コンフォリア・レジデンシャル投資法人 2024年7月期決算概要

コンフォリア・レジデンシャル投資法人
2024年7月期(第28期)決算動画説明書
○動画  https://www.net-presentations.com/3282/20240918/ethdt46e/
○説明資料
https://www.comforia-reit.co.jp/file/ir_library_term-97aed241e62b791897a8df884c697b9e667a67c5.pdf
○説明者 コンフォリア・レジデンシャル投資法人 執行役員 兼
東急不動産リート・マネジメント株式会社
常務執行役員・コンフォリア運用本部長 坂元 貴
○説明
2024年7月期の決算説明を始めさせて頂きます。
説明資料の3頁をご覧ください。左に示しております通り、譲渡益を除いた一口当たり当期純利益、所謂、実力ベースのEPUは5,564円、対前期比で+57円、1.0%の成長となりました。それを受け、右にあります一口当たり分配金は5,714円、対前期比+64円、+1.1%とさせて頂きました。

続いて4頁の運用サマリーです。外部成長では、フリーキャッシュと借入による取得余力を活用して資産を取得し、又、競争力の落ちてきた物件を、築浅物件に入れ替えることで、ポートフォリオの強化を図りました。その結果、本年7月末での資産規模は、93億円増加の3,167億円となっております。又、内部成長では、ポートフォリオ全体の入替時賃料変動率が、過去最高値を更新し+9.9%でした。シングルタイプとコンパクトタイプでの著しい上昇が見られ、ともに過去最高値を更新し、ファミリータイプも2桁台の上昇率を維持しております。

5頁をご覧ください。決算実績について説明を致します。27、28期に取得した物件の収益が大きく寄与するなか、既存物件については、賃料単価上昇に伴う増収を、リノベーションなど先の内部成長分として再投資を行いました。その結果、EPUは1.0%の成長となり、DPUは5,700円台に到達しております。

続いて6頁をご覧ください。業績予想について説明を致します。第29期は非繁忙期ということから、既存物件が増益となりますが、新築未稼働物件4物件取得に伴うリーシング影響を受け、一時的にEPUは5,500円と28期を下回る予想です。第30期には、それらの稼働増が貢献し、繁忙期でありながらも5,580円と成長することを見込んでおります。一口当たり分配金ですが、第29期は物件売却の譲渡益還元を含めて5,750円、第30期は5,730円と持続的な成長を目論んでおります。

続いて足元の運用状況を説明致しますので、8頁をご覧ください。入替時賃料変動率は、今期9.9%と過去最高値を更新致しました。その強さの理由は何でしょうか。9頁をご覧ください。東京のポテンシャルの強さというのが、その答えだと考えます。

3つの切り口から見てまいりますので、先ず、10頁をご覧ください。ここでは、東京一極集中の表れとして、仕事も遊びも勉強もあらゆる面で東京がNo.1というデータをご紹介致しております。企業の数、外国人宿泊者の数、そして学生・学校の数、いずれも東京が一番多くの割合を占めております。

次は11頁で、将来推計人口を見てまいります。10年後の2035年の将来推計人口データを見ますと、日本で唯一人口増加が見込まれるのが東京23区で、ご覧の通り持続的な人口集積から高いポテンシャルを有していることが伺えます。

ではその人口の構成につきまして12頁で見ていきましょう。この頁では、左側で生産年齢人口、右側で若年層の増減率を載せております。東京23区では、いずれも増加が見込まれ、今後も安定した賃貸需要が期待されます。東京のポテンシャルの強さについては、十分お分かり頂けたかと思います。

それでは続いて稼働率推移を説明致しますので、13頁をご覧下さい。左側のグラフの通り、ポートフォリオ全体の平均稼働率は96.8%と変わらず、高水準での推移となっております。稼働率を犠牲にしても、高い賃料単価を追求するという方針で運営をしてまいりましたが、それにも拘わらず高い稼働率が実現されました。これはマーケットでの需要の強さを表しているものと言えます。特に、右上のシングルタイプは、97.4%と過去最高の稼働率となりながら、4頁でお伝えした通り、入替時賃料変動率も+8.2%と過去最高となるなど、際立った状況となっております。

