トーセイ・リート投資法人 2023年10月期決算概要
トーセイ・リート投資法人
2023年10月期(第18期)決算動画説明書
○動画 https://www.net-presentations.com/3451/20231218/qbpiml1d/
○説明資料
https://tosei-reit.co.jp/file/top-cdb25671cab029a056c37ac527e49407ee09777c.pdf
○説明者 トーセイ・リート投資法人 執行役員 大河内 幸貴
○説明
第18期決算説明を致します。
決算説明会資料2頁ご覧ください。2頁目に目次が、続く3頁目には、トーセイ・リート の概要を纏めております。
4頁、第18期のサマリーをご覧ください。今回の決算説明のポイントは、こちらに記載しております3点です。詳しくは後ほどご説明させて頂きますが、ここではポイントだけを説明します。先ず、1点目は、分配金についてです。当初予想の3,580円に対し、+126円を上乗せした3,706円にて着地しております。2点目は稼働率についてです。第18期の全体の稼働率は、前期末比で0.1ポイント上昇し、96.5%で着地致しました。想定稼働率対比では1.4 ポイントの上振れとなっております。稼働率が改善する中で、入替時の月額賃料も引き続き上昇しております。3点目はESGです。GRESBに初参加するとともに、新規環境認証取得、グリーンローンの実行を行っております。
それでは決算概要に移ります。6頁目をご覧ください。第18期(2023年10月期)の決算の概要を説明致します。最初に左上にあります第18期の実績をご覧ください。第18期は 営業収益および各利益段階で、予想、並びに、前期実績を上回る結果となりました。予想比では、各段階で超過実績を計上、想定を上回る稼働率で推移したことに加え、水道光熱費収支が改善したことによるものです。前期対比で見ても、賃料収入の上昇や水道光熱費収支の改善により、賃貸事業収支が増加致しました。支払い金利等のコスト増加を吸収し、各段階で増益決算を計上することができました。続いて、左下にあります当期純利益の変動要因を覧ください。先ほど述べました水道光熱費収支を含めた賃貸事業収支の改善により、当期純利益は予想比67百万円の上振れにて着地致しました。
続いて分配金の推移です。7頁をご覧ください。第18期の一口当たりの分配金は、当初予想比+126円の3,706円となりました。前期対比では24円の増配となります。利益相当分の分配金で、予想比183円の上振れとなったことを踏まえて、今期も内部留保の取り崩し57円は、見送ることと致しました。今後の安定分配継続を目的として、温存させて頂きます。
次に運用実績について説明します。9頁左、稼働率の推移をご覧ください。第18期末の稼働率は、96.5%で着地致しました。 前期末比では0.1ポイントの上昇、想定比では1.4 ポイントの上振れとなっております。オフィスの稼働率については、前期末比1.6 ポイント上昇の96.2%で着地しております。不安定な環境は続いていますが、2021年7月末の稼働率93.4%をボトムに改善傾向にあり、96%台への回復を果たしました。商業の稼働率については、テナントの入替があり、前期末比0.1ポイントの低下となりましたが、引き続き97%台の水準を維持しております。住宅の稼働率は、延床面積の大きいファミリールーム系レジの稼働率が10月末に一時的に低下したことなどの要因で、前期末比で0.6 ポイント低下し、96.6%となりました。右上の表では稼働率が90%を下回る物件を掲載しております。
第18期末時点では、保有する全ての物件で、稼働率85%を上回ることができており、直ちに 抜本的な改善を要する物件は存在しておりませんが、フォローが必要な物件として、抽出致しました。長者町デュオビルは、引き合いはあるものの、長らく新規契約に至っていない物件です。本件については、条件の柔軟性を上げ、稼働率回復を優先して対応していく方針です。和光ビルは、居酒屋およびシェアオフィスの退去により、稼働率が低下していますが、一部区画では申し込みが入るなど、早期に稼働率回復を目指してまいります。西田NCビルは新規申し込みがあり、契約に向けて順調に進んでいる状況です。本件が契約に至れば、満室稼働に回復することとなります。JPT元町ビルは、2階ワンフロアの退去があり、稼働率が90%未満に低下致しました。分割対応等を含め、テナントニーズに合わせたリーシングを行ってまいります。マイルストン東久留米は、入居者を退去者が少し上回る状況が続いています。引き合いはありますので、稼働率の向上に舵を切りながらコントロールしていく予定です。右下では稼働率が回復した八王子トーセイビルの事例を紹介しています。八王子トーセイビルは、昨年10月に大口テナントが退去し、稼働率が70%台まで低下した物件です。その後、エレベーターホールを含めた共用部のリニューアル工事により、バリューアップすることで、賃料増額しつつ満室稼働まで回復させています。大規模区画の退去に対し、バリューアップや分割対応等を施しながら稼働率を回復させていく、トーセイ・リートらしいリーシングを今後も続けてまいります。
