トーセイ・リート投資法人 2023年4月期決算概要
トーセイ・リート投資法人
2023年4月期(第17期)決算動画説明書
○動画 https://www.net-presentations.com/3451/20230619/sdepoko32/
○資料
https://tosei-reit.co.jp/file/term-28c8635ffa3ae584b37e47cb513f9aac975aebcb.pdf
○説明者 トーセイ・リート投資法人 執行役員 大河内 幸貴
○説明
2023年4月期(第17期)の決算説明を行います。
4頁、第17期のサマリーをご覧下さい。今回の決算説明のポイントは、ここに記載の4点です。詳しくは後ほど説明致しますが、ここではポイントだけ説明します。先ず1点目は分配金についてです。当初予想の3,570円に対し、112円を上乗せした3,682円にて着地しております。2点目は稼働率についてです。第17期末の全体の稼働率は、前期末比で0.2ポイント低下して96.4%で着地しました。想定稼働率対比では、1.3ポイントの上振れとなっております。3点目は新規物件取得についてです。トーセイ・リート初となる地方物件を取得致しました。物件の取得代金の一部を、第三者割当増資にて賄うこととしております。4点目はESGです。今期も新たに2物件の環境認証を取得するとともに、月光町アパートメントを対象資産として、グリーンローンによる調達を実施しております。
それでは決算概要に移ります。6頁目をご覧下さい。第17期(2023年4月期)の決算概要を説明致します。最初に左上にあります第17期の実績をご覧下さい。第17期は、営業収益および各利益段階で、予想ならびに前期実績を上回る結果となりました。予想比では稼働率が想定を上回り、各段階で超過実績を計上、水道光熱費収支については、テナントへの転嫁が進み、ほぼ予想通りの着地となりました。前期比では、新規取得物件を含めた賃料収入増加、各種経費の圧縮により増収増益で着地しております。続いて左下にあります当期純利益の変動要因をご覧下さい。水道光熱費のテナント転嫁が進捗し、想定通りで着地する中、賃貸事業収支の改善が進み、当期純利益は、予想比で+55百万円の上振れにて着地致しました。
続いて分配金の推移です。7頁をご覧下さい。第17期の一口当たりの分配金は、当初の予想比+112円の3,682円となりました。お陰様で、今期も予想を上回る実績を計上することができました。利益相当分の分配金が、予想比+152円の上振れとなったことを踏まえまして、従前予定していた内部留保の取崩し40円は見送ることと致しました。安定分配を継続するために、温存させて頂きます。
次に運用実績について説明致します。9頁、稼働率の実績をご覧下さい。第17期末の稼働率は、96.4%で着地致しました。前期末比では0.2ポイントの低下、想定比では1.3ポイントの上振れとなっています。オフィスの稼働率については、前期末比同等の94.6%にて着地しております。不安定な環境は続いていますが、2021年7月末の稼働率93.4%をボトムに、少しずつではありますが、改善傾向にあると認識しています。住宅の稼働率は、年度初めのテナント入替え時期と重なることもあり、前期10月末比で0.2ポイントの低下、商業については、飲食店等の退去により、前期末比0.2ポイントの低下となりましたが、引き続き97%台の高水準を維持しております。右上の表では、不安定なリーシング環境が続くオフィスの中で、低稼働の物件、具体的には稼働率が90%未満となっている4物件の現況を説明しております。八王子トーセイビルは、昨年10月の退去以降、79%台の稼働率が継続しておりましたが、5月時点で新規テナントが入居し、稼働率は93.7%まで回復してきております。更なる稼働率向上を目指してまいります。本厚木トーセイビルは、期末月の4月末に大口テナントが退去し、84.6%まで稼働率が低下しました。顧客満足度向上を目的として実施した、エントランスのリニューアル工事を行っており、テナントの誘致につなげたいと思っています。長者町デュオビルは、半年前に新規申し込みを受け付けましたが、都合によりテナントの移転が取り止めとなりました。関内エリアのリーシング環境も改善傾向にあり、長者町への波及効果も見極めつつ、リーシングを強化してまいります。西台NCビルは、分割対応により、新規テナントが入居し、稼働率は上昇しております。継続的に引き合いも来ており、更なる稼働率回復を目指してまいります。右下では、暫く稼働率が低迷していたNU関内ビルの稼働率向上の事例となります。Covid-19の影響によりリーシング環境が悪化、NU関内ビルにおいても、大型テナントの解約が発生し、長期間に亘り稼働率の低下を余儀なくされました。小規模区画ニーズを中心に、関内地区のリーシング環境も落ち着きつつあり、トーセイ・リートが得意とするテナントニーズに合わせた区画設定を行うことで、稼働率向上を実現しております。新たにテナント2件と賃貸借契約を締結しており、7月の稼働率は95%を超える予定です。
