野村不動産マスターファンド投資法人 2023年2月期決算概要
野村不動産マスターファンド投資法人
2023年2月期(第15期)決算動画説明書 & 質疑応答
○動画 https://www.net-presentations.com/3462/20230418/bvi3u45/
○資料
https://www.nre-mf.co.jp/file/term-d737451a27ef5efa0215f6acf12aef5e4ab3d06d.pdf
〇質疑応答
https://www.nre-mf.co.jp/file/top-financial-f188f2841e1f6e055a1689450260fa8794a208b1.pdf
○説明者 野村不動産投資顧問株式会社
執行役員NMF運用グループ統括部長 増子 裕之
○説明
2023年2月期の決算内容について説明致します。
4頁は、2023年2月期の決算ハイライトです。一口当たり分配金は、業績予想と同金額の3,312円の着地で、前期比+12円となりました。棒グラフは22年8月期からの増減要因を示しています。賃料共益費の増加により40円のプラス効果がありましたが、水道光熱費収支によるマイナスが67円となっております。賃料共益費の増加については、商業セクターにおける売上歩合賃料の回復が牽引しています。又、投資家の皆様に含み益を還元すべく、資産の入替により売却益を計上しております。売却益については右から3つ目の棒グラフになりますが、86円は分配、39円は既存物件への修繕投資、202円分は内部留保に充当しています。投資主への還元も意識しながら、将来の安定運用への備えも進めてまいります。
5頁は、損益計算書と差異要因です。営業収益は、直前期比+963百万円の39,986百万円、営業費用は+434百万円の23,872百万円、当期純利益期は+449百万円の13,498百万円となりました。尚、売却益が1,638百万円ありましたが、そのうち954百万円は内部留保としております。
7頁からは、資産の入替について説明致します。一部23年8月期に売買決済を迎えるものも含まれておりますが、左側に記載の通り、10物件、253億円を取得し、右側の通り20物件、249億円を売却しました。資産入替によりポートフォリオを強化するとともに、合計63億円の売却益を実現しまし、分配金を増加させております。
8頁では、スポンサーから取得した6物件を示しております。居住用施設が4物件、物流施設と商業施設が1物件ずつとなっておりますが、いずれも2020年に竣工した、野村不動産グループがブランド展開しているクオリティの高い物件であり、安定運用が期待できます。Landport東雲は、東京都江東区に位置し、臨海線東雲駅から徒歩5分と、希少性の高い高機能型物流施設です。配送エリアも広域にカバーできる点や、労働力確保の観点から、競争力の高い物件と認識しています。又、今回初めての取得となるMEFULLは、もの消費からこと消費といった時代のニーズを捉え、健康・学び・くらしの満足度を高めることをコンセプトに据えた、サービス型の商業施設です。取得後も地域ニーズに根差した運用をしてまいります。
9頁では、外部との交換取引の詳細を示しております。大手オペレーターが運用する好立地のヘルスケア施設4物件を取得し、福岡天神のオフィスビルと東京大塚の居住用施設を売却しました。セクターが異なる交換取引が実現できたのも、総合型リートの特徴と言えます。又、今回も外部との交換取引が実現できましたが、当社の取得チームがいままで築いてきた強固なRelationによるものと認識しております。
10頁では、この度ヘルスケア施設に投資を開始した背景について記載しております。ヘルスケアマーケットは拡大しており、国の施策や社会的ニーズを追い風に、今後もマーケットが整備されていくことが予想されます。又、野村不動産グループにおいても、賃貸シニアレジデンスであるAUKASの開発を継続しており、それらのノウハウや知見を活用することも期待できます。
9頁では、外部との交換取引の詳細を示しております。大手オペレーターが運用する好立地のヘルスケア施設4物件を取得し、福岡天神のオフィスビルと東京大塚の居住用施設を売却しました。セクターが異なる交換取引が実現できたのも、総合型リートの特徴と言えます。又、今回も外部との交換取引が実現できましたが、当社の取得チームがいままで築いてきた強固なRelationによるものと認識しております。
