スターアジア不動産投資法人 2024年7月期決算概要

スターアジア不動産投資法人
2024年7月期(第17期)決算動画説明書
○動画  https://www.net-presentations.com/3468/20240913/bi2geh34hb/
○説明資料
https://starasia-reit.com/file/ir_library_term-4768afd3af091b64ef45124e4980cb34f12f0d62.pdf
○説明者 スターアジア不動産投資法人 執行役員 兼
     スターアジア投資顧問株式会社 代表取締役社長 加藤 篤志
○説明
第17期(2024年7月期)の決算の概要と運用の状況、それから第18期(2025年1月期)以降の取り組みについて説明します。
3頁をご覧下さい。2024年7月期の一口当たり分配金は、当初予想に比べて5%増額の1,596円となりました。これは、ホテルの賃料収入が、当初予想から8.6%増となったことが主たる要因です。特に2023年9月に取得したホテル7物件について運用実績が短いことから、保守的に営業状況を予想していましたので大幅増となったと考えています。又、後ほど各アセットタイプの運用状況において詳細を説明しますが、オフィス、それから住宅においても賃料増額を実現しています。

次に頁右上、第18期(2025年1月期)と第19期(2025年7月期)の一口当たり分配金予想ですが、夫々1,538円、1,553円としています。ホテルの運営状況、特に2024年8月末に取得したホテル4物件の運営状況を保守的に予想しており、分配金増額 が期待できます。実際にこの動画を撮影している時点で、そのホテル4物件の9月の運営状況は、予想を上回る見込みであり、内部成長に寄与するものと予想しています。ホテルに加えて、今後の短期的な内部成長のドライバーは、シュロアモール筑紫野におけるロピアの集客力を背景とした新規テナント誘致、それから住宅の賃料増額があげられます。次に頁下段をご覧下さい。2024年8月に実行した公募増資と、2021年3月に公表しました中期計画の達成状況を纏めております。

公募増資を含む一連の取り組みにおいては、 先ほど説明しましたホテル4物件、これらは東京都心の資産価値の高い物件を中心としておりまして、又、駅前商業施設、それから、メザニンローン債権を取得しました。これら新規の取得物件、資産入替による2物件の売却により、ポートフォリオ鑑定NOI利回りを維持したうえで、平均築年数は20.4年に若返っています。新規物件取得、それから。資産入替により、資産規模は2,765億円と拡大しており、2021年3月に公表しました、中期計画における資産規模目標である、3,000億円の達成に大きく前進しました。又、一口当たり分配金は、2024年7月期実績で1,596円となっており、一口当たり分配金目標1,600円以上が視野に入ってきていると考えています。

それでは5頁をご覧下さい。分配金は、巡航期である第19期の1,553円を下限値として設定し、内部成長により一層の増額を目指します。現在のポートフォリオには、ポラリスが運営する12 物件のホテルが組み入れられていますが、これらのホテルのGOPが2%程度上れることで、一口当たり分配金は1,600円へと届くと試算しています。

8頁をご覧ください。アセットタイプごとのNOIおよび取得価格ベースでの利回りを確認できます。第16期、これは2024年1月期にあたりますが、それと第18期(2025年1月期)は、期中に物件を組み入れておりまして、その分NOI利回りが低いように見えますので、物件の取得・売却のない第17期と第19期を比較して頂きたいのですが、ホテルのNOI利回りが、第19期の方が低くなっています。私達としては、ホテルの運営状況を保守的に見ており、それがこの利回りに表れていると考えています。

それでは10頁をご覧下さい。2024年8月に新規取得した資産、資産入替により売却した2物件の概要を確認することができます。新規取得資産は、都心立地の資産価値の高いホテル4物件と、安定的な収益が期待できる駅前商業施設1物件の合計4物件358億円と、メザニンローン債券の1.3億円です。譲渡は2物件、シングルタイプの住宅であるアーバンパーク難波とスマイルホテル難波です。シングルタイプの住宅については、新築または築浅の物件を厳選して投資する方針であり、収益性が低く、今後の収益の伸びも期待できないと考えられる物件は、入替対象となると考えています。又、スマイルホテル難波については、ホテルが絶好調のこの時期に、なぜ売却するのかという疑問をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、私達はポートフォリオマネージャーとして、ホテルでさえ売却対象としています。シングルユースが多く、昨今のホテル需要のトレンドに応えられず、今後の収益回復の可能性が低いと判断して売却を決定したものです。

それでは11頁をご覧ください。2023年1月末からの、ポートフォリオ構成の変遷を確認することができます。大胆なアセットアロケーションの変更により、インフレ対応資産であるホテルの組み入れ比率を、37.5%へと上昇させていることが分かり頂けると思います。優先交渉権保有物件では、ホテルが多く含まれていますが、今後については、バランスを取りながら取得を検討することとしています。

