トーセイ・リート投資法人 2024年4月期決算概要

トーセイ・リート投資法人
2024年4月期(第19期)決算動画説明書
○動画  https://net-presentations.com/3451/20240618/xdtfhg896/
○説明資料
https://tosei-reit.co.jp/file/term-d74a3f728a24399b5a4225ee43ec142904d77c5d.pdf
○説明者 トーセイ・リート投資法人 執行役員 兼
     トーセイ・アセット・アドバイザーズ株式会社 
REIT運用本部長 大河内 幸貴   
○説明 
第19期決算説明会にご参加頂き誠に有難うございます。それでは、決算の説明に移らせて頂きます。
決算説明会資料をご覧ください。2頁目に目次が、続く3頁目にはトーセイ・リートの概要を纏めております。
4頁、第19期のサマリーをご覧ください。今回の決算説明のポイントは、こちらに記載させて頂きました6点です。詳しくは後ほどご説明させて頂きますが、ここではポイントだけお話しします。先ず1点目は分配金についてです。前回予想の3.610円に対し+72円を上乗せした3,682円にて着地しています。2点目は稼働率です。第19期末の全体の稼働率は、前期末比で+0.4 ポイント上昇し、96.9%で着地致しました。3点目は物件取得です。住宅2物件、計36億円の新規取得を行い、資産規模827億円となりました。4点目は第三者割当増資です。スポンサーからの16億円の第3者割当増資を実施しました。引き続き健全なバランスシートを維持しています。5点目は外部格付けです。JCRの各付けがOne Notch格上げされ、Aフラットとなりました。6点目はESGです。一般社団法人不動産証券化協会、略称ARESが、本年よりスタートしたESG AWARDSにおいて、環境部門でグッドアクション賞を受賞致しました。

それでは決算概要に移ります。6頁目をご覧ください。第19期(2024年4月期)の決算の概要を、説明させて頂きます。先ずは予想比較です。第19期の営業収益は、賃料収入等が上振れる一方で、水道光熱費収入の下振れに伴い前回予想を下回りました。一方、水道光熱費も収支では上振れしていることに加え、稼働率の上昇や賃料単価の改善により、賃貸事業収支が拡大しており、各利益段階では超過達成となりました。分配金は、前回予想比+72円の3,682円となります。当期純利益相当部分の分配金が、前回予想比+115円上振れしたことに伴い、内部留保取り崩しは実施せず、今後の安定分配継続のため温存させて頂きました。

次に前期比較となります。7頁をご覧ください。第19期は、前期対比で増収・増益にて着地致しました。新規物件の取得に加え、稼働率上昇や賃料単価改善により、全てのアセットタイプで賃料収入が拡大、各種経費の増加を吸収し、全ての利益段階で増益を確保致しました。分配金は、新規物件取得の寄与が3ヶ月にとどまる一方で、増資による希薄化が発生したため、前期比-24円の3,682円となりました。

続いて9頁、運用実績についてご説明します。右下の稼働率の実績をご覧ください。第19期末の稼働率は、96.9%で着地致しました。 前期末比では+0.4 ポイントの上昇、想定比では、+1.6 ポイントの上振れとなっております。オフィスの稼働率については、低稼働物件のリーシングが進捗したこともあり、前期比0.9 ポイント上昇の97.1%にて着地、第13期末以来の水準に回復しています。商業施設は前期末比+1.7 ポイント上昇し、99.3%となりました。住宅は稼働率重視から、賃料アップ重視に舵を切ったことに加え、稼働率が表面上は100%となっていたT’s garden 永山のサブマスターリース解除に伴う引き下げ要因もあり、前期末対比で0.1ポイントの低下となりました。