次は賃料動向について説明致しますので14頁をご覧ください。左上に記載の賃料単価変動率は、1.2%と過去最高を更新し、その下の入替時賃料変動率も、先ほど来、お伝えしている通り過去最高となりました。又、右の枠内、左側に記載の期末レントギャップは、前期から+4ポイントの9%となり、更なる上昇余地の拡大が見られます。このような現状を踏まえ、更新時には、レントギャップ解消を目指した賃料提示を行い、更新だけではなく解約となった場合の入替でも賃料増額を目指してまいります。

15頁をご覧ください。ここではエリア別の入替変動率の推移を記載しています。東京23区とその他東京圏で過去最高値を更新しており、ぶれない立地戦略の効果が実現されております。

次はこの内部成長の中身を説明致しますので16頁をご覧ください。こちらは、成長投資としてのリノベーションとバリューアップ、それと通常の原状回復の実績を纏めたものです。ご覧の通り立地戦略が生み出す効果が現れ、原状回復のみのオーガニックな成長ができる住戸が多く、投資効率を見極め、成長投資とバランスよく組み合わせることで、内部成長を継続的に加速させてまいります。

次は17頁で成長投資の実績について紹介致します。左側に記載があります通り、28期は、231百万円をかけ90戸の成長投資を実施し、27期工事実施済住戸と合わせて、月額238万円の増額が実現しました。29期につきましても、8月の1ヶ月で既に23万円、+17.7%の増額分が契約済みとなっております。

続いて18頁で財務の状況を説明致します。借り換えに伴うベース金利上昇により、期末の加重平均金利は0.67%と上昇致しました。又、LTVについては、第28期末では51.5%ですが、本年8月の公募増資により50.9%へ低下致します。

19頁をご覧ください。金利上昇の抑制を図るため、平均残存年数の若干の短期化と右の②に固定金利比率に記載がございますように、変動金利の割合を10.8%に増やし、対応をしております。

続いては、サステナビリティに関し、新らたな取り組みを行いましたのでその内容を纏めております。21頁をご覧ください。先ず、ESGのE、環境についてですが、KPIとして掲げておりましたCO2排出量40%削減の目標を前倒しで、2025年に達成させる目途がつきましたので、2050年のネットゼロを目指す新たなロードマップを策定致しました。パリ協定水準と整合したSBT認定を来年取得することを目指し、より一層の取り組みを推進してまいります。

次はS、社会について22頁をご覧ください。電動マイクロモビリティのシェアリングサービスを提供しているLUUP社と、J-REITでは初となる包括的連携協定を締結致しました。入居者の満足度を向上するとともに、地域社会の移動利便性向上という、社会貢献の一端を担ってまいりたいと思います。

もう一つ、Sのマテリアリティーである人材育成について紹介致しますので、23頁をご覧ください。不確実な環境の下で持続的な成長を果たすためには、従業員エンゲージメントを向上させることがキーファクターになると考えております。「よく遊び、よく学べプロジェクト」と題しまして、IR 活動に従業員が同行することで、投資家の方のフィードバックを体感するということをさせて頂いております。日頃の業務では味わえない経験をすることから、従業員一人一人が前例を打破する、マインドチェンジできることを期待しております。

次はG、ガバナンスについて24頁をご覧ください。本年6月に執行役員と監督役員の1名が交代となっております。新たに就任された貞廣監督役員は、コンフォリア初の女性役員で、且つ、リートでの業務経験を有しております。以前より監督頂いていた大島役員と合わせ、この新たな体制で更なる成長を目指してまいります。
では続いてその更なる成長へ向けての方策を26頁以降で説明致します。継続した物件取得が認知され、運用会社独自ルートでの物件情報取得件数が、前年同期比で+77%と大幅に増加をしております。

