イオンリート投資法人 2025年7月期決算概要

イオンリート投資法人
2025年7月期(第25期)決算動画説明書
○動画  https://net-presentations.com/3292/20250918/nzvni9313/
○説明資料
https://www.aeon-jreit.co.jp/file/ir_library_term-aa41269afede0a659b9f40b16f59b1c084d9d538.pdf
○説明者 イオンリート投資法人 執行役員 兼
     イオン・リートマネジメント株式会社代表取締役社長 関 延明
〇説明
本日はお忙しい中、イオン リート投資法人、第25期決算説明会にご参加頂き有難うございます。イオン・リートマネジメントの関でございます。それでは先日公表致しました決算説明資料に沿って説明をさせて頂きます。
5頁をご覧ください。第25期は、新たなアセットタイプを含む底地を5 物件取得、およびイオンモール山形南の譲渡を行いました。この他、各種コスト削減などにより、DPUは当初予想比で+14円、前期比で+54円の3,414円で着地を致しました。DPUの成長だけでなく、その他の利益超過分配を行わずにEPUを成長させ、分配金の質を高めることができました。予想数値との差異を一口当たりの分配金で説明したものが 6頁の資料となります。

6頁をご覧下さい。営業収益では、イオンモール山形南の譲渡において、想定以上の売却益が計上できたことにより23円上振れました。営業費用では、ファンドコストの削減などにより20円、営業外損益については受取利息増加の影響もあり8円上振れています。尚、今期も能登半島地震および日向灘地震の余震による被害が発生しており、復旧工事と保険金受取額の差額により31円分下振れとなっています。以上により、一口当たりの当期純利益は3,366円と。予想より22円上振れました。次に利益超過分配について説明します。保有している物件の一部が事業用定期借地権であるため、これらの償却などに関わる税会不一致が38円分、海外SPCに関わる外国子会社合算税制、所謂CFC税制に起因した海外SPCの税会不一致が10円発生しています。合計の48円が一時差異等調整引当金額による利益超過分配 となります。

7頁をご覧ください。ここからは今期のトピックスについてお伝えさせて頂きます。先ず、物件の取得と譲渡についてです。取得した5物件は、パイプラインサポート契約を締結しているUSMH社からの情報提供によるものです。3物件は、地域密着型のスーパーマーケットを核とした商業施設であり、周辺には多くの居住者にも恵まれた物件です。残る2物件は物流施設とプロセスセンターを併設しており、中央流通センターは約100 店舗、佐倉流通センターは約50店舗を支えております。取得物件は、いずれも地域社会の生活インフラ資産であり、将来に渡ってイオンリートの安定収益に寄与すると考えています。

又、アセットタイプやサイズ感についても、多様化に備えることは重要であると考えておりこれを実現しております。続いてイオンモール山形南の譲渡についてです。イオンリートの物件譲渡は、イオンモール熊本以来2例目となります。譲渡した主な背景としましては、築24年が経過し将来的な投資負担が見込まれること、含み益を顕在化することなどなどがあります。この結果として、譲渡資金は新規取得物件の原資にし、譲渡益は利益超過分配の圧縮に活用しました。

8頁をご覧ください。こちらの図では、保有する物件タイプごとの収益と費用構造について示しております。今回取得の底地は、30年間の固定賃料契約でありますが、修繕費をはじめとした不動産賃貸事業費用の実質的な負担がなく、ポートフォリオの多様化を実現しています。

9頁をご覧ください。こちらでは、物件競争力や機能維持のための活性化工事について、今期の取り組みを説明します。今期の実績として、イオンモール成田では、開業25周年を迎えリニューアルの1つとして、平面駐車場内に約1,000m2の屋外テラスを新設しました。このテラスには、イオンリートとして91百万円の投資をし、投資金額に対する賃料を年間 6.0%増加させることができました。他にも第24期から2 期に亘り、ニュータウン千葉ニュータウンのお客様用トイレの改修工事も実施しました。

