投資法人みらい 2022年4月期決算概要

投資法人みらい
2022年4月期(第12期)決算説明動画配信説明書
動画  https://www.net-presentations.com/3476/20220620/sobcvcd/
資料  https://3476.jp/file/term-3d42661168b825e2f6510dc48ba9c65bb034ca9f.pdf
説明者  三井物産・イデラパートナーズ株式会社 代表取締役社長、
     投資法人みらい 執行役員 菅沼 通夫
説明
投資法人みらいの第12期決算説明を始めさせて頂きます。
3頁をご覧下さい。今回の決算で注目して頂きたいポイントが、新しい中期経営計画です。
コロナ感染症拡大からの出口が見えて来ている状況下、ポストコロナの成長戦略として
新たな中期経営計画として「賢守共攻」策定、2025年を期限にポートフォリオを賢く守り
ながら、投資家の皆様と思いを共有し、成長に向けて攻めに転じる3年間としていきたいと
思います。計画の詳細は後程説明させて頂くとして、先ずは、みらいの第12期の運用実績
と、今後の取組みを説明させて頂きます。第12期の一口たり分配金は、期初予想比で
プラス7円の1,267円となりました。今後には、賢守の通過点として1,300円を置き、
その先の共攻の分配金目標は、2023年以降に新たに設定したいと思います。外部成長では
昨年12月の公募増資で4物件、106億円の物件を取得、今後は2,000億円をターゲットに
置き、賢守の精神でディフェンシブ性に重きを置きつつ、成長性を備えた物件も織り交ぜ
ながら、資産規模の拡大を目指していきます。ポートフォリオ運営ですが、重点取組と
位置付けました東京フロントテラスでは、稼働率を優先しつつ、アセットマネージャとして
リーシング戦略の立案から、その後のリーシング推進に積極的に関与する、ハンズオンの
姿勢で関与した結果、コロナ禍の影響を受けた退去があったものの、埋め戻しが進展して
おります。BizMiiX淀屋橋では着実な稼働率の進展が、ミ・ナーラでは各テナント入替え後
の着実な繁華性、売上の向上が出来ております。今後はハンズオンでのリーシング活動を
通じて、東京フロントテラスの稼働率回復が見込まれ、そして、国内とインバウンド宿泊
事業回復によるホテル変動賃料が将来の内部成長のドライバーとなることが期待されて
います。財務面では、金融機関の皆様のご支援のもと、比較的まとまった金額の
リファイナンスを完了、更に、初のグリーンファイナンスと2年ぶりの公募増資を実施
するなど堅守を体現する期となりました。世界各国では金利上昇の動きが見られますが、
当面は、国内の金利上昇は限定的と思われますので、引続き堅守を意識しつつ財務運営を
進めてまいります。尚、昨年のグルーバルインデックス入りをきっかけに、海外投資家の
割合が着実に増加しており、引続き投資家層の裾野の拡大を進めてまいります。ESGに
関しては、個別物件の環境認証取得を更に進めるとともに、複数の具体策の推進を通じて、
GRESBの3スターを目指していきたいと思います。尚、再生エネルギーへの切替えは、
コストバランスを見ながら継続検討していきます。
ここからは個別テーマごとに詳細を見てまいります。
4頁をご覧下さい。先ずは分配金の実績と今後の予想です。右下をご覧下さい。高騰で申し
上げた通り、第12期実績は、期初予想比プラス7円の1,267円となりました。BizMiiX
淀屋橋及びミ・ナーラは2022年に入ってから、新型コロナ第6波が起きた影響もあって、計画比Behindとなりましたが、スマイルホテル那覇のコロナ宿泊療養施設としての利用
期間延長や物件運営費用の削減等でカバーしています。第13期は、2021年以降に取得
した物件の、公租公課の費用化が開始されるタイミングですが、直近の取得物件の通期の
収益寄与があることで、公募増資公表時と同額の1,285円を維持、第14次は、スマイル
ホテル那覇のコロナ宿泊療養施設提供が完了する見込みですが、昨年10月の公募増資に
よる取得した2つの底地の賃料ステップアップや、大規模オフィスの賃料収入増加により、
同じく1,285円を維持する見通しとしています。
5頁をご覧下さい。今後の未来の中・長期的成長目標として、今回策定します中期経営計画
の基本的な考え方は、賢守共攻です。コロナからの出口が見え始めた環境ではありますが、
ロシアのウクライナ侵攻、企業サプライチェーンの停滞、インフレなどにより、将来予想が
大変難しい状況にあります。こういった環境を踏まえ、今回の計画では、単純に守りを
固めるのではなく、柔軟性を持ちながら賢く守る安定性を重視した取組みとともに、投資家
の皆様と思いを共有しつつ、規律ある成長を実現するために攻める、堅守共攻の精神を
もって取組んでいきたいと思います。今回は、2025年を期限として、3つの定量目標を
設定しますが、それらが達成された暁には、みらいのリスクプレミアムが縮小することを
期待しております。
