三井不動産ロジスティクスパーク投資法人 2023年7月期決算概要
三井不動産ロジスティクスパーク投資法人
2023年7月期(第14期)決算動画説明書
○動画 https://www.net-presentations.com/3471/20230912/rflnmn4/
○説明資料
https://www.mflp-r.co.jp/file/ir_library_term-f8c6e7f62919c1f188f11744052b601a0a3c1721.pdf
○説明者 三井不動産ロジスティクスリートマネジメント株式会社
代表取締役社長 坂ノ下 忍
○説明
今期第14期決算も13期連続となる増収増益増配とすることができました。又、第6回目となる公募増資を行い、8月に三井不動産よりMFLP2物件を取得し、これに加えて、来年2月に取得予定のMFLP3物件の売買契約を締結することができました。改めて投資家の皆様のご支援、並びに、関係各位のご尽力に厚く御礼申し上げます。
早速ではありますが、第14期決算説明会資料に沿って、運用ハイライトを説明致します。
4頁をご覧下さい。先ずは、今期、第14期決算の概要です。営業収益は114億円、経常利益、当期純利益はともに42億円、一口当たりの分配金は8,804円に着地しました。分配金は、昨年同期の第12期対比で5.4%の成長となりました。又、第15期および第16期については、第6回公募増資に合わせて公表致しました7月31日付け業績予想から大きな変更はなく、一口当たりの分配金は、夫々8,781円、9,151円を見込んでいます。この結果、第1期から第16期予想までの分配金、年平均成長率は7.8%と想定しています。運用ハイライトの4つのパート、外部成長、内部成長、ESGへの取り組み、財務戦略におけるポイントは、4頁下段に記載の通りです。
外部成長に関しましては、第14期の期初、本年 2月にMFLP大阪交野の取得を行いました。更に7月に5物件の売買契約を締結し、8月にはMFLP東名綾瀬およびMFLP所沢の2物件を取得、来年2月にはMFLP平塚Ⅲ、MFLP新木場ⅠおよびMFLP・SGリアリティ福岡粕谷の3物件の取得を予定しております。この結果、新規6物件、475億円の取得後の資産規模は3,898億円に拡大し、ポートフォリオの安定性は、更に向上するものと見込んでいます。又、保有物件の稼働率は、概ね100%で推移しており、今後の契約更改についても大変順調に進捗しています。ESGについては、新規6物件の取得後、グリーンビルディング認証取得比率およびZEB認証取得比率はともに向上し、その他の環境 KPIも順調に進捗しております。又、財務戦略においては、新規6物件取得後、第16期末におけるLTVは39.4%、LTV50%までの取得余力は800億円と見込んでおり、堅固な財務基盤を継続するとともに、今後の成長余力も十分に確保しております。本投資法人は、引き続き、継続的に投資主価値を向上させることを目指し、ロードマップを着実かつスピード感を持って歩んでまいりたいと思います。それでは、各パートにつきまして順次詳細を説明致します。
5頁をご覧下さい。外部成長についてです。本投資法人は、本年2月にMFLP大阪交野を 165億円で取得し、8月にMFLP東名綾瀬およびMFLP所沢の2 物件を137億円で取得、 来年2月にはMFLP平塚Ⅲ、MFLP新木場ⅠおよびMFLP・SGリアリティ福岡粕屋の3物件を173億円で取得することを予定しており、新規6物件の取得価格合計は475億円となります。新規6物件は、いずれの物件も三井不動産が開発した先進的物流施設であり、そのロケーションにつきましても首都エリア4 物件、関西エリア1物件、九州エリア1物件と全国的なエリア分散にも十分配慮し、消費立地に近接するとともに、いずれも高速インターチェンジから5km未満と、非常に優れたロケーションの物流施設です。又、本投資法人は新規6物件の取得にあたりまして、本年7月に第6回公募増資を実施致しました。今回の公募増資においても国内外の多くの投資家の皆様にご参加頂きました。この場を借りまして、熱く御礼申し上げます。おかげさまで、大変順調にエクイティファイナンスを行うことができました。
6頁をご覧下さい。新規6物件の平均巡航NOI利回り、所謂、アクチュアルの利回りは4.4%、平均鑑定NOI利回り、こちらは分子のNOI額を鑑定会社の見込み値に、分母を鑑定評価額に置き換えた利回りになりますが、4.3%と見込んでいます。平均築年数は1.4年、いずれの物件も100%フル稼働しており、テナント賃貸借契約期間も長期リース、全てグリーンビルディング認証物件となっておりますので、環境性能が高く、築浅の物件から構成される本投資法人のポートフォリオクオリティは、益々向上するものと考えています。新規物件取得後のポートフォリオの概要につきましては、頁の中ほどをご覧下さい。今回、新規6物件の取得を行い、本投資法人のポートフォリオは、30物件資産規模合計3,898億円に拡大します。又、ポートフォリオの平均巡航NOI利回りは4.8%、償却後NOI利回りは3.1%、平均鑑定NOI利回りは4.0%となり、いずれも今回の取得前と同じレベルに維持されます。一方、平均築年数は6.8年から6.2年へと低下し、築浅で競争力のある物件群から構成される本投資法人のポートフォリオの強みが、更に強化されるとともに上位5物件比率も39.5%から34.8%、上位5テナント比率も31.3%から27.9%と分散が進み、ポートフォリオの安定性の向上に寄与するものと考えています。
