エスコンジャパンリート投資法人 2023年1月期決算概要
エスコンジャパンリート投資法人
2023年1月期(第12期)決算動画説明書
○動画 https://www.net-presentations.com/2971/20230317/ahia3ug/
○資料
https://www.escon-reit.jp/file/ir_library_term-7c0bbd4bdc5718f69c96ccfe744fb902274fd52e.pdf
○説明者 株式会社エスコンアセットマネジメント 代表取締役社長 織井 渉
○説明
資料に沿って、第12期の決算内容について説明致します。
1頁をご覧下さい。大きく6つの項目について説明を致します。
2頁をご覧下さい。第12期のエグゼクティブサマリーということで、記載しています。ハイライトにありますように、第12期は、先ほど申し上げたように、行政処分における業務改善の対応について、着実に実施をしてまいったというところです。又、1月末に約100億円のリファイナンスがありましたが、このような環境下においても、無事にリファイナンスを完了しております。又、資産運用会社からの賠償ということで、666百万円の賠償金を支払い、投資法人としては特別利益の計上を行っております。決算の概要ですが、第12期においては、一口当たり分配金は5,283円。これは先ほど申し上げた賠償金666百万円を含んだ形で決算の分配金については、締めをしております。又、今始まっております13期、来季の14期の業績予想を記載しておりますが、詳細については後ほど説明いたします。次に成長戦略についてですが、これから6期、3年に亘るロードマップ、新しい再スタートとしてのエスコンジャパンリートのロードマップを策定しております。この内容についても、後ほど詳細に説明したいと思います。
3頁からは、金融庁による行政処分の対応状況についてです。皆様方に大変な迷惑をおかけして、ご心配も頂いていると思いますが、こちらに現時点での業務改善命令等に対する進捗状況について説明させて頂きたいと思います。私共が行ってしまった、金融商品取引法第42条だし1項の「忠実義務」違反については、ここにありますような原因となる不適切な事項があり、行政処分としては2022年7月15日からの3ヶ月間の業務停止命令、それから業務改善命令を受けているという状況です。その業務改善命令の内容について、現時点でどのような取組みをし、どのような状況であるかを、以下説明させて頂きます。先ず、業務改善命令の1つ目ですが、本件に関する投資法人の投資主に対し、今回の行政処分の内容を十分に説明し、適切な対応を行うことであり、これについては、前期(第11期)のうちに対応を済ませております。第12期においては、これを継続的に対応していくということで進めているところです。次に、業務改善命令の2番目ですが、投資法人資産運用会社として公正かつ適切な業務運営を実現するため、法令等遵守に係る経営姿勢を明確化、経営陣による責任ある法令等遵守態勢及び内部管理態勢の構築、並びに、これらを着実に実現するための業務運営方法を見直すことということで、前期11期において、コンプライアンス宣言を採択し、公表致しました。又、経営理念、全体研修については、第11期においては対応中でしたが、第12期において経営理念の公表および研修を実施致しました。
次に5頁をご覧下さい。経営陣による責任ある法令等遵守態勢及び内部管理体制の構築ということで、取締役会の構成変更を考えておりました。今期第12期において、取締役会の構成の変更を済ませております。以下3つの項目については、第11期中に実施しております。業務運営方法の見直しですが、利害関係者からの物件取得に際して、取締役会の決議を必要とする運用フローに変更ということで、こちらも第11期中には対応できませんでしたが、第12期中に対応しております。又、以下の2つの項目については、第11期中に対応し、継続的に対応をしていくということで、第12期においても継続対応している状況です。業務改善命令3ですが、本件発生を究明したうえで、投資運用業に係る意思決定の妥当性を検証するための社内プロセスの明確化など、利益相反管理について十分な態勢を構築することを含め、具体的な再発防止策を策定することということで、原因究明においては、運用会社としての忠実義務を尽くす意識が極めて低かったということ、それから、スポンサーからの物件取得に対して、それを最優先にしたことにより、不適切な行為をしてしまったということ、それを対応するガバナンス機能が十分に発揮できなかったこと、又、利害関係のある取引ということについて、監視態勢が十分ではなかったということを含めて、役職員含めた法令遵守に対する意識が欠けていたという実態の中で、このような事象を起こしてしまい、更に人的リソースも不足していたというのが、原因を究明している中で、挙がってきている事象です。これに対して対応策を考えてきたというところです。