尚、T’s garden 永山の賃料収入は、サブマスターリース解除前に比べて増加しており、収入面でのデメリットはありません。右上の表では、第19期末時点で、稼働率が90%を下回る10億円以上の物件を掲載していますが、前期末の5件から2件に減らすことができました。又、保有する全ての物件で稼働率85%を超過しておりますので、直ちに抜本的な改善を要する物件はないことも、併せご報告させて頂きます。表の1つ目のKM新宿ビルは、18期末100%稼働であった物件ですが、11月に2フロアが解約となり、稼働率が70%台に低下したものです。退去後、速やかに共用部リニューアル工事を実施し、3月に完了。既に、ワンフロアについては入居済みであり、残るワンフロアについても、しっかりとリーシングを進めてまいります。日本橋浜町ビルも前期末の稼働率が100%であった物件ですが、ワンフロアが解約となり稼働率が低下しています。本件についても引合いはございますので、賃料を確保しつつ稼働率の回復を目指してまいります。

右下ではトーセイ・リートの旗艦物件の一つである、多摩センタートーセイビルの事例を紹介しています。少しずつ稼働率が低下していた物件となりますが、その傾向に歯止めをかけるべく、各種バリューアップ工事を続けてきた経緯にあります。2023年7月時点では稼働率が90%を割り、88.9%のボトムとなりましたが、バリューアップ工事の効果もあり、既存テナントの退去が落ち着いたことに加え、地道なリーシング活動も奏功し、稼働率は反転致しました。期末である4月時点での稼働率は96.5%まで上昇、5月にも新規契約を締結し、決算発表時点の稼働率は、98.1%となっております。ここには記載していませんが、6月末に向けて新規契約手続きを進めており、稼働率は99.8%まで上昇する見込みです。今後もバリューアップや分割対応等を施しながら、稼働率を回復させていく トーセイ・リートらしいリーシングを続けてまいります。

続いて10頁、賃料の状況です。第19期中に発生した、テナントの入退去による賃料の増減につきましては、稼働率の上昇を主因に全てのアセットタイプで賃料が増加し、全体では 月額267,8000円の増加となっております。住宅は稼働率が低下し、稼働面積は減少していますが、賃料アップの効果もあり、月額賃料は346,000円の増加となっています。左下の表では同一区画で退去した旧テナントと、新テナントの賃料がどのように変化しているかを比較しています。全てのアセットタイプで、賃料の増加が減少を上回りました。又、全体の減額件数25件を上回る141件で増額を実現していることに加え、増減率も+4.7%と上昇傾向が鮮明になっており、賃料の増加が浸透していることをご理解頂けると思います。

続いて11頁、更新時の賃料改定の状況です。契約更新の際の賃料改定については、増額改定75件、増額率3.4%と前期対比で拡大致しました。住宅で増額改定が順調であったことに加え、オフィスでも4件の増額改定を行うことができました。一方、オフィスにおいて1件の減額改定を行っています。賃料は4.7%程度の引き下げておりますが、新規テナントの招聘活動を行った場合と比較検討し、限定的に対応したものです。

続いて12頁、CAPEX投資についての説明です。第19期も物件の資産価値、環境性能、テナント満足度向上に資するCAPEX投資を、積極的に進めてまいりました。費用対効果を見極めた投資を心掛け、稼働率向上と賃料水準の引き上げに繋げています。左のグラフは、CAPEX投資額および減価償却の推移を表したものです。第19期のCAPEX投資額は、前期からのずれ込み等もあり、増加していますが、今後も減価償却の7割程度を目処に、積極的に実施していく方針に特段の変更はございません。CAPEX投資例は右の表の通りとなりますが、KM新宿ビルは、物件価値の向上を目指した共用部の全面リニューアル工事を実施しています。今後も各物件にとって必須、且つ、意義のある投資を継続していく予定です。