次に今後の外部成長について説明致します。7 頁をご覧下さい。上段に記載の通り、三井不動産は、引き続き物流施設の開発事業を加速しています。本年4月には、新規6棟の物流施設の開発を決定、国内外の開発、運営施設は62物件、累積投資規模約8,500億円に拡大し、2023年度中にはその規模は1兆円に達する見込みと発表致しました。引き続き戦略的パートナーである三井不動産における物流施設の開発事業の拡大を背景として、本投資法人は中長期にわたり継続的にクオリティの高い物件を取得し、安定した外部成長を継続して実現できると考えています。新規6物件取得後におきましても、優先情報提供対象物件は7物件92万M2と、引き続き潤沢なパイプラインを確保しています。又、リーシングも順調に進捗しており、安定稼働物件が積み上がっている状況です。今後とも三井不動産から新たな優先情報提供対象物件の追加、補充が見込まれますので、豊富なパイプラインが継続されると想定しています。本投資法人は、今後とも豊富なスポンサーパイプラインを活用し、 適切な取得タイミングも図りながら、中期資産規模目標である5,000億円に向け着実な外部成長を目指します。又、引き続きクオリティ、ロケーション、バランスに拘り、安定性の高いポートフォリオを構築すべく質の伴った成長を目指してまいります。
続きまして内部成長について説明します。先ず、ポートフォリオの運営状況につきまして8頁をご覧下さい。左側は、テナントとの契約更改の状況をグラフで示しております。下段のグラフの通り第14期の契約更改は完了、第15期についても極めて順調に進捗しております。又、多くのテナントには、賃料増額のうえ、契約更改にご承諾頂くことができております。頁右側をご覧下さい。昨今のエネルギーコスト上昇に関し、本投資法人の電気代への影響についてですが、上段の棒グラフでお示しした通り、本投資法人が電気代を負担するのは共用部のみですので、マルチテナント対応型物件における約17%に過ぎず、負担は極めて限定的です。下段は前年同期と比較した第14期の光熱費差益の減少要因を示しております。テナントの省エネ施策により、専有部の電気使用量が削減となったことと、共用部においても電気使用量の削減がなされたものの、インフレの影響により電力単価が上昇したことの2つの要因により、光熱費差益は減少しています。今後は電力会社との契約の見直しや太陽光パネルの設置、電力託送等の施策により差益の改善を目指します。
次に足元の物流施設、賃貸マーケットの状況に関して説明致します。9頁をご覧下さい。上段3つのグラフは、夫々2023年6月末時点の首都圏、大阪圏および中京圏の賃貸マーケットの状況を示しています。首都圏では、供給の増加に伴い新築の空室率は徐々に上昇していますが、竣工1年以上の既存物件の空室率は依然低い水準を継続しています。大阪圏については、23年に入って供給の増加が見られますが、空室率は引き続き低位のまま推移しています。中京圏については、昨年新規供給が多く、新築の空室率が上昇致しましたが、足元ではリースアップが進捗し、徐々に空室率の低下が確認されています。今後も物流施設の新規供給は継続するものの、引き続き先進的物流施設の需要は旺盛であり、賃貸マーケットは堅調に推移していくものと考えています。左下をご覧下さい。このパイチャートは、国内の物流施設のストックを分析したものとなりますが、先進的物流施設の国内全体に占める割合は6.1%と希少性が高く、引き続き、築古の狭くて使い勝手の悪い倉庫からの潜在的な移転ニーズは、潤沢であると考えられます。又、eコマースのテナントニーズも継続しています。右下のグラフで示しています通り、日本のeコマース比率は、グローバル、あるいは米国と比較してもまだまだ出遅れており、今後とも拡大が見込まれる状況です。これら需要に加えて、物流業務の効率化へのニーズに伴う3PL事業者の業容拡大など、先進的物流施設に対する多種・多様な幅広い需要を踏まえると、サブマーケットによっては一時的に供給増の影響を受ける可能性があるものの、概ね堅調なマーケットが継続するものと考えています。