6頁に、発生原因を踏まえた再発防止策を記載しております。先ず、不動産鑑定評価の発注業務ルールの変更、それから、コンプライアンス部による不動産鑑定発注業務モニタリングの強化、投資運用業に係る意思決定の妥当性を検証するための社内プロセスの明確化、日本エスコンンとの間の不動産取引にかかる利害関係者取引制度の新設、人的リソースの確保、中部電力及びび日本エスコンと連携した、本件原因の更なる究明と再発防止策の充実、利益相反管理態勢の継続的向上のための教育・啓発ということで、これらについては、第11期中には対応が出来ておりませんでしたが、全て、この第12期において、夫々マニュアルの整備とか、コンプライアンス委員会等の規定も改正、更なる防止策の策定等、又、社内研修をすることにより再発防止に向けた対策を講じてきました。
7頁は、業務改善命令の4番目になります。今般の検査結果を踏まえ、経営陣を含めた責任の所在の明確化を図ることということで、今回の行政処分に至る行為について、係わってきた責任あるものについては、退任等をして、新たな者を選任したという状況になっております。ここにありますように、私が2023年1月から鍵山に代わり就任し、又、中部電力からも社外取締役として島岡を派遣して頂いております。又、運用の部についても鉄谷が就任し、新体制の元、これからの業務を推進していきたいということで、体制の強化を図っているというところです。業務改善命令の5つ目ですが、今まで上げた4つの対応について、2022年8月15日までに書面で報告するとともに、その全てが完了するまでの間、随時書面で報告することと言われております。これについても継続的に対応しているところです。今後、こういった業務改善を継続的に、且つ、改善しながら信頼回復に向けて、着実に前に向かって進んでいきたい、その中で法令遵守態勢等、及び内部管理態勢を維持改善していくということをやりつつ、業務改善が完了した際には、着実な外部成長に向けた物件取得の準備を進めてまいりたいと考えているところです。以上、業務改善に関する現状を報告、説明させて頂きました。
続きまして、決算概要について説明致します。終わりました第12期、こちらについて説明したいと思います。
9頁は、第12期実績と第11期実績との比較について記したものです。第12期ですが、営業収益は2,541百万円、営業利益は1,362百万円、経常利益は1,194百万円、当期純利益は1,859百万円となりました。一口当たり分配金は5,283円となります。主な要因ですが、営業収益はスポンサーとの費用生産で発生した一時的な収入、催事等をやることによって施設からの収入を増やした分等50百万円ほどあります。そして、第11期に発生しました西春からのテナントの退去に伴う一時的な収益の剥落があり、又、水道光熱費、昨今電気代等の高騰に伴いテナントからの収入に対して支出が増えているという現状の中で、16百万ほど支出が増えております。又、11期に集中して行った修繕が正常時に戻りましたので、200百万円ほど改善となっています。12期においては、約100億円のリファイナンスがありましたので、それに対するコストが発生しているというところ、それから、賠償金666百万円を特別利益として計上しましたので、こちらを含めまして分配金5,283円という結果になっています。因みに、666百万円が無ければ、一口当たり分配金は3,390円と言うのが実体の数字というところです。
10頁は、第12期の数字と9月に公表した数字との対比です。それから、直近11月に修正予算を出しましたが、その対比も記載しております。
続いて業績予想に移ります。
12頁をご覧下さい。第13期に業績予想ですが、数字から申し上げますと営業収益で2,507百万円、営業利益で1,204百万円、経常利益で1,084百万円、当期純利益で1,083百万円ということで、一口当たり分配金は3,077円の予想を出しております。第12期実績との差異について申し上げると、営業収益面においては第12期に発生したスポンサーからの生産分が剥落し、テナントの入替えが生じた部分で一部ダウンタイムが生じたこともあり、営業収益で64百万円ほどダウンしている状態です。又、水道光熱費についても若干ですが支出の方が増えてしまい、4百万円ほどマイナスになっています。それから、先期に発生したtonarie清和台において漏水事故があり、それに対する営業保証金等、現時点では保険等々との兼ね合いもあり確定していませんが、過去の事例を含めて概算で30百万円ほどの営業保証金等の金額を積算しております。又、施設保険等が、最近の自然災害等がある中で上がって来ていることもあり、そのようなもののコストを積算し、33百万円ほどのコストが増えております。今期にぽおいては、リファイナンス等がございませんので、前期に計上したリファイナンスのコストがなくなり、又、賠償金についてもなくなったことで、一時的なものが剥落している部分があり、このような予想値を出しております。
続いて、13頁は第13期の予想です。営業収益は2,552百万円、営業利益は1,231百万円、経常利益は1,084百万円、当期純利益としては1,084百万円ということで、一口当たり分配金は3,082円の予想を出しております。第13期の予想との差異については、ここに記載している通りの内容ですが、まだ、若干水道光熱費の支出の増、それから、第13期には計上しておりましたtonarie清和台の保証金、これは一時的なものでしたので、これが剥落しております。一方で、この期においては約46億円のリファイナンスがありますので、そのコストが発生することになります。