続いて10頁、賃料の状況です。第17期に発生したテナントの入退去による賃料の増減については、左上の表に記載の通りです。商業施設、住宅の稼働率が低下したことを主因に、全体の月額賃料が減少しております。左下の表では、同一区画で退去した9テナントと、新たに入居した新テナントの賃料が、どのように変化しているかを比較しています。NU関内ビルで、以前退去した大口テナントの賃料が、現状マーケット対比で少し高い水準にあったことから、オフィス賃料は減少しています。一方退去した時期は2022年2月であり、その後賃料が発生しておりませんので、今回の新規入居による前期対比でのマイナスのインパクトはありません。住宅については引き続き全体の月額賃料が増加しており、オフィス部分の減少をカバーしております。
続いて11頁、更新時の賃料改定の状況です。契約更改の際の賃料改定については、トータルで94件の増額改定を実現致しました。一方で、退去リスクを考慮して、無理な賃料引き上げ交渉を避けず、安定稼働にある住宅物件を中心に増額交渉を行った結果、賃料増額率は+2.7%と、前期実績対比で改善しております。賃料の改訂については、テナントの意向も十分に汲みとりながら、今後も丁寧に、根気強く対応していきます。
続いて12頁、CAPEX投資についての説明です。第17期も物件の資産価値、環境性能、顧客満足度に資するCAPEX投資を積極的に進めてまいりました。費用対効果を見極めたCAPEX投資を心掛け、稼働率向上と賃料水準の引上げに繋げています。左のグラフは、CAPEX投資額および減価償却の推移を表したものです。第17期のCAPEX投資額は、前期工事の一部ずれ込みや、前倒し工事を行ったことで少し膨らんでいますが、今後も減価償却の2/3程度を目途に、積極的に実施していく方針に特段の変更はありません。CAPEX投資例は右の表の通りですが、大口のCAPEX投資については、全物件を対象に優先順位を付けながら、計画的に実施しております。今後も各物件にとって必須、且つ、意義のある投資を継続していく予定です。
続いて13頁、資産価値の維持・向上への取組みをご覧下さい。本厚木トーセイビルでは、テナント満足度向上を目的として、エントランスの改修工事を行いましたので、稼働率の改善に結び付けたいと思います。白山麻の実ビルは、高稼働を維持している物件ですが、今回水回りの工事を行い、節水性能を高めるだけでなく、テナント受けの良いトイレの改修を行いましたので、今後の賃料アップに繋げていきたいと思っています。併せ東戸塚ウエストビル、新横浜センタービルでは、環境性能や安全性向上を目的とした投資を行い、物件価値を高め、長期に亘り維持できる環境を整えました。
続いて14頁をご覧下さい。物件競争力の強化、省エネ・省資源に配慮し、今期も住宅4物件、商業1物件でLED化工事を実施致しました。これにより、LED化率は前期末の71.6%から、77.6%に上昇資しています。ルミエール3番館は、既に実施済みのLED化工事に続き、外壁を中心に大規模修繕工事を行いましたので、近々環境認証の取得を目指す予定です。右側の住宅リニューアル工事例では、テナント入替の際に賃料を増額した主な例を記載しています。ファミリー物件を中心に相応の賃料引上げが実現しており、これらの地道な積み上げを背景に、住宅全体の賃料収入が増加しております。
続いて15頁をご覧下さい。第17期末の鑑定評価額および含み益は、どちらも前期よりは7億円強増加していますが、主な要因は、受託を中心としたCAP-Rateの低下によるものです。この結果含み益は、148億円となり、含み益率は左下の折れ線グラフの通り、19.1%に上昇しました。尚、引き続き含み損を抱える物件はありません。
続いて16頁、ポートフォリオの推移をご覧下さい。今期は新規に1物件を取得したことで、資産規模は790億円となりました。安定性や収益性を求め住宅中心に取得を進めて来た結果、第17期末の住宅比率は、49.9%まで上昇しております。上位5物件比率、並びに上位10テナント比率も低下しており、ポートフォリオの安定性は向上していると考えております。
続いて17頁、取得物件の概要をご覧下さい。第17期は、トーセイ・リート初となる地方都市物件を取得致しました。利便性や人口動態を踏まえた立地特性、物件の維持・管理状況を踏まえた物件特性、伸びしろを考慮した将来性を見極めて取得しております。4月末の稼働率は100%、5月に退去した1室も、賃料を2.7%引上げて既に契約結んでおり、相応のレントギャップがあると認識しております。引き続き物件利回りを向上してまいります。
18頁をご覧下さい。物件の取得については、これまで同様に東京経済圏を主な投資対象としつつ、地域分散、安定性、利回り確保の視点を置いた地方物件取得も継続してまいります。
続いて財務の状況となります。
