サンケイリアルエステート投資法人 2025年2月期決算概要
サンケイリアルエステート投資法人
2025年2月期(第12期)決算動画説明書
○動画 https://www.net-presentations.com/2972/20250416/fgtjy56/
○説明資料
https://www.s-reit.co.jp/file/ir_library_term-97814ac28712758f8909fb04c390a94098640125.pdf
○説明者 サンケイリアルエステート投資法人 執行役員 兼
株式会社サンケイビル・アセットマネジメント 代表取締役社長 太田 裕一
〇説明
サンケイリアルエステート投資法人、第12期 決算概要等につきましてご報告、ご説明させて頂きます。
最初に当期の決算ハイライトにつきまして報告致します。4頁をご覧下さい。当期決算は、営業収益が2,516百万円、営業利益は1,352百万円、当期純利益は1,144百万円を計上し、予想比、前期比ともに増収増益となりました。その結果 当期のDPU、一口当たり分配金は、予想比+149円の2451円となりました。又、分配金控除後の一口当たりNAV、純資産価値は、前期比+1.5%の117,482円と増加し、回復基調にあります。本投資法人は、第9期から前期(第11期)にかけまして、ポートフォリオリバランスを実施してまいりましたが、その効果が着実に現れてきております。
本頁は、DPU、一口当たり分配金のサマリーとして、要因分解したグラフを示しております。当期DPUは、ポートフォリオの内部成長が寄与し、予想比、前期比ともに増加致しました。先ず、当期DPUの予想比増加は、上段グラフで示している通りですが、賃料・共益費収入を始めとする賃貸事業収支が、予想費+132円と想定を大きく上回り、賃貸事業以外の収支も予想比+17円と想定を上回ったことから、全体では予想比+149円の増加となりました。又、当期DPUの前期比増加は、下段グラフで示している通りですが、当期好調な賃貸事業収支は前期比+137円 となり、賃貸事業以外の収支の減少を吸収し、前期比+82円の増加となりました。
続きまして6頁をご覧ください。当期実績と、前期決算時に発表した当期予想との損益比較につきまして説明致します。並びに当期実績と前期実績との損益比較につきまして説明致します。最初に掲載表の設定を説明致しますと、表の左側から順に、前期実績、当期予想、真ん中の赤枠線で囲んだ列が当期実績、その右側に予想比、前期比の順で示しております。先ず、当期実績と当期予想との比較ですが、掲載表の予想比の列をご覧になりながらお聞きください。
当期は、前期同様主として、固定賃料と変動賃料を併用している、ホテル3物件のパフォーマンスが想定を上回り、運用資産のパフォーマンスを示す賃貸事業収益は、予想比48百万円の増加、賃貸事業費用は予想比12百万円ほど減少した結果、賃貸事業損益は予想比61百万円の増加と、予想比増収・増益となりました。又、賃貸事業費用を含め、営業費用が予想比13百万円ほど減少したことから、当期営業利益は、予想比62百万円の増加となりました。続きまして当期実績と前期実績との比較ですが、掲載表の前期比の列をご覧になりながらお聞きください。当期は、前期と比較して主にオフィスビルの賃料・共益費収入の増加が寄与したことから、運用資産のパフォーマンスを示す賃貸事業収益は、前期費 55百万円の増加、賃貸事業費用は前期比8百万円の減少となり、賃貸事業損益は、前期比 63百万円の増加となります。又、賃貸事業費用を含む営業費用は、前期比2百万円ほど増加しましたが、賃貸事業損益の増加がこれを吸収し、当期営業利益は、前期比52百万円の増加となりました。尚、予想比および前期比の主な差異要因は、頁右側に詳細を記載しておりますので別途ご高覧ください。
続きまして、当期の運用ハイライトにつきまして報告致します。8頁をご覧下さい。頁左上のグラフは、ポートフォリオ利回りの推移を示しております。当期は、一連のポートフォリオリバランスを完了した2度目の決算期にあたりますが、ポートフォリオ利回りは上昇基調にあります。グラフには掲載しておりませんが、今期(第13期)および来期(第14期)のポートフォリオ利回りも、当期実績値並みに推移することを見込んでおります。今期(第13期)および来期(第14期)は、第10期から第11期に新規取得しました物件の公租公課が費用化されますが、ポートフォリオの賃貸事業収益がこれらを吸収し、当期実績並みに推移することを見込んでおります。