11頁では、コロナ前からの物件入替実績を纏めております。948億円の物件取得とともに、343億円の物件売却を進めてまいりました。ポートフォリオのクオリティを向上させながら、セクター比率としてオフィスの比率が低下し、物流のシェアが上昇していることがご覧頂けます。下段に記載の通り、資産の入替は継続する方針ですが、当面オフィスを売却候補の中心に据え、含み益の顕在化により、投資主へ還元していく所存です。
13頁からは、各セクターの運用状況について説明致します。先ずは、オフィスセクターです。左上のグラフに示した通り、オフィスマーケットが不透明な中でも、23年2月期の稼働率も高水準を維持し、期末で98.2%になりました。左下は、テナント入替による賃料増減ですが、賃料ギャップを有する地方においては、大幅に賃料増額が実現できております。右下の、賃料改定による賃料増減については、増額幅こそ縮小しているものの、今だ、プラス圏を維持しております。
14頁では、23年8月期のリーシング状況を示しています。23年8月期に4,041坪の解約を予定しておりますが、3月末時点で解約面積に対し40%超のリースアップに目途がついております。従来通り、確実にリースアップを進めております。尚、右上に記載しておりますが、PMOにおいては、3月末時点で解約面積と同程度のリースアップに目途がついております。下段をご覧下さい。PMを通じてテナントと良好なRelationを築いていること、テナントニーズに着目した居抜きでのテナント入替え等により、迅速なリースアップが実現できております。居抜きでのテナント入替えは、無駄な工事を抑制し、間仕切壁等の廃棄物の削減にも繋がるため、経済的、且つ、社会的に意義のある取組みであることも申し添えます。
15頁は、物流セクターです。23年2月期も引き続き良好なパフォーマンスを実現しています。左側では賃料改定や、新規リースアップにより賃料増額を実現した内容を記載しています。Landport厚木のリースアップにより、23年4月から物流のポートフォリオ稼働率が、100%に回復する予定です。尚、右上に記載しておりますが、LED化工事に伴うグリーンリース契約により、GHG排出量の削減と収益性の向上を両立させることもできております。
16頁は、住宅セクターです。左上のグラフで示した通り、23年2月期は、過去実績を上回る高水準を維持し、期末稼働率も97.1%となりました。又、左下の入替時変動賃料をご覧頂きますと、23年2月期は+0.2%まで回復しており、東京圏への人口流入や外国人留学生の増加等により、マーケットの回復基調を実感しております。
17頁をご覧下さい。上段では、マーケット・インの発想に基づく表層リニューアルを実施し、入替時に賃料増額を実現している内容を示しています。右側の図で、通常の原状回復による入替増減率が0%であることに対し、+2.9%と本施策の効果が出ていることがお分り頂けます。下段をご覧下さい。変わらずファミリータイプの住戸は好調に推移しておりますが、昨年取得したプライムアーバン東中野コートにおいても、リニューアルにより投資効率を高めており、本ページのような取組みは、引続き継続し、地道に収益を積上げていきます。
18頁は商業セクターです。コロナ禍において、特に駅前立地型施設で、テナントを初め苦しい状況が続いておりましたが、左上に記載の通り、コロナ前に近い水準まで、稼働率を回復させることができております。右下のグラフで、売上歩合賃料比率が大きく上昇していることも、併せて確認頂けます。右上のGEMS大門の運用状況をご覧下さい。23年2月15日で、10フロア中9フロアが定借期間満了となりましたが、5テナントは再契約、4テナントはほぼ空室期間なく全て、飲食業態にてリースアップを実現しています。いまだ、飲食業態が厳しい中でのこの結果についても、日ごろから大切にしているTenant-Relationが実を結んでいると考えております。