続いて10頁、賃料の状況です。第18期中に発生した、テナントの入退去による賃料の増減については、オフィス稼働率の上昇を主因に、全体で月額300万円の増加となっております。商業は若干の賃料増、住宅は稼働率の低下を主因に減少しています。左下の表では、同一区画で退去した旧テナントと新テナントの賃料が、どのように変化をしているかを比較しています。商業施設においてマイナスとなりましたが、第17期に退去した飲食店の賃料が、割高に設定されていたことによるものです。オフィス、住宅とも賃料の増加が減少を上回っており、全体でも1.8%の増加となりました。又、増加件数は90件と、減少件数32件を大きく上回っている状況です。
続いて11頁、更新時の賃料改定の状況です。契約更新の際の賃料改定については、増額改定37件、増加率1.7%にとどまりました。増額改定の中心となる住宅において、稼働率が若干低下したこともあり、無理な賃料引き上げ交渉を避けた経緯にあります。一方で、今期も減額改定はなく、賃料の増加傾向は継続しています。
続いて12頁、CAPEX投資についての説明です。第18期も物件の資産価値、環境性能、顧客満足度向上に資するCAPEX投資を積極的に進めてまいりました。費用対効果を見極めた投資を心掛け、稼働率向上と賃料水準の引き上げに繋げています。左のグラフはCAPEX 投資額および減価償却費の推移を表したものです。第18期のCAPEX投資額は、一部翌期へのずれ込み等もあり減少していますが、今後も減価償却の7割程度を目処に、積極的に実施していく方針に特段の変更はございません。CAPEX投資例は右の表の通りとなりますが、大口の投資につきましては、全部物件を対象に優先順位をつけながら、計画的に実施しています。今後も各物件にとって必須、且つ、意義のある投資を継続してまいります。
続いて13頁、資産価値の維持・向上への取り組みをご覧ください。第18期は新たに商業施設1物件、住宅6物件で共用部のLED化工事を実施致しました。これによりLED化率は、前期末対比で7.1ポイント上昇し、84.7%となっております。テナント満足度向上のため、防犯性の高いインターホンを導入した一例を掲載しています。右側では共用部のリニューアル工事と合わせ、分割対応することで賃料アップを実現した、八王子トーセイビルの事例に加え、住宅物件についても2件の賃料アップ事例を紹介しています。
続いて14頁をご覧ください。第18期末の鑑定評価額は、前期末対比で+8億円の934億円に、含み益についても10億円増加致しました。主な要因として、CAP-Rateの一部低下に加え、賃料引き上げ効果等も含まれています。この結果、含み益は158億円となり、含み益率は、左下の折れ線グラフの通り20.4%に上昇致しました。尚、引き続き含み損を抱える物件はございません。
続いて15頁、ポートフォリオの推移を覧ください。第18期末の資産規模は790億円、物件数は60物件となっております。安定性や成長性を求め、住宅中心に物件取得を進めてきた結果、第18期末の住宅の保有比率は49.9%となっております。一口当たりのNAVについても、資産価値の向上により2,594円上昇し、152,631円となりました。
続いて17頁、第三者割当増資およびスポンサーコミットメント体制の強化をご覧ください。スポンサーであるトーセイを割当先とする第三者割当増資を実施し、借入金を返済した結果、総資産LTVが47.7%に低下しています。併せ、スポンサーによるセイムボート出資が拡大し、コミットメント体制をさらに強化致しました。尚、本件は投資口の需給悪化を回避することを目的の一つとして、スポンサーからの第三者割当増資を選択した経緯になります。今後もファイナンス手段については、マーケット環境を見極めながら選択してまいります。
続いて18頁、財務運営をご覧ください。第18期末のリファイナンス対応として、10月および11月に、合計46億円の長期借入を実施致しました。うち18億円については、ツイン・アベニューを対象資産としたグリーンローンにて調達しています。本件実行により、グリーンファイナンス残高は48億円まで拡大致しました。2023年3月に新規物件取得として調達した、ブリッジローン8億円については、割当増資と長期の借換えにより完済しております。