又、頁右上のグラフは、ポートフォリオの期末稼働率の推移を示しておりますが、稼働率は現在安定推移しております。尚、今期(第13期)および来期(第14期)のポートフォリオの想定稼働率は、賃貸面積ベースで頁右下掲載の水準を想定しており、今後の業績予想のベースにもなっておりますが、2026年2月期(第14期)末に賃貸面積ベースで満室稼働を目指しております。
続きまして9頁をご覧ください。本頁は、保有オフィスビルの主な内部成長実績と、保有ホテルの改修事例を掲げておりますが、いずれも資産価値向上に繋がるアクションであります。先ず、保有オフィスビルの主な内部成長実績としまして、S-GATE赤坂の実績を報告致します。本物件は、継続的にテナントとのリレーション深化に努め、テナントの状況を把握した上で交渉を行った結果、従前比5%増の増額改定に成功しました。
又、本物件の駐車場は外部のオペレーターを介して サブリース 運用しておりますがかかる サブリース契約の更新にあたり、エリア内需要の強さを踏まえ、 積極的に当該オペレーターと交渉した結果、従前比19%増の増額改定に成功しました。これらの増額改定は、本物件の資産価値向上に寄与しております。次に保有ホテルの改修事例としまして、ホテルインターゲート京都四条新町の事例を報告致します。官公庁の宿泊旅行統計調査によれば、本物件が位置する京都市のインバウンド比率は、2024年4月以降50%前後で推移し、外国人宿泊者が日本人のそれを上回る状態になりつつあり、特にアメリカを筆頭とする欧米に加え、オーストラリアからの流入も続いております。このマーケット状況に鑑み、欧米豪の旅行客の宿泊ニーズに応えるべく、2025年1月にダブルベッドの幅のキングサイズへの変更や、シングルベッドからダブルベッドへの変更、全客室の禁煙化など欧米豪の旅行客を取り込み、稼働率と ADR(客室平均単価)の更なる向上を目指す客室改装を実施致しました。
尚、本物件の客室改装は、オペレーターの負担で実施しており、本投資法人の費用負担はございません。これらの取組みによる効果は今後が待たれますが、それでも本物件の継続鑑定評価額が上昇していることに鑑みますと、欧米豪の旅行客の取り込みが進んでいけば、更なる資産価値の向上に繋がるものと考えております。
それでは10頁をご覧ください。頁左上のグラフは、オフィスビルテナントの、賃貸面積ベースでの賃料改定実績の推移を示しており、頁左下の表は、件数ベースでの賃料改定実績の内訳を示しております。当期の対象テナント数は22件、対象賃貸面積は、本投資法人の持分考慮後で約2,161坪でした。頁右上グラフは、オフィスビルポートフォリオの平均賃料単価の推移と賃料ギャップの推移を示しておりますが、マーケット賃料を下回るテナントには積極的な増額交渉を行っており、一定の成果も得ていることから、平均賃料単価は上昇基調にあります。又、当期の賃料ギャップは、マーケット賃料対比-3.1%であり、マイナス値は内部成長余力を示しておりますが、マイナス値が小さいほどマーケット賃料に近い水準まで賃料増額が進捗していると捉えてください。尚、頁右下には、今期(第13期)、第14期の契約更改・更新の予定を表しつつ、本年4月1日時点の進捗状況を示しております。
次にホテルの状況を報告致します。11頁をご覧ください。本頁は、固定賃料と変動賃料を併用している、ホテル3物件の運営状況を示しております。ポートフォリオの内部成長ドライバーを担う掲載ホテル3物件の運営は、前期に引き続き当期も好調であり、更なる成長を見込んでおります。頁右側に掲載する数値は、各決算期の平均値を纏めておりますが、好調な実績を収めた前期(第11期)および当期(第12期)に対し、今期(第13期)および来期(第14期)の業績予想上の想定は、更なる成長を見込んでおります。
続きまして12頁をご覧ください。頁左側のグラフは、保有ホテルの契約形態別賃料収入の実績と予想を掲載しており、左側から前期(第11期)実績、当期(第12期)実績、今期(第13期)予想、来期(第14期)予想の順に掲載しております。固定賃料のみを採用しているホテル3物件は、実績、予想ともに変わりませんが、固定賃料と変動賃料を併用しているホテル3物件は、夫々の物件特性、足元の外部環境、季節要因、約定等を考慮して設定しております。又、頁右側のグラフは、2025年2月における宿泊者の地域別データを掲載しており、保有ホテル6物件のうち、公表可能な5物件について宿泊者の地域別データを示しておりますが、エリアによって異なる構成になっております。特にグリッズプレミアムホテル大阪なんばは、インバウンド比率の高さが顕著であり、高水準のADR(客室平均単価)や稼働率の要因となっています。