19頁は、商業の旗艦物件でありますUCW大阪と、札幌のnORBESAの運営状況です。23年2月期は、少しずつ訪日外国人が戻り始めている途上でしたが、昨年10月から全国旅行支援等により、国内観光客が戻り、UCW大阪の売上はコロナ前の水準に回復しています。施設としては、USJストアが段階的に増床しており、環境としても訪日外国人の増加や、2024年にUSJの新エリアが開場予定であることから、更に売り上げを向上させられるよう運用してまいります。下段は、札幌に所在するnORBESAです。札幌もコロナ禍で厳しい状況が続きましたが、期末稼働率が98.5%まで回復しております。稼働率もさることながら、テナント入替や改定により、賃料増額や観覧車の料金の増額による増収も、実現できております。
21頁は鑑定評価です。23年2月期も6割超の物件で、評価額が上昇し、含み益は2,317億円まで拡大しております。又、右下に示した平均Cap-Rateの推移については、大小ありますが、全セクターともに低下しており、特に賃貸住宅の低下幅が大きくなっております。
23頁の財務ですが、23年2月期は、335億円のリファイナンスを推進しました。返済期限の分散を図りながら、固定金利比率も94.6%と、金利変動を見据えた強固な財務基盤を構築しております。
25頁は業績予想です。一口当たりの視線で、差異要因を記載しています。結論から先に申し上げますと、23年2月期の分配金3,312円から、23年8月期は3,402円、24年2月期が3,351円と予想しております。23年8月期は、既存物件による賃料共益費や動光熱費の収支改善で+26円、外部成長による収益の底上げが+26円、それに加えて売却益の一部である162円を分配することで、前期比+90円の3,402円となります。次に24年2月期ですが、既存物件の運用で▲33円、外部関町により+19円、そして前期から繰り越した売却益106円を分配することにより、前期比▲51円の3,351円となります。
26頁は、先ほどの内容を総額ベースで示しております。23年8月期に営業収益は、前期比+4,056百万円の44,042百万円、営業費用は+1,142百万円の25,015百万円、当期純利益が+2,880百万円の16,829百万円となります。尚、売却益4,689百万円のうち3,407百万円については、内部留保をする予定です。24年2月期については記載の通りですが、前期売却益から繰越した利益759百万円を分配する予定です。
28頁からは、ESGへの取組みについて説明します。本投資法人は、温室効果ガスの排出目標として、2050年にカーボンニュートラルを掲げております。環境指標として目標を定めている各種進捗状況は、左側に示している通りです。継続して、右側記載のような修繕工事を通じて環境負荷低減を進めてまいります。
続けて29頁は、その具体的な取組みです。野村不動産四橋ビルにおいて、後付けで2重サッシを導入することにより、断熱、遮熱性能を高めたことで、空調更新時の設備能力を低下させることができた事例です。この内容は、環境負荷の低減、コスト削減、テナント快適性の向上を同時に実現させたことを評価され、中段右側に記載の通り、おおさか気候変動対策賞の優秀賞を受賞しております。
30頁では、社会面の取組みとして、GENSにおける子育て世代や地方創生の支援・施策、UCW大阪におけるテナント満足度向上施策等について記載しております。又、継続した社会貢献とTenant-relationを通じて、GEMSブランドの価値向上に努めており、こうした取り組みが、先ほど説明しましたGEMS大門の運用実績に繋がっているものと考えております。
31頁は、本投資法人の役員会の体制について紹介します。右側に示しておりますが、23年5月に開催します投資主総会において、本投資法人と特別な利害関係がない、独立した執行役員、監督役員の合計4名を選任する議案を提出する予定です。職制を初め、多様性を重視した体制になります。
最後になりますが、これまで通り、一つ一つの運用不動産に拘ったマネジメントを行うとともに、資産の入替によりポートフォリオを強化しながら、安定運用を継続してまいりますので、引き続きご支援の程を宜しくお願い申し上げます。
以上を持ちまして、野村不動産マスターファンド投資法人、23年2月期の決算説明を終了致します。ご清聴、有難うございました。