次にESGへの取り組みについて説明します。10頁をご覧下さい。本投資法人および資産運用会社において、ESGへの取り組みを最重要の経営課題の一つと位置づけており、強化推進しています。左上をご覧下さい。新規物件の取得および第14期中ZEB認証の追加取得を行った結果、物流不動産におけるグリーンビルディング認証取得比率およびZEB認証取得比率は、夫々第13期末の96.3%、61.6%から新規物件取得後においては96.7%、69.4%に向上することが見込まれます。グリーン電力の調達についても進捗しています。左下をご覧下さい。三井不動産が電力会社大手と締結したグリーン電力化包括協定などを活用し、昨年10月より、マルチテナント対応型物7物件の共用部において、グリーン電力化を開始しました。2023年10月時点においては、マルチテナント対応型物件16 物件中14 物件、87.5%の物件において共用部のグリーン電力化が完了する見込みとなっています。今後は占有部につきましても、テナントの要望に応じグリーン電力化を推進してまいりたいと思います。 頁右側をご覧下さい。グリーンビルディング認証比率以外の環境 KPI についても、目標に向け順調に進捗しています。2022年においては、CO2排出量、水使用量はともに大きく削減が進んでいます。今後ともESGへの取り組みを強化促進しながら、外部評価なども積極的に活用し、本投資法人のESGへの取り組み状況を分かりやすく情報発信してまいりたいと思います。
財務戦略につきまして 11頁をご覧下さい。左上に示しています通り、有利子負債残高は第14期末1,352億円、LTVは38.6%、平均調達期間は8.3年、平均調達金利は0.46%となりました。又、有利子負債残高については、第16期末には新規物件の取得に伴う新規借入に伴い、1,479億円となることを見込んでいます。この結果LTVは、16 期末では39.4%と想定しており、J-REITの中でも引き続き低いレベルに維持されるものと予想しています。又、LTVを50%まで上げた場合の取得余力は、第16期末では800億円と見込まれることから、引き続きこのレバレッジ余力を、今後の本投資法人の外部成長のために最大限有効に活用してまいります。
12頁をご覧下さい。本投資法人は、安定した財務運営と効率的なキャッシュマネジメントの両立を図ることを目指しています。この財務方針のもと、上場来、当該営業機関におけるFFOの70%に相当する金額を分配金として実施してまいりましたが、今般、上場から7年が経過し、現時点における本投資法人の成長フェーズを踏まえ、総合的な判断のもと、FFOペイアウトレシオを段階的に引き上げ、第15期に72%、第16期に73%、そして、第18期(2025年7月期)までに上限の75%とすることを決定しました。この結果、FFOペイアウトレシオの段階的な引き上げに伴って、持続的かつ安定的な分配金成長も期待できると考えています。
それでは最後に、改めまして分配金成長、並びに、決算概要について説明致します。13頁 をご覧下さい。今期、第14期の一口当たりの分配金は、8,804円に落ち着きました。この結果、上場来、13期連続で増配となり、前年同期と比較しますと、MFLP大阪交野の取得効果と安定運用の継続などにより、実績ベースで5.4%の分配金成長を達成することができました。又、第15期および第16期については、第6回公募増資に合わせ7月31日に公表致しました業績予想から、現時点において大きな差異はないものと見込んでおります。第15期は第15期取得済み2物件の取得に加えて、分配金の算定にあたり、FFOのペイアウトレシオを72%に変更することを前提として8,781円、又、16期は、第16期取得予定3物件の取得に加えて、分配金の算定にあたり、FFOの ペイアウトレシオを73%に変更することを前提として、9,151円と予想しています。この結果、上場後の第1期から第16期予想までの分配金成長率は年率7.8%となり、又、第14期、15期、16 期の3期分の成長率は、第13期(2023年1月期)の分配金実績8,401円との比較において、年率5.9%と見込んでおり、引き続き力強い分配金成長を継続できるものと考えています。又、第14期末の一口当たりNAVは478,717円となりました。新規6物件を取得後の一口当たりNAVは、 481,047円と想定しておりますので、第1期末からの年平均成長率は8.4%となる見込みです。今後とも投資口価格の安定とNAV向上を目指してまいります。
次に第14期の決算概要を説明致します。14頁をご覧下さい。第14期決算は、おかげさまで、増収・増益・増配の安定した決算とすることができました。第14期実績欄に記載の賃貸事業収益については、第13期実績に比較し、517百万円増加して11,478百万円となりました。右側差異の主な内訳欄に記載しましたが、第14期取得物件による増収に加えて、水光熱収益の変動、太陽光発電設備賃料の季節要因などが主な際の要因です。一方、営業費用に関して、第14期取得物件にかかる費用増、第12期に取得した物件の固都税の費用化、修繕費の減少、水光熱費用の変動、資産運用報酬の増加等により、賃貸事業費用が104百万円増加の2,668百万円、減価償却費が276百万円増加の2,984百万円となりました。 営業利益は、9,900万円増加の4,604百万円となります。営業外損益は、借入増に伴う支払い利息の増加などにより、第13期実績に比較し4,300万円のマイナスとなり、結果、当期純利益は、5,500万円増加の4,260百万円に落着しました。一口当たりの分配金は、3月公表の予想より32円増加し8,804円となり403円の増配となります。分配金の内訳としては、 利益分配金7,396円、利益超過分配金1,408円となります。
