iシェアーズ 米ドル建て新興国債券 ETF(為替ヘッジあり)(2622)
J-REITのことばかり書いている当サイトですが名前Yield For Nextの通り、本来はYield(=利回り、インカム)の高い商品を進めていく投資教育サイトです。
あまりにも金利が低すぎて、そしてあまりに出口(各国中銀の金融緩和の縮小開始)が近すぎたのでJ-REITのことばかりになりました。
しかし。ウクライナ情勢の悪化により、債券ファンドの利回りが高くなってきました。
その一つが東証上場のETF、iシェアーズ 米ドル建て新興国債券 ETF(為替ヘッジあり)(2622)です。
新興国債券と言えば高利回りが魅力である一方、通貨価値が下落しがちなため長期で保有してもあまり儲からないことが多いです。為替変動をうまく味方にできればリターンは出るのですが安定インカムにはほど遠い。
新興国債券の高い利回りを安定通貨でもらいたいという投資家ニーズ、ドルを安く調達したい新興国のニーズ、その両者の意向が噛み合ったのがドル建て新興国債券です。新興国債券と言っても国債なので安心感は高いです。
代表的なファンドでETFでもあるiシェアーズ J.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券 ETF(HP)はウクライナ情勢悪化から価格は急落し、過去12カ月の平均利回りは4.49%です。昨年9月まで112ドル台、そこから利上げ懸念から年末に108ドル、1月末に103ドル、ウクライナの問題で94ドルまで下落しました。どの商品もそれなりに下落してますが、
このETFだけコロナショックを4/5ほど再現しておりぶっちぎりの下落です。
このETFは新興国債券インデックスなので昨年10月末時点ではロシア3.8%、ウクライナ2.3%含まれてますが1月末から10%下落しているのを見るとほぼ織り込み済み。
下の保有ポートフォリオ見ても額面1桁になってるのでここからロシア債券が売買されなくても影響は限定的でしょう。ロシア債券ファンドの中には基準価額ゼロ円になったものもあるようですがこちらは大丈夫。
そしてこのETFに為替ヘッジ付けた(ドル円の変動で資産価値が動かない)商品が東証に上場しているiシェアーズ 米ドル建て新興国債券 ETF(為替ヘッジあり)(2622)です。為替ヘッジを付けているためヘッジコストが生じますが、それでも利回りが3.4%です。株に比べると値動きは物足りませんが、貯金の1/10をこちらに回すだけでも寝かせてる資金の利率は0.34%になります。欧米の利上げに弱そうに見えますが、2018年の利上げ局面では利上げの完了が見え始めたあたりから強烈に上昇した事例もあります。このタイミング、悪くないのではないでしょうか。