それを踏まえたパイプラインの状況について27頁をご覧ください。スポンサーと運用会社 独自ルートと合わせまして、合計30物件、900億円強のパイプラインを有しており、継続的な外部成長が可能な環境となっております。

次に28頁をご覧ください。事業会社同様、投資法人も従来に増して資本コストや投資口価格を意識した経営を推し進める必要があると思います。そこで今回、その基本となる考え方について説明致します。

29ページをご覧ください。この数式が根本の考え方でございまして、投資主価値を投資口 価格と位置付け、それを上げるためにEPUを上げ、資本コストを下げ、期待成長率を上げていくというものです。右側の3つの項目を、重要指標として意識をしてまいります。

30頁をご覧ください。この3つの重要指標のうち、EPUは内部成長と外部成長が、資本コストは財務戦略が、期待成長率についてはIR活動が、夫々具体的な戦略となってまいります。

では、先ず 資本コストの説明を致しますので、31頁をご覧ください。コンフォリアでは、資本コストを、投資戦略と結びつくインプライドキャップレートと、財務戦略に直結する加重平均金利、これを合わせたものとして考え、この両者のバランスが基本コスト最適化の鍵と位置づけております。

先ず、財務戦略であるLTVについて、32頁で説明致します。財務規律を守りつつ、適度なレバレッジを活用しながら資本コストを最適化するために、LTV水準を右の図のイメージに整理をし、50から55%の間で運用をしてまいります。

次にインプライドキャップレートと金利影響について説明致しますで、33頁をご覧ください。左側に記載のように、投資口価格の推移により変動するインプライドキャップレートを意識して、物件取得の目線やPOのタイミングを検討してまいります。又、右側には当面の金利影響を示しておりますが、影響額を抑制すべく先ほど財務の状況で説明した通り、平均残存年数と変動金利、借入比率、こちらをコントロールしてまいります。この結果、上段に記載の通り、資本コストは概ね3.8から4.4%程度の水準になると試算をしております。

次はEPUのうち内部成長に関しての説明となりますので34頁をご覧ください。左側に記載の賃料単価上昇による伸びと、右側に記載のインフレによるコスト上昇の両面の影響を加味すると、EPUは年間145円から149円程度の成長が期待できると考えております。

次は外部成長に関しての説明です。35頁をご覧ください。この頁では、公募増資を行う場合の調達コストを整理したものを載せておりますが、年間約20億円発生するフリーキャッシュをうまく活用していくことで、調達コストの削減を行うという考え方です。

具体的な説明を致しますので36頁をご覧ください。本年8月の公募増資を例に、調達コストと鑑定NOI利回りの関係を表したものです。手元現金を活用したオファリングサイズの小規模化により、外部成長効果を引き出すとともに、調達コストを上回りながらも、インプライドキャップレートを意識した利回り感で物件を取得しております。

次は IR 活動について37頁をご覧ください。投資家の方々との対話を通じた双方向のコミュニケーションを行うことで、経営の高度化とコンフォリアのファン層の拡大を図ってまいりたいと考えております。

次に38頁をご覧ください。これまでのIR活動を通じて、投資家の方々から頂いた様々なご意見を経営に反映し、成長期待をEPU、DPU成長に繋げることで投資主価値向上を図ってまいります。

最後に39頁をご覧ください。ただいま説明しました内容を纏めて、投資主価値向上のイメージを示しております。内部成長でインフレによるコストアップと金利上昇を吸収し、公募増資とそこから生まれる取得余力を活用した外部成長との両輪で、年率2%以上のインフレに負けないEPU成長を目指し、売却益や内部留保を取り崩しを加味して分配金をしっかりと出すことで、投資主価値向上に努めてまいります。
説明につきましては以上でございます。有難うございました。