第15期および第16期の業績予想については15頁をご覧下さい。第15期の賃貸事業収益につきましては、第15期取得物件による増収に加えて、水光熱収益の変動、太陽光発電設備賃料、季節要因などを見込み390百万円増加して、11,869百万円を見込んでいます。一方で営業費用に関しては、第15期取得物件にかかる費用増、修繕費の増加、水光熱費用の変動、保険料の増加等により、賃貸事業費用が141百万円増加の2,809百万円、減価償却費が131百万円増加の3,116百万円となりました。営業利益は、6,700万円増加して4,671百万円と見込んでいます。又、営業外損益は、支払い利息の増加などにより、第14期実績に比較し2,800万円のマイナスとなり、当期純利益は39百万円増加の4,299百万円と予想しています。分配金は、FFOのペイアウトレシオを72%に変更することを前提として8,781円、この内訳として利益分配金は7,071円、利益超過分配金は1,710円と見込んでいます。 続いて第16期の賃貸事業収益につきましては、第16期取得物件による増収に加えて、第15期取得物件の通期稼働による増収、水光熱収益の変動、太陽光発電設備賃料、季節要因なども見込み484百万円増加して12,353百万円を見込んでいます。一方で、営業費用に関しては、第16期取得物件に係る費用増、第14期および第15期に取得した物件の固都税の費用化、修繕費の増加、水光熱費用の変動、資産運用報酬の増加等により、賃貸事業費用が159百万円増加の2,969百万円、減価償却費が178百万円増加の3,295百万円となりました。営業利益は、113百万円増加して4,784百万円と見込んでいます。又、営業外損益は、借入増に伴う支払い利息の増加などにより、第15期予想に比較し8,500万円のマイナスとなり、当期純利益は27百万円増加の4,326百万円と予想しています。分配金は、FFOのペイアウトレシオを73%に変更することを前提として9,151円、この内訳として利益分配金は7,117円、利益超過分配金は2,034円と見込んでいます。
尚、16頁は、第6回公募増資および新規 6物件の取得の効果について、固定資産税の費用化などの一時効果調整を加えた参考数値を用いて、改めて示したものです。尚、頁左側の数値は総額ベース、右側は投資口一口当たりに換算した数値となります。先ず、頁左側の総額ベースの数値をご覧下さい。第6回公募増資および新規6物件の取得の前、つまり第13期(2023年1月期)決算実績における、本投資法人におけるNOI総額、FFO総額および当期純利益に、固定資産税の費用化などの一時効果調整を加えた夫々の参考数値が左、新規6物件の取得後の第16期の業績予想に一次効果調整を加えた夫々の参考数値が右、これら左右を比較したものとなっています。第6回公募増資における新規 6物件取得により、本投資法人における一次効果調整のNOI総額、FFO総額および当期純利益は、夫々大きく増加したことがご確認頂けると思います。又、第16期においても、FFO総額から分配金総額を控除した手元資金総額は、第13期と同水準の約20億円程度をキープ可能と見込んでおりますので、引き続きこの手元資金につきましては投資主価値向上に積極的に活用致します。続きまして頁右側の一口当たりベースの数値をご覧下さい。第13期決算実績における一次効果調整を加えたNOI総額、FFO総額を、発行済み投資口数で除した金額と、第13期決算実績の一口当たり分配金DPUおよび一口当たり利益分配金EPUが左、又、同じく第16期業績予想に基づく一次効果調整を加えたNOI総額、FFO総額を発行済み投資口数で除した金額と、第16期業績予想におけるDPUおよびEPUが右、これら左右を比較したものとなっています。第6回公募増資および新規 6物件取得の効果により一口当たりのNOI、一口当たりFFOは夫々年平均4.5% 、3.6%と、共に増加しております。これに加えて、今回分配方針を見直し、ペイアウトレシオを70%から73%まで引き上げた結果、第13期から第16期までのDPUは、年平均+6.5%の高い成長率を見込んでいます。尚、第6回公募増資によるダイリューションおよび保守的に予備費を見込んでいることを要因として、第16期予想を元としたEPUは、第13期から微減の予想となっていますが、引き続きEPU成長を含めた投資主価値向上を目指すことに変わりはありません。
説明は以上となります。今後とも投資主利益の最大化を目指し、本投資法人の運営に尽力してまいります。ご清聴ありがとうございました。