壁紙や照明の刷新、機能の充実化を実現し、84百万円の投資金額に対し5.5%の賃料増加を実現しています。一方、このような収益向上に繋がる活性化投資以外にも、築年数の経過などにより安全・安心にご利用頂ける施設であり続けるために、必要な投資も増えていくことが想定されます。必要なコストが増加することに対しては、ポートフォリオの収益向上、その他費用の抑制を行いつつ、中長期的な投資の資格の向上に繋がるよう日々の運用に努めてまいります。

10頁をご覧ください。こちらは第25期末のポートフォリオ 指標です。NOI利回りは6.0%、償却後は3.8%、含み益は984億円、1口当たりNAVは159,429円、敷金込みのLTVは45.7%となっています。参考情報ですが、時価LTVは敷金込みで37.6%となります。引き続き高い収益力の確保と、財務健全性を意識して運営してまいります。以上が第25期の決算概要となります。

2022年9月に公表した、中期目標に対する現在の進捗状況は11頁となります。この3年間で外部環境は大きく変化しており、目標設定を行った時には、インフレの定着化、金利上昇、又、投資口価格の低迷が続くといった状況について、全ては織り込めていなかったと認識をしています。現在公表より丁度3年が経過し、これまでの取り組み内容の精査を行っており、外部環境シナリオの再検討も踏まえ、しかるべきタイミングで、中期目標の再設定についてお知らせしたいと思います。

続いて第26期、27期の業績予想について説明します。14頁をご覧ください。こちらの頁では、第26期、27期の業績予想をお示ししています。営業収益においては、賃料増加の条件が確定した活性化投資などにより、26期、27期ともに増加しています。一方、営業費用については、主に修繕費の影響で増加を見込んでいます。詳細につきましては、後程説明致しますが、頁下段の通り修繕費と資本的支出の合計は26期で約43億円、27期で約58億円となっております。修繕費の増加分については、利益超過分配を活用して一口当たり分配金を確保し、26期は3,400円、27期は3,390円を予定しています。27期の一口当たり分配金が26期に比べ10円減っておりますが、こちらは25期に取得した物件の固都税効果 の剥落分となっています。

15頁をご覧ください。こちらでは、本投資法人の費用に占める各項目の割合を示したものです。イオンリートの場合、借地料や公租公課については実質的な負担がないため、コスト面においても大きなブレが少なく、安定した運用をこれまで行ってきております。一方、修繕や資金調達コストのコントロールが課題となっています。修繕費への対応として、これまでと異なる内容・条件での取得や、賃料増加による内部成長による収支を改善していく考えであります。又、資金調達コストについても抑制するため、これまで説明してまいりました 調達期間の短縮や、変動金利での調達割合の増加も方針の一つであることは変わりありません。但し、この環境下で抑制幅が限定的になっていることも踏まえ、調達スキームの多様化や調達金額、そのものを減らすことも検討してまいります。

16頁をご覧ください。26期および27期の工事計画となります。ここでいう工事金額とは、修繕・資本的支出の合計のことであります。業績予想の頁で説明した通り、工事金額自体が増加傾向でありますが、工事内容について説明したいと思います。先ず、賃料収入の観点で、増加を伴うものと伴わないものがあります。物件の競争力の強化に繋がるものや、マスターレッシーと合意した物件の機能維持・向上に資する投資については、賃料上昇に繋がり運用面においても重要となります。足元、一部の物件においては、これまでの水準を超える投資利回りで合意しており、中長期的な収益貢献が期待をできます。次に、賃料増加には繋がらないものの、建物設置者としての責任として物件価値を維持するため、又、安全・安心な商業施設であるために対応が必要な更新工事があります。

この工事ですが、大きく分類すると頁左下のようになります。1つ目が設備関連や躯体関連の工事です。2つ目が緊急的に行わなければならない工事です。そして最後が法令対応などその他の工事です。26期、27期の全ての工事金額の割合を、右のパイチャートで示しています。空調を始めとした設備関連や 躯体関連工事で、いずれの期も9割以上を占めています。空調については、猛暑の影響や 商業施設であるうえ、長時間に亘り稼働が必要であることから、メンテナンスする機会が増加をしております。27期については、緊急対応工事が1割近くありますが、これは主にイオンレイクタウンの地盤改良工事によるものです。