6頁目をご覧下さい。堅守共攻の精神をもって取組む、中期経営計画の定量目標として設定
しますのが、一口当たり分配金1,300円水準、一口当たりNAV53,000円以上、資産規模
2,000億円以上の3つです。
分配金目標ですが、コロナからの出口を抜けることで、視界が良好になります2023年以降
に、本来的な分配金目標を設定する予定ですが、その手前の通過点としては、ホテルの変動
賃料を含まない前提で、1,300円の水準を、一旦の目標としておきたいと思います。
一口当たりNAVについては、毎年一定割合の成長とはいかない可能性がありますが、目標
額53,000円以上を設定、年率平均としては2%程度の成長を、資産規模についてはAA格
の実現と、NAVの成長を意識した規律ある投資姿勢のもとで、2,000億円をターゲットと
して設定致します。
7頁目をご覧下さい。堅守の分配金目標である1,300円水準については、他のオフィス系
リートでも分配金水準を引下げる事例が見られるように、オフィス稼働率の変動といったダウンサイドの影響はあるものの、引続き稼働率重視のリーシングを着実に進めつつ、
アップサイド余地のあるBizMiiX淀屋橋の稼働率向上とミ・ナーラの売上げ増加、空室師匠化に加えて、物件入替え等も継続的に検討しながら、達成していきたいと思います。次の
共攻では、規律ある物件取得を通じた外部成長と、国内及びインバウンド宿泊者回復を
通じたホテル変動賃料の回復等を通じて、更に上の分配金目標を設定する方針ですが、
具体的な目標額については、投資家の皆様との対話を通じて固めていく予定です。
8頁をご覧下さい。当面のポートフォリオ構築戦略としましては、賢守タイプの
ディフェンシブなアセットをメインとしつつ、そこに将来の成長期待が持てる共攻タイプ
のアセットを織り交ぜながらの成長を、戦略としていきます。尚、各アセット別の当面の
投資比率は従来方針を維持していきます。
9頁をご覧下さい。重点的投資対象としますアセットは、大きく分けて4つのグループ
です。先ず、テナント需要が底堅いアセットとしてターゲットにしますのが、テレワークの
影響と新規供給がいずれも限定的であり、且つ、幅広いテナント需要に対応可能な中規模
オフィスや、安定した消費者需要に支えられる生活密着型商業施設です。二つ目は、強固な
Cash-flowが期待できるアセットタイプで、インダストリアル施設や底地などがこれに該当
します。これら物件の取得に際しては、三井物産の産業知見を活用するとともに、土地の
代替アセットの検証をしっかりと行うことで取得を進めてまいります。3つ目は、ポート
フォリオの更なる安定性向上に資する新たなコアアセットである学生マンション、社宅等
を含む住宅や物流施設です。但し、これらのアセットは、マーケットでの取得競争が極めて
厳しいことから、スポンサーの開発機能やブリッジ機能を活用しながら、オフマーケットで
の取得や相対取引などを通じて、高値掴みを回避した取得を進めて行きます。最後の
グループが、ポストコロナにおけるアップサイドが期待できるアセットタイプで、都心型
商業や、オフィスにも大店型商業テナントにも対応可能なユーティリティアセットなどが
該当します。
10頁をご覧下さい。先に説明致しました重点対象アセットとして、現在ブリッジ中の
パイプライン案件は、3物件約85億円であり、更なるパイプライン拡充に向けては、
引続き独自の物件ソーシングに加えて、CRE専業企業であるククレブ・アドバイザーズ社
との協業による、個別企業へのCRE提言などを通じた物件掘り起こしに取組んでおります。
尚、ククレブ・アドバイザーズ社は、J-REITで多数のCRE案件を手掛けた経験を有する
メンバーが揃っており、みらいの過去案件でもサポート実績を有しています。又、ポート
フォリオの安定性と、収益性向上に向けた物件入替にも継続して取組んでいくものであり、
含み損の解消に繋がった、5月のコンフォートホテル長野の譲渡に続く物件入替えも、検討していきたいと思います。又、三井物産グループとの協業は従来以上に強化、加速させて
おり、三井物産都市開発との開発を伴うCRE提案やJA三井リース建物のブリッジ機能
活用など、厳しい環境下であるがゆえ、スポンサーグループの機能をフル活用することで
成長を実現していきます。
11頁をご覧下さい。今年3月に大手上場リート運用会社でスポンサー変更が公表され
ましたが、三井物産グループにおいては、不動産アセットマネジメントビジネスを拡大する
方針に変更はなく、グループ間での協業、連携を更に強化、加速させることで事業拡大を
進めてまいります。
12頁をご覧下さい。ここからは、第12期末時点でのポートフォリオの概要を、アセット別
に説明致します。尚、不動産業界では直近の課題として、電力料金上昇が話題になって
いますが、みらいの第12期における水道光熱費の上位3物件については、第14期末まで
の契約を既に締結済みであり、直ぐに分配金に影響が出るという状況ではありません。とは