それでは13頁をご覧ください。2026年を目標年とする中期計画の目標と、現時点の状況を記載しています。冒頭でも少し触れましたが、資産規模目標は3,000億円、一口当たり分配金目標は1,600円以上です。中期計画を発表して以降の資産規模成長は、年間平均310億円で、現時点では2,765億円であり、あと235億円で3,000億円に届きます。スポンサーパイプラインの活用と、資産運用会社の独自ネットワークによりこの達成を目指します。又、一口当たり分配金は第17期で1,596円であり、これをベースとしますと年率3.0%の成長をしてきたことになります。目標とする1.600円以上も、内部成長ドライバーを持つ強固なポートフォリオにより、達成が視野に入ってきていると考えています。

それでは14頁をご覧ください。スターアジアグループの運用中の物件、それから、スターアジア不動産投資法人が保有している優先交渉権の対象物件を載せています。スターアジアグループが運用中の資産は、鑑定評価額合計で1,487億円です。優先交渉権保有物件は、国際水準の学生専用レジデンス2物件と、ポラリスが運営するホテル3物件です。これらの組入れ候補物件も活用し、資産規模目標3,000億円の達成を目指します。

それでは19頁までお進みください。ここからはポートフォリオへ組み入れているアセットタイプごとの第17期の運用状況、それから第18期(2025年1月期)以降の取り組みについて説明したいと思います。19頁には、各アセットタイプの第17期運用状況のサマリー、それから、第18期以降の運用方針や注力するポイントを纏めています。詳細は、アセット毎の頁で説明します。
20頁をご覧下さい。ポートフォリオ稼働率を記載しています。ポートフォリオ全体では、期中平均97.7%、アセットタイプ毎の稼働率も高水準を維持しており、オフィスにおいては、前期末の96.4%から97.4%へと稼働率の上昇を実現しています。

21頁をご覧ください。オフィスの運用状況です。第17期においても賃料増額を実現しています。新規契約においては、従前のテナントがマーケット賃料よりも高い賃料であったため、減額となっていますが、いずれの新規テナントも、マーケット賃料以上の単価で契約しています。又、契約更新時や契約期間中であっても、継続して賃料増額交渉を実行しており、19テナントとの賃料増額を実現しています。新規契約更新等における賃料増減を合計すると、月額2,528千円の増額となっています。テナントの移動に関する詳細は、頁右上の表で確認して頂くことができます。新規入入居面積が退去面積を上回っており、稼働率が向上したことが読み取れます。

それでは22頁をご覧ください。賃料増額については、頁の左上のグラフからも読み取ることができます。だし17期(2024年7月期)末時点の契約平均坪単価は14,054円、第16期末、前期末ですが、前期末の平均坪単価である13,855円から1.4%増となっています。第17期末のマーケット賃料は14,040円ですが、マーケット賃料も上昇トレンドにあり、賃料ギャップのテナントも多く、今後の賃料増に期待が持てます。頁右下をご覧下さい。アミューズメントメディア学院新館のテナントから、2025年5月3日を退去日とする解約予告を受領しました。スターアジア不動産投資法人は、同一のテナントに賃貸しているアミューズメントメディア学院本館も保有していますが、こちらについての解約意向はないことを確認済です。既に、この新館につきましては、売却を含めた様々なマネジメントプランの検討を開始しています。尚、この物件のNOIが、ポートフォリオ全体に占める割合は0.3%程度であり、仮に空室が継続する場合であっても、内部成長によって十分にカバーできると考えています。

23頁をご覧ください。商業施設は、17期まで都市型2 物件、郊外型3物件を運用してきました。これに加えて、2024年8月に地域密着型の商業施設であるアーバンフォルムわらびを取得し、より安定的な収益が期待できる商業施設ポートフォリオとなったと考えています。又、今後の内部成長ドライバーの一つと考えていますシュロアモール筑紫野においては、収益増の要因として、短期的には空室区画のリースアップが挙げられます。ロピアの集客力を背景に、既に1区画は契約締結済ですが、その他の空室区画も、テナント候補と賃貸条件について交渉中の区画もあり、収益増に期待が持てます。又、中期的には、定期建物賃貸借契約の期限を迎えるテナントとの、賃料増額交渉に注力します。これらの施策により、内部成長に向けて継続的に取り組む所存です。

24頁をご覧ください。住宅の状況をご覧頂くことができます。住宅ポートフォリオは、ファミリータイプの住戸構成であり、30m2以上が93.9%を占めています。住宅は、継続的に賃料増額を実現しており、第17期中は新規契約で8.4%、契約更新時では、全更新テナント平均で1.7%の増額を実現しています。金額にしますと、月額188万円の増額となっています。継続的な賃料増額については、右上のグラフからもご確認できると思います。需給がタイトなファミリータイプ住戸は、今後も賃料増額が期待できます。実際に第17期中の60m2以上の新規入庫は66戸でしたが、このうち52戸で賃料増額となっており、テナントが入れ替わる際の、実に8割弱で賃料増額ができたことになります。又、第16期においては、新築未稼働物件も組み入れ、シングルタイプの平均稼働率は低下が見られましたが、第17期期初にかけて想定を超えるスピードで稼働率が上昇しています。立地の良い新築の物件を厳選して投資した結果であると考えています。