続いて19頁をご覧ください。ブリッジローンを第三者割当増資と長期借換えにシフトすることで、バランスシートを調整しています。ベースとなる固定金利の上昇により、平均調達金利は少し上がっていますが、有利子負債残高、平均残存年数、LTVとも改善致しました。返済期限の分散状況ですが、出来上がり金利と分散を意識した運営を継続しています。マーケット変化の中で、固定金利のみが急激に上昇するような場合は、一部変動金利での調達も選択肢に入れてまいりたいと思います。住宅の保有比率が高く、分散しており、ポートフォリオは安定しているとの理解ですが、今後もLTVについては、45から50%の範囲で運営を継続してまいります。
続いて業績予想です。21頁をご覧ください。第19期(2024年4月期)、第20期(2024年10月期)のサマリーを纏めております。最初に分配金です。2024年4月期の分配金は、当初予想を30円上方修正し、3,610円としております。2024年10月期についても、横這いの3,610円としておりますが、従来同様、最適運用に心掛け、しっかりと上振れを目指してまいります。続いて外部成長です。外部成長は、トーセイ・リートのステップアップには欠かせない重要な柱の一つです。今後も東京経済圏の物件取得を主体としながら、地域分散、利回り確保に資する地方物件の取得も継続してまいります。引き続き、マーケット環境をよく見極めながら、公募増資に拘ることなく、手元資金の活用、物件入替なども柔軟に検討しつつ、分配金水準を安定的に向上し、投資主価値の最大化を目指してまいります。続いて内部成長です。2024年4月末の想定稼働率は、従来同様に一定のストレスをかけつつ、保守的な方法で算出した結果、95.3%と前回予想した水準を0.1ポイント上方修正した数字となりました。2024年10月末の稼働率95.5%についても、同様にストレスをかけておりますが、保有物件のリーシング環境の変化を見込み、上昇していく方向性を想定しています。尚、稼働率の維持・向上と合わせ、物件を見極めながら、従来以上に賃料アップにもチャレンジしていきたいと思っています。ESGについてもトーセイ・リートらしい進化を進めてまいります。併せてサステナブルな運営を継続し、費用対効果を見極めながら、各種環境仕様の向上を進めてまいります。
続いて22頁、第19期、20期の業績予想です、第19期は、前期比では減収・減益、当初予想比では、各利益段階で上方修正致しました。前期対比で減益となる主な要因は、保守的に設定した想定稼働率95.3%をベースに算出していること、賃料引上げを含めたリーシング活動に注力するため、広告宣伝費等の経費増加を織り込んでいることなどによるものです。当初予想対比では、足元で賃貸事業収支の改善が進捗していますので、それらの数字を織り込み、各利益段階で上方修正しています。第20期は2年に1度開催する投資主総会による一般管理費の増加や、固定金利の上昇を織り込み、支払い利息が増加することを見込んでおりますが、賃貸事業収支の改善でカバーしていく予定です。今後も稼働率の上振れを目指し、収益拡大に努めてまいります。
続いて 23頁、分配金についてです。第19期の分配金は、前回予想比+30円の3,610円を予想しております。ベースとなる賃貸事業収支が改善し、利益分配金相当部分では47円の増加となります。第20期は、投資主総会要因や固定金利上昇を、賃貸事業収支の改善等で賄い、第19期と同等の3,610円としています。いずれも保守的に算出した分配金予想としておりますが、第18期同様に、分配金の極大化を最重要項目に位置付け、投資家の皆様の期待にしっかり応えてまいります。
続いてESGトピックスです。25頁をご覧ください。第18期はT’s Garden高円寺、ルミエール3番館の2 物件で、DBJ Green Building認証を取得致しました。いずれもトーセイ・リートが保有してから、各種環境対策を重ねてきたものです。これらの活動により、環境認証の取得率は39.4%に上昇、一歩一歩前進していることをご理解頂けると幸いです。LED化工事も着実に進めており、共用部のLED化率は84.7%まで進捗致しました。併せて今年度よりGRESBに参画しています。GRESBは、物件ごとの環境性能を求められるため、築年数の経過した物件を多く保有するトーセイ・リートとしては、相応に高いハードルの仕様となっています。結果として1-Starにとどまりましたが、地道に環境対応を進めてきた実績が評価され、グリーンスターにランクインしました。今後もトーセイ・リート らしいサステナブルな運用を心掛け、費用対効果を十分に見極めた投資を継続し、環境改善を進めてまいりたいと思います。
続く26頁では、環境パフォーマンスや環境認証取得状況、主な環境改善工事の実施例を掲載させて頂きました。以降の頁でもその他のESGへの取り組み、SDGs、Appendix等を掲載しておりますが、ここでの説明は割愛させて頂きます。
私からの説明は以上となります。ご清聴、有難うございました。