続いて13頁、資産価値の維持・向上への取り組みをご覧ください。第19期も賃料アップを目指したリニューアル工事を進めてまいりました。KM新宿ビルにおいては、2フロアの解約が発生したことに伴い、賃料アップを企図してリニューアル工事を行ったものですが、既にワンフロアについては賃料26.7%アップして、テナントが入居しています。残るワンフロアにおいても、増額を目指しリーシングを行ってまいりたいと思います。住宅においても、10%程度の賃料アップを実現していますが、引き続き賃料アップが期待できる物件については、積極的にリニューアル、原状回復工事を行っていく予定です。

続いて14頁をご覧ください。第19期末の鑑定評価は、新規物件取得を含め、前期末対比で+42億円の976億円となりました。含み益については、5億円の増加となっており、各アセットタイプとも含み益は拡大しています。又、引き続き含み損を抱える物件はございません。

続いて15頁、ポートフォリオの推移をご覧下さい。第19期末の資産規模は、2件の新規取得により827億円に増加致しました。安定性や成長性を求め、住宅を中心に物件取得を進めてきた結果、第19期末の住宅の保有比率は52.1%となり、全体の過半を占めております。一口当たりのNAVについても、資産価値の向上により+1,037円上昇し、153,668円となりました。

続いて16頁、取得物件の概要をご覧ください。取得した住宅2物件について説明させて頂きます。1つ目は、T’s garden西寺尾でファミリー向けのマンションです。企業の社宅であったものを、スポンサーであるトーセイが、空の状態で取得し、バリューアップ工事とともに、リーシングにより稼働率を安定させた上で、今年1月にトーセイ・リートが取得したものです。87戸全室が3 LDK、91.04 m2の物件ですが、90m2超の賃貸マンションは希少価値が高く、取得時に空室であった3戸については、いずれも5%以上の賃料アップを実現しており、期末時点での稼働率は100%となっております。ルート相模が丘は、シングル向けのマンションですが、リーシングが進捗し、取得時点で93.3%であった稼働率が、期末時点では98.7%まで上昇しています。賃料単価の引き上げ余地はありますので、今後は賃料アップに注力してまいります。

続いて18頁、第三者割当増資およびスポンサーコミットメント体制の強化をご覧ください。物件取得と併せ、スポンサーであるトーセイを割当先とする第3者割当増資を実施致しましました。増資によりLTV上昇を抑え、運営の安定性を維持しつつ、第三者割当増資を選択することによって、投資口の需給悪化を回避しています。今後もファイナンス手段については、マーケット環境を見極めながら選択してまいります。併せ、スポンサーであるトーセイが名古屋鉄道との資本提携を発表致しました。リート運営については、新たに決定していることはございませんが、現時点でスポンサーサポートに重要な影響を及ぼすものはないと判断しています。

続いて19頁、財務運営をご覧ください。物件の安定性や財務運営が評価され、JCRの格付けが、A-からAにOne Notch引き上げられました。物件取得と併せ、三菱UFJ銀行より、16億円のブリッジローンを調達しています。5月末に総額32億円のリファイナンスを行いました。うち10億円については、「SEA SCAPE千葉みなと」を対象とした、グリーンローンにて調達しています。

続いて20頁をご覧ください。各種財務指標は記載の通りです。物件取得資金については、ブリッジローンと第3者割当増資で調達することで、LTVを高めることなくバランスシートの安定性を維持しています。又、5月に実行したリファイナンス資金32億円のうち、10億円については長期変動金利で調達致しました。住宅およびオフィス中心のポートフォリオを考慮し、変動金利での調達を一部導入した経緯にあります。現状、ブリッジローン部分を除いた変動金利借入は、全体の2.5%にとどまりますが、当面は長期借入全体の2~3割程度を目処に、拡大していくことをイメージしております。返済期限の分散状況ですが、今後も出来上がり金利と分散を意識した運営を継続致します。住宅の保有比率が最も高い上、テナントの分散も進んでおり、ポートフォリオは安定しているとの理解ですが、LTVについては、引き続き45から50%の範囲で運営を継続してまいります。