続きまして財務運営の状況につきまして報告致します。13 頁をご覧ください。頁左上掲載の財務ハイライトは、本年3月12日時点の状況を示しております。又、頁下段のグラフは、有利子負債の返済期限の状況を示しており、本年3月12日に返済期限の到来した借入金 48億円は、長期固定化と返済期限の分散を旨に借入期間を5年としましたが、足元の金利動向を踏まえ、変動金利と固定金利のバランスを図ったリファイナンスを実行しました。詳細は頁右上に、足元のリファイナンス状況を掲載しておりますので別途ご高覧ください。
尚、今期(第13期)および来期(第14期)の、業績予想上の支払利息額につきましては、本頁に掲載している通りですが、昨今の金利動向に鑑み、2025年7月および2026年1月に、夫々1回ずつ日銀の政策金利が引き上げられることを前提に予算化しております。頁左上のグラフはLTVの推移を示しております。当期も前期同様、当方の考える巡航LTV水準である45から50%の範囲内にあります。又、頁右上グラフは長期負債比率の推移を示しております。財務運営上、高位を保つことを意識しており、本年3月12日実行のリファイナンス時点で87.6%となっております。
頁左下のグラフは、固定金利比率の推移を示しておりますが、本年3月12日実行のリファイナンス時点で80.3%と低下しましたが、金利動向に鑑みながら適切にコントロールしてまいります。又、頁右下のグラフは、平均残存期間および平均調達金利の推移を示しておりますが、平均残存期間が概ね横這いの一方で、平均調達金利はリファイナンスの都度徐々に上昇しております。足元の金利環境は、日銀による金融政策の正常化に伴い、ベース金利は上昇基調であることに鑑み、固定金利比率の調整や借入 年限の調整等により、柔軟な借入コストコントロールを行ってまいります。以上、当期(第12期)決算の概要等につきまして報告致しましたが、続きまして今期(第13期)および来期(第14期)の業績予想について説明致します。
17頁をご覧ください。本頁掲載のグラフは、今期(第13期)および来期(第14期)の業績予想をDPU(一口当たり分配金)ベースで要因分解したものです。今期(第13期)および来期(第14期)は、第10期から第11期に新規取得した物件の公租公課が費用化されるため、当期(第12期)との比較において、今期(第13期)は賃貸事業費用の増加を見込んでおります。又、両決算期とも借入コストの増加を見込んでおります。これらを前提に、今期(第13期)の予想DPUは、昨年10月公表の予想2,250円に対し、+80円の2,330円を見込み、来期(第14期)の予想DPUは、今期(第13期)の当初予想並みを維持し、2,250円を見込んでおります。尚、本頁下段には、参考までに過去における当初予想と実績の推移を示しておりますが、日銀による金融政策の正常化に伴い借入コストの増加を見込みますが、当初予想を上回る成果、実績を目指し、鋭意努めてまいります。尚、18頁には、今期(第13期)および来期(第14期)の業績予想の内訳を示しておりますので、別途ご高覧ください。
それではこれより本投資法人の成長戦略について説明させて頂きます。20頁をご覧ください。本頁には、成長戦略における現下の方針を、バランスシート形式で纏めておりますが、ROE の向上を目指し、時宜に応じて各種施策を検討、実施する意向です。尚、当方が定義するROEは、本頁の再下部に注記を付しておりますので、別途ご確認ください。それではアセット(資産)、デット(負債)の部、エクイティー(資本)の部の順に説明させて頂きます。
先ず、アセット(資産)の部では、ポートフォリオの強靭化と将来ネットキャッシュフローの改善を目的に、各種施策に取り組みます。外部成長面では、相対的に含み損が大きく、数年に亘り含み損が解消しない物件や、低利回り物件、或いはシングルテナントリスク 物件の売却を意識しており、リバランスの機会を探っております。リバランスにより取得する新規物件は、ROEの向上、又は含み益の増加に資する物件の取得を心掛けていきます。内部成長面では3点ほど掲げておりますが、目下好調に推移する固定賃料と変動賃料を併用しているホテ3物件の収益増加、低稼働物件のリースアップによるオフィスビル稼働率の向上、賃料ギャップ、内部成長余力のあるテナントに対する積極的な賃料増額交渉を持って、ネットキャッシュフローを下げない取り組みを推進してまいります。次にデッド(負債)の部では、借入コストの抑制を目的に各種施策に取り組んでまいります。