いえ、今後とも電力事情が逼迫、継続していくことが想定されるため、運用上の省エネ対応
も考慮しつつ、スポンサーである三井物産の取引関係も活用しながら、長期的なコスト
コントロールの方法を検討していく予定です。
13頁をご覧下さい。前回の決算発表において、天王洲の東京フロントテラスのリーシング
を重点課題に設定、アセットマネージャとしてリーシング戦略策定と、その後のリーシング
活動に積極的に関与する、所謂、ハンズオンでの活動が功を奏し、期中解約の影響があった
ものの、第12期末稼働率は、前期末比較では、概ね横這い水準となりました。その後も、
このハンズオンの取組みと、稼働優先のリーシング活動は茶s九実に成果を上げており、
足元においても複数テナントから引合いがあることから、今期末の想定稼働率は、約90%
は十分達成可能と考えております。尚、その他の大規模オフィス3物件については、
いずれもエリア稼働率を上回る安定した稼働率を維持しており、現在水準の高稼働率の
維持は可能と考えております。
14頁をご覧下さい。東京フロントテラスを含む大規模オフィス4物件の、賃料ベース稼働
率実績は、概ね想定通り推移しており、稼働率優先の施策による一定のフリーレントが解消
されます第13期から14期に亘って、徐々に賃料ベース稼働率が上昇していく、やや保守
的な前提を置いております。
15頁をご覧下さい。BizMiiX淀屋橋のリーシングについては、申込先を含めた想定稼働率
は、既に75%を超過しており、複数の有望商談先と条件提案先が存在しておりますので、巡航稼働化は時間の問題と考えております。ミ・ナーラにつきましては、コロナ感染者数
高止まりの影響もありましたが、昨年4月の再リニューアル以降の平均月額賃料は、58百
万円で推移、同期間の平均施設売上高は約100億円と、コロナ禍ではありましたが、着実
な成長が実現しております。足元では複数テナントの新規出店や、不採算テナントの入替え
により、中期目標である月額賃料64百万円の達成を目指しており、アフターコロナを
見据えた個人、団体観光客の取込みによる金魚ミュージアムの集客増等で、更なるアップ
サイドを追求していきたいと思います。
16頁をご覧下さい。最後はホテルです。第12期の地方圏ホテルのRevPARは、年初の
緊急事態宣言の再発出により、一時的に低下しましたが、期中を通じ底堅く推移、大都市圏
のホテルを含めて、今後は国内宿泊需要とともに、インバウンド客需要も期待できますので、
変動賃料の復活も期待出来る状況にあると考えています。尚、個別物件のトピックですが、
今年12月に契約期限を迎えます伊勢シティホテルでは、固定賃料の引上げと、変動賃料の
設定によるアップサイドの獲得に向け協議を進めており、コンフォートホテル長野は、
含み損解消を目的に、鑑定評価額を上回る価格で、5月に譲渡が完了しました。この結果、
コロナ前は20%ほどありましたホテル比率は、15.8%まで低下しており、ホテル保有比率を
引き下げるという取組みも、着実に進展しております。
17頁をご覧下さい。右側の表の通り、来年末までのリファイナンス額は、それほど大きな
金額ではないこと、そして国内金利上昇は限定的と考えておりますので、調達コスト上昇に
よる配当金への影響は、軽微と考えております。年初に国債金利が上昇したタイミングで
調達しました3月の借入金は、期間7年、約0.6%の調達金利であり、仮に金利が上昇した
場合には、調達年限を短期化する当の工夫で、ある程度のコスト吸収も可能と考えており
ます。
18頁をご覧下さい。コロナ禍において、海外投資家の割合は増加傾向にありましたが、
昨年12月のグローバル・インデックス入りを契機に、その割合は更に上昇しており、
投資家裾野拡大は着実に進んでおります。
19頁をご覧下さい。最後は、ESGの取組み状況です。第12期には、ミ・ナーラの環境
認証取得が出来たことから、ポートフォリオ全体の環境認証取得率は74.4%までアップ
しました。昨年2スター評価を取得しましたGRESB評価は2年目を迎えますが、前回
取得時の課題を着実に解決しており、今年は是非とも3スター評価の獲得を目指して
いきたいと思います。
以上が第12期決算説明となります。
コロナ禍の出口が見え始めたことから、2025年を期限とします新たな中期経営計画「賢守
共攻」を策定、3つの定量目標の達成を通じたみらいのリスクプレミアムの縮小を実現して
いきます。但し、マーケットは継続的な価格上昇を伴いながら、取得競争は益々厳しさを
増しておりますので、みらいらしい取得戦略を採用しつつ、三井物産グループを初めと
しますスポンサーとの協業を更に強化することで、オフマーケットでの物件取得も織り
交ぜながら、賢守共攻の精神で、成長を実現してまいりたいと思います。投資家の皆様に
おかれましては、引続きご支援を賜りますよう、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
本日はご清聴頂きまして、誠に有難うございました。