20頁をご覧下さい。スポンサーであるトーセイを割当先とする第三者割当増資を実施することとしました。借入れによる物件取得で上昇したLTVを低減しつつ、分配金の成長についても実現しています。今回はPOマーケットの環境を踏まえて、外部からの資本調達ではなく、スポンサーからのセイムボート出資を選択致しました。本件により、スポンサーのコミットメント体制が更に強化できたと考えており、今後も着実な成長を目指してまいります。
続いて21頁財務運営をご覧下さい。第17期は、新規物件取得代金として、8億円のブリッジローンを実行致しました。本件については、第三者割当増資により4億円を返済し、残りの4億円については、タイミングを見て長期借り入れにシフトすることを想定しています。合わせて10億円の借換えを行い、グリーンローンにて調達致しました。対象資産はDBJグリーンビルディング認証で星4つを取得している月光町アパートメントとなります。格付け見通しが変更となっておりますが、今後もトーセイ・リートの信用力向上と成長のバランスを取った運営を続けてまいります。
続いて22頁をご覧下さい。ブリッジローン8億円を調達し、財務数値の一部が変動しておりますが、第三者割当増資を実施することで、LTVは従来と同水準に回復致します。返済期限については、出来上がり金利と分散を意識した運営を継続しています。住宅比率が高まり、資産の安定性が向上しているとの理解ですが、今後もLTVについては45から50%に範囲で運営を継続してまいります。ここには記載しておりませんが、レンダーの皆様から承諾を得て、預かり敷金の50%をリリースし、手元資金の一部に振替を可能としています。金額として15億円程度ですが、新規の物件取得を含め、有効に活用していきたいと考えております。
続いて業績予想です。
24頁をご覧下さい。第18期(2023年10月期)・第19期(2024年4月期)のサマリーを纏めております。最初に分配金です。2023年10月期の分配金は、前回予想比+10円の3,580円としております。新規物件取得による利益分配金の増加によるものです。2024年4月期についても、3,580円の横這いとしておりますが、従来同様最適運用に心掛け、しっかりと上振れを目指してまいります。続いて外部成長です。外部成長はトーセイ・リートのステップアップには欠かせない、重要な柱の一つです。前期は、トーセイ・リート初となる地方物件の取得を行いましたが、今後も東京経済圏の取得を主体としながら、地域分散、利回り確保に資する地方物件の取得も継続してまいります。引き続き、マーケット環境を良く見極めながら、POに拘ることなく、手元資金の活用、物件入替による資産価値の向上なども柔軟に検討し、分配金水準の向上を図り、投資主価値の最大化を果たしてまいります。続いて内部成長です。2023年10月末の想定稼働率は、95.1%としておりますが、この数字は従来同様、各種ストレスを加えることで保守的に算出しています。今期も想定を上回る稼働を目指すとともに、住宅中心に賃料アップにも努めてまいります。ESGについてもトーセイ・リートらしい深化を進めてまいります。併せまして、2023年GRESBへの参加に向けて手続きを進めていることを報告させて頂きます。
続いて25頁、第18期、19期の業績予想です。第18期は、前期比では増収・減益、当初予想比では各段階で上方修正を行いました。前期比で減益となるのは、保守的に設定した想定稼働率95.1%をベースに算出しているためです。懸案であった水道光熱費は、今後も単価の上昇を想定する一方で、テナント転嫁が進んだ足元の状況を踏まえ、予想に反映しています。第19期は、水道光熱費増により増収となる一方で、利益面では各項目で増減はありますが、第18期対比で横這いを予想しております。
続いて26頁、分配金についてです。2023年10月期(第18期)の分配金は、前回予想比+10円の3,580円を計画しています。水道光熱費収支については、直近の収支改善状況を踏まえて見直しを行いました。その他の収支についても、足元の状況を加味し修正を行っています。従来同様に、稼働率の上振れを目指すとともに、費用対効果を見極めた運営を行うことで、予想を上回る分配を継続してまいります。
続いてESGトピックスです。
28頁をご覧下さい。第17期は関内ワイズビル、八王子トーセイビルの2物件で、DBJ Green Building認証を取得しました。いずれもトーセイ・リートが保有してから、各種環境対策を重ねてきたものです。これらの活動による環境認証の取得率は、36.2%に上昇、一歩、一歩前進していることをご理解頂けると幸いです。LED化工事も着実に進めており、共用部のLED化率は、77.6%まで進捗しました。併せまして、GRESBに参加するため、現在作業を進めております。
続く29頁では、環境パフォーマンスや環境認証の取得状況、主な環境改善工事の実施例を掲載しております。以降の頁でも、その他のESGへの取組み、SDG’s 、Appendix等を掲載しておりますが、ここでの説明は割愛させて頂きます。
私からの説明は以上となります。ご清聴、有難うございました。