リファイナンスでは、日銀による金融政策の正常化に伴い、ベース金利の上昇の見通しを踏まえ、変動金利の採用により借入コストを抑制してまいります。尚、当面の変動金利比率は、現行19.7%のところ、30%程度まで許容する方針です。又、調整余地は限定的ですが、借入コストを睨みながら、借入の調整も図ってまいります。更に物件売却の機会が生じた場合、売却代金を原資に借入金の返済も検討してまいり、LTV、有利子負債比率は、従前同様45から50%の範囲内を目安としてコントロールしてまいります。そしてエクイティ(資本)の部では資本の効率化および投資主還元を目的に、自己投資口の取得による自己資本の圧縮を考えますが、現在の手元キャッシュでは効果が限定的のため、物件売却による売却代金の多寡が実施検討の鍵となる点にご留意ください。現在の本投資法人のROEは、FFOベースで5.9%です。これらの取り組みを時宜に応じて検討・実施することで、ROE の向上を目指してまいります。
それでは21頁をご覧ください。成長戦略の各パートにつきまして補足説明させて頂きます。先ず、アセット(資産)の部について補足致します。本頁左側は外部成長関連、右側は内部成長関連を示しております。外部成長面では、リバランス機会を探る上で、現在本頁掲載の4物件をモニタリングしております。又、仮に物件売却ができた場合、物件売却時の売却代金は自己投資口の取得を意識しつつ、物件取得や借入金の返済、或いはこれらの合わせ技など幅広く検討してまいります。
次に内部成長面では、先ず、固定賃料と変動賃料を併用しているホテル3物件の収益増加につきましては、客室平均単価に稼働率を乗じたRevPARの上昇がポイントとなります。右側上段掲載の表は、各ホテルのRevPAR上昇率によって、DPU(一口当たり分配金)がどの程度上昇するか、その効果を試算しております。次に右側 中段掲載の表は、現在低稼働のオフィスビル2物件がリースアップすると、DPU(一口当たり分配金)がどの程度上昇するかその効果を試算しております。更に賃料ギャップ、内部成長余力のあるテナントに対する賃料増額交渉では、今期(第13期)および来期(第14期)に契約更新予定の全店全てのテナント、と言いましても該当期では2テナントですが、賃料増額改善に成功した場合、DPU(一口当たり分配金)がどの程度上昇するかその効果を試算しております。
続きまして22頁をご覧ください。デット(負債)の部およびエクイティ(資産)の部について補足致します。先ず、デッド(負債)の部では、借入コストの抑制にあたり、変動金利の積極的な採用を意識しており、左上グラフは、変動金利が固定金利より相対的に低いことをイメージして頂くために示したものです。又、借入年限の調整は、返済期限の分散化を考慮すると調整余地は限定的ですが、右上掲載の表では、借入年限に対するDPU(一口当たり分配金)への効果を試算しています。尚、頁右側中段に、借入金返済シミュレーションを掲載しておりますが、あくまで想定であり、返済によるDPU(一口当たり分配金)への効果をイメージして頂くために試算したものです。次にエクイティ(資本)の部では、本頁下段に示している通り、仮に自己投資口の取得を実施した場合の、DPU(一口当たり分配金)への効果をイメージして頂くために試算しておりますが、現在の手元キャッシュでは効果が限定的のため、物件売却による売却代金の多寡が、実施検討の鍵となる旨にご留意ください。
それでは最後にESGへの取り組みを簡単に報告させて頂きます。24頁をご覧ください。2025年3月に、ポートフォリオの中核的アセット群を構成する物件のうち、物流施設1物件、ホテル3物件の合計4物件にて、DBJ Green Building認証を取得した旨、報告致します。この結果、ポートフォリオにおける環境認証の取得割合は、本投資法人の持分考慮後で、従前の24%から48.3%まで高まりました。
以上を持ちまして、本投資法人の2025年2月期(第12期)の決算説明を終了させて頂きます。ご清聴、有難うございました。