14頁は、これまでの分配金の推移、現ポートフォリオになってからの分配金の推移を記載しております。色々凹凸はありますが、この第13期、14期についてはマイナス要因が多いという中で、我々としては、足元、分配金収入を増やしていくために、内部成長でどこまでできるかということはありますが、今、見込まれるものをすべて見込んだうえで、このような数字を出しました。今後、第16期以降、これからのことになりますが、南千里等の案件で、長期で契約して頂いたテナントの入替え、再更新、再契約などが生じてまいりますので、そういったところで、しっかりとトップラインを上げていく施策を打って行ければと思っているところです。
続いて15頁以下は、財務の状況と基本方針です。
16頁をご覧下さい。先程申し上げましたように、第12期において9,860百万円のリファイナンスを行い、返済の分散化を済ませております。LTVについては、44%前後のところでしっかりとコントロールしつつ、あとは、格付けについてはR&IからA-(安定的)という格付けを頂いております。行政処分等ある中で、ポートフォリオについては安定的な収益を計上出来ていたという評価を得ていると思いますので、この格付けをしっかりと維持すべくやっていきたいと思っております。これからもリファイナンスなどある中で、又、今後、外部成長していく中で新規案件の取得もやっていきたいと思っており、レンダーフォーメーションの強化については、しっかりとやっていきたいと思っており、金利動向は若干難しい環境になってきておりますが、固定化等も図りつつ安定した財務運営を行っていきたいと思っているところです。
17頁からは成長戦略について説明したいと思います。
18頁をご覧下さい。今回私共のチームで、若手も交えて、これからリートを、どうやってもう一度信頼を回復し、次の成長ステージに持って行くか、そのために何をやったら良いのかを検討し、その具体的な策としてロードマップを作成しました。このロードマップのビジョンにおいては、やはり我々が持っている、コンセプトとして掲げている暮らし密着型のアセット、ここの部分を生かして、大切にしてポートフォリオを拡大して、地域のコミュニティの活性化や社会インフラの整備に貢献し、そうした中で資産規模の拡大と、安定的な分配金を成長させていくというビジョンとして掲げました。これを具体化するロードマップということで、こちらに掲載しております。6期、3ヶ年を3つのフェーズに分けて、夫々どんなことをテーマとしてやっていくかということで掲げました。フェーズ1については、やはり、行政処分を受けた中で、信頼が失墜していると思いますので、信頼をしっかり回復していくフェーズにしたいと思っております。又、その信頼回復が出来た時には、出来ればフェーズ2ぐらいから、ポートフォリオを良化し、更に外部成長を含めて、成長するステージに持って行きたい。そしてフェーズ3においては、安定的な成長をしていけるようなステージにしていきたいと考えており、内部成長、外部成長を含めてしっかりとした成長が出来るそんな3ヶ年であり、しっかりとした足場作り、土台作りをして、この先の成長のためにこの6期、3ヶ年を運用していきたいと思っております。先ずは、業務改善をしている中で、新しいガバナンス態勢をしっかりと実行していく、それから新しい運用体制をしっかりと皆さん周知頂いて、それを示していく、そしてそれをしっかりと維持し、又は、改善していくというようなことで、態勢強化を図っていきたいというように思っております。又、外部成長については、今までスポンサーからの物件しか取得出来ていなかった、これが、色んな問題を起こした原因の一つであります。運用会社独自としての物件情報ルートを開拓していきたい、そのための新しい体制作りも考えております。そういった中で、スポンサーからのサポート、それから外部からの物件取得、こうしたもののしっかりとしたパイプラインを作っていくということを実現していきたいと思っております。又、現在の投資方針についても見直しが出来ないものかと思っております。生活密着、暮らし密着という、このコンセプトについてはしっかりと生かしつつ、果たして暮らしに密着しているアセットは何なのか、我々のリートが果たすべき課題も含めて、何をやっていったらここにあるような社会課題を解決していく、こういった運用もリートの中で出来るというそんなアセットタイプにできないかということで、投資方針を作っていきたい、新しい投資法人を考えていきたいというように思っています。そういったものを新しく検討、組み込みすることで、リートとしての社会的に意義あるリートの存在になっていければというように思っているところです。又、内部成長については、ポートフォリオの見直しも行いたいと思っておりますし、案件によっては入替もやっていく必要があるのかと思っております。やはり、一つ、一つの物件の収益性を上げていくという、本来アセットマネージャとしてやるべきことをやっていきたい。