元々地盤が弱いエリアではありますので、改良工事を行うものとなります。一時的に費用は嵩みますが、安全・安心な施設運営のためには必要と考えています。工事金額全体は増加傾向でありますが、工事金額に占める賃料増額の割合は約17%と、これまでと比べ高い水準になっています。又、この賃料増額対象工事は、実施が決まっているものを設備投資として計上していますが、業績予想上は、賃料増加率が確定していないものについては増収分を計上していないため、今後、条件が確定した場合は、この賃料増加分のみアップサイドとなります。

17頁をご覧ください。増加する修繕コストへの対応について改めて説明します。基本的には物件ごとの収支改善を優先し、中長期に亘って運用することを考えています。先ずは少しでも費用を抑えるべく、マスターレッシーと交渉をしてまいります。次に収益面の強化です。グループ方針として国内については、新規出店よりもリニューアルによる来店動機の創出を掲げていますので、イオンリートとしては、賃料増加を伴う投資を行うチャンスでもあります。このようなタイミングで良い投資を行い、収益・利益控除を目指したいと思います。一方、このような運用を目指した上でも中貢献が期待できない物件については、譲渡を検討したいと考えています。

18 頁をご覧ください。今後の内部成長予定の一部について紹介します。イオン相模原ショッピングセンターについてですが、今年の7月に全館リニューアルオープンをしています。専門店を中心とした入替や移転、その他店舗環境などを刷新することで、地域の方のニーズに応える施設へと進化しています。イオンリートで投資した部分の一例をあげますと、フードコートを1階から3階に移設することに伴い、設備工事関連に対して投資をしています。イオンモール鹿児島においては、空調機器のインバーター化工事を行います。マスターレッシーの電気使用量を抑えることができ、電気料金の削減も期待できます。この投資の対価として、これまでより高い水準の賃料増額を実現しています。

19頁をご覧ください。これまで豊富な手元資金を活用し、キャッシュマネジメント戦略として物件取得や活性化投資を実行してきました。収益力向上のための投資に対して優先的に活用してきましたが、その時の環境に応じて自己投資口の取得も行っています。右側のパイチャートは、過去5年間の投資総額と、分配金成長につながった投資の割合を示したものです。1,200億円を超える投資を行い、約8割を分配金成長に繋がる投資に繋げています。26期、27期においては、年間で約105億円の減価償却費を見込んでいます。DPUおよびEPUの成長については、既存物件の収支改善だけでなく、今後も手元資金の活用の継続が必要不可欠であると考えています。

20頁をご覧ください 。イオンリートの現在のスキームを踏まえますと、収益力の向上は勿論のこと、コストコントロールも非常に重要であると考えています。財務面で言うと、毎年10月に200~300億円程度のリファイナンスを行っていますが、金利上昇により将来的に利益を押し下げる要因となっています。又、LTVについても、足元やや高い水準になっておりますので、一定水準の見直しが必要と考えています。資本政策についても1年前の自己投資口の取得を行いましたが、NAV倍率が低い水準であり、公募増資を伴う物件取得が現実的でないことから、今後も選択肢の一つと考えています。

21頁をご覧ください。最後になりますが、今後の分配金についてお話しします。半年前の決算説明会では、DPUとEPUの乖離を減らし、EPUの成長をすると説明をさせて頂きました。第25期においては、昨年9月の公表時以降、自己投資口の取得や新規物件の取得・譲渡を行った結果、1年前の予想値よりもDPU、EPUともに成長し、乖離の改善も実現しています。26期以降も、このアクションを継続することで実績を改善し、投資主の期待に応えられるよう日々の運用に努めてまいります。
以上で 第25期の決算説明を終わります。有難うございました。