22頁をご覧下さい。業績予想となります。第20期(2024年10月期)、第21期(2025年4月期)のサマリーを纏めております。最初に分配金です。2024年10月期の分配金は、前回上方修正した予想に10円を加えた3,710円としております。2025年4月期についても横這いの、3,710円とさせて頂いておりますが、従来同様、最適運営に心掛け、しっかりと上振れを目指してまいります。次いで外部成長です。今後も東京経済圏の物件取得を主体としながら、地域分散、利回り確保に資する地方物件の取得も継続してまいります。引き続きマーケット環境を見極めながら、公募増資に拘ることなく、手元資金の活用、物件取得の際は、マーケット環境をよく見極めながら、公募増資に拘ることなく、手元資金の活用、物件入替なども柔軟に検討し、分配金を安定的に向上し、投資主価値の最大化を目指してまいります。

続いて内部成長です。2024年10月末の想定稼働率は、従来同様に一定のストレスをかけつつ、保守的な方法で算出した結果、96.2%と当初発表した水準を0.7ポイント上方修正致しました。上方修正した主な要因は、6ヶ月前までに通知が必要なオフィスの退去見通しが固まり、結果として想定稼働率が改善したことによるものです。2025年4月末は、従来同様に一定の退去を織り込み、95.9%と想定していますが、しっかりと上振れを目指してまいります。ESGについてもトーセイ・リートらしい進化を進めてまいります。併せましてサステナブルな運営を継続し、費用対効果を見極めながら、各種環境指標の向上を進めてまいります。

続いて23頁、第20期、21期の業績予想です。第20期は、前期対比では新規物件が通期で寄与することから増収となるものの、2年に一度開催する投資主総会等の費用増や、支払金利の上昇に加え、従来同様に保守的に設定した想定稼働率を反映したことで、当期純利益は減益となることを予想しています。一方、前回予想対比では、オフィスを中心とした稼働率改善や支払金利が想定を下回り、各段階で上方修正しています。尚、期末想定稼働率96.2%は、オフィスの新規契約は原則として見込まないほか、一定のストレスをかけ保守的に設定されておりますので、従来同様にしっかりと上振れを目指してまいります。第21期末の想定稼働率は低下を予想していますが、オフィスのフリーレント期間の解消等を含め賃貸事業収支は改善、投資主総会費用の剥落もあり、金利負担増を吸収し、前期対比で若干の増益を見込んでいます。

続いて24頁、分配金についてです。第20期の分配金は、前回予想比+10円の3,710円を予想しています。賃貸事業収支の改善により、巡航ベースの分配金が18円上昇することを織り込んだものです。尚、物件取得前に発表した当初予想と比べると、100円の上方修正となっており、資産規模の拡大により、分配金のベースが上昇致しました。第21期につきましても、第20期同等の3,710円を予想しています。いずれも保守的に算出した分配金予想としておりますので、第19期同様に、分配金の極大化を最重要項目に位置付け、投資主の皆様の期待にしっかり応えてまいります。

続いてESGトピックスです。26頁をご覧ください。第19期は、本年よりスタートしたARES ESG AWARDにおいて、環境部門でグッドアクション賞を受賞致しました。筑30年超の築古マンションに対し、適切な修繕や設備更新により、多面的な価値を追求していくトーセイ・リートらしいESG対応について、リート関与の環境意義をサーキュラーエコノミーに拡大するものとして高い評価を得たものです。今後も背伸びすることなくトーセイ・リートらしいESC貢献を続けてまいります。併せてRising Place川崎二番館でDBJ Green Building認証星3スターを取得、現時点での認証の取得率は39.1%となっています。

続く27頁では、環境パフォーマンスや環境認証の取得状況、共用部のLED化比率、主な環境改善工事の実施例を掲載しております。以降のページでもその他のESGへの取り組み、SDG’s、Appendix等を掲載しておりますが、ここでの説明は割愛させて頂きます。
私からの説明は、以上となります。有難うございました。