なかなか物件に対する対応が出来ていなかったのが、今までの現状なのかなというようにも思いますので、本来やるべき仕事をしっかりとやっていきたいと思っており、それにより、NOI向上、トップラインの上昇というようなものを作っていけるのではないかと思っております。又、我々の施設を使って頂いているテナントの皆様、来場頂いているお客様、こういった方々が、我々の施設に対して。どういう思い、どのようなことを感じておられるのかということで、顧客満足度の調査もやってみたいと思っております。そういったご指摘頂くこと、満足頂いていること等色々あると思いますが、そういったことをしっかり受け止めて、それを運用に生かしていきたいと思っているところです。又、財務戦略は、物件を取得していくには、非常に重要な戦略になりますので、足元、しっかりと信頼を回復していくというところをレンダーの皆様にも説明し、今後金利の固定化、フォーメーション拡充、そしてタイミングを見てしっかりとPOが出来るような、そんなこともやりたいと思っていますし、それから投資法人債等も、格付け等しっかりと維持・向上させながら、発行できるタイミングを考えていきたいというように思っています。そういった中で、現状700億円弱のアセット、AUMではありますが、これを長期的には1,000億円、更には1,500億円というような形で、外部成長をしっかりと果たしていければと思っており、それが投資主の皆様にしっかりとした配当を含めて返していける大きな手段なのかなと思っているところです。
19頁になりますが、先ほど外部からの物件取得についてもしっかりやりたいということで、新しく投資営業部を新設したいと思って、今現在準備をしているところです。情報収集、我々の目線でのしっかりとした不動産価値を弾いていく、そういった中で新しい物件をしっかりと取得していくというような体制を作りたいと思っております。頁の下に変更後の組織体制として投資営業部、リート営業部、財務管理部ということで、エスコンジャパンリートに特化した形の運用体制を構築したいと思っています。体制については、現時点では、役職員、非常勤含めて27名ですが、この1年で常勤を14名から18名に増やしました。又、私を含む主要な意思決定のポストにいるものは、殆どが親会社からの転籍し、エスコンアセットマネジメントの社員として働いております。又、不動産ファンドを経験している者を、行政処分前の5名から、今は、入替をしながら9名にし、体制強化を図っている状況です。しっかりとした組織運営をしつつ、しっかりとした運用に資するような体制作りをしたいというように思っております。
最後になりますが、ESGの取組みについて、簡単にお話ししたいと思います。
21頁、我々リートとしての重要課題を特定しております。これは、継続的にESGに対して取り組んでいるというとこですが、我々リートを保有する施設に環境面、社会に対してはしっかりとした取組みをやっていくと、これについては継続していきたいと思っています。一方で、今後、新しい不動産を入れていく中において、社会課題を解決するようなアセット、そのような資産の組入れを検討してみたいと。社会の課題を解決するようなアセットとは何なんだということになりますが、これについてはもう少し時間を頂いて、しっかりとした議論の中で、先ほどの投資方針の変更の中にもありますが、組み込みアセットについて検討していきたいと思っています。
22頁は、環境面に対して今までやってきていることです。LED化であったり、外部認証であったり、そうしたことをやってきておりますが、我々が今保有しているアセット、その一つ一つを見た時に、こういった環境面にプラスになるような取組みが出来るアセットはないのかというところを見ながら対応策を考えていきたいというように思っています。
23頁は、社会活動における取組みです。暮らし密着型商業施設ですので、人が集まる場所で各種イベントを開催し、社会貢献活動を行ってまいりました。これについては引き続き、地域の方々とも協働しながら活動していければと思っています。商業施設、又は、地域暮らし密着型というアセットは、地域コミュニティにおいて非常に重要な役割を担っていると思いますし、万が一の自然災害時のインフラになり得る施設ではないかと思っておりますので、先ほど言いましたように、新しい案件の取組みの中にも、こうした社会の、社会課題に対して対応できる社会的に意義のある不動産、そういったものにもチャレンジしていければと思っているところです。
24頁のガバナンスに関しては、先ほどありましたように、態勢の強化を図って、ガバナンスについてもしっかりとした対応が出来るように、組織運営をしていきたいと思っております。
以上簡単ですが、第12期の決算、今後の取組みについて説明させて頂きました。今後も、業務改善を継続して、投資主の皆様、このリートに関わっている皆様からの信頼を、しっかり回復するように努め、努力してまいりたいと思っております。ロードマップに示したようなことをしっかりと行動し、実現していくことが重要だと思っており、それを達成するために役職員全員で取り組んでいきたいと思っております。是非皆様からの引き続きのご支援を頂けることをお願いして、私からの説明にさせて頂きます。
有難うございました。