それでは25頁をご覧ください。物流施設ポートフォリオは8件、東京駅から概ね30km圏内にある中規模物件で構成されています。2024年2月に1テナントとの間で、従前対比で3.3%増の賃料増額を実現しています。これに加えて、第19期(2025年7月期)に定期建物賃貸借契約の期間満了となるテナントとは、現行賃料比4.4%増で交渉中であり、賃料増額に向けて協議を進めています。又、2025年3月に退去するテナントの後継は鋭意探索中であり、一定の進展が見られます。業績予想には、一定のダウンタイムを織り込んでおります。

26頁をご覧ください。ホテルの状況を説明します。第17期(2024年7月期)中は16ホテルを運用してきました。賃料収入は、当初予想比8.6%増、2023年8月取得のポラリスが運営する7 物件では、12.1%増という結果になっています。昨年取得の7物件については、運用のトラックレコードがなく、保守的に運用状況の予想を設定したことが要因と考えています。又、2024年8月に実行した公募増資により、同月末にポラリスが運営する4つのホテルを新たに取得しました。昨年取得の7物件と同様に、トラックレコードがないことから、保守的な予想としたと考えています。実際に、これは4物件の予約状況から見た9月の見込みは、業績予想の前提を上回っており、内部成長に貢献することが期待できます。今回の資産入替においては、スマイルホテル難波を売却しました。

大阪ではホテルの新規供給が相対的に多く、ホテル間の競合が厳しくなると想定される環境においては、シングルユースが多く、旅行需要のトレンドに応えることが難しく、今後の収益の伸びも期待できないと判断し売却したものです。大阪では、より立地の優れた都心のKOKO HOTEL大阪心斎橋を取得しています。右上のグラフでは、業績予想の前提となる賃料の状況を確認することができますが、18期は新規取得4物件を8月末に取得していますので、約5ヶ月間の賃料となっていることにご留意頂ければと思います。シーズン前ではありますが、ホテルの運用状況が著しく向上することを見込んでいます。

27頁をご覧ください。ポラリス運営ホテルは、GOPマージンが相対的に高いのですが、その理由と優位性について説明します。ポラリスの運営ホテルは、GOPをベースに賃料が決まりますので、GOPが高いことが重要になってきます。ホテルポートフォリオは19物件で構成されており、うち12物件がポラリス運営ホテルです。これら12物件の2024年4月から7月までの4ヶ月間のGOPマージンは59.5%でした。12ホテルは全て宿泊特化型であり、又、料飲部門を持っていないことから、少人数でのオペレーションが可能であることが最大の要因です。加えて、低層階に飲食店などのテナントを誘致しているホテルもあり、当該テナントから賃料収入も収益の下支え要因となっています。下段の収益構造をご覧頂くと、宿泊部門の収入が売上に占める割合は94.8%と、宿泊特化型であることがお分かり頂けると思います。

それでは29頁をご覧ください。資本的支出の状況を確認することができます。資産規模の拡大に伴い、減価償却費も増加しており、計画上の資本的支出は、第18期予算で減価償却費の76%となっています。余剰キャッシュは、内部留保活用の分配金原資となり、自己資金としてメザリンローン債券投資などに活用したいと考えています。実績を見ますと、2024年7月期の資本的支出は774百万円、そのうち戦略的CAPEXは173百万円で、資本的支出の16%を占めています。戦略的CAPEXとは、将来の収益増に資する工事や資産価値向上に繋がる工事を指し、投資とリターンの考え方に基づき、計画、実行される工事です。17期においては、戦略的CAPEXとして、テナントや施設利用者の満足度の向上や、収益増を目的とした改修工事に資金を投入しました。

それでは30頁をご覧ください。ホテルの収益増に資する工事を記載しています。例えば、KOKO HOTEL銀座1丁目とKOKO HOTEL鹿児島天文館では、客室単価の上昇に資すると考えられる追加工事を実施済みです。今後のホテル運営状況の向上に期待できると考えています。これからもポラリスと連携し、ホテルの運用状況の向上に資する工事を検討、実行してまいります。

それでは31頁をご覧ください。財務の状況を記載しています。私達は、支払金利抑制の観点から、長期・変動での借入を、借入に関する当面の基本方針としていますが、資産サイドの状況や金融マーケットの状況に応じて固定化も検討することとしています。第17期末(2024年7月期末)の有利子負債総額は121,840百万円であり、総資産LTVは47.1%でした。2024年8月に実行した物件取得の際に、19,040百万円の新規借り入れを起こしています。そこから返済が決まっている20億円を引きました17,040百万円を、第17期の有利子負債残高に加えた138,880百万円を、有利子負債残高として記載しています。

この有利子負債残高をベースにして算出した、総資産LTVの試算値は47.6%となっており、私達はこの水準を維持したいと考えています。新規借入においては、新たに5つの銀行に協調融資団に加わって頂き、バンクフォーメーションを拡充できたと考えています。
これまで説明してきましたように、私達は、今後も投資主の利益の最大化に向けた取り組みを継続します。是非、スターアジア不動産投資の今後の成長にご注目頂きたいと思います。
この動画を最後までご覧頂きまして有難うございました