期経営計画の目標達成とともに、更なる投資主価値の向上策に取り組んでまいります。つきましては、引き続き皆様からのご支援を賜りますよう、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
本日は、ご清聴頂きまして、誠に有難うございました。